『ジンカクコウセイシ』第四話。

「うぅ…ん」

俺は気が付くと、自分の潜在意識の中にいた。

「よぉ…」

江西がニヤリと笑いながら近づいてくる。

「江西!テメー!」

俺は江西に食って掛かった。

「おっと、ここはお前の潜在意識、俺を殴ればダメージはお前に…だろ?」

「くそっ!どうやって俺の潜在意識に入り込んだ!?」

「何、アイツと同じようにやっただけさ」

「くそっ!」

「それとな、お前は一つ勘違い…というか俺のウソに引っかかってるんだよ」

「何だと…?」

「実は俺が“木崎”であいつが“江西”なんだよ」

そんなバカな。

俺は絶句した。

「今頃、あいつきっと大暴れしてるぜぇ?何せ完全なる悪だからな…俺なんて小悪党みたいなもんだ」

「…じゃあ今までお前は芝居をしていたというのか?」

「あぁ、そうさ。俺が木崎を演じ、木崎が江西を演じてたのさ」

「だが小学生の頃のお前はおとなしくて目立たない存在だったはず!」

「あぁ~、大変だったぜ、いい子ちゃんでいるのはな。でももういいんだよ」

「何故だ?」

「ワタルぅ、お前新聞とか読まないの?俺のこと知らないの?」

「何のことだ…?」

「あ、もしかして教師からも何も聞いてない?クックック、そりゃ人が悪い…」

木崎、いや、江西が不敵に笑う。

「俺ってさぁ、人殺っちゃてるんだよねぇ、しかも親だぜ?保険金欲しくてよぉ、でも俺が殺したってバレたから保険金は降りなかったけどな。もうちょっと考えて殺ればよかったぜ」

「…殺したのはどっちだ?木崎か?江西か?」

「計画したのは木崎、つまり俺。行動したのは江西、つまり主人格」

「なぜ主人格の名前が違うんだ?あいつの名前は木崎真也だろ?」

「話せば長くなるけどな、俺がアイツに飲み込まれたんだよ、あ、超みじけー。けけけ」

「くそっ、じゃああのおとなしいのが江西か!早く戻らなきゃ!」

「まー、戻ってもいいけど殺されるぜ?きっと」

「俺は殺されない。そして誰も殺させはしない!」

「けけけ、まぁガンバレや」

そう言うと木崎が消えた。

その瞬間俺は目を覚ました。

夕暮れ時の教室で俺は一人で倒れていた。

「木崎のヤロー…俺は絶対殺されないからな…」

そうして俺は江西を探す為教室を出た。

 

***

 

今日のあとがき。

な、何と言うだーいどーんでーんがえしー!

実は江西が木崎で木崎が江西だった!

もう頭の中ごっちゃだぜ!

そして、遂に次回最終回!

ワタルは木崎を止めることが出来るのか!?

次回、乞うご期待!

…っつっても自分でもどうなるか分かんないけどね。

とにかく次回で終わらせようかと…。

あんまり長いと飽きちゃうしね。

 

今日の一言。

若干のペットロスを引きずりながら更新!

何時まで落ち込んでんだよ、と思った。

さて、ペットロスを引きずってると書いておきながら、実は『鋼の錬金術師のゲームやってました。

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST -暁の王子-  

↑これね。

コレ実は前後編で次は黄昏の少女とかいうやつなんだって。

鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST -黄昏の少女- 特典 原画集付き  

まんまとスクエニの罠に引っかかりました。

あー、あとねハガレン繋がりでシドのhikari買っちまった…。

嘘とドラマはもちろんサーカスが良かった。

hikari  

さて、今日もハルシオンでBad trip diveするかな。

最近騒がれてるねー、ハルシオン。

これでハルシオン処方されなくなったら怨むぞあの女。

まぁ、どっちかってーとロヒの方が無くなると困るけどね。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ジンカクコウセイシ』第三話。

さて、上手く主人格である木崎真也を引き出したが、ここからが厄介だ。

まず、木崎の人格を一人ずつ消していかなければならない。

そもそも木崎は自分が多重人格である事に気付いていなければならない。

俺が今までやってきたカウンセリングで大体の事情は飲み込めたらしいが、自分ではどうしたらいいのか分からないらしい。

そこで、俺は心転心を使って一人ずつ潰してきた。

まず、金の亡者『雅人』を潰したときの話をしよう。

雅人は俺が始めて心転心した時に100万円を請求してきた。

100万円を渡せば考えてもいいとの事だった。

しかし、俺にはそんな財産は無い。

親もそんな金持ってないし、借りるにしたって俺は未成年だ。

そこで、分割払いという事で今まで貯めてきたお年玉の10万を渡した。

すると、雅人は「あと90万必ず払えよ」と言って消えた。

もちろん主人格に戻った木崎は自分がどうして10万円も持ってるのか分からないようで、焦っていた。

雅人との約束の事を説明すると、木崎は快く返してくれた。

っていうか当たり前だ。

何で中学生から10万もたかるんだ。

そして、次に潰した人格はまさに聖人とも言うべき『要』だった。

要は「この世は汚れている私が何とかしなければ!」と言って延々と聖人ぶりを見せ付けた挙句に簡単に消えた。

消えた理由は「お前が消えてくれたら俺の荷が降りてさぞ平和になるだろうよ」と言っただけだ。

そう言ったら「おぉ!ならばあなたの為に私はこの身を捨てましょう!」と言った。

…何と言うか、バカっぽかった。

後は泣き虫の『絵里』と少年の『真二』と悪の塊『江西』だけだ。

 

***

 

俺は「よし、んじゃ今回は誰を潰そうかね?」と言った。

すると木崎は「…出来ればその凶暴なボクを消してもらいたいんだけど…」と言った。

「それはダメだ」

「な、何で?だってあいつがいると皆が危険にさらされるじゃないか!」

「あいつは別格だ、つまりラスボス。だってあいつだけ木崎じゃなくて『江西』という苗字を持ってるだろ?」

「…それがどうして最後にしなきゃいけないの?」

「俺が思うにあいつは一番お前に近い。人格を操ってるのもあいつみたいだったしな」

「それなら一番最初に消さなきゃダメじゃないか!」

「…まぁ、俺もそう考えたんだがあいつの弱点がまだ分からない。純粋な悪をどうやって消せばいい?そもそも人は少なからず悪の部分はあるがあいつはその比じゃない。あいつはまだ消せない。あいつを消せばお前の人格は壊滅するかもしれない。だから悪の部分を少し残して半分、いや十分の一くらいにしなければならない。その為にはもう少し時間がかかる」

俺は長々と話して木崎に説明した。

「じゃ、じゃあボクが説得するよ!」と木崎が言った。

「どうやって?九割消えて下さいってお願いするのか?」

俺は少し意地悪な顔をして言った。

すると、木崎の表情が変わった。

「オイ、テメー等俺を何だと思ってるんだ、俺は今まで真也を護ってきたんだぞ…、それを簡単に消す消さねぇだの勝手な事言ってんじゃねぇ!」

木崎が江西の人格になった。

「あー、今日は20分か、結構持ったな。そんじゃな、江西。俺部活行くわ」

「ちょっと待てよ…」

江西が俺の襟首を掴み上げる。

「江西、俺はいつでもお前の潜在意識に入り込めるんだ。殴ったっていいんだぜ?その代わり俺が中に入ってやるけどな」

そういうと江西は舌打ちをして襟首を離した。

「さーてと、明日は泣き虫の絵里を潰そうかなぁ~っと」

そう言いながら江西の背を向けた。

その瞬間、ガツンという音と共に俺の意識は遠のいて行った。

俺は殴られた。

鉄で出来た椅子で殴られたのだ。

この時、俺は江西に取り付かれた…。

 

***

 

今日のあとがき。

うわ、どうしよ、また何かややこしい話書いてる。

江西は一体どうするつもりなんでしょう?

っていうか江西って憑依型?

人格じゃないって事?

それは次回のお楽しみ。

 

今日の一言。

少年ジャンプについて。

最近のワンピースが面白すぎる。

面白すぎてナルトが霞む。

あとべるぜバブが地味に面白い。

なんつーかギャグなんだけど、これからどうなんの?

って感じで結構好き。

あとスケットダンスね。

折り紙の話(先週)とか超ウケた。

今週のジェイソン先生も面白かったけど。

ブリーチは話のテンポが悪くてイライラする。

大ゴマが多いんだよ大ゴマが。

銀魂はいい話で終わらせようとしてるけどオチは小便かい!

まぁ、中々面白かったからいいけど。

っと、こんな事グダグダ書いてるなら早く小説の続きを書かなければ。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ジンカクコウセイシ』第二話。

取り合えず俺が言いたいのは、この問題児をどうやって更正させるかという事だ。

話をしている最中でもコロコロと人格が入れ替わるので、まともな話が出来ない。

まぁ、そこで俺の能力が必要となるわけだが…。

どうやら今は、泣き虫の女性の人格で『絵里』という人物だ。

とにかく俺は主人格の木崎と話たいのだが、まだ放課後が始まったばかりなので、教室には数人残っていた。

「ぐすん、どうして?どうして分かってくれないの?」

絵里が涙ながらに訴える。

「あのなぁ、絵里、まず分かろうってのが無理なんだよ。普通の人間は人格は一つなんだ」

そう言ってみたが、人間には裏表がある。

つまり、皆が皆多重人格であることには変わりないのだが、ここまで露骨に人格があると、まさか芝居してるんじゃないかとも思う。

そうこうしているうちに、教室から誰もいなくなり、俺と木崎だけが残った。

「ねぇ、お菓子持ってる?頂戴」

今度は真二という人格が現れた。

真二は6歳の少年の人格だ。

「今度は真二か、なぁ、木崎…えっと、主人格を出してもらえないか?」

「お菓子くれたら相談してみる」

「チッ!ホラよ、チョコレートだ」

俺はいつでも真二に対するためにお菓子を持ち歩いていた。

真二は俺からチョコレートを奪うように食べ始めた。

しばらくチョコレートを食べたのち、ようやく主人格と相談してくれるという事になった。

真二は気を失ったかのように、かくんと頭を垂れた。

しばらくすると、木崎が顔を上げた。

「よぉ…、渉。真也は出たくねぇってさ」

出てきたのは木崎の防衛本能が作り出した何といっていいか純粋な『悪』の部分が肥大して出来上がった人格だ。

こいつは江西と行って何でも暴力で物事を片付ける癖がある。

この間保健室にいたのがコイツだ。

「はっきり言って真也はお前に用はねぇってよ」

「そうか、なら仕方ない…。いつもの『アレ』やるからな」

「ばっ!ばかやめろ!それだけはダメだ!」

江西は机から飛びのき、教室を脱出しようとした。

が、俺の能力の方が一足早かった。

「心転心!」

俺は木崎の体の脳の部分を乗っ取った。

 

***

 

木崎の脳内は薄暗く、一般人のそれとは違っていた。

「おーい、真也ー、居るかー?」

脳内をずんずんと進んでいくと、人が密集しているのが見えた。

「テメー!人の脳内に入ってくんなよ!」

江西が叫ぶ。

「おー居るじゃん真也」

それを無視して話を進める。

「ま、またキミかよぉ…、もうボクの事は放って置いてよ」

「そーはいかねぇンだなこれが」

何たって木崎を元に戻さなければ部活が出来ないのだ。

「とにかく出て来い真也、話はそれからだ」

「い、嫌だ!どうしてボクなんかに構うのさ!」

「だーかーらー!部活が出来ないんだってば!」

「ボクのことなんて放っておいて部活に行けばいいじゃないか!」

「ん、それもそうだな。だがあまい!俺はもう後戻りは出来ないのだ!」

「ど、どうして?」

「ど、どうしてもだ」

実はこの役目を引き受けたのには下心丸出しだったのだ。

校長が木崎を元に戻してくれたら進学校の推薦文を書いてくれるというのだ。

俺はバスケの名門、竜神高校に入りたいのだが、偏差値が追いついてなかった。

「ゴホン!とにかく!出てきてもらうぞ!ホレ、来い!」

「そ、そんなぁ!ちょっと引っ張んないでよ!」

そこに江西が立ちふさがった。

「オイコラテメー、勝手に真也連れてくんじゃねーよ」

「言っておくけど俺に暴力を振るえばここにいる皆が攻撃を受けることになるぞ、何せここはお前たちの頭の中だからな」

「チッ、食えねぇヤツだぜ…」

「ほれ、真也、行くぞ」

「ちょ、ちょっと引っ張らないでよぉ!」

「解除!」

俺は心転心を解除した。

「まぁ、こっち来て座れ」

「う、うん…」

こうしてようやく主人格との対話が出来るようになる。

「よし、それじゃあ話し聞いてくれるか?」

「う、うん…」

 

***

 

今日のあとがき。

疲れた…。

今回は結構長いね。

ちなみに主人公の名前は渉(ワタル)です。

なぜワタルなのかというと脳内を渡り歩くからです。

しょーもな。

はっ!

今思い出した!

確かNARUTOのいのの必殺技って心転心って名前じゃなかったっけ!?

うむ、まぁいいか。

ちなみに「しんてんしん」と読みます。

よし、明日からはもっと早いペースで書こう。

 

今日の一言。

昨日モンハントライでムカつくやついたわ。

チャットしたいからチャット部屋入ったのに

「何?俺がHR30だから入って来たの?」

とか抜かしやがって!

しかもそいつ「腕試しにクルペッコ一人で倒して、実力みたいから」

とかぬかしやがった。

クソニートが!

調子乗ってんじゃねぇぞハゲコラ!

でもコタローさんは紳士なのでそんなヤツ相手にしない。

っていうかモンハンやってるヤツってクソばっかだな。

中高生にニートしかやってねぇんじゃねぇの?

あーあ、もうモンハンやめようかな。

ゲームって楽しむものでしょ?

みんなでやるから面白いんでしょ?

ソロと変わらない状況で戦ってたよ、昨日。

あー、文句散々言ったらなんかスッキリした。

90日券買ったけどもういいや。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ジンカクコウセイシ』第一話。

目の前にいるやつがこう言う。

「何でもいいから戦争やろうぜ、戦争。人とか建物とか全部ぶっ壊してよぉ!けけけ」

以前こんな事を言ったやつがいる。

「世の中もっと平和じゃないといけない」と。

こう言ったやつもいる。

「やっぱ世の中金でしょ、金」

その時は「この世は愛ですよ」と言うやつもいた。

「戦争?平和?それって食べれるの?」

とか言うやつもいたっけなぁ…。

この数々の言葉を発した口は一つだ。

今俺の目の前にいるやつが発した言葉だ。

つまりごく至極簡単なことだがヤツは多重人格者である。

いつもいつも放課後になるとヤツの戯言に付き合っている。

何故、俺がそんなに損な(別にダジャレではない)役回りをしているかというと、こういった諸々の事情があった。

ある日、俺は保健室に呼び出された。

俺は何だろう?と思いつつ、保健室の前まで来て保健室のドアを軽く2回ほどノックした。

すると、中から「どうぞ」と声がした。

少しばかり緊張なんかしてたと思う。

何故呼ばれたのか意味が分からなかったし、呼び出される事なんてしてない。

そもそも呼び出しをくらうなら職員室だろう。

そうあるべきだ。

だが呼び出されたのは保健室。

「失礼します」

と、おずおずと中に入っていくと、やけにニコニコした顔の保険医がいた。

この保険医はまるまるとした体系の、物腰の柔らかい印象を受けた。

そうして、この保険医は「まぁまぁ、良く来ましたね。お茶でもどう?」と、言ってきた。

俺は、「おかまいなく」と、言いながら随分と使い込まれたのであろうビニール張りのソファに腰掛けた。

「で、話って何ですか?」

俺はすぐに用事を済ませて帰りたかったのだが、保険医は空気を読めないのか世間話を始めた。

いや、この時は世間話だと思っていたのだが、どうやら違ったらしい。

「キミはこの保健室の雰囲気どうだとおもう?私的にはもうちょっと飾り気があった方が良いと思うんだけど」

俺はテキトーに相槌を打ちながらそんな他愛の無い会話をやりとりしていた。

そうして、本題に移るにつれ、どんどん会話が怪しくなってきた。

「キミは将来…えぇと、夢ってある?」

「夢ですか?今どきの中学生なんて夢なんて持ってるヤツの方が希ですよ」

そう言うと、保険医は「あらそう」とだけ答えた。

「それじゃあこんな仕事があるんだけれどどうかしら?」

一枚の再生紙で出来たプリント用紙を俺の前に差し出した。

そこには“人格更正士”と書かれていた。

「人格更正士?」

俺の頭の上にハテナマークが3つくらい出た。

「えぇ、あなた。不思議な力があるでしょう?」

俺は血の気が引いた。

俺は精一杯の言い訳で「そんなものあったらいいですね~」とだけ答えた。

そう、俺には特殊な能力があった。

それはなんとも不可解で常人には理解しがたい能力だったので、普通であることが最善であると考えてる俺にとって厄介なものでしかなかった。

普通じゃない。

それは思春期まっさかりの俺にとっては出る杭でしかないのだ。

出る杭は打たれる。

これはどこだってそうだ。

何としてもこの能力だけは使いたくなかった。

しかし、保険医は「隠さなくたっていいわよ、これがキミに与えられた役目なんだから」と言った。

そんな役目こっちから願い下げだ。

「すいません、俺これから部活なんで」

すると、保険医は「あー、顧問の先生に今日は休むって言っておいたから」

俺はこのクソ保険医が、余計な事しやがって。と思った。

「とにかく、俺はバスケが好きなんです。そうですね、夢があるとすればNBAでプロになることかな。だからそんな怪しげな将来は願い下げです」

すると保険医が「まぁまぁ、とにかくこの子を診てちょうだい」と言う。

そして保険医は一つだけシャッターのかかってるベッドを開けた。

するとそこには男子生徒がガムテープでグルグル巻きにされて横たわっていた。

俺は「な、何してんすか…?」と、尋ねるだけが精一杯だった。

だってそうだろう?

普通保険室というのは具合が悪いから来るところであってこんな滑稽な場面は見たことが無い。

その生徒は口にもガムテープを貼られていて「ん”~ん”~」と唸り始めた。

そうして保険医は肩をすくめて事情を話し始めた。

「この子、今日教室の窓に椅子を投げつけて窓割っちゃったのよ、それで取り押さえて取り合えず誰もいない保健室でかくまったんだけど、どうにも暴れて先生3人がかりでようやくこう出来たのよ」

その時、口に貼られていたガムテープが取れた。

「テメー!クソババァ!ぶっ殺すぞ!」

と、罵声を浴びせ始めた。

その罵声のまぁ凄いこと。

とても思い出したくも無い言葉だったので、正直驚いた。

さらに驚いたのが、これまた小学校の同級生だった。

顔は見たことあるけど名前は知らない。

しかし、こんな事をするような人物ではなかった気がする。

どっちかというとおとなしめで、あまり目立った少年ではなかったと思うが。

保険医はまるで相手にしないような感じで、俺に話しかけてきた。

「どう?普通じゃないでしょ?そこであなたに頼みたいんだけど…」

「お断りします」

すると保険医は目をぱちくりさせ、驚いたような表情をした。

「俺はいたって普通の中学2年生です、特殊な能力も持ってません」

「あら、意外と頑固ね」

すると、ガムテープグルグル巻きの生徒がわめき散らす。

「テメー!覚えてろよ!絶対復讐させてもらうからな!」

それが、俺と木崎との出会いだった。

 

***

今日のあとがき。

はい!新シリーズ『人格更正士』

この物語はですね、人格更正するお話です。

ってまんまやん!

そして、主人公の特殊能力とは一体!?

今回は書ききれればいいなぁと思ってます。

あんまり長いと飽きちゃうんで。

あれ?

前書いてた小説は?

打ち切りです!

もう題名すら思い出せません。

それでは次回もお楽しみに☆

 

今日の戯言。

生きてました!

いやぁ、図書館行ってTHE MANZAI3~5巻読みました。

これは…ボーイズラブか…?

まぁいい。

それより西尾維新のニンギョウガニンギョウを読んだんですけど、意味が全く分からなかった。

化物語書いてる人だから面白いだろうと思って借りたはいいけど…。

独特の雰囲気ですねとしかいいようがない。

まぁ、コタローさんの脳みそじゃあの文学は理解できません。

理解できたという人はご一報を。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『げいじゅつ日本晴れ!』第五話。

「ところでこのスローガンの意味ってなんなの?」

「うんとねー、それはぼくが書いたんだー!」

「どういう意味?」

「うんとねー!ぼく書道習ってるから書いてみたんだー!」

「それだけ…?」

「うぅん、晴っていう言葉を使って自己アピールしてみたんだー!」

じゃあこれスローガンじゃなくてただの自己アピールだったんだ…。

ガラガラッ

「すいません」

「あっ、はい!?」

うわっ、すっごいかっこいい人…。

誰かしら?

「あの、加藤といいますが、晴彦います?」

「あ、はるひこ君のお兄さんですか?」

「えぇ、まぁ」

「何かご用ですか?」

「えぇ、晴彦が忘れ物しまして」

「あ、お預かりします」

「あ、そうですか。じゃあこれ…」

何故マイナスドライバー!?

「それじゃ、晴彦をお願いします」

「わ、わざわざすみません…」

これ、一体何に使うのかしら…?

「は、はるひこ君、これ…」

「あっ!忘れてた!今日はマイナスドライバーの日だった!」

それ一体何の日!?

「な、何かに使うのかな?」

「うぅん!今日のラッキー工具だよー!」

何占い!?

「それにしてもはるひこ君のお兄さんってかっこいいのね?もしかしてはるひこ君も大きくなったらイケメンになるのかな?」

「今でもイケてんじゃーん!」

「ま、まぁね…」

うぅむ、それにしてもあのお兄さんにこの弟…。

ホントに兄弟かしら…?

お兄さんはクールって感じだけど、この子はどっちかっていうと明るい子よね…。

あ、でもアダルトゲームを堂々と幼稚園児に貸すからクールでもないか…。

「そ、それでは授業を始めます」

 

***

 

「はい、今日はここまで、それじゃみんな帰り支度してー」

「はーい!」

ふぅ、やっと授業が終わったわ…。

何だかやたらと長く感じたわね。

「用意が出来たらみんなバスに乗ってね」

「はーい!」

 

***

 

「う~ん、困った…」

「あ、運転手さん。どうしたんですか?」

「うん、この部品が取れちゃったんだけどドライバーが無くてね」

ん?

ドライバー?

「あの…、もしかしてマイナスドライバーですか?」

「うん、そうだけど?」

「それならぼく持ってるよー!」

ホントに占い当たったよ…。

「おぉ、ちょっと貸してくれないか?」

「うんー!」

「…よし、治った。それじゃみんな乗り込んで」

「はーい!」

ふぅ、後はみんなを送るだけだからもう心配ないわね。

「あー!」

「ど、どうしたの!?はるひこ君!」

「トイレにパンツ忘れた!どうりでスースーすると思った!」

「あ、明日持って帰りなさい…」

ふぅ…、帰りも結局疲れるのね…。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

あー、もう開き直り。

クソつまんなくてもいいや、と。

 

今日の一言。

来週のタイタニアも二話連続放送ですよ。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シープ・ザ・チープ』第十五話。

「スラムで聞き込みをするんだ」

リクの提案に皆あっけにとられていた。

「あのなぁ、スラムって言ったってそんな情報持ってるヤツがいるのか?」

「大丈夫だよ、ベルゼ。スラムには情報屋がいる。そいつを探し出して情報を得るんだ」

「それじゃあ、その情報屋とやらを探すのに時間がかかるな…」

「ベルゼ、何の為の俺の能力だよ」

「そうか!リクのマップを使えば!」

「そう、短時間で見つけられるよ」

「よし!そんじゃ、飯食ったら早速行ってみようぜ!」

「へい、お待ち!」

定食屋の主人が料理を運んできた。

「あんたらどうやら何か探してるようだな…」

「あぁ、スゴロクの情報を集めてるんだ」

「ほぉ、あんた達もスゴロクを狙って来たんだな。それならいい話がある」

「なんだ?」

「ここから2キロ離れてるギルドに情報を持ってるヤツがいる」

「ほぅ」

「だが、ヤツは情報料として莫大な金額を要求するから気をつけるこったな」

そこでリクが話に割り込む。

「スラムじゃ情報を得られないのか?」

「あぁ、ありゃダメだ。ガセネタばっかりだ」

「そうか…」

「まぁ、金があるならギルドに行くこったな」

「まぁ、今の所持金だったらなんとかなるだろ」

「それより料理がさめないうちに食べてくれよ」

「おう!頂きまーす!」

 

***

 

「それじゃ、ギルドとやらに行ってみるか!」

「う~ん、何か不安だなぁ…」

リクが呟く。

「何、どうせ情報料っつったってたいした事ねーだろ」

こうしてベルゼ達はギルドに向かうことになる。

 

***

 

今日のあとがき。

今日はちょっとショートストーリーでしたが、これが限界です。

流石にここまでノープランだとこの先不安になる。

果たしてこの先どうなる事やら。

ギルドって一体何?

果たして情報の金額とはいかに!

 

今日の一言。

書くことが無い…。

あ、アバターってやつ表示出来ました。

かなり似てると自負しております。

しかし、フリーコインで顔が三タイプしか選べないのが難点。

まぁ、自分に似てるフェイスがあったからよかったようなものの…。

これ、男が自分の好きな女性のタイプとかにした人は悲惨だろうな。

だってニックネームがそのままだもの。

自分好みの女の子を作りたいなら人工少女でもやってろ。

あ、そういやNHK総合でやってるタイタニアってアニメが面白い。

今日もあるので要チェックや!

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『げいじゅつ日本晴れ!』第四話。

職員室にて。

「はぁ…」

「どうしたのかね?土屋先生」

「あっ、校長先生…、いやぁ、園児の相手も中々難しいなぁと思って」

「はっはっは、そんな事でため息なんてついてたのかい?」

「はい…」

「いいかね?園児というのはとても純粋なんだ。ただ彼等は思った事を良い悪いに関わらず口に出してしまうんだよ」

「はぁ…」

「だからね、いちいち園児の言う事に惑わされてはいけないよ」

でもはるひこ君と話してるとペースが乱されるというか…。

「よし!次の授業は私が見本を見せてあげよう」

「えっ、校長先生自ら、星組に来てくれるんですか?」

「あぁ、もちろんだとも。困ったことがあればお互い様だろう?」

「あ、ありがとうございます!」

 

***

 

キーンコーンカーンコーン

ガラガラッ

「あっ、せんせーが来たぞ!」

「ほっほっほ、みんな、おはよう」

「…ちっ、なんだ、ハゲか…」

こっ、校長先生がハゲ扱いっ!

いや、でも校長先生ふさふさじゃ…。

「化けの皮はがせー!」

「わーーーー!!」

ちょっ!みんな何してんの!

「こ、こらっ!みんなやめ…」

キラッ

校長先生ハゲてたーーー!!

ヅ、ヅラだったのー!?

「ちょっと!早く校長先生のヅ…、じゃない。帽子を返してあげなさい!」

「えっ?」

はるひこ君被ってるしー!

「ほっほっほ、みんなおはよう!」

「こ、校長先生のモノマネとかいいから早く!」

ふぁさ

「だ、大丈夫ですか?校長先生…」

「…うん…」

超テンション下がっとるー!

「…それじゃ、この時間はみんなに特別授業をしようと思う」

一体何をするのかしら…。

「それじゃあみんなに絶対音感があるかどうかテストしよう」

ドンッ!

「ドレっ!」

「す、すごいわはるひこ君!机を叩いただけでわかるの!?」

「うぅん、勘だよー!」

勘かよ…。

「あ、当たりだ…」

えぇー!

「ほるひこ君、それじゃあこれはどうかな?」

コンッ

「ミソっ!」

「あ、当たりだ…」

「すごーい!はるひこ君本当に絶対音感あるんじゃない!?」

「うぅん!力みすぎてしりからミソが出ちゃったんだー!」

「早く洗ってきなさい!」

っていうか校長先生も絶対音感持ってるんだ…。

「えぇと…、音田先生の話によるとこの机がドレでこの黒板がミソで…」

うけうりかよ!

「とにかく凄いぞ、はるひこ君!」

「え?なにが?」

↑トイレから戻ってきた。

いや、はるひこ君は絶対に絶対音感じゃない…。

キーンコーンカーンコーン

「おっと、もうこんな時間か。それじゃあみんな授業がんばるのだぞ!」

 

***

 

「あ、ありがとうございました」

「ほっほっほ、人というのはこっちから心を開いてやらねば相手も心を開いてくれん。心がずれてしまった人間にもちゃんと心を開いてやれば自ずと相手も心を開いてくれるものだよ」

「こ、校長先生…」

…ずっと黙ってるけど校長…ヅラ、ずれてます…。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

うー…。

どんどん面白くなくなってきてる…。

何が面白いのかだんだん分からなくなってきた。

二話を見直してみたけど何が面白いのか全然理解できん。

どうしよどうしよ…。

 

今日の一言。

アバターっての作ってみたけどこれどうなってんの?

表示されてんの?

確認してないからわかんなーい。(しろよ)

でもこれ金使ってまで遊ぶ機能じゃねーな。

これに金つぎ込むヤツの気がしれん。

あ、それと更新について。

8月1日から多分3ヶ月くらい更新がまちまちになると思いますが、それはモンハントライのせいじゃございません。(ウソつけ)

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シーフ・ザ・チープ』第十四話。

船に揺られる事12時間。

ようやくシャンドラへ到着した。

「かぁ~!やっぱシャバの空気はサイコーだぜ!何せ貨物室にこもりっきりだったしな」

「それより腹減ったんだけど、飯にしようぜ」

カイルが提案する。

「おー、そうだな。んじゃ、飯屋探すか!」

そして歩く事数十分。

小汚い定食屋を見つけた。

「もうここでいいだろ?」

「あぁ…、もう限界…」

メリーがお腹を押さえながら呟く。

ガラガラッ

「らっしゃい!」

「あ~、何にしようかな?」

ベルゼがメニュー表を見ながら考え込んでいた。

「アタシ、オムライス」

メリーはさっさとメニューを決めた。

「私はねー、パフェ!」

「アンタねぇ…、太るわよ?」

「大丈夫、ちゃんとダイエットするもん!」

「俺は牡蠣フライ定食」

カイルも決めたようだった。

「よし!俺も決めた!ステーキ重!」

ベルゼも決めたようだ。

ロイは…。

「俺は日替わりAランチ」

「リクは?」

「う~ん、じゃあエビフライ定食」

「シドは?」

「あはは…、俺安いのでいいよ、カレー」

「おいおい、そんなんでいいのかぁ?」

「うん、俺あんまり贅沢とかした事無いから急に美味しいもの食べたらお腹下しちゃうよ」

「ふ~ん」

そこでリクが話しを持ちかけた。

「料理が運ばれてくる間に作戦会議をしよう」

「おう、例えばどんな?」

「これから聞き込み調査が必要だろ?主にどの辺りで情報収集出来るか考えた方が良いと思うんだ」

「なるほどなァ~」

「そこで俺にいい考えがある」

「おぉ、言ってみろ」

「それはね…」

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

なんだかシャンドラって日本っぽいな。

定食屋って…。

レストランじゃねーのかよ。

まぁ、この世界の日本みたいなもんです。

そういうことで…。

そんな事よりもうネタ切れだ。

シープもげい日もね。

と、言う訳で明日は休載するかもしれません。

 

今日の一言。

そういや今週の仮面ライダーDCDが遂にブラックRXの世界に!

いやぁ~、リアルタイムで見ていた自分としては(年ばれるぞオイ)超テンション上がりました。

そういや、RXって変身出来るんだったね。

さらに倉田てつをさんご本人出演でテンションMAX!

朝8時にも関わらず、「うおっ!」とか「うぉい!」とか叫んでました。

さらに来週にはブラックの世界に…。

あぁ~、シャドームーンでねーかなぁー。

あ、そうそう。

幽遊白書全巻読みました。

蛍子の幽助をフッちゃうシーンが何か切なかった…。

蛍子テメー!とか思ったり。

で、幽助の台詞が「お願い、ぼくを捨てないでー」

で、その後に蛍子んち(定食屋)で「結婚しよう」

「フラれた後にプロポーズ?」(やれやれという顔)

蛍子テメー!

でも最終的には結局元の関係に戻るんだよな。

めでたしめでたしって感じで。

結局二人くっつくんだろうなー、とか思いつつ。

19巻で終わりって人気漫画にしては異例の早さでの最終回だよな。

もう、富樫がやりたくなくなったんだろうな。

何か魔界統一トーナメントも中途半端だったし。

ちなみに幽遊白書で一番好きなキャラは若いときの玄海。

あれ絶対戸愚路弟の事好きだったぜ。

おっと、時間がもうねぇぜ。

書きたい事があるのに書ききれない。

そうだ、久しぶりに好きな話でもするか。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『げいじゅつ日本晴れ!』第三話。

「はーい、運命を聞いてもらいましたが、みなさんどうでしたか?」

園児達がざわざわしている。

「せんせー!」

「な、何かしら?はるひこ君…」

「実はねー、運命って言うのは日本オリジナルの名前なんだよー!」

「え、そうなの?先生全然しらなかったわ」

「ふっ…、これだからこれだから大学出たての新米教師は…」

すっげームカつく!

「そ、それじゃあ洋題はなんていうのかしら?」

「…それは自分で調べてよ」

はるひこ君、さては知らないわね…。

「それじゃー、堅苦しいクラシックもみんなには難しかったかもしれないから先生が用意したCDをかけるわね」

「えー、なんだろー!やっぱり童謡かな?」

他の園児達もテンションが上がってきたみたいだ。

ここは一つみんなの為に用意したこの楽曲で!

「それでは皆さん聞いてくださいね」

ピッ

『ヴォォォォォ!デストローイ!』

「………」

「せ、せんせー。何でデスメタルなの…?」

「あ、あら…。気に入らなかったかしら?」

「もっと楽しい曲かけてよー!」

園児達のブーイングの嵐に耐えかねた奈々は、苦し紛れにもう一枚持ってきたCDをかけることにした。

「これは絶対気に入るはずよー!」

ピッ

「焼きつくような心に…、鈴の音を感じてる…」

「…せんせー」

「何かしら?これは一押しよ!」

「何でヴィジュアル系…?」

「せんせー!太陽の碧は名曲だよー!」

「そ、そうよね!はるひこ君!Dir~en~greyの中でも名曲よね!」

「せんせー、完全にせんせーの趣味じゃん!もっと他にあるでしょ!」

「じゃ、じゃあダメもとでこの曲を…」

ピッ

『ある日~パパと~二人で~語りあったさ~』

「わ~!グリーングリーンだー!テンション上がるよー!」

え…、これがいいの…?

先生お気に入りのデスメタルとヴィジュアル系はダメだった…?

「せんせー、ホントに音楽の先生なの~?」

ギクッ。

「そ、それじゃみんなでグリーングリーンを歌いましょう。せ~の!」

『ある朝~に目覚めて~恋をし~た~♪』

「はるひこ君…、それ何の歌…?」

「えー、知らないのー!美少女ゲームのグリーングリーンの主題歌だよー!」

「園児がそんないかがわしいゲームしないの!」

「えー!でも後半につれてドラマチックな展開になって感動するんだよー!」

「大体そんなゲーム誰が買ってくるのよ!」

「うんとねー!おにいちゃん!」

「えっ?晴彦君にお兄さんいるの?」

「うん~、16歳も年離れてるんだー!」

この子の親はどんだけ絶倫だよ…。

「そ、そう。お兄さんは今は何をしてるのかな?」

「うんとねー、この学院の大学部に通ってるよ!すっごく優しいんだー!」

まぁ、年が離れてるだけによけいにね。

「それじゃあ最後にクラシックに戻りましょう。最後はシューベルト。みなさん知ってますね?」

「は~い!」

「それじゃ、シューベルトの『死と乙女』を聞きましょう。

「タイトルがデスメタルやヴィジュアル系っぽいよー!」

他の園児に突っ込まれた。

「こ、これでも立派なクラシックですから!ちゃんと聴いてね!?」

こうして、ようやく一時限目を終了した。

「はぁ…、私やっぱり音楽科向いてないよ…」

果たして奈々は二時限目はちゃんとやれるのか!

 

続く。

 

今日のあとがき。

う~ん、今回はあんまり面白くないなぁ…。

自分で書いててそう思う。

はるひこ君の登場回数が少なかったからかなぁ…。

まぁ、これからはるひこ君のお兄さんも登場します。

ネタバレになるけど、この程度はいいよね。

それに他の園児のことも考えなきゃ。

まぁ、所詮脇役ですから手を抜いて…。

いやいや!

脇役が魅力的な本は面白いからなぁ…。

これから脇役にも力入れて頑張ります!

 

今日の一言。

昨日『幽遊白書』借りに行こうとしたら。

そとはどしゃ降り…。

車で行こうとしたけどしばらく運転してないうえに夜だし雨降ってるから危険だと判断した結果、チャリで今日借りに行こうとしたら…。

今日もどしゃ降りやんけー!

なんだかむしむしするし、梅雨は去ったと言ってるが、まだ去ってねぇよ!

あちぃよ!

じめじめするよ!

体べとべとだよ!

あー、うつに拍車がかかったよまったく…。

こんなときには酒盛りだな!(酒やめたんじゃねーのかよ…)

酒飲むとぶくぶく太るから控えてるんだけどたまには飲みたくなるのさ!

しかも酒代自腹…。

今日はビール飲んでウーロンハイ飲んでハイになるぜ!

その後はもちろんダイエットしますよ、えぇ。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シーフ・ザ・チープ』第十三話。

「だ~か~らぁ~!違うっつってんだろ!こうだよ、こう!」

カイルが大声を張り上げる。

「こ、こう?」

シドが両手にオーラをためる。

「ちがーう!こう!」

「こう?」

「はぁ…、もういいわ、今日はここまで」

カイルは呆れて木陰へと入って行った。

「う~ん、難しいな…、この間は出来たんだけどあれじゃダメなのかな?」

「よ~う!シド!次の目的地が決まった!東の島国、シャンドラだ」

「シャンドラ…どうやって行くの?」

「うんとな、ここから100キロ先の船着場まで向かって密航するだろ…?」

「み、密航!?だ、ダメだよそんなの!ちゃんとお金払って乗ろうよ!」

「バカ、移動費がもったいねぇだろ?いいんだよ、密航で」

「大体密航ってどうやってするのさ!」

「う~ん、貨物船に乗り込んで息を潜めて目的地に着くのを待つ」

ベルゼがきっぱりと言い放った。

「でも、その後はどうするの?スゴロク30億もするって言ってたじゃん」

「はっ!バカだな、俺たちは何だ?」

「え…、盗賊?」

「そう、だから盗むのだ!」

「あのさぁ、ベルゼ…」

カイルが木陰からベルゼに話しかける。

「今、シャンドラ行ってもスゴロクは無いと思うぜ?」

「え?何で?」

「そりゃ、発祥の地はシャンドラだけど世界中の富豪たちが買って海外に持ち出されてると思うぜ?」

「むぅ…、でもなぁ…、手がかりはシャンドラしかない訳だし…」

「ま、シャンドラに行ってみて情報収集くらいは出来るかもな」

「だろ?よし、お前の女呼び出してちゃっちゃと行こうぜ」

「またかよ…」

そうしてカイルの彼女を呼び出した。

「つーことで頼む」

「もう!こんな時にしか呼び出さないんだから!でもそこがクールで素敵…」

「おーい、イチャイチャすんのはいいけど早いとこ頼むぜ?」

「アタシこいつきら~い!」

「うるせー!俺だってお前みたいな乳臭いガキなんて興味ねーんだよ!」

「なっ!言ったわね!」

するとカイルが口を挟む。

「そんなのどうでもいいからよ、早く頼むよ」

「んも~う、カイルがそういうなら仕方ないなぁ~」

「何だコイツ…」

「そんな事よりあたし達のこと置き去りね…」

メリーが呆れて言う。

「メリーさん、ここは大人の魅力であんな小娘ぎゃふんと言わせてやりましょう!」

「何よ、貧乳と乳デカ女」

「こ、この小娘…、人が気にしていることを…」

メリーの額に青筋が浮き出ていた。

「ふふん、巨乳は女の武器よ、まぁあなたみたいな小娘には分からないでしょうけどね~」

「な、なんですって!?」

「メイス…、それはアタシにも喧嘩売ってんの…?」

するとベルゼが口を挟んだ。

「そんな事はいいからよ、テレポート頼めないか?」

カイルがナイスフォローをする。

「いいけど…、もうお父さん勘当するって言ってるわよ…?」

「あー、いいよ別に、俺は俺の道を行くからよ」

「アタシはいつでもカイルの味方だからね!」

「そんじゃ、頼む」

「オッケー。魔方陣を書いてっと…。それじゃ行くわよ!」

………。

「ハイ到着!ビート船場」

「サンキュー、もう帰っていいぞ」

「ひどーい!カイル!」

「あ、後親父に言っといてくれよ、俺は家には帰らない」

「え…、でも」

「いいから、さっさと伝えてきてくれよ」

「う、うん…」

シドがカイルに問う。

「ホントにいいの?」

「あぁ、家に居たってつまんねぇしな。それに何かこっちの方がワクワクすっだろ?」

「う、うん。俺はいつもハラハラするけど…」

するとベルゼが話し出す。

「よし、リク、貨物船の密航ルートを探してくれ」

「オーケー」

そうして7人は船に乗り込んだ…。

 

続く。

***

今日のあとがき。

途中で気付いた。

シャンドラまでテレポートしてもらえばいいじゃん…。

う~ん、テレポートは大陸移動までは出来ないという事で。

しっかし、二つ同時に連載すんの大変だな。

こんな事やってられんズェ。

明日の掲載は作者不調の為、休載いたしますって事になりかねん。

むむ。

早くどちらかを終わらせなければ…。

 

今日の一言。

今、『幽遊白書』を読み返してるんだけど(シーフ・ザ・チープのネタ探しの為)

超面白い。

いや、HUNTER×2も面白いんだけどさ、もうジャンプじゃやんねーのかな?

どっちかっていうとHUNTER×2よりなんだけどコミックスもってねーのな。

べしゃり暮らしみたくヤンジャンとかSQ連載とかでもいいんだけどな。(隔週連載でも可)

早く書けや、富樫。(こーいう、ファンを悲しませる奴には「さん」とか付けねー)

今、10巻ね。

暗黒武術会で裏御伽チームと戦ってるところ。

いやー、アニメ見たくなってきた。(GyaOで5話までは見た)

佐々木望さんの声の変化にびっくり。

成人男性にしてはめちゃくちゃ声たけーのな。

いまじゃ渋い声になってますが。

よし、ゲオにレンタルに走れ!

今なら半額で借りられるぞ。

よーし、こうしちゃいられねぇ。

早速行って来る!

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『げいじゅつ日本晴れ!』第二話。

土屋奈々、23歳。

今年大学を卒業し、念願であった教師になれた。

ただ、何でもいいから先生になりたいと思って受けた数々の学校から不採用の通知が…。

しかし、神は私を見捨てなかった…。

ダメもとで受けた芸術系の学校から採用の通知が来たのだ。(臨時)

そもそも私は高校から芸術部だったので、まさに適任だと思った。

このときまでは…。

 

***

 

「あぁ…、緊張するわね…。私ちゃんと出来るかしら。あ、ここね。星組、何か宝塚みたいね…」

ガラガラッ!

「おはようござ…」

『日本晴れ!』

壁に貼られたスローガン的なものが目に入って来た。

日本晴れ…?

「あー!せんせー来たぞー!みんな座れー!」

何なのかしら、日本晴れって…、いや、そんな事よりも自己紹介が先よ!昨日一生懸命練習してきたんだから!

「はい、皆さんおはようございます!今日から星組の臨時担任になった土屋奈々です。なな先生って呼んでくださいね」

「はい!せんせー!」

一人の園児が手を挙げた。

「ん?何かしら?」

「先生はブリーフとトランクスどっち派ですか!?」

…なんなのかしら、この子…。

「ちょっと、はるひこ君!先生女の人じゃない!それを聞くならTバックとOバックどっち派ですかでしょ!」

それも微妙なんですけど…。

「ごめ~ん、ゆかりん!じゃあ聞き直すね!先生はタイヤキは頭から食べる派ですか!?それとも尻尾ですか!?」

質問変わっとるし!

「う、う~ん…頭からかな…」

「ふむふむ、なるほど…」

「それが何かな?はるひこ君」

「今のはねー!心理テストだよー!」

し、心理テスト!?

わ、私簡単に答えちゃったけど大丈夫かしら…?

「今のテストでわかった事は…」

「わ、分かった事は…?」

「あなたのタイヤキの食べ方です!」

そのままやんけー!!

「あ、あはは…、はるひこ君って面白いのね。それじゃ先生みんなの事よく知りたいからみんなに自己紹介してもらおうかな。それじゃ、順番に…」

「はいはいはーい!」

「な、なぁに?はるひこ君…」

「ぼくから自己紹介するね!」

「え…、でも順番が…」

「うんとねー!ぼくねー!」

ダメだ…、聞いてねぇ…。

「加藤晴彦って言うんだー!」

「え、加藤晴彦ってあの芸能人と同じ名前!?」

「うんー!」

「ちょっと古いよねー」

ゆかりん!それ言っちゃダメ!

「…お父さんとお母さんが加藤晴彦が絶頂期の時にしこんだんだよ…」

しこんだって!しかもちょっとブルーになってる!

ここはちゃんとフォローしなきゃ!

「だ、大丈夫よ、今もちゃんと『動物奇想天外』に出てるじゃない」

「それだけだよね…」

しまったァ!もっとブルーにさせてしまったァ!

「でもねでもね!ぼく特技あるんだー!」

「な、何かしら?」

「サックスが吹けるんだよー!」

「えー!凄いじゃない」

「ちょっと待ってね!」

ガサゴソ

何故ズボンの中をまさぐってるのかしら…?

「じゃじゃーん!」

サックス出てきたー!

「あれ?吹くところが無いぞ?どこだろ?」

…またズボンの中をまさぐってる…。

「あーっ!おしりに挟まってた!じゃ、吹くね!」

「吹くなー!!」

「え?何で?」

「だって、ホラ!衛生上良くないじゃない!」

「………」

しまった!落ち込ませてしまった!

「じゃ、じゃあ自己紹介はまた今度にしましょう。それじゃ…」

えっと…このクラスは音楽科だったわよね。

確か校長の話だとクラシック音楽を教えてくれって言われてたわね…。

でも私、実は高校の頃音楽の成績あんまり良くなかったのよね…。

ん?

あ、何だ。

ちゃんとクラシックのCDあるじゃない。

「それじゃみんな!今日はクラシック音楽の勉強をしましょう!」

「はい!せんせー!」

またはるひこ君だわ…。

「そんな事よりサックスとセックスって似てませんか!?」

似てるけども!

っていうか何で園児がそんな言葉知ってるのよ!

「はい、じゃあまずみんなが知ってるベートーベンの運命を聞きましょう」(無視)

あら?

何かしら?

すでにCDが入ってる…。

ピッ

『むか~しむかし、あるところに晴彦という少年がいました。晴彦は、とても優しく、カッコよく、スポーツ万能で成績も優秀、そんな彼の元に幼馴染の花梨がやってきてさぁ大変。晴彦は下級生で晴彦の事をお兄ちゃんと慕ってくれてる柚子と先輩の翔子ねぇさんとドタバタの毎日がやってくる。ある日友人の圭吾がこんな事を言ってきた。『なぁ、俺、花梨ちゃんに告白したいんだけど、幼馴染のお前に頼みがある!放課後に花梨ちゃんを呼び出してくれないか?』この言葉をきっかけに運命の輪がまわりはじめ…』

ピッ

「…はるひこ君…?」

「うんとねー、ぼくケータイ小説書いてるんだー!きっと書籍化されてベストセラー間違いなしだよ!」

「書くのは勝手ですがわざわざ録音しないの!しかもなんでちょっとラブコメなの!?」

「せんせー、恋愛小説の方がアクセスが上がるんだよー!」

「何で詳しいの!?っていうかあれは女の子目線だからいいんでしょ!?はるひこ君目線で書いたらどうなると思ってるの!?」

「どうなるのー?」

「ただの変態だと思われます」

「ガーン!!そ、そんな…、じゃあせんせーは『ときメモ』やってる人は全て変態だと言うのですかっ!」

「いや…、そうは言ってないけど…」

「せんせー!はるひこ君の相手してるだけで授業終わっちゃうよー?」

ナイス!ゆかりん!

「そ、そうね。それじゃ早速CDを聴きましょう」

…こんな子がいるクラスで果たして私はやっていけるのでしょうか…。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

やべぇ…。

書いてて自分でニヤニヤしてた…。

面白くないかな?

自分で書いてて自分でニヤニヤしてたらただの変態じゃねぇか。

でもまぁ、何とかなったな、うん。

 

今日の一言。

アニメ『化物語』が非常に面白い。

原作が『めだかボックス』の西尾維新だったから若干どうなるんだろう…?

と、思ったんですが、これは面白い。

西尾維新って実は面白い?

本買ってみようかな?

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シーフ・ザ・チープ』第十二話。

「毎度あり!」

ベルゼは盗んだお宝を2億で売った。

「ベルゼ、これからどうするの?」

シドが問うとベルゼはこう言った。

「実はな、俺たちは何も見境なくものを盗んでる訳じゃねぇ」

ベルゼがニヤリと笑った。

「どういう事?」

「それはな、スゴロクを探してるんだ」

「すごろく?何それ?」

「スゴロクってのはな、東の島国のボードゲームだ。ほら、あるだろモモポリーとか」

「あぁ、お金を貯めてゴールするやつ?」

「あれの現実版ってのがあるんだよ」

「ボードゲームの現実版?」

「あぁ、そうだ」

「な、何か良く分かんないや」

「ワールドゲーム…」

カイルが口にした。

「ワールドゲーム?」

シドがカイルに問いかけた。

「俺も聞いたことあるぜ、そのゲーム」

「お、カイルは知ってるか。そのゲームを探してるんだ」

「でもそのゲーム、1億や2億じゃ買えないぜ?せめて30億はするはずだぜ?」

「さ、30億!?」

シドは驚いて声を上げた。

「うむ、だからこうやってお宝をさばいてるんだよ」

「アタシ等はいい迷惑だけどね」

「あはは…」

「何だよ、やってみたくねーか?スゴロク。なぁ、シド」

「う、うん。でも何だか恐いねそのゲーム」

「ん?何でだ?」

「だって株とか知らないと出来ないんじゃないの?」

「おー…株か…。考えて無かったな」

「俺、株出来るぜ?」

カイルが口を挟んだ。

「マジか!よし、それじゃ頼むぜ!」

「でもスゴロクって何人でプレイ出来るんだ?」

「確か5人までだったな」

「それじゃ、アンタと俺とあとコイツもな」

カイルはシドを指差した。

「…え?えぇ!?何で?何で俺なの?」

「はぁ?何行ってんだよ?お前のオーラがこいつ等の中で一番デカいからだよ」

「な、何言ってるの?そんな事分かんないじゃない…」

「はぁ!?お前自分のオーラの量も分かんないのか?」

「あ、ははは。うん…」

「アンタ、コイツの師匠だろ?しっかり教えてやれよな!」

「あぁ、あんまりそういうの教えたく無かったんだけどな」

「何でだよ?」

「天狗になるだろー?だから教えないってのが俺のやり方」

「じゃあいいよ、俺がアンタの代わりにシドにオーラの使い方を教える」

「おう、任せた」

「ぇ?えぇ!?」

こうしてシドの師匠がベルゼからカイルに変わった。

 

『シーフ・ザ・チープ』 続く。

 

***

 

今日のあとがき。

ひぃい!

時間が無い!

という訳で『げい日』と平行してこのようにお届けします。

まぁ、げい日はすぐ終わりそうですが…。

げい日って響きがなんかBLっぽいな。

げい日は基本ギャグで行こうかと…。

い○まるだしっ、みたいな感じでね。

これからどんどんなっていきますよ、いぬ○る君風に…。

奈々がた○こ先生役ね。

っていうかもうパロじゃん!

っていうくらいの出来です。

ぜひいぬ○だしっファンの方に読んでいただきたい。

いや、これは冒涜だ!

とか言われそうなんでやっぱ見ないでいいです…。

そんな訳で今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『げいじゅつ日本晴れ!』第一話。

芸術とは何か…。

芸術とはいつから学べばよいのか…。

大学からか?

否!

高校、中学、小学…。

いや!

幼稚園から芸術を学べる専門学校を作るべきだ!

と、教育委員会が何を血迷ったのか都内某所に幼稚園からエスカレーター式に大学まで進む学校法人を作った。

その名は…。

日本芸術大学付属専門学院!

この専門学院は、幼等部、小学部、中学部、高学部、大学部とある。

システム的には下記の通りである。

・美術科(主に絵画)

・音楽科(主にクラシック)

・文学科(主に文学研究)

・ファッション科(主に服飾デザイン)

・演劇科(主に芝居)

・オリジナル科(何でもアリ)

このようなカリキュラムで成り立っている。

そこに大学出立ての新任教師が配属された。

彼女の名前は土屋奈々(つちや なな)

校長の話によると、まず幼等部での研修をする事になる。

果たして、奈々は上手く園児を芸術の道に導けるのか…。

今回のお話は、音楽科に配属された奈々先生のお話となる…。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

さぁ!始まりました、新作小説!

え?

シーフ・ザ・チープはどうしたかって?

大丈夫、しっかり書き留めてありますよ。

今回は同時進行で進めて行きたいと思います。

そんなんで大丈夫なのだろうか…。

今日から日刊に戻そうかと思います。

それではシーフ・ザ・チープともどもよろしくお願いします。

 

今日の一言。

ハヤテのごとくとバスカッシュの放送時間がカブってるのでどっちを録画しようか検討中です。

バスカッシュって面白い?

何か新シリーズ突入とかで見たいんだけどなぁ。

ハヤテのごとくはパロディネタが無くなったただのラブコメに成り下がってしまったのでそろそろ見切りをつけようかと思ってます。

まぁ、バスカッシュは一からDVD借りればいいか。

ハヤテのごとくで一番好きなキャラは…。

いない…。

あ、いたいた、桂先生。

一緒に酒を酌み交わしたい。

あ、でも俺酒やめたんだった…。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シーフ・ザ・チープ』第十一話。

「あ”ぁ”-もう歩くのめんどくせー!」

「カイル、口を動かす前に足を動かせ」

「ちゃっちゃとオーラで行こうぜ」

「バカだなカイル」

「何だと?」

「どこにそんな都合のいいオーラを持ってるヤツが居るんだ?居るならぜひ紹介してくれよ」

「ん~、ちょっと待ってろ」

そう言うとカイルはケータイを取り出してどこかに連絡してるみたいだった。

「あーもしもし?うん、オレオレ、あ?詐欺じゃねーよいいからすぐ来いよ。待ってるからな。んじゃ」

「すぐ来るってさ」

「誰に連絡したんだ?場合によっちゃお前を殺さなきゃならない事になるんだが」

「べ、ベルゼ!」

「大丈夫だよ、俺の女だから」

「あー、そうかいそうかい。マセガキが」

「お、来たみたいだぜ?」

「カイルー!もうどこ行ってたのよー!お父さんカンカンだよー!?」

「悪い。もう少し時間かかるんだよ。俺の計画はな」

「計画?何それ?」

「いいから黙ってテレポーテーション頼むわ」

「ぶー、何よー、呼んだのはそれだけー?」

「あぁ、そんだけ」

「おいおい、そんな言い方じゃレディーに失礼だろ」

「何?このチャラいの」

「チャ、チャライ…」

ベルゼが唖然としていると、少女は魔方陣を書き始めた。

「それじゃ、カイル御一行様ごあんなーい」

パチッ、パチパチッ!

「うわっ、何だ!?地面に吸い込まれる!」

「あー、シドはこういうの初めてか、大丈夫だ。ちょっと酔うけど問題ない」

「う、うわぁーーー!!…あ?」

あっという間に目的地に着いた。

「はい、ここでしょ。来たかったの」

「サンキュー、お前もう帰っていいぞ」

「何よ人呼び出しておいてその態度はー!」

「べ、ベルゼ。今の何?」

「あー、オーラは人によって違うからな、こういうヤツも居るって事さ」

「じゃ、じゃあベルゼのオーラってどんなの?」

「知りたいか?」

シドは黙って頷いた。

「ふっふっふ、そうか。そんなに知りたいか」

シドはコクコクと頷く。

「どうしよっかなぁ~」

するとカイルがベルゼに呼びかけた。

「おい、リーダーここでいいんだろ?」

「お、そうだな。サンキューお嬢ちゃん」

「ふんっ」

少女は鼻を鳴らしながらそっぽを向いた。

「やれやれ、どうやら嫌われたらしいな」

「早く俺の壺出してくれよ」

「メイス、出してやれ」

「えっと、壺、壺と」

ガサゴソとスーツに手を突っ込んで引っかき回していた。

「えっと、これかな?」

「そうそう、それ。返して」

「ベルゼ、いいの?」

「あぁ、返してやれ」

「はい」

「サンキュー。んじゃ、お先」

カイルはさっさと店に入って行った。

「んじゃ、俺達のお宝も全部出してくれ」

「あいあい~」

すると店の中から怒号が響いてきた。

「この壺がたったの25万だってのか!?ちゃんと見ろ!もっと値打ちあるだろ!?」

「これ以上譲歩出来ねぇな、この値段が納得行かないなら出てってくれ!」

「テメーは必ずぶっ殺す!」

「おう!上等だ!いつでも来い!」

「二度と来るかバーカ!」

バタン!

壺を持ってカイルが店から出てきた。

「ふんっ、こんなもんやるよ」

ベルゼに壺を差し出した。

「いいのか?25万もすんだろ?この壺」

「いらねーよ、それよりもっと面白そうなもの見つけたからよ」

「何だよそれ?」

「いいんだよ、早くお宝売って来いよ」

ベルゼがちんぷんかんぷんという顔で店に入って行った。

 

『シーフ・ザ・チープ』 続く。

 

***

 

今日のあとがき。

やっぱGはランスか…。

あ、モンスターハンターGWii版の話です。

いやぁ、難しいね。

みんないきなりレウスとか行くんだもん。

初期装備のワタクシは辛いです。

岩場の影からコッソリ覗いて倒したら剥ぎ取りに行くめっちゃ迷惑な奴がいたらそれはワタクシです笑

しかし、久しぶりの更新だなぁ。

設定とか忘れそうだ。

そうそう、仮面ライダーDCDが遂にワタクシの好きな電王の世界へ。

たけるんは出ないの?

そうか、ルーキーズだな!

映画見に行くかな。

そういやドロップの映画見に行きました。

いやー、良かった!

空いてたし。

まぁ新学期も始まって暇なのはプータローくらいですからね。

あの広い劇場に五人くらいしか入ってなかった。

みんな春休みに見に行ったのかな?

話が長くなりました。

さて、カイルの見つけた面白そうなものとは?

次回へ続く!

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シープ・ザ・チープ』第十話。

「俺の能力…それは」

「ごくり…、それは?」

「ダッシュで逃げる!!」

「は?」

シドはポカーンとした。

「ほれ、付いて来い。リクが脱出口見つけてくれてるはずだからな」

シドは困惑した表情でベルゼに付いて行った。

「(ベルゼ、こっちこっち!)」

リクが手招きをしていた。

「この排気口は直接表に繋がってる。出るならここだ」

「おっし、んじゃ行くぞ」

ベルゼの後に続き、シドは排気口を這い出た。

「こっから先は裏道を通っていくよ」

「はっはっはー、この俺様を捕まえられると思うなー!」

「バカ、ベルゼ声デカい。ホラ、メリーとメイスも早く。ロイが足止めしているうちに」

「うーん、狭いよぉ…」

「あんたのその胸切り落とした方がいいんじゃない?」

「むっ、今のは世の巨乳達を敵に回したよ!」

「はいはい、すいませんでした。どーせアタシは貧乳ですよ」

「おい、何か会話がエロくね?俺も混ぜろよ」

「アンタは中二か!」

メリーがベルゼに裏拳をかました。

「よっと」

それをさっと避ける。

「痛っ!」

ベルゼが避けた先にあの少年が立っていた。

「あれ?お前あの会場にいたガキじゃん、何してんの?」

「俺の壺返せよな…」

少年はメリーの裏拳を食らった鼻をさすりながら言った。

「あん?どの壺だ?いちいち盗んだもん覚えてねーよ」

「返してもらうまで地獄の底まで付いてくよ」

「はぁ~、勝手にしろよな。んじゃ、行くか」

「行くってどこに?」

シドが言った。

「ん~、ここから一番近い裏ルートの買取の店まで10キロはあるね」

リクがマップで一番近い裏ルートの店を探していた。

「んじゃ、そこまで行くぞ」

「移動手段は?」

少年が問う。

「んなもん徒歩に決まってんだろ」

「マジかよ…」

「10キロくらい余裕だろ、若いんだから」

「お前よくこんな奴らとつるんでられるな…」

「はは、これからは仲間だね。よろしく。えっと…」

「カイル…」

「よろしくね!カイル!」

シドはようやく出来た友達に握手を求めた。

「やめろよ、俺は壺を売る為に付いてくだけだ、お友達ごっこしてる暇ねーんだよ」

「…そう」

シドはがっくりと肩を落とした。

「…わーったよ、壺が売れるまでな」

そういうとカイルはシドの手を取って握手をした。

こうして地下マーケット場でカイルと名乗る少年が仲間になった。

「さぁ、ぐずぐずしてる暇無いよ。ちゃっちゃと歩こう!」

「何だ?急に元気になってよ」

「へへ…、俺にも友達出来た」

「変な奴」

 

『シーフ・ザ・チープ』 続く。

 

***

 

今日のあとがき。

いや、あとがきとか全然関係無い話なんだけどさ。

まじ恋の体験版出来ないんですけどー!

散々待たされた挙句にマシンスペックが付いていかないという萎える展開。

ちくせう…、新しいPC買うか…。

いやでも待てよ。

PS2に移植という可能性も無いわけも無い。

ここはじっくり待たせてもらいますよ、みなとそふとさんよぉ。

頼むから売れてくれ!

そしてぜひ移植されてくれ!

でもPS3に移植とかは勘弁。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シープ・ザ・チープ』第九話。

バチン!

という音と共に、地下マーケット会場が暗闇に包まれた。

「わ、わ、何々!?停電!?」

シドが慌てふためいていると、二つの黒い影がふっと消えた。

そう、ベルゼとロイだ。

「え、えぇ!?何!?意味分かんないよ!」

そこにあの少年が現れた。

「お前さ、オーラ使えないの?」

「あ、その声はさっきの…」

「オーラを目に集中しろよ、今何が起きてるか分かるぜ」

「オーラを目に…?」

シドは言われた通りにオーラを目に集中させた。

すると、ぼんやりだが、確かに今何が起きてるか分かった。

「うわっ!ベルゼに拳銃向けられてる!」

すると少年はこう言った。

「あれ、お前の仲間か?それなら早くやめさせた方がいいぜ?相手はマフィアだ。敵うわけねー」

「電気はまだか!」

と、怒号を響かせているマフィア達の間をかいくぐってベルゼ達はお宝をポイポイと地面に捨てていた。

「あー、あれ俺の壺」

少年の壺もポイッと地面に投げ捨てた。

「き、貴様ー!」

ピシュン!

マフィアの一人がサイレンサー付きの銃をベルゼに向けて放った。

だが、その弾丸はベルゼをかすめて、後ろの壁に突き刺さった。

「くそっ!くそっ!」

ピシュンピシュンと何発も銃を撃つが、ベルゼに一発も当たらずベルゼは次々にお宝を投げ捨て続けていた。

「おい!予備電源はまだ付かんのか!?」

「は、はい!それが電源全てに細工が仕掛けられていて復旧は無理です!」

「何だとォ!?とにかくあの男を取り押さえろ!」

ワーっとマフィア達がベルゼに向かって行った。

もちろんチャカ、ドスなどを装備している訳で丸腰のベルゼには不利に思えた。

だが、ベルゼの前に一人の大男が立ちふさがった。

「な、何だ!貴様もあの男の仲間か!?」

「だったらどうする?」

「だったら…、殺すのみだ!」

一人のマフィアがドスを振り上げ、振り下ろした。

「バーニングデストロイ!」

ジュッという音と共に、ドスは持ち手だけを残してどろどろに溶けていた。

「ひっ!まさかオーラ使い!?」

「あいよー、お宝奪還完了~、ロイ。もういいぞ、メイスもお疲れ」

「…おう」

「あいあい~」

「あの女!?」

オーラを目に集中していた少年はとっさに声が出た。

「お宝全部あの服の中にしまいやがった!」

「え?だってメイスさんリクルートスーツだったよ?」

シドは不思議そうに問いかけた。

「バカ、ありゃオーラを込めて作った特注品だよ、…そうか。その手もあったか…」

「その手も…って、もしかしてキミもお宝盗みに来たの?」

「壺が高値にならなかったらな、それよりお前これからどうすんの?」

「どうするって?」

「だから、どうやって逃げんだよ?多分もう建物の周りはマフィアで固められてるはずだぜ?」

「そ、そうだね。どうするんだろう?」

「お前仲間じゃねーのかよ!?どうするかくらい聞いとけよ!」

「ご、ごめん」

「別に俺に謝られてもなぁ、お前自身の事だから」

すると、ベルゼが近づいてきた。

「おー、帰るぞ」

「どうやって?」

「俺の能力を使えば簡単なこった」

「ベルゼの能力!?」

シドはベルゼの能力をずっと気になっていた。

おそらくよっぽどの能力だろうと考えていた。

じゃなきゃ盗賊団のリーダーになれっこないと思っていた。

だが、ベルゼの能力はシドの考えていた能力とは違った。

 

『シーフ・ザ・チープ』 続く

 

***

 

今日のあとがき。

ダメだー!!

ベルゼの能力思いつかねー!

でもどうしよう。

もう次回までには考えないと。

どうしよう、どうしよう…。

まぁ、寝ながら考えよう。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シーフ・ザ・チープ』第八話。

地下マーケット会場に着くと、そこは明らかにその筋の方々が大勢居た。

しかし、そこにはシドと同年代くらいの少年が居た。

少年は椅子に腰かけ、退屈そうにジュースをすすっていた。

「ね、ねぇ…ベルゼ。あの子もその筋の人かなぁ?」

パンフレットを熱心に見ていたベルゼが同じ方向を向いた。

「あ~ん?何だぁ?ガキじゃねぇか。しかもシドと同じくらいじゃねぇか?」

「だよね?俺みたく誰かの付き添いかな?」

「しらねぇよ、えっと、宝剣、宝剣っと…」

ベルゼはちらっと見て、またパンフレットに目を戻した。

「(ちょっと話しかけてみようかな…)」

そう思ったとき、少年と目が合った。

「何?」

「あ、こんばんわ。あの、見に来たの?地下マーケット」

「そうだよ、俺んちからパクってきた壺売るんだよ」

「えっと、俺シドっていうんだ。キミは?」

「………」

少年はこれ以上喋る気は無いみたいだった。

「あはは…、ごめんね。壺高く売れるといいね。それじゃね」

そうしてシドはそそくさとその場を後にした。

「…何だ?あいつ…」

シドはせっかく友達が出来ると思っていたのにまったく相手にされずがっくりと肩を落とした。

ベルゼ達の元に戻ると、ベルゼ達は渋い顔をしていた。

「どうしたの?」

シドが問うと、リクが説明してくれた。

「う~ん、あの宝剣実はさ、偽者だったんだよ。鑑定士がさ、そう言ってた」

「ちくしょ~、どうりですんなり手に入ったと思ったんだよなぁ…」

ベルゼの方がシドより何倍も肩を落としていた。

「…あはは、じゃあもう帰るの?」

「こうなったらここにあるお宝全部かっぱらう…」

「ちょっ、ダメだってば。ホラ、その筋の方々ばっかりじゃない!何かもうベルゼの目が『宝』になってるけど絶対ダメだからね!?」

「無駄だよ、シド。こうなった時のベルゼはもう止まんないからさ」

リクが呆れながら言う。

「マップ!」

リクが地下マーケット会場の地図を出して、非常口やら脱出口を探し始めていた。

「どうなるんだよ、このマーケット…」

「おし、メイス。いつもの頼むぜ」

「ほいほい~」

そう言うと、メイスは会場の人ごみの中消えて行った。

「んじゃ、メリーも頼む」

「リク、配線版どこ?」

「えっとね、地下1階のここにあるよ」

「サンキュ、そんじゃまた後で」

そういうと、メリーもその場から離れて行った。

「よーし、んじゃロイもいつも通りな?」

「…任せておけ」

「へっへっへ、んじゃ、チープなショウの始まりだ…」

 

『シーフ・ザ・チープ』 続く。

 

***

 

今日のあとがき。

さて、今日は新キャラも出てきました。

シドと同い年位の少年。

ハンターハンターで言うところのキルア(言っちゃった!)

さて、この少年は敵か味方か!?

そしてベルゼ達の企ては成功するのか!?

次回乞うご期待!

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シーフ・ザ・チープ』第七話。

時は深夜0時00分。

シドが修行のせいか、遊園地で遊び疲れたのか、ぐっすり眠っていた。

そのときベルゼ達は相談をしていた。

「…どうする?シド置いてくか?」

ベルゼが言った。

「…いや、それはかえって危険だと思うよ」

リクがそれに答えた。

「…でもさ、アタシ達付いてた方が安全とも言い切れないよ。いつマフィアと戦うかもしれないし、いちいち守ってやれないって」

メリーが反論する。

「いいだろ、連れてこうぜ。おら起きろシド!地下マーケット行くぞ!」

シドは眠い目を擦りながらもぞもぞとベッドから降りた。

「ふわぁ…。今何時?」

「0時5分だよ」

「早くしねーと地下マーケット始まっちまう、ホレ急げヤレ急げ」

「わわ、分かったからパジャマ脱がそうとしないでよ!」

─数分後─

「一応着替えたけど、ホントに俺も行っていいの?邪魔にならない?」

「シドは俺が守ってやっから安心しな。そんじゃ皆揃ったな、行くぞ!」

そう言った刹那、ロイが口を挟んだ。

「メイスがまだなんだが…」

「おいおい、またかよ。メリー同室なんだからちゃんと見とけよ」

「アタシはメイスのお守りじゃないのよ?いちいちアタシが言わなくてもいいじゃない」

「はぁ…、お前って協調性ねーな」

「無くて結構」

「んじゃ、俺が呼んでくるよ」

「おう、頼んだぞ、シド」

─メリー、メイスの部屋─

コンコン。

「メイスさーん、出発しますよぉー」

シドはドアにノックをし、部屋を開けた。

そこには下着姿のメイスが立っていた。

「ごごご、ごめんなさい!」

バタン!

「マジ何でまだ下着なんだよ…」

カチャ。

「もう時間?待ってて、今行くから」

「は、はい」

─数分後─

「お待たせ~」

「な、何?その格好…」

「ん~?戦闘服」

「戦闘服って明らかにリクルートスーツじゃないですか!」

「んーとね、説明するのに時間かかるけど聞く?」

「…いえ、皆さん待ってるんで」

「んじゃ、れっつごー☆」

「…れっつごー」

こうしてシドたちは地下マーケット会場へ向かった。

 

『シープ・ザ・チープ』 続く。

 

***

 

今日のあとがき。

まだ地下マーケットに着かねーのかよ!

自分で書いててイライラするなぁ。

もうちょっとスパッと書けないもんかね?

っていうかこのペースで行くと五十話余裕じゃね?

まだシドのオーラも出てきてないし、ましてやベルゼのすら出てこない有様。

まぁ、ベルゼのオーラはここ一番ってところまで取っておくつもりなんで簡単には出しません。

しかし台本書きじゃないと面倒くさいなぁ。

いちいち誰々が何々を言ったとか書かなきゃいけないんだもんなぁ。

一番最初に書いた妄想学院高等部は台本書きだからスゲーやりやすかった。

ノベルゲーム感覚で書けるからいいよね。

あぁ~、ノベルゲーム作りてー。

会社立ち上げようかな。

しかし、金はない。

おまけに人脈もない。

どっかに拾ってもらうしかねーな。

妄想学院の続き書こうかな。

あのメンバーがまた集まるんですよ?

最高の奴等が帰ってくる!?

…みたいな煽り文句でさ。

誰か投資してくれる人募集。

スポンサー大募集。

個人的にはリトルバスターズ通常版みたいなノリのゲームを作りたい。

「同人でやれ」

と言われそうなので、今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シーフ・ザ・チープ』第六話。

翌朝、ベルゼが目を覚ますと、シドはもう起きて座禅を組んでいた。

「おいおい…、そんないきなり上達はしねぇぞ?」

すると、シドはこう言った。

「なんだかコツがつかめてきたよ」

「マジかよ…、俺がコツ覚えるには三ヶ月もかかったぜ?」

「ホラ、もう喋りながらオーラが出てるでしょ?」

「うむ、そうだな。それじゃ今日は応用編を教えてやろう」

「でもその前にバルーン共和国に向かわないとね」

「む、それもそうだな」

「ところで何でバルーン共和国に行くの?」

「地下マーケットだよ。盗品を売買するんだ」

シドはなるほどと思った。

盗品やなんかは表じゃ売れない。

そこで地下マーケットで売るわけだ。

「よっし、そんじゃ出発するぞ」

「え?修行は?」

「んなもん歩きながら出来るだろ。ホレ、行くぞ」

そのまま俺達は叔父さんの宿屋を後にした。

 

***

 

「よし、いいぞ。そのままオーラを一箇所に集めろ」

シドは歩きながらオーラの修行をしていた。

「そうだな、まず腕にオーラを集中しろ」

「ぐぐぐぐぐ…」

シドはうめき声を上げながらオーラを腕に集中させた。

「ぷはぁっ!ダメだ、歩きながらだとやっぱりまだキツい」

「そんじゃ次までの宿題だ。ほれ、バルーン共和国が見えてきたぞ」

「ここには確か大きいテーマパークがあるんだよね」

リクが言った。

「マジ!?俺遊園地とか連れて行ってもらった思い出ないんだよ!」

シドが興奮気味に言う。

「それじゃ、行ってみる?」

「ぇ、いいの?地下マーケットは?」

「大丈夫、大丈夫。地下マーケットは深夜に行われる。その間なら問題ないと思うけど?どう?ベルゼ」

「…俺はパス」

「あ、そっか。ベルゼ苦手だもんね、ジェットコース…」

「い、言うな!俺の威厳が地に落ちる!」

「ふ~ん、ジェットコースター苦手なんだぁ、ベルゼ」

メリーが皮肉を言った。

「だっ、誰が苦手だ!ま、まぁシドがそこまで行きたいって言うなら仕方が無い。行くか」

「やった!」

その後、ジェットコースターに乗ったベルゼは白目をむいてベンチに座っていた。

 

『シープ・ザ・チープ』 続く。

 

***

 

今日のあとがき。

何だかまとまらない文章だなぁ。

まぁ、とにかくバルーン共和国には無事到着しました。

これから深夜の地下マーケットに行くわけですが、そこで何か事件を起こそうかなと思ってます。

こんな事言ったらネタバレか。

まぁいいさ、どうせ誰も見てないし。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シープ・ザ・チープ』第五話。

ベルゼ達が森を抜ける頃にはもう正午の6時を回っていた。

「参ったなぁ…、今からじゃ宿とれないよ」

リクがぼやく。

「んなもん野宿すりゃいいだろ」

「ちょっと、あたし等はどうすんのよ」

「メリーは男だからいいだろ」

メリーの裏拳がベルゼの顔面にめり込んだ。

「アタシはいいとして、メイスの事言ってんの!」

「あい、すいませんでした…」

「あの~…」

シドが会話に加わった。

「なんだよ?」

「俺の親戚が宿屋やってるんだよ、この近くにあるんだけど…。どうかな?」

「まぁ、俺等はいいけど、シドは迷惑じゃないのか?こんな盗賊と一緒にいるところ見られて」

「あはは、大丈夫だと思うよ?叔父さんそういうの気にしない人だから」

「よっし、んじゃシドの叔父さんの宿屋行こうぜ!」

そうしてシドはベルゼ達を連れて宿屋へ向かった。

 

***

 

「いいかぁ、シド。オーラってのはな、まず雑念を振り払うところから始まる」

シドの叔父さんの宿屋へ付くやいなやで、ベルゼがシドにオーラの使い方を教えていた。

「雑念…」

「そう、心を空っぽにするんだ」

「心を空っぽに…」

「目を閉じて深く息を吸い、腹から息を吐く」

シドは言われた通りにやってみた。

「おっと、でもな。無理に心を空っぽにしよう空っぽにしようと思うと、それは雑念になる。要するに何も考えるな。無心になれ」

15分間近くそうしていると、ベルゼが突然話しかけてきた。

「お、いいぞ。オーラが出てき始めた。よし、今日はここまで。続きは明日な」

その時、部屋の外からいい匂いがしてきた。

「おっと、もう飯か。行こうぜシド」

「心を空っぽに…」

「おーい、シドぉ?」

ベルゼが呼んでもシドは返事を返さなかった。

「…ま、いっか。俺は飯食ってくるからな」

シドは一人で部屋にこもって練習を続けた。

 

『シーフ・ザ・チープ』 続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今日はこんな所で失礼します。

そんな事よりねり梅ってのり巻きにすると超美味くね?

マジ食いすぎた。

あぁ~、想像してたらまた食いたくなってきた。

もう飯無いんだけどね。

腹減ったなぁ~。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シープ・ザ・チープ』第四話。

翌朝シドが目を覚ますと、皆が荷物整理をしていた。

「お、ようやく目覚ましたか。ほれ、お前んちからお前の荷物パクってきたぜ」

ベルゼがポンと荷物を投げてよこした。

「あ、ありがとう…。皆いっつもこんな朝早いの?」

「おー、大体5時頃だよな?メリー」

「そうね、それくらいかしら」

「昨日あんなにお酒飲んだのによく起きれるね」

「シド、盗賊なんていつ賞金稼ぎやら警察やらに捕まってもおかしくないんだぜ?それくらい注意して寝てるんだよ。そりゃ5時くらいにゃ起きるっつーの。それに変わり代わり見張りで起きてるんだぜ?」

「(そっか、それで昨日リクが起きてたのか)」

「ところでよぉ、シドっていくつ?」

「えっと、今年で12」

「12かぁ…、俺が12の時にはもう俺の師匠にオーラを…」

「はいはい、もういいからさっさと荷物まとめな」

メリーがベルゼの止まっている手を動かすよう促した。

「そうだ!」

「何だ、大声だして」

ロイは眉間にしわを寄せてベルゼの方を見た。

シドは本当にこの人はリーダーなのかとちょっとだけ疑った。

「オーラだよ!オーラ!俺がシドに教えてやるよ!」

「…ぇ、いや、俺そんなの無理だから」

「大丈夫、大丈夫。オーラは誰にでも備わってる。要はそれを引き出せるかどうかなんだよ!」

「オーラ…。俺にもそれが宿ってるっていうの?」

「そうだ。お前にも宿ってる」

にわかには信じがたい話だった。

「よし、そんじゃ今日から特訓な。よーし!出発ー!」

「待って待って!まだ荷造り済んでないよぉ!」

「おめーはいっつも遅ぇな、メイス」

「だって仕方ないじゃない、アタシ女の子だもん」

「メリーは女だけど早ぇーぞ」

「悪かったね、男みたいで」

メリーがぷいっと顔を背けた。

シドは思わずクスッと笑った。

「お、笑った。オメーは笑顔の方がいいぜ?そっちの方がモテるぜ?」

シドは本当かなと思ってまた笑った。

「はっはっはー!それじゃ出発ー!」

そうして小屋を後にした。

 

***

 

ベルゼ達はしばらく森の中を歩いて急に足を止めた。

「おい、これってよぉ…」

「まさか…」

「迷ったァ~!」

シドは何となく感付いてはいたが、その事実を口に出さないようにしていた。

「はぁ…、ねぇ。ベルゼ達はどこに行きたいの?」

「バルーン共和国なんだけどよぉ、前来た時はこんなに迷路みたいじゃなかったぜ?」

「この森はね、迷宮の森って言って毎日前日とは変わるんだよ、バルーン共和国だったらこっちだと思うよ」

シドは北を指差した。

「おい、ホントに合ってんのか?」

「うん、太陽の位置で大体分かるよ」

「ホントだな?じゃあ北に向かうぞ!」

「はぁ…、ホントに頼りにならないリーダーだわ…」

メリーは肩をがっくりと落とした。

 

『シープ・ザ・チープ』 続く。

 

***

 

今日のあとがき。

いや~、最近ブログサボりすぎたなぁ。

まぁ、どうせ誰も見てないからいいけどさ。

みんなまじこいの記事とかで飛んできてるし。

前も書いたけど大したこと書いてないからね。

来てもがっかりするだけだよ?

さて、今回のお話は複線はりまくり~の。

バルーン共和国で何をするのか。

そしてシドのオーラとは!?

オーラの特訓とは!?

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シープ・ザ・チープ』第三話。

アジトの隅っこに積み上げられた食料を見て、シドはてきぱきと行動した。

鍋に肉や野菜を入れたスープを作った。

幸いここには食料が豊富だった。

「ふぅ、これでいいかな」

あとは団員達が帰ってくるのを待つだけだった。

数時間後、ベルゼ達が帰ってきた。

「よう、飯出来てるか?」

「うん、あった?宝剣」

「おう、あったあった。村長があっさりくれたぜ?」

と、ベルゼが誇らしげに言う。

「まぁ、ベルゼの名前出せば大抵あっさりお宝は手に入るんだけどね」

と、リクが言う。

「ベルゼってそんな有名人だったんだ」

「そーだぜ?知らなかったのか?」

「シド、こういうのは悪名高いって言うんだよ」

メリーがツッコんだ。

「…このスープはシドが作ったのか?」

ロイが鍋を指差して言った。

「う、うん。口に合うかどうか分かんないけど…。あ、今温め直すね」

「ふむ…、冷めきってるな。ロイ、頼む」

ベルゼがそう言うと、おもむろにロイが鍋を持った。

「ふんっ!!」

ロイが力むと鍋がグツグツと温まった。

「さ、食おうぜ」

ベルゼが食器を取り出した。

「もしかして今のもオーラ?」

「ん、まぁそうだな。何だっけ、バーニング何とかだよな、ロイ」

「…バーニングデストロイは俺のパンチだ。これはそれを応用しただけ」

「あー、そうそう。こいつのパンチすげーんだぜ?鉄とか平気で溶かすんだもん」

「へー、凄いね」

「…そんな事ない。オーラならベルゼのオーラの方が凄い」

「まぁまぁ!そんなに褒めるなよ!まぁ確かに?俺の?オーラ?凄いけどさぁ~」

ベルゼがニヤニヤしながら自慢してた。

「気持ち悪いからその顔やめなよ。それよりシド、スープよそってよ」

メリーがシドに皿を差し出した。

「あ、うん」

「おう!酒もかっぱらってきたからよ、シドも飲もうぜ」

「あは、俺下戸なんで」

「じゃあシド以外、皆で飲むぞ!メイス抜きで…」

「えー、何でよー。アタシにも飲ませてよー。それいいお酒なんでしょ?」

メイスが反論する。

「お前は悪酔いするからダメだ!」

「ちぇ~」

そうして団員全員がどんちゃん騒ぎであっという間に夜が更けた。

そして皆が眠りについたところを見計らい、シドはゆっくり体を起こした。

「………」

そうしてシドはゆっくり出口に向かって慎重に慎重に歩いた。

そうしてドアの取ってを握った。

「…どこへ行く?」

静かな声だったが、皆寝てると思っていたので、心臓が跳ね上がりそうになった。

「今更村に帰ってもキミの居場所は無いよ」

リクだった。

「でも…」

「今は俺達に付いてた方が安全だ、子供一人で何が出来る?せいぜい生活費も稼げないで盗みをして捕まるのがオチだ」

「………」

「だから俺達を信用しろ、何せリーダーがお前のこと気に入っちゃったみたいだしな」

「…でも、俺オーラとか無いし盗みも出来ないよ」

「…料理」

「え?」

「お前には料理の才能があるだろ?それを活かせばいい。食料は俺達が奪ってくる。それでいいだろ?」

「………」

シドは黙ってリクの言葉に耳を傾けるしかなかった。

「とにかく今日はもう遅い。寝よう、明日になったらここを出る」

そういってリクは寝転がった。

シドも素直にその言葉に従った。

こうして一日が過ぎて行った。

 

『シーフ・ザ・チープ』第三話 完

 

***

 

今日のあとがき。

今回はロイの能力の説明がありましたね。

一応ロイは格闘家なんです。

近距離で戦えば団員一強いと思います。

でもベルゼのオーラの方が強いみたいです。

さて、次回は誰のオーラを説明しようかな。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シーフ・ザ・チープ』第二話。

シドが連れてこられたのは小さな小屋だった。

そこには何人かの盗賊の仲間らしき人たちがいた。

「ベルゼ。そいつは?」

若い女が聞く。

「今日から仲間になったシドだ」

「ふ~ん、能力は?」

「飯」

「は?」

「だから、飯当番だよ」

「まさか、能力も持ってないやつがチームに入るのか?」

「いいだろ、丁度飯当番が先週死んだばっかりだ」

「確かにここ数日ロクな飯食ってないけどな」

若い女はため息交じりに言った。

「メリー、コイツの飯はめちゃくちゃ美味いぞ」

「ふ~ん、どんな料理食べたのさ?」

「サンドイッチ」

「はぁ!?サンドイッチなんて誰が作っても同じだろ!?」

「じゃあメリーが作るか?」

「ふん、アタシはゴメンだよ」

「な、だからいいんだよ」

「めちゃくちゃだね、アンタも。ところであそこの村には何かお宝はあったのかい?」

「ダメだな、何もねぇ」

「せっかくアンタが囮になったのに意味無かったね」

「意味無かった事はないさ、あの村にお宝が無い事が分かったからね」

ランプの男がフォローした。

そしてベルゼが思い出したかのようにメンバーを紹介した。

「あぁ、紹介がまだだったな。こいつがリク」

ランプの男がピースをした。

「で、あのでっかいのがロイ」

ベルゼより一回り大きな男が手を挙げた。

「で、メガネ女がメイス」

「もう。メガネ女ってやめてよ」

メイスが不満を漏らした。

「まぁ、まだ居るんだが、今は出張中だ。ここも仮のアジトだしな。残りのメンバーは追々紹介するさ」

シドはそれより、あの時の言葉を思い出していた。

『今死ぬ方か、後で死ぬ方か選べ』

「あの、ベルゼ。後で死ぬってどういう意味?」

するとベルゼはひょうひょうと答えた。

「言葉通りの意味さ、俺達の仕事は盗みだ。もちろんそれには死が付きまとう。ま、死なない程度に頑張るんだな」

シドはもう一つの疑問を投げかけた。

「あと能力って?」

すると、ベルゼが思い出したかのように、手をポンと叩いた。

「あぁ、そうそう。オーラの事な」

「オーラ?」

「そう。俺達は各々で特殊な能力を持っている。それをオーラと呼んでいる。例えばだな…。おい、リク!お前の能力見せてやれ」

「いいよ、マップ!」

リクがそう言うと、ポンと紙切れが出てきた。

「いいかい、このマップにはお宝のありかを見つけ出す能力だ。でもおかしいなぁ…確かにあの村にはお宝の反応があるんだけどなぁ…」

するとメリーがシドに話しかけてきた。

「なぁ、少年。あの村にゃお宝は無いのかい?」

「うん、と。確か村長の家に秘宝の剣があるけど…」

「ホラ、やっぱりあるじゃんか。俺の能力はウソはつかないぜ?」

リクが胸を張って答えた。

「村長の家か、見落としてたな…」

「ベルゼ、アンタらしくないね。そんなヘマするなんてさ」

「だってよ、コイツの親父いきなり襲い掛かってきたんだぜ?危うく政府に売り飛ばされるところだったんだぜ?そんな状態で探せるかよ。それにシド連れてたら怪しまれるだろ?」

すると、メリーが言った。

「だからそんなガキ放っておけば良かったんだよ」

「でもよ、顔の治療してくれたし、飯も食わしてもらったんだからせめて生かしておいてもいいかなと思ってな」

「迷ったんだけどな~」とベルゼが言う。

シドはしばらく置いてけぼりだった。

そうして、話しあいの結果、翌日、今居る団員全員で村に戻る事になった。

シドが居ると色々迷惑だからと言って、シドは居残りする事になった。

「シド~、美味い飯用意して待っててくれよ。明日は宴会だ」

幸いあの父のおかげで料理には自信があった。

でも俺が盗賊なんて出来っこない。

そう思っていた。

 

『シーフ・ザ・チープ』 第二話 完

 

***

 

今日のあとがき。

今回は団員の紹介だけでした。

気になるところはリク以外の能力ですね。

それは後々考えるとして(おい)

まぁ、アレですよ、ぶっちゃけハンターハンターの幻影旅団のパクリですよ(ぶっちゃけちゃった!)

まぁ、大分違うのはリーダーのベルゼがおしゃべりだって事。

幻影旅団のクロロはどっちかって言うと無口ですからね。

っていうかリーダーベルゼだったんだ…。

自分で書いててびっくりだよ。

普通リーダー自ら囮になるか?

その辺りはごまかしごまかしで…。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『シーフ・ザ・チープ』第一話。

ある日、父が一人の男を連れて来た。

「おう!こいつを牢に入れておけ!」

ロープでグルグル巻きにされた男は顔をボコボコに腫らして父の先を歩いて来た。

「分かったよ…、また犯罪者?」

「おう、コイツは上玉だぜ、何せ賞金2000万ジェニーだ」

「そう…」

俺は何の興味も無かった。

誰もが聞いたら驚くような金額だったが、どうせ父の酒代に消えると分かっていたから。

そうして俺は犯罪者を牢に押し込んだ。

まだ若いその男は、黙って牢に入って行った。

「待ってて、今顔治療するから」

そう言って俺は救急箱を取り出した。

「はい、ちょっと沁みるよ」

若い男は何も言わずに黙っていた。

「はい、お仕舞い。それじゃ、俺は飯取ってくるね。ちょっと待ってて」

そう言って地下牢を後にした。

一階に戻ると、父はもう酒を飲み始めていた。

父とは十二年間一緒に住んでいるが、ロクな父親じゃない事は分かっていた。

飲み始めると、すぐ暴力を振るうし、俺の事をこき使ってまるで召使のように扱われていた。

母親は俺を産んですぐ死んだらしい。

詳しい話を聞こうとすると、父の拳が飛んでくる。

「おい!酒のつまみ出せ!」

「…はい」

父のつまみと一緒に、軽い軽食を作った。

「おい、そりゃ何だ?」

「え?あの人に…」

「いらねぇよ!あんな盗賊に飯なんて出してやるこたねぇ!」

「…わかった」

そうして父が酔いつぶれた隙に、サンドイッチを地下牢に持って行った。

「ごめんね、ちょっと遅くなっちゃったけど、これ食べてよ」

若い男は黙ってサンドイッチを見つめていた。

「どうしたの?食べていいよ?」

「…両手が塞がって食えん」

「あ、そうか。じゃあ食べさせてあげるよ」

サンドイッチを差し出すと、若い男はガツガツと食べ始めた。

そしてあっという間にサンドイッチを平らげた。

「…あ~、美味かった。お前、名前は?」

「俺?俺はシドって言うんだ」

「そうか…、じゃあシド。今死ぬのと後で死ぬのどっちがいい?」

「え…?何言って…」

そう言うと若い男はシュルシュルとロープから抜け出した。

「あ…、あぁ…」

「まぁ、お前には飯を食わせてもらったからな、後で死ぬ方にしといてやるよ。まずシド、お前の親父を殺す」

俺は何も言えずに腰を抜かしてしまった。

「親父は一階だな?シド、お前はここで待ってろ」

そう言って若い男は階段をのぼって行った。

その刹那、父の悲鳴が地下にまで響いた。

しばらくして、若い男が階段を下りてくる音が聞こえた。

「シド、お前の家何も無いんだな」

「…お、お兄さん何者?」

「付いて来い」

「え?」

「いいから付いて来い、今日からお前は俺達の仲間だ」

「な、仲間って何の?」

「もちろん、盗賊のさ…」

もちろんの意味が分からなかったが、付いていかないと殺されるという事は分かったので、素直に付いて行く事にした。

そうして二人で家を出た。

「仲間が来る手はずになっているんだが…。お、いたいた」

遠くでランプがチカチカ揺れていた。

「それじゃ、あそこまで歩くぞ」

「う、うん」

そうして歩いてランプの明かりの辺りまで歩いて行った。

「お、お兄さん、名前は?」

ずっと聞きたかった事をようやく口に出した。

「ん?あぁ、皆からはベルゼって呼ばれてる。まぁ名前なんてあっても無くても同じだけどな」

そうしてランプを持った人物と何やら二言三言会話をし、ランプの男がこっちを指差した。

「で、こいつは?」

「あぁ、あの村の子供だ、今日から俺達の仲間になったシドだ」

「何で子供なんて連れて来た?」

「ん~、飯が美味かったから」

「それだけ?」

「それだけ」

「はぁ…、まぁいい。とにかくアジトに帰ろう」

そうして、今宵、盗賊の仲間になってしまったシド。

これからシドの運命の輪は大きく狂い始める。

 

『シーフ・ザ・チープ』 第一話 完

 

***

 

今日のあとがき。

いやぁ~、久々の小説ですよ。

やっぱりノープランなんですけどね。

今回は盗賊とシドとの成長を描くのが目標。

目標とか言ってる時点ですでにノープラン。

今回は長編にしようかと思います。

せめて50話くらいは書きたいな。

シーフ・ザ・チープというのは「ちっぽけな盗賊」という意味です。

造語です。

ちなみに何がちっぽけなのかというのは後に判明する予定です。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ピストル』第八発目。

─三年後─

もうピストルも無い。

弾丸も無い。

翔瑠は未来や過去にも行けない単なる大学生だ。

だがそんなある日、翔瑠はまたあの男に会った。

「…オッサン…」

「ふん、覚えていたか。どうやらお前に拳銃を託して正解だったようだ…」

「何の話だよ…、俺から一方的にピストルを奪ったくせによぉ」

「いやいや、悪かった。キミなら本当に未来を変えてくれそうだったからね。現に未来を変えた」

「…何を、言っている?」

「もうじき巨大な津波により日本が沈没する。だがキミが救うんだよ、未来のキミがね」

「どういう事だ?」

「まぁ、見てれば分かる…」

そう言うと男は去って行った。

「俺が…、救う…?」

翔瑠はそんなぼやけた事を言われてただ立ち尽くすのみだった。

 

***

 

─数時間後─

テレビを見ていたら臨時ニュースが入った。

『番組の途中ですが、ここで臨時ニュースをお伝えいたします』

その臨時ニュースは日本全国が津波により沈んでしまう事を告げるニュースだった。

大変だ!

こんな所に居ちゃ死んじまう!

どこか遠くへ!

くそっ!

あのピストルさえあれば…!

ゴゴゴゴゴという轟音と共にそれはやってきた。

とにかく高いところへ行かなきゃ!

窓から屋根へと飛び移り、音のする方向を見た。

もうすぐそこまで津波は迫ってきていた。

すると家の前に誰かが立っていた。

「危ないですよ!早く高いところへ避難…」

振り返った姿は…。

俺だった。

いや、未来の俺?

あの謎の組織のリーダーの俺か?

「よーぅ!ちょっくら濡れるけど我慢してくれよ?俺も命がけなんでね」

「どういう…事だ?」

そして未来の俺は津波に流された。

…が、その刹那。

フッと水が消え、辺りは夕立の通ったような感じだった。

すると、未来の俺が、倒れていた。

「た、大変だ!」

 

***

 

「…いじょうぶか!?大丈夫か!?」

翔瑠は未来の翔瑠の頬をピシピシと叩いた。

「…い、痛たた…」

「大丈夫か!?どこか打ったか!?」

「…あー、大丈夫みたいだな。サンキュ」

「未来の俺…。一体どうやって?」

「んー、そうだな。一種の賭けみたいなもんかな」

「賭け?」

「あの津波の中で“あいつ”をぶっ放したのさ」

あいつってもしかして…。

「ピンポーン、弾丸だ。人を移動させることが出来るなら物も移動出来るんじゃないかってね」

「そんじゃ今の津波をどこかに飛ばした…?」

「そう、ホントに賭けだったけどね。いやぁ、助かって良かった良かった」

「でもアンタ、もう未来に帰る弾丸が無いんじゃないのか…?」

「はっはっは、そんなのはどうでもいいんだよ、これであの無残な未来を救えたならね」

「でも…これからどうすんだよ」

「ん~?どこか働き口探してこの時代で生きるよ。それより腹減ったぁ~」

「…うちで何か食ってけよ、どうせ金もねーんだろ?」

「あ、いいのかな?ま、自分ちだからいいか」

 

***

 

「オフクロ、客だぞ」

「あらぁ、だぁれ?」

「あはは、久しぶり。って言っても分かんないか」

「あらまぁ、翔瑠とそっくり…」

その後、未来の俺は飯をたらふく食い、家を後にした。

 

***

 

─その後─

キィ。

「いらっしゃい…、って俺か」

「あのなぁ…、何時までうちに居る気だよ!」

「仕方無いだろ、働き口見つからないんだから、今は骨董屋でお手伝いだ」

「翔瑠もリーダーさん見習って店手伝え!」

オヤジから嫌味を言われる。

そうそう、俺達はそっくりさんという事になってる。

翔瑠という名前だとややこしいので、未来の俺にはリーダーと名乗ってもらう事にした。

しかもリーダーはうちに居候。

俺達は“あの男”を追っていた。

そう、俺にピストルを託した男だ。

「そうそう、リーダー。あの男の事だけどな…」

「何!?目撃者が!?」

未来に帰る為にあの男に会う必要がある。

そして、あの拳銃を、ピストルを返してもらう為に…。

 

終わり。

 

***

 

今日のあとがき。

ようやく終わりましたー!

もう少し短くても良かったんだけど結果オーライだよね。

まだ続きそうで続かないというドラゴンボール式エンディング。

いかがだったでしょうか?

個人的には中の下くらいかなと…。

なんかあの男の説明もあやふやだし、結局謎の組織についても触れることなく終わりましたし…。

まぁ、今度何か書くときはちゃんとラストを考えながら書こうと思います。

今回も例の如く行き当たりばったり仕様でした。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ピストル』第七発目。

翔瑠は机の引き出しの一番上を開けた。

そこには僅かに余ったピストルの弾丸があった。

「いち、にぃ、さん…四発か。ってことは二回分だな」

未来や過去に行くには最低でも二発は必要になる。

行くときと帰るときだ。

「よし、取り合えずこの弾丸さえあれば何とかなる」

弾丸をポケットに閉まった。

翔瑠は昔テレビで見た指を銃口代わりにした方法で飛ぶ事にした。

飛ぶ?

一体何処へ?

「えぇい!取り合えず未来に飛んでやる!えっと、こうして指で軽く握ってっと」

未来へ!

『パァン』

 

***

 

つむっていた目を開けると、眼前に広がる光景に呆気にとられた。

これは…、海水?

翔瑠の腰まで海水がどっぷりと浸かっていた。

何処を見ても海水だらけで、とても東京だとは思えなかった。

しかもやけに静かだ。

誰かが住んでる気配すら感じられない。

俺はっ!?

俺の家は!?

「…よぉ、過去の俺…」

翔瑠がバッと振り返ると、大人びた顔の自分がボートをこぎこぎしながら近寄ってきた。

「…俺何やってんの?」

「見て分からんか、お前を乗せてやろうってんだよ」

「それより!この状況はどういう事だよ!何で誰もいねーんだ!?何で海水がこんな所まであるんだ!?」

「…まぁ、乗れ。話は乗ってからでも出来るだろ」

翔瑠はしぶしぶボートに乗った。

 

***
 

「…で、これはどういう事だ?」

手錠をはめられ、目隠しをされていた。

「こんな事したって俺は時空を超えられる」

「まぁまぁ、そうぼやくなよ、そうだな…なにから話そうか」

未来の俺はうんうんと唸っていた。

「まず、昔の俺は…つまりお前はこの状況を救えなかった。それくらい分かるよな?」

「まぁそうなんだろうな。この有様だもんな」

「そこでちょっと頼まれたい事が…おっともう着いたぞ」

手錠と目隠しを取られた。

そこには“地球防衛軍”と書かれていた旗がはためいていた。

「ここが、俺達の基地だ」

未来の俺が言う。

「俺…達?」

「そう、俺達だ、特殊な能力を持った連中が立ち上げた基地だ」

「はっ!バッカじゃねーの!?俺なんかこの弾丸が無かったらただの一般人だぜ!?」

「はっはっは、まぁそうだな。それより仲間を紹介しよう」

その後、次々と仲間とやらを紹介され、翔瑠は少々うんざりした。

「で、過去の俺。お前は今何発持ってる?」

「三発」

「おいおい!三発程度でこの現状をどうにかできるってのか!?」

一人のゴツい男が疑問をぶつけてくる。

「あぁ、やれるさ、だって俺だぜ?」

「む、そうだな。曲がりなりにも俺達のリーダーだもんな…」

リーダー?

俺なんかがリーダー?

はっ、馬鹿げてる。

俺なんかただの高校生だぜ?

小学校の委員長にも立候補した事の無いこの俺がリーダー?

「ぷっ、くくく!」

「なーに笑ってんだよ、過去の俺!」

「べ、別に…くくっ」

「まぁいい、とにかく!弾丸は三発!実際に使用できるのはたった二発だけだ!これを上手く使って世界を救うんだ!」

世界を救うだって?

ちゃんちゃらおかしいぜ、へそで茶が沸くっつーの。

「まず、どうするんですか?リーダー」

「そうだな、過去の俺、ちょいと弾丸を借りるぜ」

「あっ!返せよ!」

「何も全部使うとは言ってないだろ?お前を過去に帰す一発は残しておいてやるって」

「だがそれではリーダーが…っ!」

未来の俺が人差し指を口に当て、「しー」と言った。

「懐かしいなぁ、それじゃ、行ってくるよ」

「リーダー…」

「あっと、過去の俺、ご苦労さん、もう帰っていいよ」

「…本当にその弾丸二発でこの日本沈没は避けられるのかよ」

「ははっ、まぁあがいてみるさ。それじゃぁな」

『パァン』

そうしてフッと消えた。

それを仲間達が見送り、敬礼をしていた。

「何が何やら、未来の俺もイカれてるぜ」

「貴様…、リーダーを愚弄すると許さんぞ」

「へいへい、未来の俺は随分と慕われてるんだな。そんじゃな、俺帰るわ」

「さっさと行け!」

「へいへい」

『パァン』

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

何か変な展開になっちゃった。

もうぐちゃぐちゃ。

ぐちゃぐちゃでむちゃくちゃ。

次回はどうなるのか!?

ワタクシにも分かりません。

乞うご期待です。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ピストル』第六発目。

翔瑠はメッセージカードの命令通りどんどんピストルを使っていた。

「ちっ!何だよこのクソゲー!」

翔瑠はコントローラーをぶん投げた。

あのとき散々悩んだ挙句、手に取ったゲームはクソゲーだった。

『パァン!』

「お、未来の俺じゃん。何か用か?」

「このゲームはやめとけ、クソゲーだった」

「なるほど、んじゃ、こっち買うわ」

そしてまたピストルで現代に飛ぶ。

「お、あったあった」

そこには、過去の俺が買ったゲームが置かれていた。

「へっへっへ、これこれ」

その時、翔瑠がハッと気が付いた。

「ちょっと待てよ…、こんな下らない事に使うなんて勿体無くないか?」

翔瑠が思いついたのは酷い悪巧みだった。

「これでロトやったら確実に莫大な金が俺の手に入る。これだ!これしかねぇ!」

そう一人で盛り上がっていてハッと我に変える。

「いやいや、まて翔瑠。そんな事していいのか?それって犯罪に近いような…」

そうしてるうちに悪魔の方の翔瑠が現れる。

「いや、俺はこの拳銃を託されたんだ、何に使ってもいいよな」

さらに天使の方の翔瑠が現れる。

「でも未来であのオッサンは“悪用しない”人間に託したって言ってたよな…やっぱりダメだよな…」

しかし、翔瑠の悪魔の囁きは止まる事は無かった。

いいんだぞ翔瑠、使っちまえ、と。

「くっ、すまん!天使の俺よ!今週ののロトの当たりナンバー調べてくる!」

遂に翔瑠は悪魔の囁きに勝てずにロトの当たりナンバーをメモった。

 

***

 

「けーっけっけ!これで俺は丸儲けっと!」

翔瑠は過去に飛ぶ寸前にガシッと誰かに腕を捕まれた。

「だ、誰だ!」

ここは俺の部屋!

誰かが入って来たら必ず分かるはず!

バッとその捕んだ腕の差出人の顔を見た。

「オ、オッサン!?」

「それはやめとけ…」

「何でだよ!これはもう俺のもんだろ!」

「最近警察がこの辺りをうろついてる」

「け、警察!?もしかしてピストルの事知ってるのか!?」

「俺が言ってるのは未来の警察の事だ。そう、遥か未来のな」

「そ、その未来の警察が俺に何の用だよ」

オッサンは一呼吸置いて話始めた。

「いいか?これまで俺が掴んだ情報だと、遠い未来では勝手に未来や過去に飛ぶのは禁止されてるらしい」

「遠い未来って…オッサンも過去や未来に飛べるのか!?」

「まぁ…な、だが今それは関係無い。そもそもお前がやろうとした行為は過去に飛び、さらに犯罪を犯す事になる」

「未来では…か?」

翔瑠恐る恐る聞いてみた。

「誰もが考えそうな事だ。それを攻めたりはしないが…あまり褒められた行為では無いな」

「そもそも何で未来の警察がこの辺うろうろしてんだよ!」

「現代で、つまり未来の警察の捜査でこの辺りでやたらと未来や過去に飛ぶ人間が目撃されている」

「何で未来の人間がそんな事知ってんだよ!」

「知るか、だが今ここで過去へなんか飛んでみろ、すぐセンサーで発見される」

「ちっ、わーったよ。もう悪用しないし、これからはなるべく注意するよ」

「ダメだ」

「何がダメなんだよ?」

「お前は未来を変えすぎた。もうこのピストルは返してもらう」

バッとピストルをひったくられた。

「じゃあな」

そう言って、オッサンは窓から飛び降りた。

「ちょっ!ここ二階だぜ!?」

翔瑠が急いで下を覗き込んだが、オッサンの姿はどこにも無かった。

「これ…夢か?」

翔瑠は頭を抱えた。

 

***

 

『お前は未来を変えすぎた…』

その言葉がぐるぐると頭の中で回っていた。

そしてピストルも奪われた。

これで俺も単なる高校生に戻っちまった訳だ。

「あぁ!くそっ!」

部屋の壁を『ガンッ』と蹴っ飛ばした。

それを聞きつけたオフクロが心配そうに部屋のドアをノックして話しかけてくる。

「翔瑠、どうしたのぉ?」

「何でもねーよ…」

ふてくされながら答えた。

「そおぉ?ならいいんだけど…」

くそっ!

未来の警察だか何だか知らねーけど余計な事を…。

「しかしあのオッサンもオッサンだよな、何も奪ってくこたねーのによ」

翔瑠は誰に話すでもなく独り言を呟いていた。

ま、これで俺も未来を救うヒーローから降ろされたわけだ。

これからはただの高校生だ。

ただの…。

…やっぱり納得いかねー…。

何とかしてあのピストルを奪い返してやる。

そう決意した翔瑠だった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

まだ続けんのかよ!

だって他に書くこと無いんだもんhappy01

ちょっと長いかなぁ…。

それはともかく。

翔瑠は一体どうやってピストルを奪い返すのか。

あのオッサンの正体は?

次回、うつろわざる者。

次回もお楽しみに!

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ピストル』第五発目。

「これは…」

ゴクリとつばを飲み込んだ。

そう、大量の弾丸が小包にぎっしりと詰め込まれていた。

これは、あのオッサンからだろうか?

こっちでは23だからまだお兄さんかな?

「って、そんな事はどうでもいい!ん?これは…メッセージカード…」

『どんどん使え』

「ありがてぇ…」

翔瑠は送り主に感謝して、リボルバーに弾丸を詰めた。

「よし、今日の朝までだ…」

翔瑠はピストルを下に向けて撃った。

 

***

 

「…今の時間はっ!?」

午前六時だった。

「よし!この時間なら多分間に合うぞ!」

翔瑠は学校であの男子生徒が現れるのを待った。

校門にへばりつき、次から次へと登校してくる生徒を見ていた。

「居た!あいつだ!」

キョロキョロと辺りを見渡していた。

恐らくあの殺された女生徒を探しているのだろう。

そいつに翔瑠は声をかけた。

「おい」

「な、何ですか?」

「なぁ、お前、今日告白するつもりだろ」

「な!何で知ってるんですか!?」

「俺に知らねぇ事はねぇぞ?いいかぁ?あの女子はやめとけ、浮気癖がある」

「なっ!彼女はそんな人じゃない!」

「はぁ、仕方ねぇなぁ、フラれても文句たらたら付けねぇでスッパリ諦めるんだぞ?」

「ボ、ボクはフラれない!」

「それがフラれんだっつーの…」

翔瑠は小声で呟いた。

「ま、せいぜい頑張んな」

このままではまた事件が起こる可能性がある。

だが翔瑠には作戦があった。

 

***

 

「…おい、翔瑠、何で翔瑠の周りに金属バットがゴロゴロ転がってるんだよ」

友人の一人が話しかけてくる。

「部活だ」

「部活って翔瑠野球部じゃねぇだろ?」

そう、作戦とはあらかじめ野球部の部室から金属バットを押収して事件を起こすのを未然に防ぐというものだった。

学校内の金属バットを集めてきた。

これで奴も諦めるだろう。

…だがそう上手くはいかなかった。

ガシャンガシャン!

「なっ!?何だと!?」

「おい!翔瑠!廊下で誰か暴れてるぜ!」

「そんな!確かに学校中の金属バットは全て…そうか…」

翔瑠は事態を把握した。

「そうだよな、何も武器になるものは金属バットだけじゃねーよな…」

でも、今の俺なら防げる。

例え相手が何を持っていようとな!

翔瑠は金属バットを一本持ち、廊下に飛び出た。

「よぉ…、朝忠告したよな。フラれても逆恨みすんなってよ…」

相手は椅子を持って振り回していた。

「うるさいうるさい!何でボクじゃダメなんだ!」

「…うっせー」

「な、何だよ!」

「うるせーっつってんだよ!」

「ひっ!」

翔瑠は金属バットをビッと男子生徒に突きつけるとこう言った。

「男がたかだか女にフラれたぐれーで腐ってんじゃねぇよ!」

翔瑠は金属バットで椅子を吹っ飛ばした。

「ひぃい!」

男子生徒は逃げるように去って行った。

「ふぅ、これで安心だな。アンタも罪作りな女だねぇ…」

やれやれといった感じで翔瑠は一息ついた。

「か、翔瑠、大丈夫か!?」

「あぁ、問題ない」

「か、翔瑠さんっていうんですか…?あの、ありがとうございましたっ!」

女生徒がペコリと頭を下げた。

「あぁ、気にすんな」

その時、体育教師がやってきた。

「あぁ、先生。もう犯人は…」

「分かってる、ちょっと職員室まで来い!時代!」

「え?何で?」

「窓ガラスはその金属バットで割ったんだな?」

「ちょっ!ちがっ!」

抵抗虚しく翔瑠は体育教師に引っ張られて行った。

「何でだよぉーーー!!」

…その後、みっちりお説教を食らったが、女生徒が職員室に来て事の経緯を話してようやく誤解が解けた。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今回のお話はコメディタッチで書いてみました。

誰も読まない小説を書くのも正直しんどいですよ。

おじさん知ってるよ。

皆が真剣で私に恋しなさいの記事で来てること。

でもゴメンね。

大した事書いてないのだよ。

まじ恋の総理のネタ元が麻生総理で学長がブリーチの元柳斎重國(多分)ってこと位だよ。

それでは今日はこの辺(どの辺?)で。

でわでわ~。

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『ピストル』第四発目。

「ふぁ…、おはよ~…」

「おはよぉ~、翔瑠」

こうやって挨拶してレスポンスが返ってくるのがこんなに幸せだとは今まで考えてもみなかった。

あれから数日…。

翔瑠は未知のウィルスから日本を救ったあの日からピストルに触れる事は無かった。

「そんじゃ、学校行ってくるよ!」

「いってらっしゃあい」

おっとりとした口調で母親が翔瑠を送り出した。

そして事件は学校で起こった…。

 

***

 

「きゃぁー!」

校内にこだまする悲鳴。

それと同時にガシャンガシャンと次々と窓ガラスの割れる音がした。

何事かと思い、翔瑠は廊下に飛び出した。

すると、一人の男子生徒がしりもちを付いている女生徒に向かって持っている金属バットを振り上げた。

「やめろ!」

翔瑠は別に正義感が人一倍強いという訳ではない、いたって普通の生徒なのだが、この時ばかりはそう言ってられない。

他の生徒はただ事の成り行きを黙って見てるだけだったから仕方がなく翔瑠が止める役目を買って出た。

「なんで…、なんでボクじゃダメなんだぁーーー!」

男子生徒を制止する事が出来ずに金属バットは無残にも女生徒の頭に振り下ろされた。

ぐしゃり。

それはとても気持ちのいい音では無かった。

女生徒の頭はぱっくりと割れ、脳がだらりとはみ出していた。

「…こいつが…。こいつが悪いんだ。ボクをフッたから!」

男子生徒が呟く。

「見るな…。見るなーーー!」

そう言いながら男子生徒は金属バットで次々と犠牲者を出す。

「くそっ!原因はあの子にフラれたからか!それは何時だ!?少なくとも昨日までいつもの日常だった。とすると今日の朝か!」

翔瑠はハッと気付く。

あのピストルさえあれば今の現状を変える事が出来るのではないかと。

男子生徒は体育教師に捕まり、だらりと垂れた手から金属バットを落とした。

翔瑠は一刻も早くピストルを取りに帰った。

 

***

 

翔瑠が勢いよくドアを開けようとすると鍵が掛かっていた。

「オフクロは店の手伝いか、鍵、鍵と」

財布から鍵を取り出して翔瑠は急いで鍵を開け、自分の部屋へ向かった。

ピストルは机の引き出しに閉まってあった。

「よし、今日の朝までだから下に向けて…と」

カチリ。

「え…!?」

カチカチ。

「何でだ!?何で飛べない!?」

翔瑠はピストルをよく見てみた。

「…そうか、リボルバーだから六発しか撃てないんだ…」

と、いう事は弾丸が必要な訳だ。

「チクショウ、あのオッサン何も言って無かったぞ」

まぁ聞かなかった自分も悪いと翔瑠は思ったがそこはあえて口に出さなかった。

「あらぁ?翔瑠、帰ってるのぉ?」

「オ、オフクロ!?」

急いでピストルを隠して、ドアから顔を覗かせた。

「ど、どうしたんだよ」

「それはこっちの台詞よぉ。なぁに?早退?」

「あ、あぁ。まぁそんなとこ」

「それよりポストに翔瑠宛の小包が届いてるわよぉ?変ねぇ、送り主が誰だか分からないわぁ」

「小包?何だろ?」

確かに変だ。

ネットで買い物なんかしてないのになぁ。

と、思いつつ、小包を開けようとしたらオフクロが覗き込んでいた。

「な、なんだよ」

「お母さんも気になるのよねぇ。ひょっとして誰かからのプレゼントかしらぁ。女の子からのぉ」

「…自分の部屋で開けるよ」

「何よぉ、気になるじゃなぁい」

そうして翔瑠は自室に戻り、包みを開けた。

「これは…!?」

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

はい、今日はここまで~。

続きが気になるところですね。

こうやってねちねち更新してみる。

しかし、誰もこの小説を読んでない罠。

知ってるよ、オジさん知ってるよ。

アクセス解析で皆、みなとそふと愛羅武勇で検索して来てるの知ってるんだから。

愛羅武勇はエイプリルフールのネタに騙されたオジさんの痴態が書いてあるだけだからもう放っておいて!

と、言う訳で、今日はこの辺で(どの辺だよ)

でわでわ~。

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『ピストル』第三発目。

『パァン!』

「…ん」

つむっていた目を開けるとそこには、バタバタと倒れる人たちが目に入った。

「これは一体!?」

「デング熱だ…」

急に背後から声が聞こえた。

バッと振り返ると、男が立っていた。

「デング熱って何だ?」

「蚊によって媒介されるウィルス性の病気だ」

「それに何かやたらと暑いな」

「元々ネッタイシマカは日本には存在しない。この温暖化で海外から流れてきたんだ」

「ところでアンタ誰だい?」

「そのピストルを発明した」

「何だって!?それじゃあのメッセージカードはアンタが!?」

「あぁ、そうだ」

「何で俺なんだ?」

「別に誰でも良かったさ、ただコイツを悪用しないような人間を、と君を選ばせて貰ったのだがね」

「それよりあの人たちを助けなきゃ!」

「無駄だ、現在医療では感染したら死ぬのを待つしかない」

「じゃあどうしろって言うんだ!」

「未来に飛んでワクチンを取ってきてもらいたい」

「それならアンタが行けばいいだろ、何で俺なんだよ」

「ピストルの所持者は君だ、君以外どうにも出来ん」

「チッ、分かったよ、ワクチン取ってくりゃいいんだろ」

「あぁ、頼む」

そして駆瑠は天に向けて銃を放った。

 

***

 

「病院病院っと」

平行に銃を撃って病院まで飛ぶ。

「あった!病院!うー暑ぃ…」

クーラーの効かない院内へ入ってワクチンを分けてもらった。

研究に使いたいと願い出たらあっさりくれたので少し拍子抜けした。

そして過去へ…。

 

***

 

「オッサン、貰ってきたぜワクチン」

「うむ、早くそれを大学病院へ…」

「そんじゃ、ちょっくら行ってくらぁ」

銃で移動する。

「これがデング熱のワクチンです!」

近くに居たナースにワクチンを渡す。

「そんじゃ!」

『パァン』

「渡してきたぜ、オッサン」

「…さっき言おうとしたんだが、俺はまだ26だ」

「十分オッサンじゃねぇか」

「違う」

「違くないね。それより帰っていいか?」

「うむ、ご苦労だった」

「ところでよー、何でアンタ自分でこの拳銃使わないのさ?」

「それは言えない」

「なんだよ、ま、いいけど。そんじゃな」

『パァン』

そうして翔瑠は現在に戻ってきた。

「ふぅ、温暖化って危険なんだな。これから省エネしないとな」

このとき、翔瑠にはこのピストルの危険性を知ることは無かった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

うー、もうネタ切れだー。

このとき翔瑠には、とか書いちゃったけど何かピンチが訪れるのか!?

まぁ、騙し騙し書いて行きますよ。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ピストル』第二発目。

急いで家に帰った駆瑠は、懐からピストルを出した。

「これで未来を変えろだって!?一体どういう意味なんだよ!」

ふとテーブルの上を見ると、メッセージカードが2枚になっていた。

「あれ?さっきまでは1枚だったのに…」

恐る恐る2枚目のメッセージカードを見る。

『どうやら使ったようだな。いい事を教えてやろう。その銃を下に向けて撃つと過去に、平行に撃つとその時代のどこかに、最後に天を打ち抜くと未来へと移動できる。この事を頭に入れておけ』

「そんな…、一体誰が?それより下に向けて撃つと過去に…?それじゃあ死んだオヤジとオフクロも救えるって事か!?」

駆瑠はしばらく考えたのち、決意した。

「過去へ行こう。そしてオヤジとオフクロを救うんだ!」

駆瑠は銃口を下に向けて撃った。

 

***

 

───過去

 

3年前の15時。

この時間に二人は出かけた。

駆瑠はその10分前に到着した。

「それじゃ、留守の間店番たのんだぞ」

オヤジだ!

「えー、めんどくせーよ」

俺だ。

「お願いねぇ、駆瑠」

オフクロだ。

3年前の俺が居る。

ここで出て行ったら混乱させるだろうからもう少し後で止めよう。

そして3時丁度に二人は出かけた。

よし。

駆瑠は二人の後をつけた。

そして、二人はタクシーに乗り込んだ。

駆瑠も急いでタクシーを捕まえて再び後をつけた。

羽田空港に着いた二人は搭乗手続きをしている。

よし!今だ!

「オヤジ!オフクロ!」

「ん?駆瑠か?どうしたこんな所で」

「あらあら~、ちょっとぉ、いつの間にこんな大きくなったのぉ?」

「そんな事は今はどうでもいい!とにかく行っちゃダメだ!」

「どうしてぇ?」

オフクロが問う。

「どうしてもだ!」

「何だ、そんなに店番が嫌なのか?こんな所まで追いかけてきて」

「違うんだ!とにかく俺の話を聞いてくれ!」

オヤジとオフクロは必死の俺の顔を見て、顔を合わせた。

「そんなに言うなら話だけでも聞こうか」

ほっと胸を撫で下ろした。

 

***

 

「いいか、オヤジ、オフクロ。このままこの飛行機に乗って行けばバスの転落事故で二人とも死ぬんだ」

「…駆瑠、お前大丈夫か?」

「何がだよ」

「頭がだよ」

駆瑠はため息をついた。

「あのなぁ…、何でそんなウソ付かなけりゃならん!とにかく今行っちゃダメなんだ、次の便で出発してくれ」

今度はオヤジがため息をついた。

「わかったわかった、次の便にするよ、まったく、どういう事だ?」

「良かった、それじゃ、未来でな」

「何言ってるんだか」

そして外に出て、拳銃を構えた。

「確か未来に行くには天を打ちぬくんだったよな」

『パァン』

 

***

 

そうして、現代に戻った。

「ここは…、店の前か。あれ?張り紙が無い…」

駆瑠は店のドアに手をかけ、引いてみた。

キィ。

開く!?

「いらっしゃい!…って駆瑠じゃねぇか、珍しいな。手伝ってくれるのか?」

「あらあらぁ、駆瑠もようやく手伝う気になったのねぇ」

「オヤジ…、オフクロ…、良かった…、良かった…」

駆瑠はその場で涙をこぼした。

「お、おい。どうした?何かあったのか!?」

───こうしてオヤジとオフクロが生きてる現代になった。

未来を変えろとはこういうことなのだろうか?

しかし、この拳銃は一体?

まだ疑問が山積みだ。

そんな事を考えながら家に入ると、テーブルの上に3枚目のメッセージカードが置かれていた。

『今度はそれで未来を見て来い』

今度は未来?

未来で一体何が…?

そうして駆瑠は天に銃口を向けた。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

無事に両親を救えた翔瑠君。

今度は未来で何が待っているのか。

乞うご期待。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ピストル』第一発目。

退屈だ。

毎日毎日学校と店の行き来だけで過ぎていく日常。

店というのは、事故で死んだ俺のオヤジとオフクロが残してったボロい骨董屋だ。

事故は無残なものだった。

両親が旅行の最中にバスに乗った。

バスが崖のカーブを曲がりきれずに崖から転落したというものだった。

両親は病院に運ばれるも、時は既に二人の息を引き取ったあとだった。

こんな毎日に俺は退屈していた。

これといって店が繁盛してる訳でもなく、かといって閑古鳥が鳴くほど暇ではない。

毎日、何人かの客相手に笑顔で対応しなくてはならない。

そして、客が帰るとどっと疲れが出る。

「はぁ…、俺なにしてんだろう?」

貴重な青春をこんな骨董屋に注いでいいのだろうか?

常々そう思っていた。

そんなある日、骨董屋にあるモノが届く。

 

***

 

「ふぁ~あ、眠ぃ…」

少年の名前は時代 翔瑠(ときしろ かける)

朝の新聞を新聞受けに取りに行くと、四角い箱が新聞と一緒に入っていた。

それを地面に落としてしまった。

「何だ?これ」

ずしりとしたそれを拾い上げると、メッセージカードが付いていた。

『これは時を移動するピストルだ、コレで未来を変えろ』

「時を移動するピストル?何だそれ?」

ごそごそと、包装を解くと、拳銃が出てきた。

「うわわっ!何だこれ!ほ、本物か?」

一見しただけでは本物かどうか区別がつかない。

いくら骨董屋でも拳銃なんて置いてない。

翔瑠は取り合えずそれを家の中に持ち込んだ。

 

***

 

「…もしかしてモデルガンなんじゃないか?」

一人でぶつぶつと呟きながら拳銃を見た。

リボルバーだと思われるその拳銃の銃口は塞がっていた。

「何だ、やっぱりモデルガンか…」

ちょっと安心した。

「う~ん、しかし誰がこんな物を?」

考え込んでいると、朝の8時を回っていた。

「うわっと、学校行かなきゃ!」

そうして拳銃をテーブルの上に置き、学校へ向かった。

 

***

 

「よっ!オハヨーさん。商売繁盛してるか?」

「まぁ、ぼちぼちね」

友人の言葉も右から左だった。

(あの拳銃は一体誰が)

そんな事ばかり考えていた。

学校から帰ってきてもそればっかり気になって店どころじゃなかった。

「今日は臨時休業…と」

店のドアに張り紙をして、翔瑠は速攻で家に帰った。

玄関の鍵を開け、拳銃が置いてあるテーブルに一直線に向かった。

「う~ん、やっぱり気になるなぁ…。店に置こうかな?でもその前に試しに打ってみたいな」

翔瑠は好奇心に負けて、拳銃を構えた。

テーブルの上の飲みかけのジュースの缶目掛けて引き金を引いた。

『パァン!』

 

***

 

わいわいがやがやと聞こえる周囲の雑音。

「あれ?俺いつからここに?あ、109だ…」

何故か翔瑠は渋谷のど真ん中でピストルを構えていた。

「やべっ、拳銃隠さなきゃ!」

急いで裏ポケットに拳銃を閉まった。

「俺んち世田谷なんだけどなんでいきなりこんな所に?」

そして翔瑠はメッセージカードを思い出した。

『これは時を移動するピストルだ、コレで未来を変えろ』

「マジで…?」

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

久しぶりの小説です。

今回は時を駆ける少女ばりに時間を移動しちゃいます。

さてさて、駆瑠君に訪れる未来とは?

ピストルの差出人は一体?

複線盛りだくさんだお送りいたします、完全新作書き下ろし。

乞うご期待。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『白い原稿用紙』第二話。

「あ~、頭痛ぇ…」

昨日は晃のファンの子と飲み明かして帰ってきた。

「メルアド教えてもらったけどこれどうしよう?」

するとケータイが鳴った。

メールだった。

「あ、昨日の子からだ…」

『昨日はありがとうございました!』

それに返事を書く。

『今どこ?』

『千田さんの家です』

あいつ!

お持ち帰りしやがったな!

『そうか、仕事は?』

『今日は休んじゃいます』

『じゃあ今夜も飲みに行こうよ』

『いいですよ』

『それじゃ、五時に昨日の居酒屋で』

『分かりました』

そうしてケータイを置く。

「ふぅっ、俺のファンなんじゃなかったのかよ…」

 

***

 

午後五時。

一応店の前で待っていた。

午後六時。

いつまでたっても彼女は現れない。

もしかして、道に迷ったのかな?

「よし、迎えに行くか」

そして晃の足は義明の家へ向かっていた。

このマンションの5階だったよな。

エレベーターに乗ると、何だか煙たくなってきた。

「ごほごほ!何だこれ!」

5階に着くと、義明の部屋から黒煙が出てた。

とにかく火事だ!

二人は無事か!?

とっさに玄関を開ける。

そこには気絶している昨日の女性とそれを呆然と見ている千田の姿があった。

「おい!義明!」

そう叫ぶと、千田はくるりとこっちを向いて笑い出した。

「ひゃははは!燃えろ燃えろ!真っ黒に焦げちまえ!」

「よ、義明!?」

とにかく女性を救出しなければ。

「おっと、晃には悪いが、この女は俺の女だ、手出しをするな」

「何故…、何故こんな事をする!」

「ひゃっはっは!俺は焼死体を見るのが大好きなんだよ!

「何だって!?」

「丸焦げの人間の匂いがたまらなく好き何だヨォォ!」

ダメだ、イッっちまってる。

「やめるんだ!今なら消防車が来るのに間に合う、彼女だけでも助けてやってくれないか!?」

「彼女だけェ?だから言ってんだろ、俺は人がまる焦げになるのが大好きなんだよォ!」

すると、彼女が咳き込み始めた。

「ちっ、もう起きたか…、睡眠薬の量が少なかったかな…」

「ゲホゲホ!」

「お前はもうちょっと寝とけ」

起き上がろうとした彼女の腹に蹴りを放つ。

「ゲホッ!」

「やめるんだ!」

晃は千田に殴りかかった。

その攻撃は虚しく千田にとめられた。

「俺は消防署で鍛えてたんだぜ?手を動かすだけの漫画家が俺に敵うかよ!」

「黙れ!」

もう一発パンチを放つが、それも阻まれる。

そう揉みあってると、彼女が意識を取り戻したらしく、起き上がった。

「ゲホゲホ!」

「俺がこいつを止めてるうちに早く外に出るんだ!」

「は、はい!」

「…逃がすかよ!」

揉みあってる最中に俺は投げ飛ばされた。

しかし、タダで転ぶわけにはいかない。

千田の足に足をかけてやった。

すると上手い具合に千田が転んだ。

その隙に彼女は外へ逃げ出した。

「晃…、お前よくもやってくれたな…、こうなったら、お前だけでもまる焦げになってもらおうか」

「へっ、残念だったな」

「何がだ?」

「後ろを見てみろよ」

「二人とも大丈夫か!」

「なっ!消防!?」

消防士が何人も部屋に上がりこんで火を消し始めた。

「チクショウ!誰だ、消防に連絡入れたの!」

「ん!?千田。千田じゃないか!」

「あ、せ、先輩!」

「ここ千田の家だったよな、どうした?一体何があった?」

「いやっ…、それが…」

「こいつが火を付けたんですよ!」

「晃…、お前何言ってるんだ?これは事故だろ?なぁ」

「嘘だ!」

「まぁ、現場検証すればおのずと答えは出る、それまで誰が放火したのかはお預けだ」

後日分かった事だが、部屋にガソリンを辺りにぶちまけられていたらしく犯人はすぐに千田ということが分かった。

その後、千田は逮捕され、殺人未遂、放火の罪で留置所に入れられた。

こうして、千田の放火事件は幕を閉じた。

 

***

 

─その後。

「あの、あの時はありがとうございました」

「怪我が無くてよかったね」

「私、千田さんがあんな人だって分かってたら家に上がらなかったのに…」

「ま、いいさ、それじゃ、俺仕事あるから、気をつけて帰ってね」

「あのっ…!星野さんの家に行っちゃダメですか?」

「まったく、懲りないね。まぁいいけど」

「やった!」

てくてくと道を歩いていると、思い出す。

(そういや俺が書いた読みきりにそっくりな事件だったな…)

そんな事を考えながら家に戻った。

「汚いけど、どうぞ」

「お邪魔します」

「何か飲む?」

「いえ、それよりお仕事のお部屋が見たいです!」

「こっちはホントに汚いよ?トーンとか付くかもよ?」

「大丈夫です!」

「そう」

そうして、ガチャリと仕事部屋を開けた。

「うわぁ、ここが漫画家さんのお仕事部屋かぁ…。あ、原稿用紙だ、見て良いですか?」

それは昨日仕上げたばかりの女性が火災現場から逃げ出すという内容の原稿だった。

「…真っ白ですぅ…」

「えっ?真っ白!?」

ババっと原稿を見る。

確かに書いたはずの原稿が真っ白だった。

そういえばあの時、状況が漫画の内容そっくりだった事に気付く。

「そんなバカな…」

「あ、最後のページだけ書いてありますよしかもキスシーンですよ!」

それじゃ、俺は今からこの子にキスをしなくちゃならないのだろうか?

そうすれば原稿用紙は白紙に戻るのだろうか?

晃は頭を抱えつつ、その原稿用紙を捨てた。

もう、漫画に振り回されるのはゴメンだ。

こうして人気漫画化星野晃は漫画界から姿を消した。

 

 

***

 

今日のあとがき。

二話完結ですね。

今回は自分でも納得出来ないところが多々あるので、公開しようか迷ったんですが、結局載せる事に…。

最後サスペンスじゃなくてホラーに近いかな?

とにかく最後までgdgdだったのは勘弁して下さい。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『白い原稿用紙』第一話。

人気漫画家、星野晃(ほしの あきら)はスランプに陥っていた。

読みきりの仕事が来たのだが、いくら机に向かってストーリーを書こうとしても一向にアイデアが浮かばない。

こういう日は仕事を打ち切り、外へ出かける方がいいと思い、星野の足は玄関に向かっていた。

その時、電話が鳴った。

誰からだろうと、携帯のディスプレイを見た。

そこには千田義明(ちだ よしあき)と出ていた。

千田とは昔からの幼馴染で、今でも暇さえあればしょっちゅう飲みに行っている。

「もしもし?」

「あー、晃か?今晩飲みに行かねーか?」

「おう、いいよ、どこ集合?」

「いつもの居酒屋でいいだろう?」

「おう、いつものな」

そういう会話をし、晃の足は再び机に向かった。

気晴らしは夜にすればいい。

その間に、原稿を書いてしまおうと思った。

千田との会話で少しはスランプを脱出できた。

漫画がすらすら書ける。

この日書いた漫画は、女性が火災現場から逃げ出すという内容だった。

そうして、時間はとっぷりと暮れ、そろそろ夜になろうとしていた。

「さてと、出かけるか」

そうして、晃は家を出た。

いつもの居酒屋へ向かって歩いていると、後ろから女性に声をかけられた。

「あの、星野晃さんですよね?」

「えっ?あ、はい。そうですけど?」

「私、ファンなんです、握手してください!」

「あ、握手ね、ハイ」

そうして手を差し伸べる。

女性は手を取りぶんぶんと握手をした。

「ありがとうございました!」

「それじゃ、俺行くから」

「あっ、お引止めしてしまってすみません!」

「いやいや、全然、それじゃ」

こうして居酒屋へ向かった。

 

***

 

居酒屋では、既に千田が待っていた。

「おう、こっちこっち!」

千田が手招きしながら晃に呼びかける。

「おう、待った?」

「いや、俺も今来た所だ」

店員が急いでやってきて、注文を取る。

「生2つね」

「かしこまりました」

「で、お前最近どうよ?」

千田が晃に問いかける。

「ん?まぁボチボチといったところかな?」

「大変だろ、アシスタントも居ないんだからよ」

「そうでもないよ」

運ばれてきたビールを飲みつつ、そう答えた。

「逆にアシスタントが居たほうが邪魔になったりするんだよね」

「へぇ、そんなもん?」

「そんなもんだよ。それより義明の方はどうなんだよ?」

千田は消防士をしていた。

「あのな…、これを話す為に今日呼んだんだよ」

「なんだよ?」

「俺、消防士辞めたんだ」

「は?何でまた」

「俺、向いてねーんだよ」

「昔はよく火遊びして興奮してたよな」

「うん、俺もこれが天職かと思ってたんだが…」

「何かあったのか?」

「もう現場で死ぬ人を運ぶのに嫌気が差したんだよ」

「でも助かる人も居るだろう?そういう人達の手助け出来ただろう」

「そうなんだが…」

そんな会話をしていると、誰かが店に入ってきた。

「いらっしゃいませー」

「あ、さっきの…」

「あ、星野さん!さっきはどうもありがとうございます!」

「いいよいいよ、それより一人?」

「えっと…、はい」

「それじゃ、俺達と一緒に飲む?」

「い、いいんですか!?」

「いいよいいよ、な、義明」

「お、おう」

千田はあっけにとられていた。

晃は千田のグラスが空になってるのに気付いて、生を3つ注文した。

「私、星野さんの『恋の三遊間』が大好きなんです!」

「なんつー題名だよ…」

「あはは、少女漫画の依頼が来たのはそれが始めてでね、悪戦苦闘しながら書いたよ」

こうして三人は夜中まで飲み明かした。

 

続く

 

***

 

今日のあとがき。

はい、今回はサスペンス風味で行こうかと…。

夢に出てきたんです。

こういう作品が。

果たして晃と千田はどうなるのか?

漫画と何か関係あるのか?

それは次回。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『空と飛ぶ少年』第3話。

今日もザンザンと雨が窓を打ちつける。

「う~ん、流石に今日は休みだな」

少年はそう言って再び布団にもぐった。

すると、プルルルという電話の音で目が覚めた。

「母さん電話だよ!」

家の中がシーンと静まり返っている。

その中でけたたましく電話が鳴り続ける。

「全くもう…」

少年は部屋から出て、受話器をとった。

「もしもし!?マヒルが!助けて!」

「マヒルのお母さん!?マヒルに何かあったんですか!?」

「丘の上の崖から落ちたの!すぐに来て!」

「分かりました、取り合えず落ち着いて下さい」

マヒルが危ない。

そう感じた少年は、丘の上へ向かった。

 

***

 

降りしきる雨の中、少年は丘の上の崖まで来た。

そこには、ずぶ濡れのマヒルのお母さんが居た。

「あぁ、どうしよう、マヒルが…、マヒル…」

少年は傘をマヒルのお母さんに渡した。

「お願い、あの子を助けて!」

「わかりました、とにかく、お母さんはもっと人を集めてください」

「わ、分かったわ」

さて、ボク一人で何とか出来ないだろうか?

崖の端から端まで見て回った。

すると、マヒルのエアボードが落ちていた。

よくよく調べると、足を固定する金具が外れていた。

「これは、まだ使える!」

少年ははマヒルのエアボードに乗り、崖から飛び降りた。

 

***
 

「うおぉぉぉ!」

少年はエアボードに乗り、崖を下って行った。

正直自分でも自殺行為だなと思った。

何せまともに乗れないエアボードで飛び出したのだ。

しかし、少年の乗るエアボードは今までと違った。

ギュウンという音と共に空に向かって飛び出した。

(今のボクなら…イケる!)

そのまま少年は風になった。

崖を降りていくと、ぐったりしたマヒルが居た。

「おい!マヒル!しっかりしろ!」

「んん…、少年か、あれ、体が動かない…」

「崖から落ちたんだ、きっと骨折してるんだよ」

「崖から…、そういえばエアボードの金具が外れて…、痛っ!」

「無理するな、今人が来る、それまで持ちこたえるんだ!」

「どうやってここまで?」

「エアボードに乗って来たんだよ」

「少年の癖に生意気だぞ…」

「いいから、ちくしょう、まだ来ないのか!?」

「そのエアボードで飛んで来たならアタシを担いで飛んでよ…」

「そうだな、そっちの方が早いかもな」

そうして、マヒルを抱えて、エアボードに乗る。

ヒュンヒュンと崖を登っていく。

「ここまで飛べるようになったなら、もうアタシが教えること無いね…」

「そんな事無いよ…」

降りつける雨を縫って風の如く上に上がっていく。

 

***

 

崖を登りきったところに、大勢の人たちが集まっていた。

「あぁ!マヒル!大丈夫!?」

「ん、ちょっと骨やられてるかも…」

「お医者さんも呼んでるから、見せてごらんなさい」

マヒルは素直に、救急車に乗り込み救急車は病院へと向かって行った。

「さってと、このボード、取り合えず家で預かっておくか…」

雨はいつの間にか止んでいた。

 

***

 

次の日。

ジリリリといういつもおなじみの目覚まし時計が鳴り響く。

もぞもぞとベッドから這い出ると、目覚ましを止めた。

「うぅん…、今日はピーカンだなぁ…、でも約束したわけじゃないから今日はもう少し寝よう」

そうしてベッドに戻ろうとすると、電話が鳴った。

「ん?こんな朝早くから誰だ?」

そう言いながら少年は受話器を取った。

「もしもし?」

「あー、アタシ、マヒル。アタシのボード持ってった?」

「あー、うん、一応うちで保管してるよ」

「それじゃあさ、今日もいつもの丘で落ち合おう」

「え、だってマヒル、体はいいの?」

「少年はそんな事気にしなくていいのだ」

「…分かったよ、それじゃいつもの場所で」

そうして少年は受話器を置いた。

 

***

 

「おはよう、ちょっと用事で出かけるから!」

「おう、息子よ!昨日はたいそう活躍したそうじゃねぇか!」

「その話は後で!」

少年はトーストを一枚かじりながら家を出た。

そして、丘までマヒルのボードを届けに行く。

「おう、少年、早いな」

「体調はどうだ?」

「左腕と右足を骨折しただけだ、その…、ありがとなバジル…」

「え?今、ボクの名前…」

「は、早くボードを返せ!」

「その腕じゃボードを持てないでしょ、いいよ届けるから」

「す、すまないな…」

「何、いつも教えてもらってるお礼だよ」

そうして、少年はマヒルの家までボードを届けた。

玄関口にて。

「それじゃーなー!怪我治ったら競争しようぜ!バジル!」

そう、ボクの名前はバジル。

特技は風を読むこと。

そして、エアボーダーだ。

今日も今日とてマヒルと一緒にエアボードで競争している。

相変わらず、バジルの腕前は初心者レベルだった。

「もう!あの時は出来たのに何で今は出来ないのよ!」

「そ、そんな事言われたって…」

相変わらずのボクだった。

 

『空と飛ぶ少年』 

 

***

 

今日のあとがき。

なんか後半gdgdに…。

一応続きが書けそうな終わり方したから好評なら続き書きます。

4話書くとか言って結局3話でした。

まぁ久々の小説ですし、こんなもんでしょ。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『空と飛ぶ少年』第2話。

「おはよう、マヒル…」

少年は眠い目を擦りながらマヒルに挨拶する。

「うむ、今日も時間ぴったし、偉いぞ少年!」

「…もう、少年はやめてよ」

「よっし、今日から本格的に練習するよ、まずアタシが見本見せるから付いてきて」

「え…、ちょっと待って…」

そう言うが、マヒルはとっくに遠くの彼方へエアボードで飛んで行った。

「…もう、人の話くらい聞いてよ…」

少年もエアボードをセットし、マヒルに付いて行く。

 
***

 

ビュンビュンと飛ぶマヒル。

それに対してゆるゆるとボードを動かせている少年。

「少年ー!どうしたー!遅いぞー!」

「…マヒルが速いだけだよ」

「ん~?何か言った?」

「…いや、別に…」

そうして少年はゆるゆるとエアボードで前進する。

「全く、遅すぎる!いい!?ボードの中心に意識を集中して──」

いつものマヒルの説教が始まった。

少年は、風の方向を気にしていた。

「まずい…」

「それでエアースイッチを…」

「もうすぐ嵐が来る、今日はもう辞めにしよう」

「げ、マジ?少年の天気予報は百発百中だからな、帰るか」

少年は、風の感覚で、天気が分かるという特殊な能力を持っていた。

こうして少年は家に帰った。

 

***

 

「おにーちゃん!遊ぼー!」

「遊ぼー!」

「悪い、千夏、千秋、お兄ちゃん勉強しなきゃ」

「ちぇー、じゃあ千夏ちゃんおままごとしよ!」

「うん!」

こうして少年は自室へ戻り、エアボードの練習をする。

狭い部屋の中で、基礎練習を何度かして、今日の練習を終えた。

晩ご飯の最中に、お父さんがエアボードの話をしてくる。

「どうだ、息子よ!えあぼーどはマスターしたか!?」

「ん~、まだまだかな」

「がっはっは、マヒルちゃんが先生なら問題ないだろう、何せ、えあぼーどを作った研究員の娘だからな!」

「そうだね」

「父さんの力が必要ならいつでも貸すぞ」

「うん、気持ちだけ貰っとく。父さんは会社にちゃんと行って」

「がっはっは、それもそうだな!」

「ご馳走様!これから練習するからなるべく部屋に入ってこないでね」

「おう!頑張れよ!」

そうして少年は部屋でエアボードの練習を始めた。

「ホップはこう…」

ポフポフとホップする。

「後は自由自在に操れるといいんだけどなぁ…、明日は腫れるかな?」

窓には雨が吹き付けてきていた。

 

***
 

今日のあとがき。

今回は4話くらいで終わらす予定です。

一応3万ヒット御礼という事で、長すぎず、短すぎずという事で、4話構成でやろうと思います。

ただ、もっと書きたくなったらそれ以上もありえます。

完全ノープランなんで、分かりません。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『空と飛ぶ少年』

───その時、少年は風になる。

 

ジリリリという鬱陶しい目覚ましの音で目が覚める。

そして、少年はもぞもぞと布団から出てきて、目覚ましを止める。

「ふわぁ~あ…」

階段を下り、寝癖を直しつつ、洗面所に向かう。

そのとき、豪快な声が、少年の横から聞こえた。

「おう!息子よ!今日も練習か!?」

声の主は父親だった。

少年はこの家に引き取られた養子だった。

その後、母さんが双子の妹を生み、ボクは少々肩身の狭い思いをしていた。

だが、家族という関係が崩れるわけでもない。

ただ、ボクが勝手にそうしているのだと知っていた。

父さんも母さんもボクを厄介者扱いなんて一切しない。

家族の一員として扱ってくれる。

そんな父の問いかけに少年は答える。

「まぁ、ね。でも今日は大した練習はしないよ」

この練習と言うのは、空を自由に飛べる、“エアボード”というマシンの飛行訓練の事だ。

エアボードはスケートボードや、スノーボードに並ぶ、第3のボードとして発案された。

形もスケートボードに似ている。

ボードの四箇所に空気を取り込み、衝撃波で飛ぶという代物だ。

顔をばしゃばしゃと洗った後は、朝食を食べる為に食卓へ向かう。

「おはよう、母さん」

「おっ、少年おはよう!」

「もう、母さんまで少年って呼ばないでよ」

「あはは、だってアナタはまだまだ子供なのよ?だから少年でいいじゃない」

「ボクにだってちゃんとした名前があるんだ」

「ウフフ、ごめんなさいね少年」

こうやってボクは毎日からかわれてる。

朝食を終えると、エアボードと、弁当を持って丘へ向かう。

「おー、遅いぞ少年!」

「もう、マヒル、少年ってよばないでよ…」

この少女は“マヒル”

ボクのエアボードの先生で、幼馴染だ。

「あはは、それじゃ、今日はホップの練習するよ」

「ホップかぁ…、出来るかな?」

エアボードに乗り、ポフポフと地面スレスレをホップするマヒル。

「はい、これやって」

「コツとか無いの?」

「そんなもん自力で探しなさいよ」

少年はホップにチャレンジするものの、上手く行かず、すぐに根を上げた。

「もうー!無理だよマヒルー!」

ビュンビュンと空を飛んでいるマヒルが降りてくる。

「なーにー!?もう根を上げたの?だらしないな、全く」

「だって難しいんだもん」

「はいはい、文句言わないで、どこまで出来るようになったの?」

「3回まで…」

「あちゃー…、ホップでつまずくとはねぇ…」

「そういうマヒルはどれくらいで覚えたんだよ」

「アタシ?一時間」

「ぬぐっ!」

少年はざっと半日使っていた。

「まぁ、そろそろお昼だし、ちょっと休憩しよっか?」

「うん、そうしよう」

お昼は母さんの手作り弁当だ。

内容は結構凝っていて、一口サイズのステーキが入ってる事もある。

「相変わらず美味そうだな、少年の弁当は」

マヒルが弁当の中身を覗きこんでくる。

「そういうマヒルの弁当はどうなんだよ」

「見ーるーなー!」

げしげしと蹴られる。

「何だよ、良いじゃないか、ちょっとくらい」

そうして昼休みも終わり、ホップの練習に戻る。

今度はマヒルが付き添って教えてくれた。

その甲斐あってかホップはマスターした。

「よーし、今日はここまで、明日から本格的なエアボーダー目指すよ!」

「う、うん」

そういうと、二人は別々の家へ帰っていった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

3万ヒット御礼小説『空と飛ぶ少年』

今回は主人公の名前が一切出てきません。

べ、別に考えるのが面倒だったからじゃないよっ!

一応名前は考えてあります。

それは、ラストらへんで明らかになるとおもいます。

別に深い意味は無いです。

ただ、主人公なのに名前が出てこないっておもしれーなー、と思っただけで…。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第十四話。

「それではこの書類にサインを…」

王様が一枚の紙を差し出した。

それにはこう書いてあった。

“我は帝都の王の護神兵になることをここに誓う”

「なぁ、ごしんへいって何だ?」

それにベルが回答した。

「それは“ガーディアン”って読むんだよ、バーカ」

「テメ、後で殺す!」

「まぁいいや、さらさらっと」

ゲイルは、サインをした紙を王様に渡した。

「うむ、ただいまを持ってゲイルは護神兵と認める!」

「そんじゃ、俺ちょっと外行くわ」

「待て、まだ儀式が終わっとらんぞ!」

「何だよ、儀式って…」

「剣を掲げ、ワシに忠誠を誓うのじゃ」

「俺、剣じゃ無くてナイフなんだけどそれでもいい?」

「うむ、取り合えずやっとかないと、大臣とかがうるさいから」

「そういや、俺がここに来たとき大臣は何してたんだよ」

「大臣もあれで昔発明家だったらしく、研究所で発明品の試運転しとったらしい」

「まぁ、いいや。そんじゃナイフで…。我は誓う、今から王のガーディアンになる事を!」

「うむ、よろしい。ではあとは好きにするといい。城に居てもいいし、外で何かするのも自由じゃ」

「おぉ、物分りいいじゃねぇか」

「何、最初からそういう約束だったしの」

「それじゃ、ちょっと知り合いに挨拶に行ってくるぜ。俺がガーディアンになったって事をな」

「うむ、ただ戦争や内戦が始まると必ず戻ってくる事。それだけは守ってもらう」

「オーケー、そんじゃな」

取り合えず、ガラルドのオッサンのところから挨拶に行くか。

 

***

 

「ふぅ、王様も物好きですね、あんな奴を護神兵に選ぶなんて」

「ほほっ、何言っておる、ダイヤの原石ではないか」

「あいつは万能クリスタルが無きゃただのザコですよ?」

「ベル、多分あのクリスタルを使わずともお主にも勝っていたと思うぞ」

「ふ~ん、何か王様随分あいつの肩持つんですね」

「あら、やきもち?でもアタシ達がやられたのは確かよ、ベル」

「やきもちなんかじゃないけどさ、万能クリスタルは反則だよティナもそう思うだろ?」

「アタシは王様の意見に賛成ね」

「テルヴィスとザックはどうなのさ?」

「フン、あんな小僧に護神兵が務まるとは思えんな」

「ほらー!」

「あら、ザックが何か言いたそうよ」

「何々?あいつは強い、敵に回すと厄介だって?そりゃ万能クリスタルのおかげだろう?」

「それでもやられたのは確かな事実なのよ」

「ちぇっ、仲間はテルヴィスだけか」

「しかしこのまま小僧を野放しにして宜しいのですか?閣下」

「大丈夫、彼は必ず戻ってくる」

「それならいいのですが…」

 

***

 

虎我派流拳法の道場へやって来たゲイル。

「よっ!ガラルドのオッサンいる?」

「こんな所で何してる」

ガラルドにつまみ上げられる。

「よぉ、俺、帝都の城のガーディアンになったんだぜ!」

「またお前はとんでもない事をするやつだな。聞いたぞ、城で大暴れしたそうじゃないか」

「まぁね、で、俺があまりにも強いばっかりに王様に無きすがられちゃって困ったんだよ」

「そうか、まぁ良かったではないか。ハンター生活だと老後が心配だしな」

「ハンターは老後のことなんて考えねーよ!」

「む、そうか?俺はしょっちゅう考えてたがな…」

「ま、そんな事、何かあったら城まで来てくれよ」

「うむ、分かった」

「それじゃ、次はマオさんの所に挨拶に行ってくる」

「そうか、俺は元気だと伝えておいてくれ」

「おう、そんじゃな」

そうして、蒸気機関車に乗ること2時間サウスバーグ駅に着いた。

マオさんは俺がガーディアンになったと聞いてたいそう喜んでくれた。

「まぁまぁ、今晩は泊まって行って」

「わりぃ、これからオヤジに挨拶に行くんだよ」

「あらそう、残念ね」

「げいる~!」

マユリが足元に絡み付いてくる。

「こらっ!離れろ!あ、そういやマオさん、万能クリスタルって知ってます?」

「詳しくは知らないけど、何でも色んな自然の力が使えるってヤツよね?」

「へっへ~、研究所で拾っちゃった」

万能クリスタルをポケットから出す。

すると、マオさんの顔つきが鋭くなった。

「それはあまり多用しちゃダメよ、必要なときにだけ使いなさい」

「は、はい…」

正直四天王より恐い存在だからな、マオさんは。

「ママ~」

「はいはい、おやつ食べる?」

「うん!」

「ふぅ、そんじゃまた来ますね」

「いつでもいらっしゃい」

「じゃ」

そして最後にオヤジとオフクロが住んでるジャンオア付近まで行くか。

ゲイルは船に乗りジャンオアに到着。

家のある方角へ向かう。

そうして歩く事30分。

「ただいまー!」

「…よぅ、ゲイル、修行はちゃんとしてきたか?」

「聞いてくれよ、俺、帝都の城の王様のガーディアンになったんだぜ!」

「ガーディアン?何か凄そうだな」

『ちょっと、ヴェイグー!洗濯もの手伝って!』

「お、俺にも仕事が来たようだ、で、お前はこれからどうすんだ?」

「取り合えずガーディアン頑張ってみるよ」

「…そうか」

「もう、ヴェイグ、早くして…ってゲイルちゃんじゃない!」

「おい!もういい年なんだからちゃん付けで呼ぶな!」

「お帰りー!ちゅー!」

「うわっ、やめろぉ!俺はこれから帝都に戻らなきゃなんないんだよ、詳しい話はオヤジに聞いてくれ」

「…俺も詳しい事は知らんぞ」

「何よ~、久々に帰ってきたと思ったらもうまたどっか行っちゃうの?せめて一泊くらいしていきなさいよ」

「う~ん、そうだな、オヤジに見せたいものもあるし、一泊くらいしてくか」

「俺に見せたいもの?一体なんだ?」

「それは後のお楽しみ。あー腹減った、晩飯なに?」

「カレーよ」

「おっ、久しぶりだな、ウチのカレー。道場のカレーは不味かったからな」

こうして夜も更けていった。

オヤジが酒を飲みながらゲイルに問う。

「…で、見せたいものって何だ?」

「へっへっへ、ビビるなよ、コレだっ!」

ゲイルは万能クリスタルをヴェイグに見せた。

「…あー、何だそれ?」

「万能クリスタルだよ、コレがあればどんな自然の力も扱えるんだぜ」

「…ふーん」

あれ?

反応うすっ!

こうして一夜はすぐに過ぎて行った。

 

***

 

「そんじゃ、行くわ」

「…いつでも帰ってこい」

「ゲイルゥ~…」

「…それと、俺のナイフ大事に使えよ」

「げ、バレてた?」

「たりめーだろ、何年ハンターやってると思ってるんだ」

「それハンターと関係ねーだろ!」

「お前もハンター頑張れよ」

「だから俺はガーディアンだっつーの!」

「あー、それと仕送り頼むわ。ハントするの面倒だし」

「くっ!このオヤジ…」

「…じゃぁな、頑張れよ」

「あぁ、ガーディアンとして名を馳せてくるぜ。それじゃあな!」

こうしてゲイルの大冒険は幕を閉じた…。

ゲイルは戦争や内戦の最前線で指揮をとっていた。

「へっ!この俺様が負けるかよ!いけー!突撃だー!」

万能クリスタルはペンダントにして、いつも首からぶら下げていた。

頼むぜ相棒…。

そうして、ゲイルはガーディアンの歴史上最強の戦士として後世に語り継がれる事になる。

 

The End...

***

 

今日のあとがき。

『ゲイルの大冒険』完結です。

もっと書きたいけど、書ききれなかった。

次書くときはマユリが主役ね。

これは決定。

そんな訳で、終わりました『ゲイルの大冒険』

いかがだったでしょうか。

反響しだいで、続編書きますよ。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第十三話。

そうして、ゲイルは四天王最後のベルと対決する事になった。

光り…か、光りの弱点は何だろう?

少し考えてみた。

闇…か?

取り合えず闇を出してみよう。

ゲイルが頭で闇のイメージを浮かべる。

しかし、相手の光りの方が遥かに力強かった。

出した闇はあっという間に光りに覆われた。

「くそっ!光りの弱点、光りの弱点!」

「何ブツブツ言ってるのさ、行くよ!」

光りの矢が無数に飛んでくる。

それを瞬歩でギリギリ避ける。

「ホラホラ!まだ続くよ!」

ヒュンヒュンと矢が次々飛んでくる。

くそっ!

眩しくて上手く避けられねー。

ザシュ。

ゲイルは一本の矢に貫かれた。

「ぐはっ!」

「あらら~?もしかしてもう勝負あり?もうちょっと楽しめるかと思ったんだけど」

大丈夫だ、片方の肩をやられただけだ。

もう片方の腕は使える!

自然の力はこいつには通用しねー。

そういう相手には…。

バージョンツー、獅子!

一気に間合いを詰めて、虎我派流拳法で片付ける!

「衝打!アーンド蹴打!」

それをひらりと避けるベル。

「おっとっと、危ない危ない。そういや虎我派流拳法使えるんだったっけ」

「黙ってねーと舌噛むぜ。散山花!」

今度はクリーンヒットだ!

「ぐぅっ!」

「へっ!とどめだ!自分の技でやられちまいな!」

ゲイルは光りを頭に光りの矢をイメージした。

ヒュンヒュン!

「クソッ!」

キィンキィンと、全ての矢を弾いた。

「ほう、光りの盾か、そういう風にも使えるのね」

「ボク、もう本気だしちゃうからね…」

「今までのは本気じゃなかったってのか?」

「そ、そうだ!」

「その割にゃ随分動揺してるようだな」

「ボクにはお前が何を考えてるか分かる。だからボクに勝つ事なんてできないのさ!」

「そうかよ、んじゃ俺が今考えてる事を当ててみろ」

「フンッ、そんなの朝飯前だよ」

絶対勝つ死んでも勝つ必ず勝つ。

「絶対勝つ…か、でもそれは無理なんだよ!ゴッドブレス!」

光りが鉄柱の様な形になり、こっちに物凄い速さで向かってくる。

「ちっ、瞬歩!」

「まだまだァ!」

次々と鉄柱が飛んでくる。

今なら全光りが鉄柱に集中してる!

今こそ闇を使うチャンスだ!

ゲイルは頭に闇をイメージした。

フッと辺りが真っ暗になり、鉄柱のみが光り輝いている。

避けるのは容易かった。

そして、ベルに近づき、片方の腕で衝打を放った。

「ガハッ…、バ、バカな…、このボクがやられるだと!?」

「さぁ、勝負あったな、そんじゃな」

「待て…」

「あん?まだ意識あんの?」

「このままではお前は賞金首だ、せいぜいハンターに怯えて暮らすがいい、あーっはっははは!」

すると、王様がやってきた。

「ほぅ、四天王全て片付けるとは中々やるのぉ。どうじゃ?四天王に入らぬか?」

「王!こいつは反逆者です!」

「だけど、ワシ狙われてなかったし」

「お忘れですか!王は毒によってあやつに殺されかけたんですよ!」

「いや、毒霧使ったの俺じゃねーし…」

「ほほっ、良いではないか、ワシのボディガードが増えれば増えるほどいい」

「王!」

「あー、悪い、俺って自由が好きなんだよね、フリーダムっての?」

「そうか…ならば賞金首になってもらう事になるが…」

「くッ、テメーら卑怯だぞ!」

「さて、どうするね?」

「くそっ!仕方ねー、その代わり城の出入りは自由にさせてくれよ?」

「ほほっ、いいじゃろう。これからは五天王になるな」

「ちくしょ~…」

こうしてゲイルは帝都の城の王の護衛をすることになった。

 

To Be Continued...

 

***

 

今日のあとがき。

王の護衛に抜擢されたゲイル。

果たしてゲイルはこのまま城でやっていくのか?

ノープランもここまできたらとことん行くぜ!

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第十二話。

次は蒼炎のザックがゲイルの前に立ちはだかる。

「………」

ザックは目を閉じてなにやら瞑想し始めた。

今ってチャンスじゃね?

ゲイルは相手が隙だらけなのを見て、瞬歩で間合いを詰めて、蹴打を放った。

が。

ゲイルの蹴打は炎をまとった剣に止められた。

「うわっちち!」

ゲイルはモロに炎に足を突っ込んだので、ズボンが燃え始めた。

「ふー、ふー」

自分の足に息を吹きかけ火を消していた。

くそっ!

あの剣があったら邪魔だな…。

思うように攻撃できねー。

そうだな…、こんな時に水があればあの剣を封じられるんだが…。

すると、室内に雲がもくもくと登り、雨が振って来た。

「………ッ!」」

ザンザンと振る雨によって、ザックの剣の炎が消えた。

何だ?

まぁいい、チャンスだ。

ゲイルはナイフを抜き、ザックに向かって行った。

「………」

キィンとそれを弾くザック。

「まだまだ!」

カキン、キンとナイフと剣の攻防が続く。

が、ザックは炎が無くても十分過ぎるくらい強かった。

ザンザンと雨が振る中、ゲイルは壁に追い詰められた。

くそっ!

マオさんならこの状況どうする!?

ザックが剣を振り上げると、剣に落雷が落ちた。

「………ッ!」

「ザ、ザック!」

いつの間にか傘をさして王様の隣に居るベルが叫ぶ。

チャンスだ!

この隙を狙って、ゲイルはザックの懐に入り込み、衝打をキメた。

ドンッ、という音と共に、ザックが倒れた

それと同時に雨雲は消えた。

「ふぅ、何とか倒したな」

って言ってもラッキーが続いただけだけどな。

それにしてもさっきから俺の思い通りになるのは何故だ?

「さぁ、クソガキ!テメーで最後だ!」

「ふーん、ま、中々やるね。いいよ、ボクが直々にやっつけてあげるよ」

「ほぅ、随分強気だな、俺は四天王の内三人倒したんだぞ」

「まぁね、みんな弱いし、この中じゃボクが一番強いと思うよ?」

「ハッ、強がりもほどほどにしとけよ。テメーみたいなクソガキが俺に敵うかよ」

ナイフをクルクルと回しながらゲイルが言う。

「それじゃ、ボクと対決だね」

スッとナイフをベルに向けてゲイルが言う。

「テメーの能力は何だ」

「言う訳無いじゃん。そっちだって何か力があるみたいだけど、何それ?」

「ンなこと知るか、勝手に起こってるんだよ。俺に聞くな」

「何かポケットが怪しいんだけど、ポケットに何入れてるの?」

「ポケット?」

ポケットに手を突っ込むと、何かに触れた。

「ん?何だこれ?アーッ!あの研究所で拾ったクリスタルだ!綺麗だから持ってきたんだった。…で、これがどうしたって?」

ベルは驚愕した声で喋る。

「そ、それは万能クリスタル!クソッ、完成してたのか!ミルハウストの奴何も言って無かったぞ!」

「万能クリスタル?そういや研究所でメモを見たっけ。確か内容は…」

頭でイメージした力が使えるんだったな。

「…ってちょっと待て!そんな力あるならこんな所用無しなんだよ、んじゃな」

「待ちなよ、そのクリスタルは置いて行ってもらう」

「そうか。じゃあな」

ゲイルがドアに近づくと、ヒュンと何かが飛んできた。

それは光りで出来ている矢だった。

「ほぅ、これがテメーの力かよ…」

「万能クリスタルを置いていけ、そうすれば命だけは助けてやる」

「やーなこった!ベロベロー、ここまでおいでー!」

ゲイルはドアを開き、廊下に逃げ込んだ。

「うわっ!眩しっ!何だこれ!」

ゲイルの行く手に強烈な光りが差し込む。

「て言うか熱ッ!熱いって!」

「光りの前では何もかも無効化する、これがボクの能力だよ」

バッと後ろを振り返ると、サングラスをかけたベルが居た。

「ク、クソガキ!卑怯だぞ!」

「何で?わざわざ自滅する奴なんて居ないでしょ?」

「くそっ、分かった、俺が勝負に勝ったらこのまま帰らせてもらう。もし万が一負けたらこのクリスタルはくれてやる」

「そうそう、初めからそうしてればよかったんだよ」

「だから早くこの光り止めれ、眩しくて勝負どころじゃねー」

「ヤダね」

「何だと?」

「これも戦術の一つさ、相手の目をくらませて、その隙に攻撃する。攻撃にも防御にもなる最強の力さ」

「んなろー…」

こうしてゲイルはベルと戦う事になった。

 

To Be Continued...

 

***

 

今日のあとがき。

遂に四天王最後の敵、ベル参戦。

果たしてゲイルは無事万能クリスタルを守れるのか!?

次回をお楽しみに。」

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第十一話。

ゲイルが霧の能力者と対峙する。

「アタシから攻撃させてもらっていいのかな?」

そうだな、まず相手の様子を見て戦い方を決めよう。

「オーケー、かかって来いよ」

「麻痺霧…」

女がそう言うと、ゲイルの周りが霧に包まれた。

「なっ!俺の周りにだけ霧がっ!」

「気をつけな、そいつを吸うと体がいう事を効かなくなるよ」

「ぐっ!」

ゲイルは焦って、息を止めた。

そして瞬歩で霧を脱出する。

「ゼーハー、ちくしょう、テメー卑怯だぞ!」

「卑怯?どこが?わざわざ効果も教えてあげたのに?」

「ティナ、やっちゃえ!」

む、何で子供が居るんだ?

「ベル、少し黙ってて」

「おい!あの子供は何だ!」

「何って四天王の一人よ」

「あんな子供が自然の力の保持者なのか!?」

「さぁ、お喋りはお仕舞いよ、これで最後、毒霧…」

「ちょ、ちょっと待ってよ、ティナ!こんな閉鎖的空間でその技は…!」

なに!?そんなにやばいのか?

ゲイルは息を止めて、ティナに向かって瞬歩で距離を詰める。

蹴打で決める!

踵からの蹴りにティナがガードする。

なっ!?

くそっ!

霧で思うように動けない!

「ゲホゲホ!」

「ちょっと、ベル、窓を開けないで、霧が消えていくわ」

「だってティナがいきなり毒霧使うから…」

「まぁいいわ、もっと力を強力にすればいいだけの事…」

「ちょっと!ティナ!王様もいるんだよ、気をつけてよ、っていうか王様毒霧吸っちゃってるよ、何かだらんとしてるよ!」

「あら、ごめんなさい」

「ごめんなさいじゃないよー!ちゃんとターゲットしぼって攻撃してよね、ティナはいっつも無差別に攻撃するんだもの」

「それじゃ、まずは動けなくしてから、麻痺霧…」

再び麻痺霧でゲイルの動きを止める。

「くっ!瞬歩!」

「甘いッ!」

ゲイルが避けた先にも霧が発生していた。

「くっ!」

ゲイルは思いっきり麻痺霧を吸ってしまった。

「ぐぁっ!ビリビリするー!」

「さぁ、もうお仕舞いよ」

スッと腰に差した剣を鞘から出す。

「クッ!こんなビリビリなんてマオさんの雷に比べたらへの河童だぜ」

ゲイルが体勢を立て直し、再びティナと対峙する。

「どうやら麻痺は効かないみたいね、それじゃあ剣術で抹殺するのみ!」

「瞬歩!」

「閃!」

キィンと剣を衝打で弾いて、すれ違いざまに散山花を放つ。

「クッ!」

ティナが膝を突く。

「霧が使えねーならただの女だな」

「何だと!貴様!」

起き上がろうとするが、横腹にモロに食らった散山花が効いているのだろう。

ティナは立とうとするが立てないでいた。

「さぁ、この女はもう戦えない、次の奴出て来い」

「私はまだ戦える!」

すると、一人の男がティナの前に立ちふさがる。

「おっ!次は兄ちゃんの番か?」

コクリと頷く青年。

「お前の力は何だ!」

「………」

「聞こえねーのか!?力は何だって言ってんだよ!」

「いくら話しかけても無駄だよ、だってザックは代償に言葉を失ったんだからね」

「言葉…か。おい、教えろクソガキ、こいつの力は何だ?」

「クソガキじゃない!これでも二十歳超えてるんだぞ!」

「嘘付け!どっからどう見てもクソガキじゃねぇか!」

「あのさ、ボク代償に時を失ったんだよね」

「時を失う?」

「そう、死ぬまで永遠とこのまんま、ホント嫌気がさすよね」

「ほーぅ、そいつは便利だな、いつまでも若々しくていいじゃねぇか」

「まぁこのままでも女の子にモテるからいいけどね」

こんな会話をしていると、ザックの剣が首スレスレに止まっていた。

「ちょ、ちょっと待て。まだお前の力を聞いてないぞ」

「ザック、力教えていい?」

コクリとザックが頷く。

「ザックの力は蒼炎だよ」

「そうえん?蒼い炎か?」

「そう、普通の炎より炎の力が強いんだ」

「その分代償がデカいって訳か」

「ザックがティナの剣を拾えって言ってるよ」

「言ってねーだろ!」

「ボクには何故か分かるんだよ、相手の心が読めるからね」

「それはお前の能力か?」

「いいや、これは生まれつき」

「そうか変わった奴もいるもんだな、でも、その剣は使わねー」

ゲイルがそう言うと、ガサゴソとバッグからナイフを取り出した。

「へへっ、家出るとき親父から託された(パクッた)このナイフを使わせてもらうぜ」

「…ゲホッ、ザックを怒らせたらとんでもない目に会うわよ…」

だろうね。

殺気がひしひしと伝わってきてるんだよな。

「そんじゃ、いっちょやってみっか…」

 

To Be Continued...

 

***

 

今日のあとがき。

さて、残るは二人になりました。

ザックとベル。

ザックが喋れない分ベルに喋ってもらいました。

しかし、こうなると完璧ドラッグオンry

でもキニシナーイ。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第十話。

ガラルドに研究所の場所を教えてもらい、その場所へ向かうゲイル。

「え~っと、確かこっちを曲がってっと、ちくしょう、帝都広すぎだろ…」

裏路地に入ってしばらくすると、研究所が見えてきた。

「ウッソ、あれが研究所!?俺もっとデカいの想像してたよ」

そうして研究所に足を踏み入れる。

「うわっ、埃っぽいなぁ…」

研究所は今では誰も使っていないのだろう。

フラスコの破片や、何かの機材が埃を被っていた。

「あ、このでっかいフラスコがマオさんの言ってたやつか。どれ、俺もビリビリーっとこねーかな」

巨大なフラスコに頭を突っ込み、試してみる。

「やっぱ無理か…」

そうやって遊びながら研究所を見て回る。

「ペンダント、ペンダントっと…」

机の引き出しやゴミ箱を覗いて見るが、どこにもペンダントが見つからない。

その時、足元に何かが落ちた。

「これは…?」

なにやらクリスタルで出来ている石を見つけた。

「う~ん綺麗な石だな、貰っちゃえ」

そう言って、クリスタルをポケットにしまった。

「しっかし、やっぱもう無いのかねぇ…」

諦めかけたとき、机の上の本棚の隙間にメモが挟まっているのを発見した。

「万能クリスタルの使い方?」

その紙は走り書きで書かれたようだった。

どうやらマオさん達にやられる前に書いたものだろう。

「何々?」

“万能クリスタルの使用法、このクリスタルは頭でイメージした自然現象を使う事が出来る。もちろん多種多様な現象を起こす事が可能であり、私の最大の研究テーマである完璧なペンダントを作る事が可能”

「ふ~ん、それって完成したのかな?ま、もういいや。大体調べたからもうここは用なしだな」

ゲイルは研究所を後にした。

そして、向かったのは帝都の城だった。

「確かマオさんはここの上層部は全員自然の力が使えるんだったよな…」

「待て!ここから先は関係者以外は立ち入り禁止だ、通るなら許可書を見せてからにしろ」

あ~、うざいなこいつら、風で飛ばされねーかな。

そんな事を考えていると、突如その場に小さな竜巻が出来上がった。

「う、うわ、何だ!」

小さな台風は門番達をあっという間に吹き飛ばした。

「なんだ…?今の」

俺が願ったら突然出てきたぞ?

まぁいい。

それより今は城に乗り込む事にしよう。

門を開いて、城に入っていく。

「ん?貴様、何者だ?」

中庭で兵士と遭遇した。

またかよ、めんどくせーな。

瞬歩で兵士の後ろを取り、チョークスリーパーで落とす。

「わりーな、俺は上層部に用があるんだ」

そうして城の中に入る。

「しっかし、街も出かけりゃ城もデカいねこりゃ」

さて、上層部はどこに居るのかな?

多分、王室に近い所に居るんだろうな。

いや、むしろ王室に居るんじゃないか?

そうしてゲイルは王室へ向かった。

王室の前に居る兵士達を倒して、いざ王室に乗り込む。

ギイィ…。

「む?何者だ?謁見の時間はとっくに過ぎてるぞ」

「いや、俺はここの上層部の奴等に会いに来た」

「ほう、我等四天王にわざわざ会いに来たのか、兵士を倒してまで…」

「お、四天王ってあれか?自然の力を持ってる上層部か?」

「その通り、我が名は…」

「それなら手っ取り早い、俺と勝負しろ、勝ったら自然の力の出し方を教えてもらう」

「ふん、我々を少々ナメてるようだな、王よ、ここは我がテル…」

「おっしゃ、んじゃ、そこのハゲからかかってこい」

「俺の名を最後まで聞けー!俺はテルヴィス、力は影だ」

「おぅ、んじゃかかってこい」

「王よ、安心なされ、ここは私一人で十分でございます」

「そう?じゃ、頼んだよ」

「そんじゃ、一勝負しますか」

「瞬…ッ!」

体が動かない!

「テメー!何しやがった!」

「ふふふ、お前の影は私が支配した、もはやお前は俺のマリオネットだ」

「ちくしょー!このハゲー!こんなクソみたいな力卑怯だぞ!」

「何とでも言え、ではさらばだ」

テルヴィスが剣を抜いた。

くそっ!こんな時に闇さえあれば影を消せるのに!

そう考えていると、辺りが真っ暗になった。

「な、なんだ!?昼間だというのに!」

今がチャンスだ!

「バージョンツー、獅子!」

瞬歩で間合いを詰め、衝打で相手を吹っ飛ばす。

「ぐほぉ!」

「獅子は夜目が利くんだよ、覚えておきな」

そうしてテルヴィスを倒すと、辺りがまた明るくなった。

何だ?さっきから俺の思い通りに事が進むぞ。

「へっ、そいつの代償は髪の毛か、大した事ねー代償だな。はっはっは!」

フッ。

「…あまり調子に乗るな」

いつの間にか俺は背後を取られていた。

ゲイルはバッと後ろを振り向いた。

「よ、よぅ、綺麗なねーちゃん。アンタの力と代償はなんなのさ」

「アタシの力は霧、代償は子宮…」

「そ、そうか、大変だな。子供生めないなんてな」

ガッと胸倉を捕まれる。

「二度と口を利けなくしてやろうか?」

「い、いや。俺がお前もぶっ飛ばす!」

「ふん、やれるもんならやってごらん」

 

To Be Continued...

 

***

 

今日のあとがき。

次回遂にゲイルの本気が見れますよ。

っていうか四天王設定は前にもあったような…。

そんな事はキニシナーイ。

しかし、テルヴィス弱すぎ。

自然の力を持っていながらあっという間にやられる、いわゆるヤムチャ。

そんなヤムチャ達が次々と登場か!?

あと、だんだんドラッグオンドラグーンみたくなってきた。

どうなんでしょう。

それと、通貨の単位ですが、バルは疾走Daysからでした。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第九話。

チュンチュンという鳥の鳴き声で目を覚ました。

時刻は午前6時28分。

「ふわぁ~あ、さてと、準備するか」

そうして旅の準備をしていたら7時になった。

コンコン。

「はーい」

「ゲイル君、おはよう。あら、早速旅の準備?」

「あぁ、朝の一番早い便で帝都に向かう」

「決意は変わらないのね」

「もちろんだ。自然の力が秘められたペンダントを手にするまで帰れねーからな」

「お父さんから自然の力のことをどこまで教えてもらったの?」

「なんでも協力な力とその代償がとてつもない事ってくらいかな」

「ペンダントを手にしてどうするつもり?」

「別に、ただ欲しいだけ。だってマオさんみたく属性攻撃出来るなんてすげー得じゃん」

「今ならまだ間に合うわ。行くのをやめなさい」

「ふん、自分だけ自然の力を持ってるなんてずりーぞ。俺は行くったら行くんだ」

「そう、もう説得は無理なようね」

「研究所まだ残ってるといいな~」

「…それより朝ご飯で出来てるわよ?」

「おぉ、丁度腹減ってたんだ、早く行こうぜ」

 

***

 

「もぐもぐ、で、何でそんなに俺が自然の力を得るのを否定するんだ?」

「そうね、一言じゃ言えないけど、自然の力は国をも動かせる巨大な力なの、そうやすやすと会得できるものでは無いわ」

「でも自然の力持ってても宿屋やってる人だっているじゃん」

「私は国を動かそうだなんて考えなかったわ、でも現に今国を動かしてる上層部は全員自然の力の持ち主だと聞くわ」

「へぇ、んじゃ帝都動かしてるのも全員自然の力の持ち主?」

「そう聞くわ」

「んじゃ、研究所探しのついでにそいつ等んとこ行って見るかな」

「いい、これだけは約束して、絶対上層部の連中を敵に回してはダメ、何と言われようとそれだけは約束して」

「あ、あぁ、わかったよ、約束する」

マオの顔がいつに増して真剣な顔で話すので、ゲイルは圧倒されていた。

こうしてゲイルは宿を出た。

 

***

 

「さってと、蒸気機関車で帝都まで快適に移動するか」

そうして、無事サウスバーグ駅に着き、機関車を待った。

定刻通りに機関車が着き、無事乗り込む事ができた。

「おぉ、ガラガラじゃん。貸切みたいだな」

ゲイルは適当な席に座り、窓から外を眺めていた。

そして、帝都に着いたのが、昼どきだった。

「ふぅ、マオさんが作ってくれた弁当でも食べるかな。っとその前にガラルドのオッサンに挨拶でもしとくか」

ゲイルは虎我派流道場に入り、稽古中のガラルドに声をかけた」

「おーい、師範元気かー?」

「おぉ、ゲイルか、どうした?師範になる気になったか?」

「そんなんじゃねーよ、ちょっと調べもんがあるからここに戻ってきただけ」

「そうか、まぁゆっくりしてけ」

「そんじゃ、弁当でも食うかな」

ゲイルが弁当を食べ始めるとガラルドが話しかけてきた。

「どうだ?ここ数日で虎我派流拳法が役に立ったか?」

「もぐもぐ、それが全然ダメ、マオさんにこてんぱんにやられたよ」

「ほう、今までマオの所に行ってたのか」

「それで俺は確信したね。やっぱり自然の力が最強だって」

「しかし自然の力は代償が大きすぎる、危険な技だ」

「マオさんの話じゃペンダントってもんがあるらしいな」

「お前はどこまでその話を知ってるんだ?」

「ん~、何でもペンダントさえあれば自然の力が使えるようになるって事くらいかな?」

「では、お前が戻ってきた理由は…」

「そう、そのペンダントを探しに来た」

「はぁ…、呆れた奴だ。そんなものに頼るくらいなら虎我派流拳法をもっと真面目に習ってだな…」

「あー、もういいよそんな話んじゃ、弁当食い終わったから、これから研究所探すよ。ってそういや師範も研究所の場所知ってるんだろ?教えてくれよ」

ガラルドがやれやれといった感じで研究所の場所を教えてくれた。

「いいか、研究所といっても今は使われてないからな、行ったって無駄だぞ!」

「へーいへい」

ゲイルはガラルドの忠告を話半分で聞いて、研究所へ向かった。

 

To Be Continued...

 

***

 

今日のあとがき。

中々ストーリーが進まないコタロークオリティ。

それと正しい通貨はバルではなく、ゼルでした。

バルってどこから出てきたんだよ…。

一応直しておきました。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第八話。

コンコン。

ガチャリ。

「おはよう、ゲイル君」

「あー、誰?」

「私よ、マオ」

「ん~、今何時?」

「朝の八時よ」

「まだねみーよ、何か用があるなら後にしてくれ…」

「ほら、朝食の時間よ、この時間過ぎたら朝食抜きよ」

「いーよ、他んとこで食うから」

「せっかく私が腕を振るった料理なんだから食べてよ」

「あー、うるせーな。分かったよ、起きりゃいいんだろ!?」

ゲイルは起き上がり寝ぼけ眼でマオの方へ顔を向けた。

「ん、おはよーさん」

「はい、おはよう」

「ふわぁ…、まだ寝たりねぇよ」

宿屋の廊下を歩きながら会話する。

「何言ってんのよ、昨日ご飯食べてからすぐ寝に行ったじゃない」

「うるせーな。あ、そうだ、マオさん自然の力持ってるんだろ?俺に見せてくれよ」

「自然の力?どうして見たいの?」

「いや、今まで忘れてたけど、俺そもそも自然の力を会得する為にここに来たんだった」

「あらそうなの?でも私の自然の力はちょっと変わってるからねぇ…」

「変わってるってどういう意味だよ」

「自然の力っていうのはそもそもその人が持ってるものを覚醒させてなせる業なのよ、でも私のは違う」

「どういう意味だ?」

マオは過去の事を話した。

「へぇ、研究所かぁ…」

朝食を食べながらマオと会話する。

「今はどうなってるか分からないけどね。でもそんなので力を得たところでそれは偽者の力よ」

「自然の力に本物も偽者もねーだろ」

「まぁいいわ、そんなに見たいなら見せてあげる」

「ホントか!?んじゃ早速見せてくれよ」

「朝食が食べ終わったらね」

「ごちそうさま!さぁ、早速見せてくれよ」

「はぁ…、良いわ、表へ出ましょう」

 

***

 

「いい、これから見せるのはホントの自然の力では無いわ、でも自然の力と匹敵する力よ」

「良いから早く見せてくれよ」

「もう、人のいう事聞かないんだから」

「ところでさっきから俺の足元にへばりついてるこいつは何だ?」

「マユリよ、私の子供」

「しっし、お兄さんは今忙しいの、あっちで遊んでなさい!」

「珍しいわね、マユリが人になつくなんて」

「ママー」

「ふふ、今はこのお兄さんと勝負するところなの、危険だからお庭で遊んでらっしゃい」

「おい!俺がいつ勝負するだなんて言ったよ!」

「あら、対決した方が分かりやすいと思ったんだけど、やめとく?」

「ふ、ふん、怪我してもしらねーぞ」

「それじゃあ勝負ね」

「ママー!」

「はいはい、すぐ終わるから待ってて」

その言葉にゲイルはカチンと来た。

「へぇ、すぐ終わるなんて言っていいのかな?俺は強えーぜ」

「そう、楽しみね」

こうしてゲイルはマオと対決する事になった。

 

***

 

「行くわよ」

「お、おう。かかってこい」

マオは腕をグルグル回しだした。

すると、マオの周りがバチバチと電気を帯び始めた。

「雷電!」

バチィ!

「うぉっ!危ねー!」

ゲイルは瞬歩でその攻撃をかわした。

「隙だらけよ、雷打!」

バチバチィ!

「うぉっ!」

またも避けるゲイル。

「蹴雷!」

バチバチバチィ!

「わっとと!」

それも危機一髪で避ける。

「あら、意外とすばしっこいのね」

「んなろー!今度はこっちの番だ!散打!」

バババッとマオ目掛けて散打を放つ。

「甘いわ!散打とはこう撃つのよ!」

雷を帯びた散打がゲイルに直撃する。

「ぎゃわわわわ!バチバチするー!」

バタリと倒れこむゲイル。

「思いっきり手加減してあげたんだからね、反撃するチャンスもちゃんとあげたし」

「ゲイル君?…いけない、気絶してるわ」

マオはしまったという顔をしながら宿屋にゲイルを運び込んだ。

 

***

 

ハッと気が付くともう外は真っ暗だった。

「あれ?俺一体…」

「あ、目が覚めた?」

マオが俺の顔を覗き込んでくる。

「ん?あー!そうだ、マオさんに攻撃されて俺…!」

「あはは、ごめんねー。思いっきり手加減したつもりだったんだけど…」

「あれが自然の力…。俺も欲しい!」

「でもね、代償がハンパじゃないからやめといた方がいいわよ?」

「マオさんは代償無しで自然の力を出せるんだ、何か代償無しで自然の力を得る方法があるはずだ。そうだ、ペンダント!研究所の場所教えてくれよ!」

「いけないわ。それだけは絶対ダメ」

「何でだよ、マオさんだけずりーよ!」

「何と言われようとそれだけはダメ」

「ちっ、じゃあ自力で探すよ。それじゃあな」

「もう外は真っ暗よ、行くなら明日にしなさい」

「宿代は?」

「一泊1500ゼル、朝食、夕食付きで3000ゼル」

「結局金とんのかよー!」

俺はしぶしぶ金を払った。

 

To Be Continued...

 

***

 

今日のあとがき。

いや、ホントにゲイル君は強い…んです。

ただ、マオやガラルドが強すぎるだけなんです。

ゲイルの戦闘力が5000くらいならマオの戦闘力は1万2000くらいです。

フリーザ並みです。

まぁ、ゲイル君はこれからどんどん強くなる…予定です。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第七話。

「よっし、さぁいつでも来い!」

俺はマオさんが連続婦女暴行犯を連れ出してくれるのを待っていた。

「しっかし、どうやって誘き出すんだ?」

その頃。

コンコン。

『誰だ!』

「女将です」

『何の用だ?』

「あの、アナタに会いたいという女性が尋ねて来てるんですけど」

『ほう、ちょっと待ってろ』

「…ちょろいもんね」

ガチャリとドアが開いて、犯人が顔を出した。

腰にナイフを差しいかにも悪人ですって顔をした男だった。

「へへへ、アンタいい女だな、どうだ?俺の女にならねぇか?」

「すいません。あいにくですけど、私結婚してるんです」

「へへへ、人妻か、それもまたいい…」

「さぁ、こっちです」

マオが男に背中を向けると、男はマオの後ろから抱きついた。

「声を出すな、このナイフでぶっすりやられたくなかったらな」

男はマオの首筋にナイフを突き立てていた。

「あの。お客様、待ち人が居るんですけど…」

「そんなの後だ、いいから俺の部屋に来い」

「分かりました、では私を放して下さい」

「おう、物分りいいじゃねぇか」

ぱっとマオを離した犯人が隙を見せた。

「衝打!」

「ぐほっ!」

マオが振り向きざまに放った衝打が腹に命中した。

「この私を部屋に連れ込もうなんて100年早いわ」

男は完全に気絶してしまった。

「あらいけない。これゲイル君の獲物だったわね、何て言い訳しようかしら…」

 

***

 

「ふざけんなよー!何でマオさんが倒しちゃうんだよー!せっかく準備運動までしたのに!」

「アハハ、ごめんね。その代わりこいつ倒した事にしていいから」

「嫌だね!そいつが起きるまで待つ!」

「ほら、ハンターライセンスがゴールドに近づくわよ」

「…む」

その言葉には弱い。

「…いいよ、じゃあそいつは俺が倒した事にしておいてやるよ」

「あら、物分りのいい子で良かったわ」

「いいかー!俺はホントに強いんだぞー!マオさんにだって負けねー自信がある!」

俺は負け惜しみを言いながらギルドに犯人を運んで行った。

 

***

 

「おぉ、キミか。もう捕まえて来たのかい?」

「あたっ、あたりめーだ、俺にかかればこんな奴チョチョイのチョイだ」

「ふむ、流石マオちゃんが推薦するほど強いようだね」

「それより、ほら。犯人」

「おぉ、こいつはご苦労。では報酬30万ゼルだ」

「おぉ、これだけあれば帰れるぜ」

「おや、もう帰るのかい?」

「う~ん、ここに居たってどうしようも無いしな」

「マオちゃんに稽古をつけてもらったらどうだい?」

「あー、俺稽古とかそういうの苦手なんだよね」

ホントは虎我派流道場でめっちゃ修行したんだけどね。

「取り合えず、明日の昼の便で帰るよ」

「そうか、せっかくのハンターライセンスだ。上手に使うんだぞ」

「分かってるよ。そんじゃな」

こうしてゲイルはギルドを後にした。

 

***

 

「ただいま~」

「あら、お帰り」

「俺、今日ここに泊まりたいんだけど部屋空いてる?」

「アナタが倒した男の部屋が丁度空いてるわ」

「俺倒してねーし…」

「そういう事にしておきなさい」

「へいへい」

「そんじゃ、宿賃いくら?」

「1500ゼルよ。夕食と朝食付きだと3000ゼル」

「あー、じゃあ3000ゼル払うよ」

「毎度」

こうして俺の初めてのハントは終わった。

実際何もしてないけど…。

取り合えず明日帰る事にした。

自然の力はこの際どーでもいい。

でも、一回くらい見せてくれねぇかな?

明日マオさんに頼んでみよう。

 

To Be Continued...

 

***

 

今日のあとがき。

ゲイル君何もしてねー!

結局ゲイル君は強いのかどうか分かりませんね。

周りが怪物だらけなんで小さく見えちゃうかも。

でもホントに強いんです。

多分…。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第六話。

「なんでだよ!」

「だから、何度も言ってるだろう?ハンターランクがシルバー以上じゃなきゃこの指名手配犯は捕まえられないんだよ」

「俺強えーって!絶対捕まえるからそのハンターランクとか無しにしてくれよ!」

「無理なもんは無理なんだよ、さっさと出てけ!」

「言われなくても出てってやるよ!」

ちくしょう、行くあて無くしちまった。

金は…。

100ゼルか…。

「あっ、そうだ!」

ゲイルは急いで荷物をまとめ、瞬歩で走り始めた。

 

***

 

俺がこの古いたてつけの悪いドアを開けるのは二度目だ。

ギィ。

「うぃーっす、オバさん…じゃなくてマオさんいる~?」

「キミ、誰だい?見たところ旅人じゃないようだが」

「オッサン、いいからマオさん出してよ」

「オ、オッサンって…」

「あら、ゲイル君、どうしたの?修行ちゃんとしてきた?」

「あ、マオさん!はい、一応奥義教えてもらう事になったんですけど、なんでも奥義を教えてもらうとあの道場継がなきゃいけないみたいなんで出てきました」

「あら、そう。で、今日は何の用?」

「マオさん、確か昔ハンターだったんですよね?今もハンターライセンスって持ってます?」

「ん?これの事?」

キラリとゴールドに光るカードをゲイルに見せた。

「そうそう!それ!お願いします!それ貸して下さい!」

「何に使うの?」

「もちろん指名手配の悪人を捕まえるためさ」

「あら、そう。なら自分の腕で取得することね」

「ちょっと待ってくださいよ~」

「この町にもギルドはあるからそこで自分のハンターライセンスを取るといいわ」

「ちくしょう、オバさんに頼んだ俺がバカだったぜ」

出て行こうとする俺をマオが引き止める。

「待って、一応この町のギルドのおじさんと知り合いなの、一応かけよってみようか?」

「さっすがマオさん!ありがてぇ!」

こうしてゲイルとマオは一緒にギルドに向かった。

「しかし、こんなオバさんが俺の親父やガラルドのおっさんより強いなんてな」

「あら、以外だったかしら?ちなみに私がハンターを志したきっかけはあなたのお父さんなのよ?」

「へぇ、そうなんだ」

「あの頃、まだハンターライセンスというものが普及されてなかった頃に私はキミのお父さんと旅に出たの」

「あー、知ってるよ。何でも子供の頃の話だろ?」

「そう、あの時にヴェイグさんに助けられて私もハンターになろうと決めたのよ」

「ハンターライセンスはいつ取ったんだ?」

「18の頃ね」

「で、ゴールドになったのはいつだ?」

「んーと、確か18の頃だったかな?」

「一年経ってねぇじゃねぇか!」

「あはは、あの頃は見境無くハントしてたからね、そりゃゴールドにもなるわって話ね」

マオがケラケラ笑って話す。

「それで自然の力も持ってるんだろ?どんだけ強いんだよ、アンタ」

「ちょっと試してみる?」

「いや、勘弁してくれ…」

そうこうしてるうちにギルドに着いた。

「こんにちはー、おじさん!」

「おう!マオちゃんか、どうだ?いい情報入ってるぞ」

「あはは、もう宿屋の女将なんでもうハントはしないわ、それより紹介したい子が居るの」

俺の方をポンと叩いてマオに促される。

「ほう、マオちゃんの子供かい?」

「そんな訳ないでしょ、私の先生の息子さん」

「ほう!マオちゃんの先生の!」

ギルドのオヤジがジロジロ見てくる。

「で、何だい?」

「この子ハンターになりたいんだって」

「それじゃ手続きに来たのかい?」

「えぇ、そうよ、ただ、この子は指名手配犯をハントしたいんだって」

「指名手配犯と言ったらシルバー以上か…」

「ね、お願いおじさん」

「もう、マオちゃんには敵わねぇなぁ、仕方ねぇ、ここだけの秘密だぞ」

「良かったわね。これで指名手配犯をハント出来るわ」

俺は、ようやくシルバーに輝くハンターライセンスを手に入れた。

「よっしゃ!おじさん!早速指名手配犯を紹介してくれよ!」

「おぉ、こいつは頼もしい、ではこいつなんてどうだ…?」

「おっ、いいね、連続婦女暴行犯か。か~、いかにも極悪人って顔してるな…」

「あら、その男…」

「何だよ、マオさん知ってるの?」

「知ってるも何も、今うちの宿屋に泊まってるわよ?」

「マジかよ、ラッキー!探す手間が省けたぜ!」

「気をつけて、こういうヤツはキレたら何をするか分からないわ。なるべく外におびき寄せてからハントしてね」

「任せとけよ!」

「そんじゃ、今から行くぜ?」

「どうやって誘き出すの?」

「そりゃ…あの…」

俺が口ごもっていると、マオがやれやれと言った感じで首を振った。

「じゃあ私が誘き出してあげるわ」

「ホントか!?頼んだぜ。俺外で待ってるからさ」

「それじゃ、行こっか?危なくなったら私が戦うわ」

「心配すんなっての。俺が何であんな道場で修業したと思ってるんだよ」

「そうね、でも気をつけて。練習試合と本番は訳が違うわ」

「わーってるよ、さっさと行こうぜ」

こうしてゲイルはシルバーのハンターライセンスを手に入れ、連続婦女暴行犯を捕まえる事になった。

 

To Be Continued...

 

***

 

今日のあとがき。

いやぁ、ずるいですね、ゲイル君。

でも早くシルバー以上になってくれないと、本編に入れないんで。

しかし、マオは意外と顔が広い。

確か36歳だっけ?

子供は居るのかなぁ?

いや、居る!

10歳くらいの子供が居る!

この作品連鎖出来るぞ。

四連鎖できる。

という訳で今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第五話。

「こうか?蹴打!」

「もっと腰を座らせて力強く蹴るんだ!」

「んな事言っても分かんねーよ!」

俺はガラルドにこれてんぱんにやられて、ようやく入門を受け入れた。

現在、虎我派流拳法の初歩的な技を教えてもらっていた。

「やれやれ、瞬歩と衝打のみではこの先が思いやられるな…」

「うるせー、いいから早く教えろよ」

「ふん、いいだろう、蹴打とはこうやるのだ!」

バババッと蹴りを連続で繰り出す。

「見ただけじゃ分かんねーよ」

「ふむ、マオは一目見て、技を覚えたらしいぞ」

「あのオバさんそんな強そうに見えなったけどな」

「フンッ」

俺は頭をグーで殴られた。

「痛ってぇ!なんだよ!」

「オバさんじゃなくてマオさんだろ。ウチの道場で精神も鍛えなければいけないようだな」

「ったく、固いんだよ。ガラルドのオッサン」

「師範と呼べと何度も言ってるだろ」

「へーいへい、そんじゃ修行の続きな」

 

***

 

-数ヵ月後-

俺は道場で一番強くなっていた。

他の修行者をあっという間に追い越し、今日は虎我派流拳法の奥義を教えてもらう予定だ。

「よしっ!準備完了っと」

「いいか、この技は一子相伝の奥義だ、心して学ぶのだ」

「ちょっと待った、一子相伝って事はもしかして俺はこの道場を継がなきゃならねぇのか?」

「まぁ、必然的にそうなる」

「あー、俺なんていうか自由が好きなんだよね、フリーダムっての?」

「では奥義は教える事は出来ない」

「そこを何とかお願いしますよ、ガラルドさん」

「では俺と勝負して、お前が俺を倒したら教えてやる」

「ホントか!?嘘付いたら許さねーからな!」

「うむ、では試合を始めよう」

ガラルドが合図すると、ドラがジャーンとなった。

「試合開始だ」

「へへっ!行くぜ!バージョンツー、獅子!」

一気にガラルドとの距離を詰める。

それと同時にガラルドの拳が俺に向かって放たれる。

ブンッ。

「ざーんねん!それは残像だぜ」

飛翔を使い、俺は空からガラルドに向けて衝打を放つ。

「おらよっ!」

ブンッ。

残念だが、俺のも残像だ。

俺が落ちてきたと同時にガラルドが蹴打を放った。

「がはっ…」

俺は闘技場の隅まで吹っ飛ばされた。

「どうした!お前の力はそんなもんか!そんな奴に奥義は教えられないな」

「ん、んなろー…」

俺は瞬歩でまた間合いを詰めると、散山花を繰り出した。

「甘い!」

それをひらりとかわすガラルド。

「いいか、散山花というのは相手の隙を見て放つのだ。例えばこうだ!」

「虎我派月下!」

俺は空中に蹴り上げられ、飛翔でガラルドが飛んできた。

「このときを狙ってたぜ、師範…」

俺は体制を立て直し、ガラルド目掛けて蹴打を繰り出した。

「ぐおっ!」

「そのまま場外まで吹っ飛べ!」

そうしてガラルドは場外に吹っ飛ばされた。

ガラルドは着地し、ポンポンと体を払っていた。

「よっしゃー!俺の勝ちー!」

スタッと着地する。

「さぁ、奥義教えてくれよ」

「出来んな」

「何でだよ!ちゃんと場外に吹っ飛ばしただろ!」

「俺は俺を倒したら教えると言ったのだ、場外負けでは倒した事にはならない」

「なっ!テメ、卑怯だぞ!」

「何とでも言え、そして、お前はたった今からこの道場から出て行ってもらう」

「は?何でだよ」

「教える事は全て教えたからな、どうやら跡継ぎになる気もないようだし」

「破門ってやつか?」

「正式には破門ではないのだが、まぁ似たようなもんだ」

「上等ー!出てってやるよ!」

 

***

 

とは言ったものの、俺はこれからどうすればいい?

帰りの船に乗るにも金かかるしなぁ…。

そんな事を考えていたら、風で飛ばされたチラシが顔面に張り付いてきた。

「だー!なんだこれ!」

よく見ると、指名手配と書かれていた。

これだ!

そう思ったゲイルはギルドに向かった。

 

To Be Continued...

 

***

 

今日のあとがき。

さてさて、修行を終えたゲイル君。

果たして彼が思いついたこととは?

まぁ、言わなくても分かるか。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第四話。

ふと気が付くと俺は客間に居た。

「確か俺はオッサンと試合して…」

俺は負けたのか?

くそっ!

何であんなやつ程度に負けたんだ!?

すると客間が開いてガラルドが入って来た。

「具合はどうだ?」

俺はガバッと起き上がると、足が痛くて立てなかった。

「大丈夫か?手加減はしたつもりなんだがな」

「うるせー!あれはまぐれだ!もう一回俺と勝負しろ!」

ガラルドはやれやれといった様子で、俺の足を見た。

「うむ、少し腫れてるな…、これでは満足な修行は出来んな。この足が治ったらまた試合をしてやる。それまでおとなしくしていろ」

そう言ってガラルドは客間から出て行った。

 

***

 

数日後。

「おらー!食らえや!衝打!」

「遅いっ!」

「くそっ!デカい体してなんて速さだよ!」

「おら!横が隙だらけだ!」

「あぶねっ!」

ガラルドの攻撃を紙一重で避ける。

「ふん、逃げ足だけは速いようだな」

その言葉に俺はカチンときた。

「うるせー!衝打!」

バシッと腕を捕まれた。

ヤバイ、この間と同じ状況だ。

「衝打!」

反対側の手で衝打を繰り出す。

「うおっ!」

ガラルドは慌てて掴んでいた手を離し、瞬歩で距離を取った。

「あらら~?逃げ足が速いのはお互い様なんじゃないの~?」

俺はゼェゼェ言いながらガラルドを挑発した。

「どうやらもう疲れてるようだな。ではこれで終わらせてやる虎我派月下!」

ガラルドは距離を詰めて俺を天高くまで蹴り上げた。

「うわっ!」

空中に投げ出された俺は何とか体勢を立て直そうと必死だった。

その時、ガラルドが俺に向かってジャンプしてきた。

「嘘だろ?こんな高さまで飛べるのか?」

「散山花!」

俺は闘技場から道場の外まで吹っ飛ばされた。

「しまった、やりすぎたか」

 

***

 

ハッと気付くと、俺は修行者用寝室に居た。

「ちくしょう!俺はまた負けたのか!」

それから幾度と無くガラルドに試合を申し込んだが、俺はことごとくこてんぱんにやられた。

「いい加減、諦めて修行しないか?」

「嫌だね、俺はアンタを倒したいだけだ。こんな所で修行なんて誰がするか!」

「ふむ、もうお前は入門者なんだぞ」

「は?」

「俺と戦ってるうちに技は覚えなくても相当体力が着いたはずだ」

「それが入門とどう関係してんだよ」

「つまり、俺を通して虎我派流拳法の極意を伝えているんだ。もう立派な入門者だ」

「ふざけんな!勝手に決めんな!」

「さて、今日はもうこれぐらいにして辞めるぞ」

「おい、待てよ!」

ガラルドはすたすたと闘技場を後にした。

「俺が入門者~?ふざけんな、俺は自然の力が欲しいだけだ。なんでこんな道場で修業しなきゃなんねぇんだよ」

ぐぅ~。

「…腹減ったな」

俺は飯を食いにガラルドに続き、闘技場を後にした。

 

To Be Continued...

 

***

 

今日のあとがき。

ゲイルがどんどん嫌なヤツに…。

でもこれからいいヤツになってくれる…はず。

しかし技名ほとんど忘れちゃったよ。

また読み直さなきゃなぁ…。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第三話。

翌朝。

ジャーンジャーンと鳴るドラの音で目が覚めた。

「うるせー!一体何だ!?」

ふと時計を見ると、朝の6時だった。

「起床~、起床~」

そうか、これは起床の合図なんだな。

まぁ、俺は入門者じゃないから関係ねーな、もう一眠りするかな。

そんな事を考えていたら、部屋に誰かが入って来た。

「おっ、師範じゃん、何か用?」

「朝飯の時間だ、起きろ」

「えー、まだ6時じゃん、俺朝弱いんだよね」

「いいから起きろ!」

毛布をガバッと取り上げられた。

「何すんだよ!返せ俺の毛布!」

すると、師範が怒り出した。

「まったく、ヴェイグはちゃんとしつけしたのか?まぁこれくらい反抗的な方がやりがいがあるってもんだがな」

「あーぁ、もう目覚めちゃったよ、早く飯のある場所まで連れてってくれよ」

「着いて来い」

道場の中をテクテク歩きながら、師範に話しかけた。

「なぁ、この道場にガラルドって人いる?」

「ガラルド?俺のことだが…」

「げっ!ガラルドって師範だったのかよ!あのババァ、そんな事一言も言ってなかったぞ!」

「おい、ババァとはマオの事か?」

「あぁ、そうだよ」

「フン!」

目の前に星が見えた。

どうやら俺は頭を思いっきり殴られたようだった。

「な、何しやがんだ!」

「今後マオの事をババァと言ってみろ、もっと酷い目にあわすぞ」

どうやらガラルドはマオの事をまだ子供だと思ってるようだ。

「わ、分かったよ…、あのオバさん…」

ギロリと睨まれた。

「マ、マオさんとは随分昔からの知り合いだったようだな」

「あぁ、ヴェイグと出会う前からの知り合いだ」

あーだこーだ話してるうちに食堂に着いた。

「おぉ~、いい匂いがする、オッサン、早く行こうぜ」

「うむ」

「お早うございます師範!」

「うむ、お早う」

「玄関のポストにこんな物が入ってました」

「手紙か?何だ、ヴェイグからじゃないか」

「親父?何で親父がここに手紙なんか出したんだ?」

「ふむ」

ガラルドが手紙の内容をまじまじと見ていた。

「どうやら、マオから聞いたようだな…」

「何だ?一体何が書いてあるんだ?」

「お前を徹底的に鍛えて欲しいとの事だ」

「げっ、親父のヤロー、余計な事を…」

「朝飯を食ったらすぐ修行に移るぞ、ヴェイグのお望み通り徹底的に鍛えてやる」

「へっ、俺は強いぜ?そんじょそこらの修行程度朝飯前けどね」

「それなら朝飯前に俺と手合わせしてみるか?」

「おっ、やる気?言っとくけど俺強いぜ?」

「ふむ、ならば着いて来い、闘技場で戦う」

そして、俺はガラルドと戦う事になった。

闘技場に着くと、俺は軽く柔軟体操を始めた。

「オッサン、手加減はしねーぞ。だからオッサンも手加減すんなよ」

「手加減なんてする気はさらさら無い」

「それじゃ、試合開始といきますか」

「かかってこい」

「それじゃ、遠慮なく」

俺は瞬歩でガラルドの懐に飛び込んだ。

が。

「散山花!」

俺はガラルドの一撃に軽く吹っ飛ばされた。

「ゲホゲホ…、やるじゃん流石師範」

ガラルドの方を見ると、指をポキポキ鳴らしながら仁王立ちしていた。

「どうした、お前の実力はそんなもんか?」

「んなろー!」

また瞬歩でガラルドの懐に入る。

そして衝打を繰り出す。

が。

腕を掴まれ、衝打を封じられた。

そのまま俺は闘技場の隅まで投げ飛ばされた。

「ガハッ」

ガラルドが近づきながら俺に話しかけてくる。

「どうした、その程度か?ヴェイグならもっと強かったぞ」

「お、親父は関係ねーだろ…」

「ふん、まぁいい。大体お前の強さが分かったからな」

「おい!まだ終わりじゃねぇぞ!」

立ち上がろうとすると、足が動かなかった。

吹っ飛ばされたときにくじいたのだろう。

「さて、俺は食事に行くが、お前は食堂まで行く力が残ってるか?」

「たりめーだろ、それにまだ試合は終わっちゃいねぇ!」

「俺には勝敗が目に見えてるようだが」

「くっ!」

俺は痛い足を引きずりながらガラルドに向かっていく。

「その根性だけは認めてやろう、ではこれでしばらく眠っていろ。衝打!」

俺にはその後の記憶が無かった。

 

To Be Continued...

 

***

 

今日のあとがき。

はて、昔の師範はどうしたのだろうか?

道場にいるのかなぁ?

自分で書いててその辺の設定が曖昧。

まぁ、多分あの師範のことだからまだ道場に住み着いてるだろうな。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第二話。

『いい、まず虎我派流道場に着くとガラルドという人に会いなさい。わかったわね』

「とか何とか言ってたな、そういや親父も酔っ払ってよく昔の話してたな。その話には必ずマオとガラルドが絡んでたな…」

ガラルドがどんな人物かよく分からないが、相当強いらしい。

「まぁ、行ってみれば分かるか」

そう呟きながらテクテクと歩き始めた。

昼を過ぎた頃休憩をしようと、木陰に腰を下ろした。

そこにガラの悪そうな三人組がやってきた。

「はーい、そこのボク、有り金全部置いてきな」

「ちっ、虫けら共め…」

「あぁ!?テメー今なんつった!?」

「虫けらっつったんだよ、金が欲しけりゃかかってこいよ。まぁ金持ってねーけどな」

三人のリーダーと思われるヤツが合図する。

一気に囲まれた。

そして男がナイフを取り出してゲイルに向かってくる。

俺はジャンプして木の枝に捕まってそのナイフを避けたと同時にあごに一発蹴りをくらわせた。

相手は脳震盪を起こしてその場に倒れこんだ。

「へっ、余裕」

「兄貴!」

子分がリーダー格的の男に近づいてきた。

「オメーも、寝てろ!」

またも相手のあごに蹴りをくらわす。

こいつも脳震盪を起こしたらしく、その場に崩れ落ちた。

そうして木の上に登り、最後の一人目掛けて瞬歩で間合いを詰める。

「…隙だらけだぜ、衝打!」

ドォンという豪快な音と共に最後の一人がはるか10メートルくらい先まで吹っ飛ばされた。

「ふぅ、あらかた片付いたな」

俺は盗賊達のポケットを次から次へと探っていった。

「ちぇ、ホントに金ねーんだな、たった300ゼルしか持ってねーのかよ」

すると、脳震盪を起こしたリーダー格のヤツが起き上がった。

もう回復したのだろう。

「こ、こんなに強いなんて聞いてないぞ!」

このときピンと来た。

こいつらは誰かに雇われた賊らしい。

「おい、言え。依頼人は誰だ」

リーダー格の男の胸倉を掴む。

「言う、言うから離してくれ!」

「ほら、離したぞ、喋れ」

「実は…、マオさんに依頼されたんだ…」

「何だと!?」

「何でもあの子の実力が知りたいからよろしくって…」

「あんのババァ!俺をコケにしやがって!」

また男の胸倉を掴み上げる。

「ひぃっ!助けて!」

「ちっ、まぁいい、この300ゼルは貰っていくからな」

「あぁ、それは今月の食費…」

「バーカ、300ゼルなんてタバコ買ったらすぐ無くなるだろ。まぁこれは汽車代として使わせてもらうけどな」

「そんな!勘弁してくれ!」

「怨むならこんな事企んだマオを怨むんだな」

「そ、そんなぁ…」

「じゃあな、ぐずぐずしてたら夜になっちまう。ここから一番近い駅はどこだ?」

「サウスバーグ駅だ…」

「そうか、じゃあな、マオのオバさんによろしく言っといてくれよ、二度とこんな下らねーことすんなってよ」

さっときびすを返して俺はサウスバーグ駅へ向かった。

 

***

 

「はぁ!?もう全便出ちまったってのか!?」

「はい、申し訳ありません、何せここは田舎ですからねそうそう利用する人も居ないんですよ」

駅員がバツの悪そうな顔を浮かべて謝っていた。

「じゃあ明日の便で一番早いのは?」

「はい、昼の12時が一番早い便ですね」

「そんなに待ってらんねーよ!今すぐ出せ!すぐ出せ!」

「そう申されても…」

「ちっ、いいよ、じゃあ歩いて行くよ。ちっ、今からだったら到着するのは夜か…」

しぶしぶと線路沿いを歩いていた。

「時間が無くなってきたな…、瞬歩でも使って急ぐか」

そういうと軽くステップを踏みながら瞬歩を使う。

「バージョンツー、獅子!」

ヒュンヒュンと軽い足取りで線路沿いを瞬歩で移動していた。

案の定帝都に到着したのは夜になってからだった。

「ちくしょう、今から宿取れるか?」

「…あ、そういや俺300ゼルしか持ってねーや」

宿探しは諦めて、虎我派流拳法の道場を訪ねた。

「すんませーん!誰かいませんかー!」

門に向かって叫ぶ。

「すんませーん!」

「すると、門の横に着けてあるドアから男が出てきた。

「何だお前は、入門者か?」

「まぁ、そんなとこ。宿賃無いしここに泊めてよ」

「ちょっと待ってろ、今師範を呼んでくる」

しばらくしたあと、巨体の男がドアから出てきた。

そして俺に話しかけてきた。

「お前、名前は?」

「俺?俺はゲイル」

「お前がゲイルか、マオから連絡は聞いている。まぁ今日は遅い。寝床くらい用意しよう」

「おっ、話が分かるねぇ。じゃ、よろしく」

こうしてゲイルは無事、虎我派流道場へたどり着いた。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

通貨の名前忘れて時間くったなぁ…。

後で確認してみるか。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ゲイルの大冒険』第一話。

十五年後-In 15 years-

マオ三十四歳。

マオは酒場の若旦那と恋に落ち、そのまま婚約した。

そして、現在酒場の若女将として働いていた。

そして、出会いは急激にやってくる。

ギィという古い建てつけのドアが開いた。

そして15~6歳の少年が入って来た。

「ここにマオって人いる?」

その少年は突然そんな事を言い出した。

「あら、私になにか御用かしら?」

「あんたがマオ?なんだオバさんじゃねぇか」

その言葉にマオはカチンと来た。

「えぇ、確かにあなたから見るとオバさんかも知れないけど、一応まだイケてると思うけど?」

マオの反論に興味なさそうに返事をする少年。

「あ~、そんな事はどうでもいいんだよね。俺一応親父のいいつけで来ただけだから」

「親父さん?どなたかしら?」

「ヴェイグって人知ってるだろ?あんたのお師匠さんさ」

「えぇ、ヴェイグさんにはお世話になったけれども、それが何か?」

「か~、まだ分かんねぇのかよ、俺はそのヴェイグの息子のゲイルだよ」

「ヴェイグさんの息子!?そういえばどこと無く面影があるわね」

「で、話は本題に入るけど、俺は親父のいいつけでマオって人に会って来いって話なんだよね」

「何でかしら?」

「何か一からマオって人にハンターのいろはを教えてもらえってさ」

マオは困惑した状況で話を聞いていた。

「えっと…、まず何を教えればいいのかな?瞬歩は使えるの?」

「あたりめーだろ、そんなもん10歳の頃にマスターしたっての」

「じゃあ衝打は?」

「それもマスターしてるよ」

「そう…。それじゃ私が教えることは何も無いわ。帰ってお父さんに習ったら?」

「あんたは確か虎我派流拳法の使い手らしいじゃん?それ教えてくれよ。あと自然の力ってのも興味あるな」

「自然の力の事はどこまで知ってるの?」

「親父が使えるってのは知ってるけど、一回も見せてくれないんだよ」

確かにヴェイグさんの自然の力は代償が大きすぎる。

簡単に見せられるものじゃない。

「なぜ私が自然の力が使えるって知ってるの?」

「親父に聞いた」

ゲイルはそっけなく答えた。

「そう…、じゃあまず帝都に行って虎我派流拳法をマスターする事ね」

「えー、何だよ。教えてくれねーのかよ」

「自然の力は使い手に大きな負担がかかるのよ、だからやすやすと教えられないわ」

「ふーん、そうかよ、んじゃ帝都まで行く機関車賃貸してくれ」

「ここから帝都までは近いから歩いて行きなさい」

「ちぇー、なんだよ。ケチくせぇ」

「それも修行の一環よ、帝都まで無事に辿りつけるかどうかであなたの実力も分かるしね」

「ふ~ん、俺を試そうっての?」

ゲイルは少々不満げだった。

「これをクリア出来なければ自然の力を教える訳にはいかないわ」

「教えろよ」

「とにかく帝都に行って虎我派流拳法をマスターしてからね」

「ちっ、分かったよ、虎我派流拳法だな、まぁ俺にとっちゃそんなもん朝飯前だけどな」

「それはどうかしら?」

「どういう意味だよ」

「一筋縄ではいかないって事よ」

「はっ!そんな脅し効かねーぞ。虎我派流だか何だかしらねーけど俺にかかればちょろいもんだ」

「それじゃ、早速向かいなさい。夜になると危険だから昼間のうちに行動しなさい」

「へーいへい」

こうしてゲイルは帝都へ向かう事になる。

 

続く

 

***

 

今日のあとがき。

時間がないッス!

ハンターズライフ新章突入ッス。

取り合えず、ヴェイグの息子ゲイルが主人公ッス。

果たしてゲイルは自然の力を会得できるのか。

次回に続く。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第三十四話。

「ちっ、この部屋も違う!」

壱系は101号室からしらみつぶしに探していた。

「くそっ!この部屋ッスか!」

ドアを開けようとすると、鍵が掛かっている。

「ここも違うッスか!」

いや、もしかすると鍵を閉めてる可能性がある。

その場合を考えて、一応ノックする。

コンコン。

『だれー?』

「ちっ、ここじゃないのか!」

急いで階段を登り、202号室から片っ端からドアをノックする。

コンコン。

返事が無い。

どうやら誰も居ないようだ。

このホテルは広い。

こんなに時間を使ってたら士郎の命が危ない。

 

***

 

「クックック、せいぜい頑張るこった…、どうせこのホテルにゃ居ないんだからよ」

「ほぅ、それは聞き捨てならんな」

「誰だ…」

「剣道二段の真北さんだよ!」

犯人目掛けて木刀を振り下ろす。

「おっと危ねぇ!テメーは、確か壱丸の仲間か」

「真北、どけ、ここは俺に任せろ」

「源蔵さん、あんたいつから!?」

「お前が鉢巻巻いて木刀持って万屋から出て行くのを見たんでな、こっそり後をつけて来たんだが…」

「ほぅ、源蔵か、久しぶりだな。殺しはもうやめたと聞いたが?」

「あぁ、スッパリやめた。だが仲間の一大事となっちゃぁそうも言ってらんねぇ」

「クックック、アーッハッハ。仲間ねぇ…、仲良しクラブで満足かい?悪魔と呼ばれた男がよぉ!」

相手がナイフを取り出して、源蔵に切りかかる。

「説明は後で聞く、今は壱系と共に行動しろ!」

キィンとナイフを弾いた。

「おらよ!」

投げナイフを巧みに操り、源蔵を攻撃に回さないように攻撃する。

「何してる!さっさと行け!」

「犯人に一つ質問がある!」

「ほぅ、なんだ?」

「士郎はどこだ?」

「さぁ…、どこかなぁ?」

「そういや士郎の姿が見えなかったが…、もしやこいつに連れ去られたのか?」

「あぁ…」

「どこだ…!」

「おぉ、恐い恐い、俺がゲロすると思ってるのか?わざわざご丁寧に」

「それなら話は別だ」

源蔵が刀の構えを変えた。

「…こうなったら実力行使だ」

「くっ!」

犯人がナイフを投げる。

それを全て弾いて技を繰り出した。

「葉桜!」

「ゴホッ…」

「手加減した、死にはせん…。士郎はどこだ?」

「………」

「言わないつもりか、ではもう一度…」

「分かった、言う、言うから勘弁してくれ!ホテルの駐車場にワゴン車がある。その中だ」

「本当だろうな?」

「あ、あぁ…、だからこの刀しまってくれよ、なぁ、頼むよ」

「真北、アンタは壱系を探してこい。その間俺はこいつの面倒を見てる。早く行け!」

「お、おう!」

 

***

 

壱系を見つけるのは簡単だった。

後は士郎の下へ向かうだけだ。

「行くぞ!壱系!」

壱系を連れ出して、非常階段から駐車場に向かった。

「あった!ワゴン車だ!」

「あの中に士郎が!」

「あっ!逃げるぞ!」

「ワタクシに任せるッス」

壱系はパァンパァンと二発銃弾を放った。

すると、車はパンクし、塀にぶつかって止まった。

そして、中から人が出てきた。

そいつは士郎を盾に壱系に話しかける。

「おっと、動くな、動くとこいつが…」

パァン!

「ぐォ!」

「士郎は小柄ッスからねぇ、盾には向いてないッス」

「壱にぃ!」

士郎が駆け寄ってきた。

「くそっ!ボスはどうした!」

「それが!携帯が繋がらないんだよ!」

「何だとォ!?」

 

***

 

数分前。

「へ、へへ…」

「おい、その後ろに持っているものを出せ」

「な、なにも持ってねぇよ…」

「嘘を付くな!」

ガスッ!

「い、痛ってぇ!」

「ふん、携帯か…」

グシャ!

と、携帯を踏み壊した。

「ああぁぁぁ!」

「観念するんだな」

「くっ…」

 

***

 

遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた。

「やべぇ!ずらかるぞ!」

「ふん、子悪党共め…。どこにも怪我は無いッスね?士郎」

「うん…」

「どうした?元気ねーな?」

「ボク、迷惑かけっぱなしだね。これならボク家に帰るよ」

「…そうッスか」

「おい、いいのか?壱系」

「士郎が言ったことッス、文句をつける立場じゃないッス」

すると、パトカーが数台、駐車場に入って来た。

「武器を捨てて、手を挙げろ!」

「…へ?」

「おい!中にも仲間がいるみたいだ!捕まえろ!」

「ハッ!」

「いいか!銃を捨てるんだ!」

「やれやれ、少し厄介な事になったッス」

こうして壱系と中に居た源蔵さんが銃刀法違反で逮捕された。

 

***

 

五年後。

「ふぅ…、久しぶりのシャバの空気は美味いッス」

「壱系よ、これからどうするんだ?」

「ん~、取り合えずまた万屋を始めるッス」

「そうか、俺は世間から姿をくらます…、少々刀が恋しくなってきたからな」

「ワタクシも銃が無いと落ち着かないッス」

「はっはっは、お前も生粋の殺し屋だよ」

「ではここで別れるッス、あばよッス!」

「おう、じゃあまたいつかな」

壱系の足は自然に元あった万屋に向かっていた。

「もうぺしゃんこに潰れてるかもしれないッスね…」

独り言を呟きながら壱系は足を止めた。

「万屋真北(四葉マーク)ー!?」

「お、壱系、お帰り」

「あ、お帰り、壱にぃ!」

「やっと帰ってきたネ」

「こ、これは夢ッスか!?」

「何やってんだよ、さっさと仕事頼むぜ」

「この四葉マークは?」

「あぁ、あの事件の後士郎が家帰ったんだよ、それで士郎の世話代として新しく建ててもらったんだよ」

「一応、四葉グループ傘下の会社になったんだよ」

と、士郎が説明を加えた。

「そんで、社長が不在だからってんで俺が代理社長やってた訳」

「それじゃあ、ワタクシまた万屋で働けるッスか?」

「当たり前だろ、頼むぜ社長!」

「うぅ、みんな…」

「さぁ!仕事しようぜ!」

こうして万屋壱系という看板が再び世間に顔を出した。

「さぁ、帰ってきたッス!バリバリ働くッス!みんなもキリキリ働くッスよ!」

 

『万屋壱系』 

 

***

 

今日のあとがき。

ふぅ、疲れた。

こんだけ長いと疲れるッス。

やっぱり短編をちょろちょろ出してた方がラクッス。

でも新たに設定とか決めるのもラクじゃないんスよ。

何か話かたが壱系みたくなってきたッス。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第三十三話。

その日は客も一人も居なく、静かな午後だった。

士郎も学校へ行くようになり、余計に静かさが増していた。

「ふわぁ~あ、暇ッスねぇ…」

「この間の広告効果で人集めしたんだがなぁ…」

真北も呟く。

「ちょっと昼寝でもするさね。お客さんが来たら対応よろしくッス」

「おいおい、春眠暁を覚えずもいいけどちゃんと経営出来てるんだろうな?」

「家賃は毎月払ってるから大丈夫ッス」

「この間に屋根を完全に直しちゃおうぜ」

「う~ん、そうッスねぇ…」

そんな会話をしてると、事務所の電話が鳴った。

「もしもし、万屋壱系ッス」

『久しぶりだな、壱丸』

「誰だ…!?」

『忘れちまったのか?あんたに殺しを依頼した男だよ』

「アンタが何の用件ッスか」

『小僧を一人預かった、帰して欲しくばホテルニューロティカまで来い』

「小僧?士郎のことッスか!?」

『ほう、この小僧は士郎というのか、覚えておこう』

「預かったとはどういう事ッスか!?」

『読んで字の如くさ、誘拐だよ』

「誘拐ッスと!?」

その言葉に真北も反応した。

「お、おい、壱系。そいつ四葉グループ知らないのか?」

「知らないみたいッス、とにかく士郎の安全が第一ッス。もしもし?」

『血が見たく無かったら一億用意しろ。おっと、警察にタレこむと小僧の命は無いと思え』

「分かったッス、今行けばいいッスか?」

『夜の午前0時だ、それまで小僧の命は預かった』

「士郎は無事何スか!?」

『声でも聞くか?』

電話ごしに士郎が出た。

『壱にぃ、ごめん…」

「何言ってるッスか、悪いのは士郎じゃなくてそこの誘拐犯ッス。何も気にすることないッスよ」

『でも…!』

「でももクソも無いッス、取り合えずおとなしく待ってるッスよ?」

『う、うん』

すると受話器の向こうで犯人が代わった。

『満足か?それじゃぁ待ってるぜ』

そう言って通話が切れた。

「くそっ!士郎、無事でいるッスよ…」

「で、結局士郎を解放する条件は何だ?」

「一億用意することッス」

「な、いきなりそれは無理だろ!」

「そうッスね、無理さね…」

「じゃあどうするんだ?」

「決まってるッス、犯人と対決するッス」

「そ、そうか。そんじゃ俺も手伝うぜ」

「いや、真北さんは事務所に待機してて下さいッス、犯人からの電話にいつでも対応できるように」

「わ、分かった」

「この話はここだけの話ッス、源蔵やエミリーには秘密ッス」

「どうしてだ?」

「心配かけさせたくないッス…」

「そうか、そういう事なら…」

そうして、時刻は0時を迎えようとしていた。

 

***

 

ホテルニューロティカ前。

「士郎、待ってるッスよ、今助けに行くッス」

そう呟いて、ニューロティカへ入っていった。

「おぉ、ちゃんと一億持ってきたか?」

「この通り、持ってきてないッス」

「何だと?今俺の部下が部屋で小僧にナイフを突きつけてるんだがな、俺の連絡一つで小僧は…」

「何号室ッスか?」

「おいおい、教えるわけ無いだろう」

「連絡を入れたらお前を撃つッス」

「じゃあ、こんなのはどうだ?制限時間内に小僧の居る部屋を見つけたら解放してやるよ」

「どういう風の吹き回しッスか?」

「そうだな、これはゲームだ。復讐という名のゲームさ」

「人の命を弄ぶなんて悪趣味なゲームッスね」

「何とでも言え、今から一時間以内にこのホテルから見つけるんだ。いいな」

「一時間を過ぎたらどうなるッス?」

「小僧の命は無いと思え」

「ちっ!」

「さぁ、ゲームスタートだ。せいぜい頑張って探すんだな」

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

さて、士郎を無事見つけ出す事ができるのか?

頑張れ壱系、負けるな壱系。

次回、遂に最終回!?

どうなる、壱系!

という訳で今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第三十二話。

「むぅ…」

「どうもありがとうございましたぁ~」

壱系は窓の外の万屋源蔵を眺めていた。

それに気付いた源蔵が近づいてきた。

「はっ!どうだ、俺の万屋の方が客が集まってるようだが?」

「ふん、どうせ金の無い奴らばっかりッス、ウチは金額が桁違いッス!」

「そういきがってる割には繁盛してねぇようだが?」

「くっ!こうなったらこっちにも作戦があるッス!」

「ほう、どんな作戦だ?」

「源蔵はバカなんスか?敵に手のひらを明かすほど愚かじゃないッス」

「ふん、まぁいい、とにかくウチがどんどんデカくなって行くのをそのオンボロ事務所で眺めてるこった」

「ちっ、さっさと自分の事務所に帰って依頼をこなすがいいさね」

「そんじゃ、そうするぜ」

はっはっはと笑いながら源蔵は万屋源蔵に帰って行った。

「…勝負はこれからッス」

 

***

 

「おーい、エミリー、新聞取ってきてくれ」

「自分で取りに行くネ、アタシもあんまり暇じゃないネ!」

「くっ、顔は心を表すというがブサイクなのに性格が悪い。天は二物を与えてしまったようだな…」

そう呟きながら新聞を取ってきた源蔵が新聞を広げた。

そこにはデカデカと万屋壱系の広告が載っていた。

「な、なんじゃこりゃー!」

「どうしたネ」

「いや、これを見ろ」

新聞をエミリーに見せる。

「万屋壱系何でもいたします…かネ」

「ま、まぁ、こんな広告一つで客足が伸びるとは限らんからな」

ふと窓の外を見ると、万屋壱系に長蛇の列が出来ていた。

「トイレが詰まったから一刻も早く直してくれ」

「分かったッス、士郎、お願いするッス!」

「分かったよ!」

「トイレの電灯が切れちゃって、取り替えて欲しいのじゃが…」

「分かったッス、後ほど伺います。次の方どうぞー!」

「ちっ!新聞広告だけでこんな行列が出来るのか!?ならウチも…」

いや、ダメだ。

これはあいつの考えたアイデアだ、パクッたらまた嫌味を言われるに違いない。

クソッ!

どうしたらいい!

「ふぅ、一区切りついたッス。おやー?おやおやー?今日は随分静かッスねぇ」

「エミリー、俺ちょっとアイツ切ってくる」

「負けるなネ」

「おらー!壱系出て来い!決闘だー!」

「もう準備は出来てるッス」

壱系は二丁拳銃を構えた。

「必殺!乱れ桜!」

パァンパァン!

と、壱系が両手に持った拳銃で源蔵を撃つ。

「甘い!」

それを刀で弾いた。

「おぉ!何かスゲー事やってるな」

「真北さん、危ないから下がってるッス」

「お、おう…」

「源蔵に普通に打ち込んでも弾かれるだけッスか…、ならこっちも必殺技ッス!月光!」

壱系の放った弾丸は、空に放たれた。

「む、その技は…」

「思い出したッスか?これは源蔵が逃げ出したミッションの時に使った技ッス」

「そうか、その弾が当たる前に切る!」

「散り桜!」

ズシャア!

源蔵はすれ違いざまに刀を抜いた。

「がはっ…」

すると、攻撃したはずの源蔵が倒れた。

「危ない危ないッス、もう少し弾が遅れてたら殺されるところだったッス」

「く、そォ…」

「急所は外してあるッス、ウチで手当てしてくといいッス」

「真北さん、ちょっと運ぶの手伝って欲しいッス」

「オーケー」

そうして源蔵は万屋壱系に運ばれた。

「もう、無駄な争いはやめるッス」

「へっ、こちとらリストラされたんだよ、これは復讐だ」

「ワタクシ気が付いたッス、源蔵もエミリーも万屋壱系に居るべき人間ッス」

「何だと?」

「だからもう戻ってくるッス、これ以上醜い争いは嫌ッス」

「そう、か。では俺の復讐はこれで終わりだ。またよろしく頼む」

「おい、壱系、簡単にそんな事言っていいのか?確かに向かいに万屋があると邪魔だが…」

「シー、真北さん。これは作戦ッス」

ひそひそ声で壱系が話し始めた。

「多少のリスクはあるッスけど、ここはそう言っておいて店をたたんで貰った方がいいッス」

「なるほどね、これも作戦か」

「では、早速店をたたんでくれ、これは俺からの依頼だ」

「了解ッス」

こうして万屋争いは幕を閉じた。

 

続く

 

***

 

今日のあとがき。

なんか微妙な終わり方だなぁ…。

でも他に何も思いつかなかったから結局源蔵とエミリーは万屋壱系に戻って貰うことに…。

っていうかいつまで続くんだよ。

そろそろ終わりにしよう。

そう言って結局続いちゃうのが悪い癖。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第三十一話。

「それにしても…」

刀を手入れしている源蔵が話す。

「この万屋随分ボロっちいな…」

「仕方ねッス、ジャイアントキャットのせいで天井が吹き抜けッス、一応修理したんスけどねぇ…」

「修理といっても木を釘で打っただけじゃねぇか」

「うちも経済的に厳しいッスからね、なんせ余計な人物が二人も居るッス…」

「じゃあそいつ等を追い出せばいい」

「それじゃ、そうするッス」

 

***

 

万屋玄関前。

「それではお元気で」

「ちょっと待て、確かに俺は余計な人物を追い出せと言ったが、これはどういう事だ?」

「アタシも納得いかないネ」

「まぁまぁ、はい、真北さん手作り弁当で手を打って欲しいさね」

「弁当一つで俺はこれからどうすればいいんだ?」

「また殺しの仕事でもするッス。万屋なんてのは殺し屋じゃないッスからね」

「この俺にまた殺しの仕事をさせる気か」

「だって源蔵何もしないんスもん」

「アタシはみんなを応援して貢献してるネ!」

「エミリーの応援なんてこれっぽっちもやる気にならないさね」

「くっ、覚えてろよ、壱系!」

「覚えとくネ!」

そうして源蔵とエミリーは去っていった。

「さて、これからはもう少しラクが出来るッスね」

そうして翌日の朝。

「た、大変ッス、みんな起きるッス!」

「なんだよ、壱系、まだ六時じゃねぇか…」

「窓の外を見るッス!」

「あ~ん?万屋源蔵…?万屋源蔵!?」

万屋壱系の向かいにいつの間にか万屋源蔵という建物が立っていた。

「はっはっは、驚いたか!これが俺の復讐だ!」

「げ、源蔵!」

「俺の店は低賃金で何でも致しますがウリだ!」

「そ、そんな事をされたらウチに人が来なくなるッス!」

「だから言っただろう、これは復讐なのだと!」

「ふっ、甘いッスね、源蔵。万屋という仕事は何でもこなせる人物がやるから意味があるッス。殺し以外何も出来ない源蔵に万屋が務まるはずが無いッス!」

「ぐっ!その時は始末屋という看板に張り替える!」

「源蔵は氷砂糖のように甘っちょろいッスね。そんな看板掲げた時点でお縄確定ッス!」

「くっ!」

「さぁ、どうするッスか?一刻も早くこの店をたたむ事を検討した方がいいッスよ?」

「ふっ、甘いのはどっちかな?こっちにはエミリーという協力者が居る!」

「…で?」

「エミリーの…その…美貌で…」

「まさかお前らできてたッスか!?」

「そんな訳無いだろう!?一応何か言っとけば何とかなると思ったんだよ」

その時、一人の依頼人がどちらに入ろうか迷っていた。

それに目をつけた源蔵がセールストークを始めた。

「ウチは低賃金で依頼をお受け致しますよ、どうどこちらの万屋源蔵へどうぞ」

負けじと壱系もセールストークをする。

「ウチは確実に依頼をこなしますよ、ぜひ万屋壱系へどうぞ」

客は困っているようで、どっちにしようか交互に万屋を見る。

「じゃあ、安く依頼できるこっちにするかな」

「毎度ありがとうございます!」

「くっ」

「はっはっは、壱系、この勝負、俺の勝ちだな!」

「ふんっ、本物の客は当然こっちに来るッス、何せ常連さんが居るッスからね!」

「はっ、せいぜい吠えてろ。ささっ、お客様、こちらへどうぞ」

こうして万屋壱系と万屋源蔵はライバル店として依頼人集めで争う事になる。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

だんだん短くなってきてるね、この話。

そろそろ潮時かなぁ…。

いやいや、まだまだ続けたる。

この設定で骨の髄までしゃぶり尽くしてやる。

あ、明日は病院だ。

たまには小説以外のことでも書いてみようかな?

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第三十話。

「警察の者ですが…」

その人物は唐突に訪れた。

「ケ、ケーサツの人が何の用ッスか?あれッスよ、銃とか刀とか別に無いッスよ?」

「依頼をしにきた」

「依頼?ケーサツの方がッスか?」

「あぁ、実は警察署の方で一日所長をしてもらう事になったアイドルが急に体調を崩したようでな、それで今日中にその代わりを探して欲しいのだが…」

「なるほど、状況は分かったッス、依頼領は100万でいいッスか?」

「ひゃ、百万!それならば芸能事務所で変わりを雇った方がいい、失礼する」

そうして依頼人は去っていった。

「あーぁ、せっかくの依頼だったのに、100万なんて要求するからだよ」

「だって女の子居ないんスもん、ウチ」

「おい!アタシが居るだろうが!このエミリーの美貌にみんなが嫉妬するネ」

「はいはい、で、依頼断られた壱系さんとしては今日は何するんだ?」

「もちろん警察署へ行ってアイドルを見に行くッス」

「そんなこったろうと思った…」

 

***

 

警察署前。

「いやぁ、流石にアイドルが来るという事もあって人だかりが凄いッス」

「万屋の方はいいのかよ」

「それは源蔵と士郎に任せてあるッス、何か用事があれば、このトランシーバーで会話が出来るッス」

「携帯じゃねぇのかよ…」

「何言ってるッスか、携帯出来るものはみな携帯ッス、例えば携帯灰皿とか…」

「あー、分かったよ。それよりアイドル遅いな、流石に今日中に見つけるのは難しかったか…」

「お、誰か出てきたッスよ」

「みんなー、今日も元気にクソしたかネー!」

「………」

「あれ~?返事が聞こえないネ、もう一度聞くネ、今日も元気に…」

「壱系ドロップキック!」

ガスッという音と共にエミリーがステージの袖に吹っ飛んでいった。

「いやぁ、お見苦しいものを見せたッス、今からこいつを拷問するッス」

「さて、本物はどこかな?」

ステージ上でキョロキョロしていたら、客席に美人を見つけた。

「見つけたッス、この子しかいないさね」

壱系はダッシュでその子を捕まえて、ステージ上に上げた。

「さっきのはデモンストレーションッス、本物の一日警察署長はこの子ッス」

「あ、あの。ワタスそんな事出来ねッス!」

「おぉ、壱系が二人居るようだ」

「ワタス、田舎から上京してきてこんな人前に出るなんて無理ッス!」

「まぁまぁ、軽く挨拶すればいいだけの話ッス」

そうして壱系は関係者によって、ステージから引きずり下ろされた。

マイクはオンになっていた。

とにかく何か喋んなきゃ…。

「み、みんな~、今日も元気にクソしてきたッスか~!?」

うおぉぉぉー!

という叫び声があがった。

やはり美人とブスだとこんなに違うんだな、言ってること同じなのに…。

こうして一日所長は無事見つかった。

 

***

 

「いやぁー、ありがとうございました、ありとあらゆる芸能事務所にお願いしたんですが、やっぱり無理だったようで、ホント助かりましたよ」

「ワタクシの手にかかればこんなものさね」

「偶然見つけただけだがな」

「それで、報酬の方ですが…」

「お、払う気になったッスか?」

「100万は無理だったんで、50万でいいですか?」

「えー、せっかく見つけたのに、50万ぽっち?」

「おい、壱系。あんまりぼったくるなよ」

「ふむ、分かったッス、交渉成立ッス」

「それではキャッシュで払いますね」

ボンと、50万をテーブルの上に乗せた。

「毎度ッス、またごひいきに…」

そうして依頼人は帰っていった。

「いやぁ、棚から牡丹餅とはこういう事を言うんスね」

「い~っけ~い…」

「な、何スか、この地獄から聞こえてくるようなうめき声は!」

「よくもアタシを蹴飛ばしてくれたネ…、一日警察署長が台無しネ…」

「お前ホントにやる気だったのかよ!」

「当然ネ、アタシの美貌に皆が嫉妬するネ」

「はいはい…」

こうしてエミリーの一日警察署長は終わった。

正確には数秒警察署長だった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今回もベリーショートで。

エミリー大活躍の回ですね。

大活躍と言っても全然出てこないんですけれども…。

次回は長編か短編か、どっちに転がるかは気分しだい。

という訳で、今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第二十九話。

「さてと、今日の依頼は犬の散歩とそれと…」

「カメレオンの餌あげとそれと…」

「後はオランウータンの遊び相手ッスね」

「…どうでもいいけど、この話オランウータンの出現量多すぎないか?」

「話?何のことッスか、とにかくやる事は山積みッス、早く犬の散歩に行ってくるッス」

「へいへい…」

こうして俺は犬の散歩に出かけた。

「あー、こらこら、拾い食いしたらダメだってば!」

俺の注意を聞いてか聞かずかさっさと歩き出した。

「全く、何で俺が犬なんかの散歩しなきゃなんねぇんだよ、エリートコースまっしぐらだった俺がよぉ…」

「何だか悲しくなってきた…、ホラ、もう帰るぞ」

ふと、犬を見ると、足しか見えない。

しかも巨大な足。

上を見上げると、犬が巨大化してた。

首輪をぶち破り巨大になっていた。

「こんなような事前にもあったような…」

そこにサッカーボールが転がってきた。

「すいませーん、ボール取って…、ぎゃあ!」

「ワンワン!」

犬がダッシュでサッカーボールにじゃれ付く。

だが、巨大なせいで一噛みしたらあっという間に穴が空いて空気が抜けてしまった。

「ホラ、行くぞ」

毛を引っ張って万屋に帰ろうとしたその矢先。

「ちょっと、オジさん俺等のボールこんなんになっちゃったんだけど、弁償しろよな」

「お、何だ、カツアゲか?やるか、コラ?俺剣道二段だぞ」

「剣道二段でも剣を持ってなかったらただのオッサンだろ、コラァ!」

バキィ!

「な、殴ったね!親父にもぶたれたこと無いのに!」

「ごちゃごちゃ言ってねーでさっさと金出せよ」

「残念ながら俺は一銭も持ってねぇ」

「ちっ、しけてんな、おい、行くぞみんな」

「ちょっと、待て」

「あぁん?」

「俺を殴ったヤツだけ残れ」

「けっ、知るかよ」

「大人の厳しさ教えてやるよ!」

俺は近くに落ちてた角材で少年に殴りかかった。

「おっと、危ねぇ…、ふっ、俺はボクシングやってんだ、そんな棒切れに頼らず己の拳で戦う一番男らしいスポーツだ」

「どうやら、俺の必殺技を見せるときがきたようだな…」

「必殺技?なんだそら?」

「魔封鳳凰剣!」

バシィ!

「ぐっ!たかが角材に俺が敗れるとは…。アンタにゃ負けたぜ。それじゃあな」

「ふっふっふ、魔封鳳凰剣とは相手の魔の部分を封印する事によって喧嘩を止める技なんだ」

何だ、この解説みたいな会話は、自分で言っててちょっと恥ずかしい」

「それよりアンタ、犬はいいのか?さっきから姿が見えねぇが…」

「あ、そう!犬!どうしよう!あんな巨体勝手が勝手に動き回ると危険だ!」

そうして、犬を探しにその場を後にした。

「おーい、ジョン、ジョーン!」

すると草むらからポテトチップスの袋を加えたジョンが出てきた。

「ひ、拾い食いはダメー!」

こうして犬の散歩は終わった。

 

***

 

「おい、こいつもあのミーちゃんと一緒で巨大化するんだが…」

「それはジャイアントドッグネ、主に番犬に使われるネ」

「確かに番犬にはうってつけだが、こいつも宇宙定例で違反してるんじゃねぇか?」

「まぁ、そうなるネ」

「それより真北さん、次はカメレオンに餌あげて下さい」

壱系はオランウータンと遊んでいた。

「しかし、この依頼人、旅行で家を留守にするからってうちにこんな動物持ち込まれてもなぁ…。

「文句はこの依頼が終わってから言うッス、とにかく、今は精一杯頑張るッス」

「まぁなぁ…、前金でも貰っちまったからなぁ…」

こうして動物達に囲まれた依頼は三日も続いたとさ。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今回はベリーショートで。

だって書く事無かったんだもん☆

やっぱ一話完結の方がいいな。

続き物だと、前の記事見ながら矛盾しないように書かなきゃいけなかったから。

ってな訳で今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第二十八話。

「ただいまより、佐藤被告の裁判を始めます」

「おい、大丈夫か?壱系、証拠品ゼロに等しいぞ」

「こうなったら証言から真実を導き出すッス!」

「弁護側、準備はよろしいですか?」

「弁護側、準備できてるッス」

「検察側…」

「また会ったな、アンタ」

「この間の検事さんッスか」

「今日はアンタの出番はねーぜ?」

「これ!検察側!準備は出来てるのですか!?」

「いちいちうるせーな、出来てなきゃここにゃいねーぜ!」

「け、検察側の態度はどうかと思いますぞ!」

「裁判長も大変ッスね」

「では、検察側の冒頭弁論をお願いします」

「…事件は高杉屋の事務所に向かう廊下で起こった。被害者の警備員は胸に一発弾丸が見つかってる」

「ふむぅ、それで?」

「以上だ」

「たったそれだけですか!?」

「あぁ、忘れてた、線状痕はこいつと一致している」

「ふむ、拳銃ですかこれはどこから?」

「被告人の自宅から出てきた」

「な、何スとぉ!」

「それでは被告人、証言台へ」

「ボ、ボクやってませーん!」

「落ち着きな。アンタの有罪はもう決まってるんだぜ」

「そ、そんなぁ…」

「それでは被告人、証言を」

「ボ、ボクがその…、捕まったときにもう一人いました。もう一人ガードマンが…」

「そのガードマンはなにやら被害者に何かを渡してたそうッスね」

「そうです!何かスプレー状の入れ物を渡してました!」

「ちなみにこれがそうだ」

検事がスプレー状の入れ物を提出した。

「おかしいッスね」

「何がだ?」

「実は犯行現場で我々も見つけたッス、スプレー状のものをね!」

「なん、だと?」

「これも提出するッス、中に何が入ってたかは分かりませんが」

「鑑識に回せ!一刻も早くだ!」

弁護側のスプレー状の入れ物を提出した。

「それでは、中身が分かるまで、一時休廷します」

 

***

 

「それでは審理を再開します。検察側、さっきのスプレーは?」

「我々の見つけたものは“喘息のクスリ”だった」

「ふむ、どうやら被害者は喘息持ちだったようですね」

「だが、この弁護側から提出された入れ物からは毒物が発見された」

「毒物!それは重要な証拠です」

「しかし、直接的死因は胸に打ち込まれた弾丸だ、それに間違いは無い」

「弁護側はそのもう一人のガードマンの証言を聞きたいッス!」

「ふっ、そう来るだろうと思って、召喚しておいた」

「ありがたいッス」

「では証人、名前と職業を…」

「伊香川椎蔵、ガードマンだ」

「伊香川…?聞き覚えがあるッス…」

「何かこっち睨んでるぞ…」

「と、とにかく、証言をお願いするッス!」

「俺は奴に頼まれて喘息のクスリを取ってきた、その後のことは知らねぇ」

「ふむ、被害者との関係は?」

「ただの仕事仲間だ」

「………それだけですかな?」

「あぁ、関係もクソもねーよ、単なる仕事仲間だ」

「弁護人、意義はありますか?」

「い、意義ありッス!」

「なんでしょう」

「単なる仕事仲間…、果たして本当にそうでしょうか?」

「どういう事ですか?」

「例えば…、プライベートでのトラブルがあったとか…」

「例え話は無意味です。証拠があるなら証拠品を提出する!」

「証人!たしか伊香川さんと申しましたよね。あなたは伊香川椎野さんの兄弟では?」

「それがどうした?」

「それなら、伊香川椎野さんの借金のことは知ってますね?」

「あぁ、何度か金を貸してる」

「そしてあなたは怪盗ジャンヌダルクを知ってますね?」

「…知らねぇな」

「怪盗ジャンヌダルクにお宝を盗ませて、それを借金の返済に当てようと思ったのでは?」

「はっ、俺が兄貴にそこまでするかよ。大体、その借金取りは殺されたんだろ?もう関係ねぇじゃねぇか」

「それはどうでしょう、例えば、あなたも借金をしていたのでは?」

「だから借金取りは殺されたんだろ。借金してようがしてまいがもう関係ねぇだろ」

「そうはいきません。確か向井ヒロトさんでしたよね。彼が金融会社で働いてたらどうでしょう。引継ぎはまだ大勢居るんですよ!」

「…それがどうした?」

「何スと?」

「この事件は殺人事件だろ?金貸しがどーのこーの言う問題じゃねぇだろ」

「そうもいきません」

「どういう事ですかな?」

「アナタは借金をしていたんですよ!被害者にね!」

「ぐっ!だからどうした?」

「理由は簡単です。まず、怪盗ジャンヌダルクが宝石を盗む。それを捕まえて、宝石を取り上げて、ジャンヌダルクを逃がせば怪盗ジャンヌダルクの仕業として宝石は手に入るんですよ、そう、アナタのポケットにね!」

「意義あり!全くお話にもならねーな」

「何スと?」

「今は殺人事件の審理だ、怪盗とやらは関係ねーんじゃねぇか?」

「でも、殺す動機にはなるッス!」

「やれやれ…、どうやらこの弁護士は何も分かっちゃいねーな。殺されたのはジャンヌダルクじゃなくて一人のガードマンだ。そこまではいいか?」

「はい」

「そしてガードマンの胸から弾丸が見つかった。被告人の家にある拳銃と線状痕の一致したヤツがな。それをあんたは覆せるってのか?」

「もちろんです。殺害した凶器は毒物だったんですからね!」

「じゃあさ、弾丸はどう説明する訳?」

「こう考えてはいかがでしょう?まず毒物で殺害したのち、犯行を被告人になすりつける為拳銃で撃った。そうしてその拳銃を被告人の家に隠した。これなら筋が通ります!」

「そうなのかい?証人?」

「た、たとえ話にしか過ぎない」

「それにちゃぁアンタ、随分動揺してるようだが?」

「くっ、そうだ!俺がやったんだ!ヤツを殺して宝石を手に入れる為にな!」

「………」

「ほっ、証人!では認めるのですか?被害者を殺したのは自分だと!」

「あぁ、間違いねーよ。俺がやった…」

「検察側!即刻この証人を緊急逮捕するように!」

「この感じ…、前回と一緒ッス」

「どういう事だ?」

「あの検事、わざと負けてるッス」

「な、なんだとぉ!?」

「では被告人に判決を下します。被告人は無罪とする!以上でこの審理を終了します」

 

***

 

被告人第一控え室。

「ありがとうございまーす!」

「よかったッスね」

「でもよぉ、怪盗ジャンヌダルクってばらしちゃって良かったのか?もしかすると、窃盗罪で逮捕されるところだぞ、普通」

「それはそれ、これはこれッス」

「お邪魔するぜ」

「検事さん!」

「アンタ、拾いもんのバッチをつけるなんて大した度胸だよ」

「な!何で拾い物だって分かったッスか!?」

「だってそのバッチは元々俺のだからな」

「どういう事ッス!?」

「俺は弱い立場の人間を守る為弁護士になった、無罪判決を取ると弁護バッチに傷を一つ付ける癖があってな。だが、ある日分かったのさ、俺に頼って来るのは何も無罪の人間ばかりじゃねぇってな」

「そういや、このバッチ、傷だらけッス」

「真実はいつも闇の中だぜ、アンタもそのうち分かる。弁護士なんてのを続けてりゃな」

「あいにく、ワタクシは万屋ッス、弁護士じゃないッス」

「ふっ、そうだったな、アンタは弁護士じゃねぇ。それじゃあ、もう二度と法廷には立たないこった」

「もう今回でこりごりッス」

「それじゃあな、大事にしてくれよ、そのバッチ」

こうしてジャンヌダルクの殺人罪は無実判定を勝ち取った。

そうして後日。

「助けてくださーい!」

「こ、今度は何ッスか!?」

「ボク、窃盗罪で捕まっちゃいましたぁー!」

「もう知らねッス!」

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

いやー、長い上にめちゃくちゃな裁判だこと。

こんな裁判ありえねーよ。

まぁ、こんな話しか思いつかなかったので。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第二十七話。

「いやぁ、あの事件以来ベンゴの仕事がひっきりなしに来るッスねぇ…」

「でも全部断ってるじゃねぇか。何でだよ」

「ワタクシが受ける依頼は殺人事件だけッス、それ以外興味無いさね」

「サイテーの弁護士だな。ところでこの前の裁判で気になってたんだが、その弁護バッチいつ取ったんだ?」

「ふっふっふ、これのことッスか?」

壱系は襟元にキラリと光る弁護バッチを自慢げに見せてきた。

「そうそう、それ」

「これは拾ったッス、道端に落ちてたッス」

「おいおい!それ違法だろ!」

「バレやしないッス」

そんな話をしていると、事務所の電話が鳴った。

「また、ベンゴの以来ッスかね?もしもし?」

「助けてくださーい!」

「み、耳元で大声出さないで欲しいッス!その声は怪盗ジャンヌダルクさんッスね?また事件ッスか?」

「ボ、ボク。殺人事件の容疑者として捕まったんです!」

「殺人事件!待ってましたッス!早速留置所に行くッス、待ってるッスよ!?」

「お願いしまーす!」

ガチャン。

「さて、真北さん、早速行くッスよ」

「あの怪盗の叫び声は嫌でも耳につくな」

 

***

 

留置所にて。

「さて、ジャンヌダルクさん、殺人の容疑だと聞いたッスが…」

「ボク、今回はジャンヌダルクとしてじゃなく佐藤容疑者として逮捕されました…」

「名前普通だな…」

「それでは佐藤さん、今回の事件は一体どういう?」

「はい、ボク、たまたま高杉屋からお宝を盗む予定だったんですよ」

「たまたま盗む予定っておかしくねーか?」

「それで、現場にもぐりこんだはいいんですけど、その時、偶然殺人事件に巻き込まれまして」

「ほう、どんなッスか?」

「相手はガードマンだったんです…。ボクが宝石を盗もうとしたところを捕まってそれで事務所に連れていかれる最中でした」

「ほうほう、それで?」

「そのガードマンの人が急に倒れたんですよ!ボクびっくりしてそのまま逃げちゃったんですけど…」

「死因は?」

「それが、胸に銃弾を打ち込まれたそうです」

「まさか、壱系じゃねぇよな?」

「違うッスよ!何でわざわざ事件を起こすッスか!」

「いや、例えば殺人事件の以来が来ないから自分でやっちゃったとか…」

「そんな訳無いッス、…話がそれたッスね、それで?」

「え?以上ですけど…」

「銃声は聞いたッスか?」

「う~ん、聞いたような聞かなかったような…」

「その辺曖昧だと困るッス」

「だって捕まってたんですもん、頭の中真っ白で…あ!」

「何か思い出したッスか?」

「そういえば現場にもう一人居ました!」

「それを先に言うッス!」

「もう一人もガードマンで、何かを渡してた様子でした」

「何を渡したか分かりますか?」

「う~ん、何かスプレー状の入れ物だったかなぁ…。それを一回口にしてましたけど…」

「それは重大な手がかりッス。早速現場に向かうッス」

 

***

 

「この、デパートの内部で事件が起こったッスね」

「確か事務所に向かう途中だって言ってたよな」

「それじゃ、従業員入り口から入るッス」

殺人現場にて。

「むぅ、警察が既に調査した後ッスねぇ、手がかり一つ無いッス」

「お?佐藤さんが言ってたスプレー状の入れ物ってこれじゃねぇか?」

「ふむ、どれどれ?」

「中身は空っぽだな」

「何でカラ何スかねぇ…」

「そりゃ使ったからだろ?」

「確か使ったのは一回だと言ってたッス。そんな一回分のものをわざわざ渡すッスかねぇ…?」

「でも現に空っぽだぜ?一回分しか入ってなかったんだろ?」

「ふむ、気になるッスね。ちょっと借りていくッス」

こうして証拠品を手に入れた。

これが後に決定的証拠になる。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

事件考えるのもラクじゃねぇぜ…。

しかし、いつの間にか法廷バトルになってるぜ。

これが解決したらまた一話完結の話を続けよう。

これ下手したら三話とかになるから気をつけないと。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第二十六話。

「さて、ここが留置所ッスね」

俺達は結子さんの言っていた留置所へ来ていた。

「取り合えず面会をするッス」

「おい、本当に大丈夫なんだろうな」

「任せるッス!」

そうして留置所へ入っていった。

 

***

 

「まぁ!お姉さまの…」

「はい、今回の事件の担当弁護士、壱系と申します」

「あの、私やってません!」

「本当ですね?」

「…は、はい」

なんだ?今の間は…。

「とにかく今の状況を確認するッス。あなたは殺人の罪に問われてるッス。そこまではいいッスね?」

「はい」

「では次は動機ッス、被害者との面識は?」

「それが…、無いんです。面識…」

「ふむ、なるほど…」

壱系が扇子を広げて口に当てるときは何か考えてるときだな…。

「急にお家に警察の方がやってきて殺人の容疑をかけられましたの…」

「むぅ、まだ情報が足りないッスね。被害者との面識も無く逮捕ッスか…」

「あ、そろそろ面会時間が終わりです。弁護、よろしくお願いします」

そうして警官に連れて行かれた。

俺達もそれと同時に留置所を出た。

「取り合えずテッテー的に調べるッス」

こうして、結子さんの妹の弁護をする事になった。

 

***

 

「なんとか間に合ったッスね」

「あぁ、これがあれば彼女の身の潔白が証明できる!」

「それじゃ、裁判所へ向かうッス」

そうして裁判所被告人控え室に向かった。

「ど、どうなりましたか?私、無罪になるのでしょうか?」

「ご心配はいらないッス、決定的証拠を見つけたッスからね」

「そろそろ法廷に向かうッス」

そうして法廷は始まった。

「これより、向井ヒロト殺人事件の法廷を始めます。準備はいいですか?」

「弁護側、準備できてるッス」

「………」

「コラ、検察側!準備は出来てるのかと聞いてるのですぞ!」

「ふっ、無意味な質問だな。準備が出来てねーと、ここにゃ立っちゃいねぇぜ」

「それでは向井ヒロト殺人事件の冒頭弁論をお願いします」

「あの落ち着き払った検事の態度が気になるッスね」

「大丈夫だ、こっちには決定的証拠がある。もちろん無罪を勝ち取るための…」

「事件はごくシンプルだ。向井ヒロトが殺されたのは毒物による中毒死だ。ウエイトレスのそこのお嬢さんが被害者のカップに毒を盛った、青酸カリによる毒殺だ」

「ふむぅ、毒殺ですか…」

「事件があった日、そこのお嬢さんが毒を盛ったという目撃者も居る」

「それでは目撃者の証言を聞きましょう」

「アタシ見たの!そこのウエイトレスが毒を盛ったところを!」

「証人、落ち着いてください、こちらが質問するまで発言は控えるように」

「す、すみません。でもこのことを早く伝えたくて!」

「証人、名前と職業を」

「伊香川椎野、職業は喫茶店のマスターやってますの」

「あの、ちなみに男ですか?女ですか?」

「アタシはれっきとしたお・と・こ!」

「分かりました、それでは証言してもらいましょう」

「アタシ見たのよ、そこのウエイトレスがアタシの入れたスペシャルブレンドコーヒーに白い粉を入れているのを!」

「…それだけですかな?」

「それだけよぉ、十分でしょ?青酸カリだもの、耳掻き一杯で即死するのよぉ」

「意義あり!どうしてアナタはそんな事まで知ってるんスか!?」

「え…、だってそうでしょ、アタシ見たもの、粉を入れてるところを…」

「その粉が青酸カリだという証拠はあるのですか!?」

「もちろんよ、警察が調べた結果、あの子の仕事着から青酸カリが入った小瓶が見つかったのだもの…」

「ふっ、それがこいつだ」

「指紋は調べたんですか!?」

「あぁ、べっとり着いてたぜ、被告人の指紋がなぁ!」

「な、何スとぉおおお!!」

「ふむぅ…、どうやら被告人に話を聞く必要がありますな。被告人、証言台へ」

「違う!アタシじゃない!その小瓶はアタシが着る前から入ってたんです!何だろうと思ってちょっと触っただけです!」

「ふむぅ…、では毒を盛ったのは自分では無いと?」

「そうです!」

「検事、動機はあるんですか?被告人が向井ヒロトを殺害する動機が」

「それは…、もちろんだ」

「ちょっと待った!その前にこれを見ていただきたいッス」

「何ですかな?シフト表ですか?」

「このシフト表によると、この時刻、被告人は現場に居なかった事になるッス!」

「なっ!そうなのですか!検事!」

「まぁ、そうなるな」

「あ、あっさり認めてしまいましたぞ」

「したがって被告人には無罪を要求するッス!」

「ふっ、甘いな、そんな紙切れ一枚で我々検察をあざむけると思ってか?」

「な、に?」

「シフト表に名前が無いからといって店に居なかったとは限らない。例えば客に混じっていた可能性がある」

「待った!そうなると…、ウエイトレスの衣装から青酸カリが見つかったことに矛盾が生じます、どうなんスか!検事さん!」

「ぐぅ!」

「いいぞ壱系!そのまま突っ走れ!」

「これは何者かの陰謀です、例えば、伊香川さん、あなたのね…」

「な、なんですって!」

「アナタは個人的に被害者に借金があったそうですね、それも何百万という額のね」

「そ、そうなのですか!?証人」

「ふっ、ふっふっふ!あーはっはっは!そう、殺したのはアタシよ!さっさと逮捕しなさいな!」

「け、検事、即刻この証人を緊急逮捕するように!」

「う、うむ…」

「それでは被告人に判決を申し上げます。被告人は無罪とする!」

「よしっ!やったな壱系!」

「むぅ…」

「どうした壱系?」

「あの検事、始めっからこうなるのを予測してたような顔をしてるッス」

「そんなのどうだっていいだろ、それより早速依頼人に会いに行こうぜ」

 

***

 

「おめでとうございます!」

「あ、ありがとうございます!」

「これで全て解決だな」

「そうッスね」

「それじゃ、結子さんに結果報告しようぜ」

「あの、お姉さまによろしくお伝えください」

「分かりました」

 

***

 

「と、いう訳で無罪を勝ち取りましたよ!」

「ありがとうございます、これでジャンヌダルクの脅迫はやめるッスね?」

「えぇ、ありがとうございました」

「それじゃ、ワタクシたちは帰るッス」

「あ、万屋さん。さっき高杉屋から宝石盗んできたんですよ、これ一千万円になるかなぁ…」

「それは返してきたほうがいいッス」

「へ?何でですか?」

「理由は結子さんに聞くといいッス」

「結ちゃん?何でだろ?」

ジャンヌダルクは首をひねりながら部屋へ入っていった。

こうしてこの事件は幕を閉じた。

…かに思えた。

「ふっ、あの弁護人、いずれまた戦う事になるだろう…」

 

続く。

 

***

 

今回は超長いですね。

書くのに一時間以上かかってます。

結局三部構成になってしまった…。

これを書いたのは深夜ですが、公表するのは昼間だと思います。

えぇ、ストックです。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第二十五話。

「さて、ここが依頼人のアパートッスね」

「か、怪盗のわりには随分ボロっちいアパートだな…」

「さ、早速調査開始ッス」

「あ、万屋さん。こんにちは」

「お、じゃんぬだるくさんじゃないッスか」

「調査ですか?僕の部屋は202号室ですよ」

「では早速調査に向かうッス」

「今だったら結子ちゃんが部屋に居ますから彼女にも話を聞いてみて下さい。それでは」

「よし、行こうぜ壱系」

202号室前。

「まずは彼女、結子さんの話を聞くッス」

ピンポーン。

ガチャリ。

「どちら様?」

「いやはや、ワタクシ万屋をやってます壱系と申します」

名刺を結子に渡した。

「で、その万屋さんが何の用?」

「ちょっとじゃんぬだるくの依頼でお部屋を調べさせてもらいたいんッスよ」

「ジャンヌダルク?何それ?」

「いや、本人から直接依頼があったものですから」

「ふ~ん、ま、いいよ上がんな」

「では失礼するッス」

 

***

 

しばらく調査していたが、盗聴器のようなものは一切見つからなかった。

「どう?進んでる?」

「ダメッス、盗聴器の類は見つからないッス」

「じゃあちょっと休憩でもしたら?アタシお茶入れてくるから」

「それじゃ、お言葉に甘えるとするッス」

そして結子は台所へ向かった。

「そういや壱系、あの脅迫状持ってきたか?」

「もちろんッス」

「それじゃ、結子さんにも見てもらおうぜ」

「お、それナイスアイデアッス」

すると、台所から結子が出てきた。

「どうぞ」

「ありがたいッス。ところで結子さん。この脅迫状見てくださいッス」

「あら、なにかしら?い、一千万用意しろですって!?」

「彼氏が大泥棒ってことは知ってましたよね?」

「そんな訳ないじゃない、あの子が怪盗だなんて」

「遂に尻尾を出しましたね」

「!」

「ボクは“大泥棒”と言っただけで“怪盗”とは一言も言ってないんですよ!」

「あ、ああああぁぁぁぁ!」

 

***

 

「実は、彼から聞いたの、「ボクは怪盗ジャンヌダルクだ」って…」

「それで?」

「これは使えると思って早速脅迫文を書いたわ、そう私にはお金が必要だったのよ!」

「ほぅ、その使い道とは?」

「双子の妹が捕まったの、殺人罪で…」

「さ、殺人!」

「それで弁護人を依頼するのにお金が必要だったのよ」

「そんな事ッスか」

「おい!壱系!そんな事ってのは無いだろ!」

「真北さん。いいッスか?我々は万屋ッスよ?弁護の一つや二つ余裕ッス」

「ホ、ホントに?あなた弁護できるの!?」

「任せるッス。で、妹さんは今どこへ?」

「留置所です…、お願いします!必ず助けてやってください!」

「それじゃあこれから留置所へ向かうッス」

 

続く。

 

***

今日のあとがき。

書いてるうちにこんな展開に…。

逆転裁判やり直すか…。

さて、これからどうしよう。

罪を着せるか無罪を勝ち取るか。

まぁ、そんなことは分かりきってますけどね。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第二十四話。

ある日、それは突然訪れた。

「助けてくださーい!」

「な、何スか、いきなり!」

依頼人はドアを開けるなりそう叫んだ。

「話は中で聞くッス、いつまでもそこで叫んでたら近所迷惑ッス」

「あ、それもそうですよね、でもどうなんだろ…、近所迷惑ってここ一軒家だし、周りに家も無いし…」

「とにかく入るッス!」

「あ、はい」

そうして依頼人を事務所に通した。

「で、何かお困りッスか?」

「う~ん、困ってるから依頼に来たわけで、困らなかったら万屋なんて来ないんだけど…」

「あー、もう面倒くさいッスねぇ、とにかく依頼ッスね。依頼は何ッスか?」

「あの、ボク、怪盗をやってまして…」

「かいとう?」

「そうです!ボク、怪盗ジャンヌダルクなんですよ!」

「な、何スとぉおおおお!」

「怪盗ジャンヌダルクと言えば最近ここらのお宝を次から次へと盗んでる怪盗ジャンヌダルクか?」

「そ、そうなんです…」

「真北さん、解説ありがとうッス。とにかくその大泥棒が何の用ッスか?」

「はい、実はボクの住んでるアパートにこんな文書が届いたんです…」

依頼人は一枚の紙切れを壱系に差し出した。

「何々…?正体を公表されたくなければ三日以内に1000万用意しろ…ッスか」

「万屋さん!助けて下さい!」

「え、でもこれってアナタが盗んだお宝で支払えばいいじゃないッスか」

「…それが、ボク一銭も持ってないんですよ」

「何でッスか?話じゃ、ここらのお宝を次から次へと盗んでるそうじゃないッスか」

「とにかく一銭も持ってないんですよ!お願いします、犯人を捕まえて下さい!」

「困ったッスねぇ…、そう言われても手がかりがこの紙切れ一枚じゃ犯人の特定は出来ないッス」

「ボク、三日後に高杉屋から世界の秘宝展のお宝を盗む予告状を出したんですよ!」

「それじゃぁ、犯人があらかじめジャンヌダルクの犯行を知っていた疑いがあるッスねぇ…」

「そんな!ボク一切人には言ってないですよ…、一人を除いて…」

「一人を除いて…?それは一体誰ッスか?」

「いやぁ、お恥ずかしい話、ボク、彼女に夢中なんですよ。だから喋ったんです…」

「彼女に話した…、それ以外の人間には一切話してないと…」

「そうです、だから犯人が誰だか分からないんですよ」

「ふむぅ…、この依頼あきらかに犯人の特定は出来てると思うんスが…」

「え!それは誰ですか!?」

「その“彼女”が一番怪しいッス」

「そんな!結子ちゃんに限ってそんな事ありえない!」

「そうッスかねぇ…、どう考えても一番あやしいのはその結子さんだと思うんスが…」

「彼女は脅迫なんてそんな事しません!」

「じゃあ取り合えず調査をしてみるッス、何か分かったら連絡するッス」

「よ、よろしくお願いします!」

こうして依頼人は去って行った。

 

***

 

「いいのかよ、壱系。怪盗なんて嘘くせぇ話だぜ?あんなナヨナヨしたヤツが怪盗な訳ねーよ」

「それでも依頼は依頼ッスからねぇ…。とにかく調査するッス」

「ったく、しょうがねぇなぁ…」

「とにかくまずはジャンヌダルクの彼女の素性を探るッス」

「まぁ、それが一番の近道だな」

「ム、依頼か?」

「今回は源蔵さんに手伝ってもらうことは無いですよ」

「何!?俺だけ仲間はずれか!」

「いや、そうじゃなくてアンタが出てくると余計ややこしくなるんだよ…」

「ふんっ、俺が居なかったことで後悔するなよ」

「しませんって…」

そうして源蔵さんは万屋を出ていった。

「さて、それじゃ彼女の居場所を洗い出すッス」

「そうだな」

こうして俺達は怪盗ジャンヌダルクの依頼を受けた。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今回もちょっと短め。

その代わり二部構成。

果たして彼女は本当に犯人なのか?

次回あきらかに。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第二十三話。

「だからこれはこっちだって言ってるッス!」

「違う!これはこっちだ!」

「ちょっと表出ろッス!撃ち殺してやるッス!」

「ム、いいだろう。貴様を切り殺してやる!」

「ちょっと待て!二人ともジグソーパズルごときで殺し合いするな!」

「真北さんは黙ってろッス、今こいつを撃ち殺さずしていつ撃ち殺すッスか」

「うぉい!いつか殺す気だったのかよ!」

「ふん、一対一なら負けん」

「じゃあいい!やるなら素手でやれ!銃とか刀は無しだ!」

「殴り合いッスか、上等ッス」

「俺も異存は無い」

「じゃあ表でろッス!」

こうしておかしな決闘が始まった。

 

***

 

「うぉぉぉぉぉおおおお!!」

「オラオラオラオラオラァ!」

バキ!

ボコ!

メメタァ!

「ふ、二人ともすげー迫力だな…」

「ねー、何で二人で殴り合いしてるの?」

「それはもうとてつもなくつまらん理由だ。士郎は知らなくていい」

「えー、ボクも理由が知りたいよ!」

「おっ、決着がついたみたいだぞ」

壱系が倒れた源蔵を睨みつけていた。

その顔はボコボコで、苦戦を強いられた証でもある。

「ふぅ、これでワタクシの勝ちッスね」

「ま、まだまだァ…!」

「まだやる気ッスか、もう勝負はついたッス」

「ぐ!お前のパンチ…、効いたぜ…」

「お前のパンチも中々やるッス、あと一分持てばこっちが危なかったさね」

壱系が倒れている源蔵に手を差し伸べた。

「ふっ、お前にはやられたよ」

差し出された手を取り、源蔵は立ち上がった。

こうして二人の友情が深まった。

「ってちょっと待て!ジグソーパズルごときでこんなヤンキー漫画みたいな展開ありかよ!」

「見るッス!夕日が輝いてるッス!」

「俺達の決闘を見届けた太陽さんが沈むのか…、最後まで見届けやがって…」

「何言ってんのアンタ達!?」

「さ、夕飯の時間ッス、帰るッス」

そうして二人は肩を並べて万屋に帰って行った。

 

***

 

「だからここはこれッス!」

「違ーう!ここはこれだ!」

「上等ッス、表出ろッス!」

「ム、望むところだ!」

「一生やってろ…」

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今回は短め。

ジグソーパズルが完成するまで延々と続きます。

果てしない殴り合いが続きます。

いちいち書くのも面倒なんで真北さんに最後は任せました。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第二十二話。

今日の依頼主はちょっと変わっていた。

「ふむぅ、バンドメンバーが集まらないからメンバーを集めてほしいッスか…」

「あぁ、この俺のパンキッシュなハートは誰にも動かせねぇぜ!」

「しかもパンクバンドッスか、自分で探してみたッスか?」

「あぁ、だけどどいつもこいつもパンクを分かっちゃいねぇ!パンクってのはなぁ…」

「分かったから取り合えず落ち着いてお茶でも飲むさね」

「パンクな野郎はお茶なんて飲まねぇんだよ!コーヒーをブラックで飲むのがパンクだ!」

「…真北さん、コーヒーお願いするッス…」

「了解っと」

「ちなみにアナタのパートは何ッスか?」

「もちろんヴォーカルだ。俺の激しいシャウトに聞き惚れるぜ!」

「つまり楽器隊が一人も居ないんスね?」

「前は居たんだがなぁ…、俺のやり方にケチつけてきたんでクビにしてやったぜ!」

はっはっはと笑う依頼人。

「それはアナタに原因があるのでは…」

壱系は開いた扇子を口元に当てて口ごもった。

「あぁん!?何だと!」

「な、何でもないッス」

そこに真北がコーヒーを持ってやってきた。

「コーヒーです。ミルクいりますか?」

「いらねぇ!パンクは黙ってブラックで飲み干すもんだ!」

ごくごくとコーヒーを飲み出した。

「じゃあミルクと砂糖は持って行きますね」

「あ、ちょっと待った。やっぱりミルクと砂糖いるかなぁ…」

どうやら予想以上に苦かったらしい。

「それじゃ、取り合えずバンドメンバーのことはウチに任せるッス」

「おう、頼んだぜ。なるべくパンクな奴を連れてきてくれよ」

「分かったッス。パンクな奴ッスね」

「それじゃ、俺はこれで失礼するぜ」

「毎度、ごひいきに…」

 

***

 

う~んと唸っている壱系。

「壱系。あてはあるのか?」

「全く無いッス」

「そりゃ困ったな」

「こうなったらしらみつぶしにライブハウスにビラを配るしかないッスね」

「楽器屋とかにも置いてもらった方がいいんじゃねぇか?」

「そッスね、それじゃ手分けしてビラを配りに行くッス」

 

***

 

そして三日後。

「うぅむ…」

万屋にはタトゥーの入ったいかにもガラの悪い若者が何人か集まっていた。

「一応、集めたッス。後は依頼人に任せたッス」

「よし任せろ、テストだ。パンクとは何だ!?」

「んなもん知ってどうすんだよ!F××kin野郎が!」

「そんなクソくだらねー質問してんじゃねぇよ!クソが!」

「オーケーオーケー、大分分かってるじゃねぇか。いいかF××kin野郎共!俺達の力で世の中に見せ付けてやろうぜ、クソッたれのこの世界によぉ!」

「どうやらウマがあったらしいッスね」

「それじゃあ、クソ万屋さんよぉ、コレが報酬だぜ!」

バシィと紙切れを五枚テーブルに叩きつけた。

「な、なんすか。ライブのチケットじゃないッスか!」

「俺等はこれに出るからよ、万屋のみんなで見に来いよ」

「あの…、一応報酬は現金という事になってるんスが…」

「このクソったれが!俺等のライブだぞ!現金よりも価値があるっつーもんだぜ!」

「何だか撃ち殺したくなってきたッス…」

と、壱系。

「俺も切り倒したくなってきたぞ」

と、源蔵。

「ちょ、ちょっと待て二人とも。確かにこいつはムカつくが怪我させたら何されるか分かんねぇぜ?」

「それじゃあ、行くぞ!クソヤローども!今から練習だ!」

「今から…?あの…ライブは三日後って書いてあるんですけど。チケットに」

「そんなの関係ねぇ!俺の熱いパンク魂が唸りをあげてやがるぜぇ!」

はっはっは、と笑いながら、メンバーを連れて出て行った。

「今後、報酬は前払いにするッス…」

 

***

 

そしてライブ当日。

「さて、どんな演奏をしてくれるんスかねぇ…」

「熱いパンク魂とか言ってたから相当荒れるんじゃないか?」

「この源蔵、何ならパフォーマンスで何人か切り殺してもいいが…」

「いやいや、源蔵さんは黙って見ててください!」

「そうか…、最近人を切ってないから腕が鈍ってるかもしれん。だから試しに切りたかったんだが…」

「そういやワタクシも最近撃ってないッス。何人か撃ち殺してもいいッス」

「おめーが出てくるとややこしくなるから黙ってろ!」

「お、ライブが始まるみたいッスよ?」

「どうやら客は次のバンドが目当てらしいな、ステージの前の方がガラガラだ」

「それじゃ、ワタクシ達だけでも前の方に行くッス」

そうしてライブは始まった。

「行くぞクソ野郎共!」

F××kだのクソったれだの汚い言葉が飛び交う。

しかも演奏は滅茶苦茶だ。

とても聞いてはいられない演奏だった。

途中何度か源蔵さんが刀を抜こうとして抑えるのに苦労した。

そうして演奏は終わった。

「とんでもない演奏だったな…」

「これがパンクなんスか?」

「多分間違ってると思うが…」

「さ、演奏が終わったッス。帰るさね」

「ちょぉっと待ったー!」

「な、何事ッスか!?」

「まだまだ俺の熱いパンク魂は止まらねーぞ!」

次のバンドのマイクを奪って叫びだした。

「おい!スタッフ!こいつをつまみ出せ!」

と、次のバンドのヴォーカルが叫ぶ。

そして依頼主は引きずられるようにしてステージの袖へ消えた。

「俺のパンク魂はなぁ!こんな事で終わらねぇんだよ!クソッたれ!」

「もうこんな依頼絶対受けないッス…。今後は人を見て依頼を受けるッス…」

こうして、バンドメンバーの募集の依頼は達成した。

そうして後日…。

「万屋さん!今度はバラードの王様になるんでバンドのメンバーを…」

「帰れッス!」

入り口から叩き出してやった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

う~ん、自分で書いててツマランなぁ…。

もうちょいひねりが欲しいところ。

ケータイに載せるときにはちょいとひねりを入れてみるかな。

ってな訳で今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第二十一話。

それはいつもの朝の事。

「ご飯おかわり!」

「聞いていいか?壱系…」

「何スか?」

「何でこいつ(源蔵)まで一緒になって飯食ってんの!?」

「何でも復讐するために近くに潜伏する作戦らしいッスよ?」

「一緒に飯食って潜伏もなにもないだろうが!」

「いやぁ、何でも真北さんにやられたのが相当悔しかったらしいッスよ?」

「ごはんですよ取って」

源蔵はご飯にごはんですよをこれでもかというくらいぶっかけてた。

「それアタシのごはんですよネ!勝手に食うのはやめるネ!」

「おめーのごはんですよでもねーよ!」

「ま、とにかく人が増えたッス。これで仕事の効率も上がるさね」

「まぁそう言われればそうなんだが…」

「俺は殺し以外はやらん」

「ウチはそんな物騒なものやらないんです」

「え、じゃあなに?俺いらない子?」

「まともな仕事は出来ないんですか!?」

「うぅむ…、今まで殺し以外で飯を食ったことが無いからわからん!」

「なんで自信たっぷりなんだよ!ちゃんと働いてもらわないと困るんです!」

「検討しよう。それより今はごはんですよだ」

「ごはんですよはちょっとつけて食べるのが一般常識なんだよ!それもうご飯の乗せごはんですよだろ!」

「あー、もう空っぽだよ~、源蔵さんごはんですよ食べすぎー!」

「む、これは失礼した、士郎殿」

「もうごはんですよの話題はいいんだよ!それよりこれからどうするか考えようぜ!」

「ふぅ、真北さん、人数が増えると仕事の効率が上がるのはいいんスが食費がバカにならないッス」

「そういう問題も発生してくるな」

「そこでいらない人は出てってもらいましょう」

「え、それクビって事?」

壱系が扇子を広げて口元に当てる。

「まぁ結果的にはそうなるッスね」

「どうやって決めるんだ?」

「簡単さね、くじ引きッス」

「くじ引きでクビを決める会社は無いぞ…」

「まぁまぁ、それじゃ、割り箸の先に赤色のインクを塗ってっと…」

「さぁ、みんな引くッス!」

各々が慎重に箸を選ぶ。

そうして全員が箸の先を握った。

「それじゃ、引くッス!」

俺は!?

大丈夫、赤くない!

「よし、俺一抜けた!」

「では次は俺の番だな」

源蔵がちらりと割り箸の先を見る。

「無印だ」

「え~、何か恐いよ~」

続いて士郎が見る。

「やった!僕も残れるよ」

「アタシのも印は無いネ」

「と、いう事は…?」

「ワ、ワタクシッスかぁ!?」

「まぁ、くじ引きは運だからな。それじゃ、お疲れ、壱系」

「ちょ、ちょっと待つッス!家主が居なくなってどうするッスか」

「今まで散々俺に仕事押し付けてきたろ?だから心配すんな」

「じゃあこれからは万屋壱系ではなく万屋キンタマになるッスか!?」

「久々に聞いたわ、そのキンタマって!」

「やめッス!割り箸で追い出す人間を決めるなんて横暴ッス!」

「じゃあどうすんだよ」

「今度はあみだくじッス」

「はいはい…」

「今回は不正一切無しッスよ!」

「前回も不正は一切無かったがな」

「じゃあワタクシから選ばせてもらうッス」

結果。

「うぅ…、この世からあみだくじなんて消え去ればいいッス」

「さて、二敗したがこれでも納得いかないか?」

「真北さん鬼ッス!今まで散々面倒見てきたのに!」

「いや、俺は壱系の滅茶苦茶な行動を押さえてたぞ、決して面倒見てもらった覚えは無い」

「もういいッス、出て行くッス!」

壱系が泣きながらドアをぶち破って出て行った。

「い、いいの?真北さん!」

「何、腹減りゃ帰ってくるだろ。それよりドアぶち壊しやがって。修理するの俺だぞ!?」

そうして、夕暮れ時。

公園のブランコにぽつんと座っていた壱系。

「寂しいッス。早くみんなのところに戻りたいッス。誰かをクビにするなんて言わなきゃ良かったッス」

「い~ちにぃ!」

「し、士郎!?どうしてここに!?」

「勘だよ、何となくこういうシュチュエーションには公園のブランコがつき物だからね!」

「ドアぶち破って真北さん怒ってなかったッスか?」

「怒ってはいないよ。ただ少し呆れてたようだったけど」

「…それは良かったッス」

「さ、帰ろう?」

「…でもワタクシもうクビになって…」

「そんな訳ないじゃん、みんな待ってるよ」

「そ、そうスか?それじゃお言葉に甘えて…」

 

***

 

ガラガラと建てつけが悪くなった入り口に入り込む。

「よーう、壱丸。帰ってきたか」

「その名で呼ぶなッス、源蔵」

「なにやら今日はビーフシチューらしいぞ」

「真北さん、怒ってなかったッスか?」

「あぁ、いつもと変わりなかったぞ。って俺いつものアイツ知らねーし!」

源蔵はゲラゲラと笑いながら事務所に入って行った。

すると今度はエプロン姿の真北さんが現れた。

「おう、もう飯出来たぜ、さっさと上がって食えよ」

「お、怒ってないんすか?」

「何が?」

「その…、出入り口ぶち破ったこととか…」

「元々ボロかったし、別に気にしてねぇよ」

「そ、それじゃ、お邪魔するッス」

「何人んちみたいな事言ってんだよ。ここがお前んちだろ?」

「うぅ…、真北さん」

「その代わり一週間ドラマの再放送見るの禁止な」

「そ、そんな…、生きがいを奪われたッスー!」

こうして万屋では誰のクビも飛ぶことが無かった。

 

***

 

今日のあとがき。

一話完結って難しいよね。

さて、今回から万屋メンバーになった源蔵さん。

彼の今後の活躍に期待しましょう。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第二十話。

壁の影からある男が万屋に顔を向けて呟いた。

『…やっと見つけたぞ。万屋ァ!』

 

***

 

「あーぁ、暇ッスねぇ」

「だったらこの内職手伝え!」

「そんなこまごました作業は真北さんに譲るッス」

「譲るとか譲らないとかそういう問題!?これ!?」

ガシャーン。

「お。お客さんッス」

「おいおい、随分乱暴な出入りだな!」

『ようやく見つけたぞ、万屋ァ!』

入り口の方から怒鳴り声が聞こえてきた。

ちらりと顔を出すと、あの時殺しを依頼してきたヤツだった。

「はて、どちら様ッスかねぇ…」

「てめぇ!とぼけんな!」

ブンッ!

相手はパンチを繰り出したが、壱系にひらりと避けられ、あまつさえ手をひねりあげられていた。

「まったく、乱暴ッスねぇ」

「おい!おめー等出て来い!」

そこには数え切れないほどのガラの悪い連中が立っていた。

「さて、どうしたもんッスかねぇ…」

「んなもん決まってんだろ」

「お、真北さん。鉢巻に木刀、あの時の再現さね」

「これでも剣道習ってたんだよ!おらー逝っちまいな!」

ガスッ!

「がふぅ…」

「ボ、ボス!」

「それじゃ、ワタクシも」

バァンバァンと拳銃でザコを倒していく。

もちろん急所は外してある。

そうして俺達は最後の一人まで追い詰めた。

「さて、アンタで最後ッスよ」

「腕に鈍りはねぇようだな、壱丸…」

帽子を被り、腰に刀をぶら下げてる男が呟く。

「壱丸の名前を知ってる?アンタ誰ッスか?」

「悲しいねぇ、同じ釜の飯を食った中じゃねぇか…」

そういうと、男は帽子を取った。

「源蔵!?」

「正解…」

「源蔵…、まだ殺しの仕事をしてるんスか!?」

「あいにく俺にはこれが天職なのよ。わりーが、壱丸、お前を始末する」

源蔵は腰にさした刀を抜き、構えた。

「こちとら剣道2段だっつーの!おらー!」

「あ、危ないッス、真北さん!」

ヒュゥ。

源蔵は木刀をひらりとかわした。

「痛ってぇ!」

「安心しろ、みね打ちだ」

「どういう事ッス?昔のお前なら確実に仕留めるはず…」

「壱丸、俺ぁよ、依頼された奴しか消さねぇのがポリシーなんだよ。昔のお前みたく見境無く殺したりしねぇ」

「失礼ッスねぇ…、ワタクシも見境無く人は殺してないさね」

「しっかし、これまた上手に世間に馴染んだもんだなァ、万屋ときたか」

「無駄口はそこまでッス、こっからは命の奪い合いッス」

「八年もブランクがあってこの俺様に勝てると思ってるのか?俺は現在進行形で殺しの仕事をしている。甘く見るな」

「ふんっ、蛇使い隊にいたときと随分変わったッスね。あの頃の源蔵ならビビって逃げてるところッスよ」

「八年前と比べるな!俺は強くなった!殺しのスキルはいまや俺の方が上だろう」

「じゃあ勝負してみるッスか?」

「当たり前だろう、俺が何しに来たかって、それはお前を超える為だァ!」

ヒュンッ!

壱系に向かって白い閃光が走る。

「よっと!」

「この八年で逃げ足は鍛えてたようだな…」

源蔵…。

蛇使い隊に居た頃、一つ年上の人間がいた。

そいつが源蔵だ。

源蔵は昔は裕福だったらしく、剣術を習っていた。

しかし、国争いのゴタゴタで、両親を亡くし、兵隊として入って来た。

源蔵も壱系と同じく、剣術が長けていたので、五つの年で蛇使い隊に所属された。

しかし、いざ兵隊として戦うときに、源蔵は逃げ出したのだ。

そのおかげで、蛇使い隊のチームワークが乱れ、暗殺に失敗した。

しかし、源蔵に行くあてが無かったので、結局蛇使い隊に連れ戻された。

三日三晩拷問され、ようやく帰ってきた源蔵は傷だらけだった。

その時、壱系が声をかけた。

『おい、一緒に飯食おうぜ!』

源蔵はこの時に壱系と仲良くなった。

「しかし国争いが終わって俺達二人でやってた頃が懐かしいなァ、死神と呼ばれた壱丸。悪魔と呼ばれた源蔵。あの頃から俺の目標はお前だった、何せ無敗の死神サマだもんなぁ!」

そういいながら刀を振るう源蔵。

それをひらりと避ける壱系。

「昔のよしみで言うッス、もう無駄な争いはやめるッス!」

「遅いんだよ、俺の才能を開花させたのはお前じゃねぇか!」

ヒュンヒュンと刀を振り続ける。

壱系も避けるのが精一杯らしく、攻撃に移れない。

「くっ、昔の仲間を殺したくは無かったがしかたがないッス」

ガンッ!

真北が後ろから木刀で源蔵の頭を強打した。

「うだうだやってんじゃねーよ、俺とっくに回復しちゃったよ?」

「そ、んな、気配を消すとは…、この源蔵、一生の不覚…」

バタリと源蔵が倒れた。

「よっ、壱系、すまねぇな、ぶっ倒れちまって助けるのに時間かかった」

「ま、真北さん、気配を消せるんスか!?」

「いや、意識してやった訳じゃねーけど、何となく近づいただけだよ」

源蔵は白目を剥いて倒れていた。

「さて、こいつ等どーすっか?」

「その辺に捨てとくッス」

「それじゃ、玄関を直すとしますか」

「そうさね、派手にぶち破られたッスからね」

こうして壱系のかつての仲間源蔵との死闘は幕を閉じた。

「あーぁ、ガラスが滅茶苦茶ッス」

「接着剤持ってくるか?」

「いいや、ガムテープでいいッス」

こうして俺達は日常を取り返した。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

昔の話をちょこっと書きました。

壱系の謎はまだまだある予定。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第十九話。

「そういや士郎」

「何?」

「いっつも万屋に居るけど学校に行かなくていいッスか?」

「学校…」

「士郎は今十五だから中学三年生ッス。どうなんスか?」

しばらくの沈黙のうち、士郎が話し始めた。

「ボク、学校でいじめられてるんだ。家がちょっとお金持ちだからって」

「ふむ、それは難儀ッスねぇ」

「アタシに良い案があるネ」

「何スか?」

「このロケットランチャーでいじめっ子を撃退するネ」

「だー!お前はいつの間にそんな凶悪な武器持っちゃってるの!?」

「この間の焼肉の恨みを晴らそうと通販で買ったネ」

「そんな物騒なもの売ってるのか?」

「ネット通販ネ、今どきこれくらい当たり前ネ」

そうか、俺がここに来てから随分時代が進んだものだなぁ。

と、関心していると、壱系が話し始めた。

「士郎、せめて義務教育くらい受けた方がいいッス」

「何ならワタクシ着いて行きましょうか?」

「うぅん、いいよ。それじゃ、ボク学校に行くね」

「そうッスか、それじゃ頑張るさね」

「うん、でも教科書は家にあるんだよなぁ…」

「なら家に行くッス」

「う、うん」

そうして士郎の家にたどり着いた。

「何スか、この豪邸は!士郎金持ちだったんスね」

「だから四葉グループの御曹司なんだって何回も言ってるだろ」

「そう言えばそんな話もあったッスね。さぁ、士郎。教科書を持ってくるッス」

士郎は深呼吸し、家の中に入って行った」

すると中から声が聞こえてきた。

『坊ちゃん!今までどこに!』

『そんなのボクの勝手だろ、ボクは教科書を取りに来ただけだよ!』

しばらく、がたがたという音がしたが、士郎が出てきたときにはその音は止んでいた。

「おまたせ!それじゃ行こう!」

学生服姿の士郎が俺と壱系をぐいぐいと引っ張る。

「お、おい。あまり引っ張るな」

「坊ちゃん!」

中から使用人が出てきた。

「走って逃げるよ!」

「お、おう!」

士郎の気迫に押され、走り出す。

 

***

 

「で、士郎の学校ってどこだよ」

「聖マリアント学院だよ」

「げ、超有名な私立学校じゃねぇか!」

「そんな事無いよ、それじゃ。電車が来るから二人はもう帰って」

「そうか。頑張れよ」

そう言うと士郎はコクリと頷いた。

そうして士郎は電車に乗り込んで行った。

「ホントに大丈夫なのか?」

「真北さん真北さん!」

「ん?どうした壱系?」

「こっそり後をつけるッス、ホントに学校に行くか見届けるッス」

「お、その手があったな」

そうして俺と壱系も電車に乗り込んだ。

 

***

 

車内アナウンスが聖マリアント学院前へ着くことを知らせた。

士郎の方をちらりと見ると、席を立とうとしない。

「どうしたんだ?せっかくここまで来たのに…」

そうしてドアが開いた。

しかし、士郎は降りる気配すら感じない。

「どうしたんスかねぇ、やっぱり学校に行くの嫌何スかね」

そうこうしてる内にドアが閉じてしまった。

「あらら~、士郎どこへ行くつもりッスかね?」

「さぁな…」

 

***

 

電車は行き帰りを往復しながらゆらゆらと揺れる。

「おい、壱系、そろそろ士郎を連れ出さないか?」

「いや、今日はやめるッス。士郎が嫌な学校に行こうとした事でも進歩ッス」

「そんじゃ、帰るか?」

「そうさね」

そうして俺達は万屋に帰って行った。

 

***

 

しばらくすると、士郎が帰ってきた。

「お帰りッス。学校はどうだったッス?」

「う、うん。楽しかったよ」

「それは良かったッス」

「そんじゃ、今日は士郎の学校行き記念で美味いもん作ってやるよ」

「あ…、ありがとう」

いつか士郎が一人で学校へ行けるようになったらもっと美味いもん食わせてやるからな。

そう心の中で呟いた。

 

続く。

 

***

 

きょうのあとがき。

ブラックキャットはどうしたんだよ。

いや、一応区切りの良い所まで話を終わらせてから書こうかと…。

と、いい訳をする。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第十八話。

「いけー壱にぃ、打てー!」

「おうおう、しっかり頼むぜ四番サード!」

「ふっふっふ、任せるッス。場外ホームランをかましてやるッス」

俺達は近所の草野球チームのメンバーが足りないとの事で、草野球の依頼が来た。

「おらおら、ピッチャービビってるぞー!」

三塁ノーアウトで壱系にバトンタッチされた。

「ふっふっふ、行くッスよ~」

相手チームのピッチャーがボールを投げる。

「ボール!」

「ピッチャービビって球緩くなってるぞー、チャンスだ!」

すると、相手チームがピッチャー交代をし始めた。

「ふっふっふ、今更ピッチャーを変えてもこの流れは止められないッス!」

すると、相手ピッチャーが投球練習を始めた。

ズドーン!

「ん?」

見ると、キャッチャーが倒れていた。

相手のピッチャーは帽子を直しながらボールが帰ってくるのを待つ。

「キャッチャー負傷!退場させろ!キャッチャー変えます!」

「何スか、ワタクシがそっぽ向いてる間に何があったッスか?」

「壱系!そのピッチャー危険だ!注意しろよ!」

「野球に危険はつき物ッス、さーて、場外ホームランでもかますさね」

そして、バッターボックスに入り壱系が構えた。

「あ、あの構えは…。メジャーリーガーハチローの構え!まさかそんな事が出来るのか!?」

それを確認し、ピッチャーはボールを投げた。

ゴォォォォゥ!

バスーン!

「ストラーイク!」

「な、何スか今の球は!」

相手のピッチャーはひょうひょうとボールを受け取った。

「こんな球投げる奴も投げる奴で受けるやつも受ける奴っす!手に負えないッス」

「壱系ー!ハチローのマネなんてしてたら打てないぞー。勝たないと焼肉連れて行ってもらえないぞー!」

「そ、それじゃ真北さんがバッターボックスに入るがいいッス!」

「俺、八番外野だし四番サードを選んだのはお前だろ。打たなきゃ今後飯作ってやんねーぞ」

「そ、そんな!よし、ここはボールを良く見るッス、ただの速い球ッス、この壱系目には自信あるッス」

壱系は元殺し屋なので、動体視力がハンパじゃない。

だから俺も壱系が四番サードを選んだ事に口を挟まなかった。

だがしかし、殺しと野球はかってが違うらしく、あっという間にツーストライクに追い込まれていた。

「くそう、撃ち殺したいッス…」

「おい!何気に危険な発言するな!」

「やだなぁ真北さん。このボールで相手ピッチャーの顔面を強打させたいだけッス」

「それでもダメだよ!」

「士郎はいいいさね、補欠で」

「その代わり代走するよ!だから壱にぃ、遠慮なくデッドボールになっていいからね!」

「嫌ッス!あんな豪速球体に打ちこめる自信無いッス」

「…あのー早くしてもらえませんか?」

相手キャッチャーが言う。

「ちっ、しょうがないッス、ここはノーアウトだし、思い切って振るッス」

その言葉を聞いたキャッチャーはピッチャーに何やら合図を送っていた。

が、相手ピッチャーは何度も首を振り四回目のサインで頷いた。

「ちっ、あのバカ…」

相手キャッチャーが呟く。

そしてピッチャーが放ったボールはど真ん中に入って来た。

「来たッス!うおぉぉぉ!」

バキッと折れたバットを放り投げて、塁へ進む。

バットが折れたという事は要するにどん詰まりな訳で、サードに取られ、一塁へボールを送球した。

「アウトー!」

「もう、何てやわなバットッスか、こんなんじゃ使い物にならないッス」

だが、こちらが一点取ったので、みんなに拍手された。

「いやぁ、金属バットだったら確実にホームランだったッス」

「でもこれで焼肉に一歩近づいたな」

そして、スリーアウトになり、守備につく。

カキン!

「おっ、こっちに飛んでくるッス」

壱系は飛んできたボールを取り、二塁へと送球した。

「アウトー!チェンジ!」

あっという間に攻撃に回った。

そうして、相手の豪速球も陰りを見せ始めた。

恐らく体力が無いのだろう。

いくら豪速球が投げれても体力が無ければ意味が無い。

そうして、こっちのチームがガンガン得点を取る。

13対2でようやく守備に回ってきた。

「さぁ、来い!」

壱系がサードを守る。

ちょうど三塁に球が飛んできた。

「取るッス!」

すると、風で目に砂が入った。

「痛いッス!」

ガンッ!

「うぎゃ!」

一旦顔面で受け止め、そのままボールは壱系のグローブに収まった。

鼻血を出した壱系がそのままぶっ倒れた。

 

***

 

「ハッ!ここはどこッスか!?」

「万屋だよ」

「試合はどうなったッス?」

「ボク等の勝ちだったよ」

「それじゃ焼肉は?」

「壱にぃが寝てる間に食べたんだよ」

「そ、そんなぁ…」

「あー、美味かったなぁ、牛タンとか」

「真北さん何も活躍してないのにずるいッス!」

「それより、何でアタシを焼肉に呼ばなかったネ!」

「おかめは試合出てねーだろ。そんな奴に食わす肉なんてねぇ!」

「こうなったら、ワタクシとおかめ二人で焼肉に行くッス」

「あぁ、まぁそれはいいんだが、いらぬ誤解を受けるかもしれんぞ」

「いらぬ誤解とは?」

「ま、食って来いよ。今日一番活躍したの壱系だし」

「それじゃ行くッス、おかめ」

「何かデートみたいネ」

「………」

「やっぱりやめるッス…」

壱系がいらぬ誤解の意味を感付いたようだ。

焼肉屋に男女二人で行くと、体の関係があるという都市伝説があった。

それに気付き、壱系は焼肉屋へ行くのをやめた。

「あぁぁ、焼肉…」

こうして今日も無事、依頼をこなした壱系であった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今回は草野球のお手伝い。

最近スランプなんですよ~。

何~!?やっちまったな!

男は黙って。

ブラックキャット&ストレイドッグの続きを書け!

と、言う訳で、次回からブラックキャットの連載スタート。

その間に良いアイデアが浮かんだら万屋さんで使わせてもらう。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第十七話。

『犯人はアナタです!』

『!!』

『アナタは言ってましたよね、ご主人は毎日5時には帰ってくると…』

テレビを見ていた壱系が鼻でフンッと笑う。

「こんなサスペンスドラマみたいな事起こるわけ無いさね。しかも主婦がこんな難事件解けるわけ無いッス」

壱系は「主婦は見た」の再放送を見ながら文句をたらしてた。

「おい、壱系、ドラマばっかり見てないでこの内職終わらせようぜ」

「それもそッスね、士郎とおかめにも手伝わせるッス。おーい、士郎!おかめ!ちょっと手伝って欲しいッス!」

「はーい!」

士郎の返事が聞こえた。

と、同時に士郎の悲鳴が聞こえた。

「う、うわー!」

「どうしたさね?」

「お、おかめさんが…、死んでる!」

「何スとォ!」

「マジかよ」

「ホラ、こっち来て見てよ」

そうして壱系と俺はキッチンへ向かった。

「お、おかめ!しっかりするッス!」

「脈は!?」

「ダメッス、完全に止まってるッス」

「さて、どうするか」

「ふっふっふ、ここはワタクシに任せるッス」

「お、何だよ」

「この名探偵壱系がこの事件解決するさね!」

「さっきまでこんなサスペンスドラマみたいな事起こるわけ無いって豪語してた癖に…」

「まずは聞き込みッス、第一発見者の士郎の意見を聞くッス」

「ボ、ボクを疑ってるの!?」

「心配ないッス、大抵ドラマでは第一発見者はハズレさね」

「ボ、ボクが見たのはこのまんまだよ、柿ピーの袋を持ったまま倒れてるおかめさんを発見したんだよ」

「なるほど、その柿ピーが怪しいッスね。調べてみるッス」

そういうと壱系は、おかめが手にしている柿ピーを調べ始めた。

「見た目は…柿ピーッスね」

「柿ピーだな」

「匂いは…柿ピーッス」

「そうだな」

「味は…柿ピーッス」

「おいおい、そんな簡単に食って大丈夫なのかよ」

「心配ないッス、大抵サスペンスドラマでは被害者は一人と決まってるッス」

「これはサスペンスドラマじゃねぇけどな」

「むっ!床に柿ピーがまき散ってるッス」

「今まで気付かなかったのか?」

「これは…!」

「なんだ、どうした?」

「ダイイングメッセージさね!」

「まぁ、見ようによっては見えなくも無いが…」

「何々?こうごうせい?光合成ッスか!?」

「おかめの死と何の関係あるんだよ!」

「取り合えず外に引きずり出すッス。そして光合成させるッス!」

「あー、警察に任せれば…。いや!警察はダメだ!何かまた事情聴取される!よし、光合成させろ!」

「真北さんのゴーサインが出たッス。それじゃ真北さん、おかめの足を持つッス」

「おう」

そうして俺と壱系はおかめを外に運び出した。

「いやぁ、今日も良い天気ッスねぇ…」

「この辺でいいだろ」

ドサッとおかめを空き地の地面に置いた。

「しばらくして何の変化も無かったら警察に任せようぜ。俺は嫌だけど仕方ねぇ」

「そうッスね」

一時間後。

「もうおかめは死亡でいいか?」

「そッスね、結局こうごうせいって何だったんすかねぇ。さ、行くッス」

壱系が足を踏み出すとがしッと足を掴まれた。

「ちょ、ちょっと待つネ…、アタシは死んでないネ…」

「ぎゃー!ゾンビッスー!」

「何っ!?壱系、お前銃持ってたろ!撃て、殺してしまえ!」

「今日は持ってきてないッス!」

「くそっ!なんて事だ!」

「だからゾンビじゃないネ!」

「生きてるのか?」

「ふぅ、アタシとした事がソーラーエネルギー補充を忘れてたネ」

「そーらーえねるぎー?」

「要するに光合成ネ」

「あぁ、そういや毎朝外に出てたな」

「今日は忘れてたからちょっと倒れちゃっただけネ。心配かけさせたネ」

「聞きましたか、真北さん。おかめは太陽電池で動いてるッスよ」

「あぁ、どこと無く近未来的だな。ロボットみたいだ」

ひそひそと話してると、おかめが急に柿ピーがどうしたとか騒ぎ出したので、万屋に戻った。

「柿ピー食べてるうちにエネルギー切れしたネ。さて、柿ピーでも食べるネ」

ガラガラ。

「あ、お帰り、治ったみたいだね」

士郎がおかめの柿ピーをぼりぼり食べながら向かい出た。

「テメー、それアタシの柿ピーだろが!」

おかめが士郎に襲い掛かった。

ドカッ!

俺と壱系の蹴りがおかめに命中し、おかめは柱に激突した。

「危ない所だったッスね、士郎」

「大丈夫か?」

「う、うん。でもおかめさんが…」

柱にべっとり血が付いていた。

「…無かった事にするッス」

「そうだな…」

玄関に放置されたおかめはダイイングメッセージで“犯人万屋”と書いていた。

こうしておかめの死は尊い犠牲(柿ピー)を払って解決した。

「アタシは死んでないネ!」

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今回はサスペンス風味で。

あくまで風味なので、全然サスペンスじゃないです。

松茸の味お吸い物的スタンスです。

松茸は入って無いけど風味は松茸みたいな。

今回はこんな感じで。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第十六話。

「ふぅ、今日も良い天気だなぁ…」

俺は外へ出てタバコをふかしていた。

「平和っていいなぁ…」

タバコを捨て、万屋に入ろうとした瞬間、あるものが目に入った。

“拾ってください”

「ま、まさか…」

中を見ると、小さいミーちゃんが入っていた。

「うぉー!またかー!」

「どうしたッス、真北さん。そんな大声出して」

「い、壱系、まただ。またジャイアントキャットだ」

「何スとォ!さっさとどこかに移動させるッス!」

「いや待て、ここは飼い主に返そう、家の場所も知ってるしな…」

そうして、ジャイアントキャットを持って元の家に返しに行った。

「ようやく着いた。この間はこいつにしがみついてたから早く感じたが歩くとかなり時間がかかるな」

すると、屋敷の前にパトカーが止まっていた。

なにやら言い争ってるのが聞こえる。

「だからウチにはジャイアントキャットなんて居ません!」

「いやぁ、でもこの間この屋敷にデカい猫が入って行ったという証言もありますし、ちょっと家の中拝借していいですか?」

「ど、どうぞ」

そうして警官らしき人物は屋敷に入って行った。

「返し辛ぇ…」

しばらく辺りをウロウロしてたら、他の警官に注意された。

「ふぅ、危うく俺が逮捕されるところだった」

「あ、この間のおじさん。どうしたの?」

「おじさんじゃねぇ!お兄さんだ!いや、あのだな、またミーちゃんが捨てられてたぞ」

「もー、またパパだ、その箱の中に入ってるの?」

少年は箱をひったくって中を覗いた。

「あー、ミーちゃんまた捨てられかけたの?ダメだよ、ボクの部屋でおとなしくしなきゃ。それじゃ、ありがとね、おじさん」

「あ、ちょ!待て!」

少年はすたすたと屋敷に入って行った。

『坊ちゃん!その箱は…!』

中から声が聞こえる。

『捨てられてたんだってー。またパパの仕業だよ』

『今はミーちゃんは隠しておいてください!』

『え、何でさ』

『いいから爺に任せなさい』

そうして、爺とやらが表へ出てきた。

「大変そうだな」

俺が声をかけると、老人はビクッとしてこちらを振り向いた。

「あぁ、もしかして、万屋の…」

「そう、今回も返しに来たぞ」

「何て事だ…、万屋なら預かってもらえると思ったのに」

「あいにく金が払われないと保護出来ねぇんだ。そんじゃな」

「待って下さい!」

「いやぁー、すいませんねぇ、どうやら住民の誤解だったようですね」

警官が出てきた。

反射的に俺と老人は身を潜めた。

「いいから預かって下さい!」

「いや!無理だ!こんなデカくなる猫は要らん!」

「きちんとお礼はします!」

ぐいぐいと箱を俺に押し付ける老人。

「いや、だから無理だっての!」

思わず大声を張り上げてしまった。

「ん?誰か居るのか?」

マズい、警官がこっちに来る。

「それじゃ、よろしくお願いします」

「あ、ちょ!待てよ!」

老人が警官にペコリとお辞儀をし、屋敷に入っていった。

警官は残された俺に話しかけてきた。

「何だ、キミ。何を持っている?」

「あ、これはこの屋敷にお届けする単なる万屋です。それじゃ…」

「待て、中身は何だ」

俺はギクリとした。

「い、いやぁお客様のプライバシーを侵害するわけにはいかないので、中身はちょっと…」

「ダンボールに拾ってくださいと書かれてるが?」

「あぁ、これ?これ何でもない。何となく書いてみただけ」

「ふむ、怪しいな。どれ、中身を確認させてもらう」

「ダメー!いくら職権とはいえコレはダメー!」

『にゃ-ご』

「…中から猫の鳴き声がするんだが?」

「嫌だなァ、それボクのおならの音ですよ。たまに出るんですよね。にゃーごって」

「嘘付け!中を見せろ!」

俺は箱を奪われ、中身を警官に見られた。

「貴様、これはどういう事だ?」

「す、捨ててあったんですよ、職場の近くに」

「ちょっと署まで来てもらおうか」

「嫌ー!経歴が汚れるー!」

そうして俺は警官に三日三晩尋問され続けた。

 

***

 

「今日も真北さん帰ってこないッスねぇ…。コンビニ弁当も飽きてきたッス」

「きっとあのお屋敷でいい物でもご馳走になってるんだよ!」

「何スと!?それは許せないッス」

その頃俺は。

「もう二度と紛らわしいマネするな!」

「はいぃ…」

「よし、帰れ」

そうして帰路に着く俺は涙で前が見えなかった。

 

続く。

 

***

今日のあとがき

真北さん可哀想ッス!

と壱系が後から言ってました。

前回の予告が大げさだったさね。

と、壱系が言ってました。

こんなんでどッスか。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第十五話。

「今日は仕事無いのか?」

「今日は無いッスねぇ。たまには休みも必要さね」

「それじゃ、俺はちょっと外出てくる」

「いってらっしゃいッス」

そうして外へ出たはいいがお金も無いしなぁ…。

タバコをふかしながらぶらぶらとその辺をうろついていると、捨て猫を見つけた。

「ったく、誰だよ。こんなところに捨てるなっつーの」

「ニャーォ…」

「う、何だ、そんな目で見るな」

「ニャーゴ…」

ちくしょう、仕方ない。

そうして俺は捨て猫を万屋に持って行った。

「はっくしゅん!なにやら真北さんから猫の匂いがするッス!ワタクシ猫アレルギーさね!」

「捨てられてたんだよ、取り合えず飯でも食わせてやろうと思ってな」

「はっくっしゅん!そんな捨て猫放っておくといいさね!」

「壱系、お前随分酷い事言うんだな、可哀想に。ガリガリに痩せてよぉ…。待ってろよ、今特別に飯作ってやるからよ」

「にゃー!」

そうしてキッチンへ向かった俺は、ササッとあるもので猫が食べられそうな料理を作った。

「ほらよ、食え」

「にゃー!」

捨て猫はあっという間に全部食べつくした。

「ほら、ミルクもあるぞ」

俺がミルクの入った皿を差し出すと、これもあっという間にたいらげた。

「はーっくしょん!目がしょぼしょぼするッス。もういいさね、返してくるッス」

「わー、猫だ!」

「かわいいネ」

「おう、士郎におかめ、こいつ可愛いだろ?」

「うん!飼うの?」

「アタシの名前はおかめじゃないネ!」

「う~ん、飼いたいんだが、約一名反対してる奴がいてな」

「猫なんてこの世から消えればいいッス!」

「え~、飼おうよ、壱にぃ!」

「非常食になるネ」

「おい!猫は食いもんじゃねぇ!」

「あれ?ワタクシ、ちょっと距離感が掴めないッス。さっきより猫がデカく見えるッス」

「ん?そうか?」

「ニャーォ」

「ん?まだ飯足りなかったか?まだまだあるからもっと食え」

「これ美味いネ」

「オメーが食ってんじゃねぇよ。ホラ、食え」

そして捨て猫はこれもあっという間に食い尽くした。

「にゃー!」

「ま、まだ食うのか?」

「やっぱりおかしいッス!どんどんデカくなってるッス!」

「そうか?こんなもんだろ」

「間違いないさね、もう真北さんより大きくなってるッス!」

「そんな訳…」

ふと、捨て猫を見ると、天上近くまで巨大になっていた。

「な、なんじゃこりゃー!」

「だから言ったッス!何スか、この猫は!」

「これはジャイアントキャットネ」

「なんだ?おかめ知ってるのか?」

「アタシの星じゃ一般的に保存食として飼われてるネ。でもいざ料理しようとすると、逆に殺れるネ。そこ要チェックネ」

「どうするさね!これじゃ出口から出られないッス!」

「仕方ねぇ、こうなりゃここで飼うしかねぇ!」

「ダメさね!ワタクシ猫アレルギーさね。そんなものが居たら仕事にならないッス!」

そうこう言ってるうちに、猫はどんどん巨大化していく。

「あー!天井がー!」

メキメキ。

「ギャー!天井を貫いたッスー!」

「まずいぞ!こんな巨大猫を街中に放すと厄介だ!」

『にゃ-!』

「あっ、天井から出て行ったッス!」

「止めろ!」

俺は巨大猫にしがみついた。

「ダメだよ真北さん、ボク達の力じゃ抑えきれないよ!」

「諦めるな!こいつが止まるまで待つんだ!」

街中の人間が騒ぎだす。

そうしてようやく止まった。

「ふぅ、どこだここ?」

「古い一軒屋だね」

「まさか、ここから捨てられたのか?」

『にゃ-!』

すると、屋敷から一人の子供が出てきた。

「ミーちゃん!」

「ちょっとキミ、この猫の知り合い?何かスゲーデカくなっちゃたんだけど」

「そうだよ、どこ行ってたのさ。心配したよ」

「こいつ捨てられてたぞ」

「またパパだ!いっつもミーちゃんが縮むと捨てに行くんだよ」

「そりゃ、こんな巨大になっちまったら迷惑だからな」

「大丈夫だよ、お腹が空くとちゃんと縮むから」

「ホントか?」

「うん、ホラ、だんだん小さくなってきた」

象くらい大きくなった猫が、クマ並みに縮んでいた。

それでもデカいが。

「それじゃ、こいつは返す。今度は捨てられないように飯はちょっとの量にしとけよ」

「可愛いからついつい沢山食べさせちゃうんだよね」

そういいながら子供と猫は家に入っていった。

そうして万屋に戻った俺と士郎。

「ふぅ、大変だった…」

「この天井の穴どうしてくれるッスか!」

「いいじゃねぇか、天窓だと思えば」

「窓が無いから天窓とは言わないッス!」

「あー、じゃああれだ、吹き抜け」

「吹き抜けすぎッス!」

「あーもういいだろ?猫も返してきたんだし」

「うぅ…、大家さんに怒られるッス…」

「それにしてもおかしいネ」

「どうした、おかめ」

「おかめじゃないネ!エミリーネ!」

「あー悪い悪い、出来損ないの福笑い。で、何がおかしいんだ?」

「ジャイアントキャットは宇宙定例で地球には持込禁止だったはずネ」

「ほぅ、それじゃ何で地球に居るんだ?」

「分からないネ」

「何だ、役にたたねーな」

「知らないものは仕方ないネ」

「まぁ、天井の修理は俺の給料から差し引いてくれ」

「…元々真北さんの給料なんて無いッス」

「何!?やっぱり俺無給で働いてたのか!?」

「おっと、これは単なる独り言ッス」

「じゃあ給料代わりに直せ」

「はぁ…、分かったッス」

こうしてジャイアンとキャット事件は幕を閉じた。

…と、思っていた。

後にジャイアンとキャットをめぐって重大な事件に巻き込まれる事となる。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今回は続きもので。

次回の構想?

そんなの考えてませんよ。

なすがまま書くだけです。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第十四話。

「今日の仕事は交通整備さね。頑張るッス!」

「あー暑ぃ…、何でこんな真夏の暑い時期に外仕事なんだよ…」

「真北さん、そんな文句ばっかり言ってないで手伝うッス!」

「へいへい…」

「ピーヒョロロロロ!ピッピッピッ!」

「お前も笛で遊んでんじゃねぇよ!」

「これは真北さんをやる気にさせる魔法ッス」

「そんな魔法あるかっ!」

「ピーッピッ!小さく前ならえー!」

ササッ。

俺は小さく前ならえをする。

「よしよしッス」

はっ!俺ってば何でこんな笛で遊ばれてるんだ!?

俺は前ならえをやめて、仕事を開始した。

「おう、やってんな!」

「ピーヒョロロ、ピー」

「笛を取って喋れ!すいません、こいつちょっとアホなんです」

「アホとは何スか!ちょっとした童心ッス、アホ呼ばわりされる覚えは無いさね!」

「じゃあ笛を取って喋れよ」

「もう取ったッス」

「ん、なら良い」

「あ、おい。お前さん達!」

『はい?』

そう答えた瞬間、俺と壱系が車にはねられた。

「飛んでるー!」

うわ、俺死んだかも…。

ギャルルルル!

「あっ、おい!待て!ひき逃げだ!」

 

***

 

「結局給料もらえなかったッス…」

「しょーがねーだろ、車にひかれて大怪我したんだからよ」

二人は病院に居た。

「あーぁ、これじゃ当分仕事出来ないッスねぇ…」

「ひき逃げした車が分かれば慰謝料ぐらいもらえるかもしれないぞ」

「その手があったッス!」

「取り合えず親方の話を聞いてみようぜ」

「動ければの話さね…」

「………」

 

***

 

そうしてようやく退院し、ひき逃げした車を探す壱系と俺。

「まず、車種を調べるさね」

「言っておくが、俺は車に疎い、その辺は壱系に頼む」

「任せるッス」

「それじゃ、俺は聞き込みしてくる」

「え~っと、あの車種は…」

そうして俺は親方に話を聞きに行った。

「ん?もう退院したのか?」

「はい、おかげさまで。ところで俺等をひいた車ってどんな車でした?」

「赤いスポーツカーだったなぁ…、え~っとアレ、何だっけ」

「ゆっくり思い出してください」

「そうそう、スカイラインとか言うやつじゃないか?」

「赤いスカイライン…と」

俺はメモ帳に証言を書き込む。

「運転手は?」

「さぁねぇ、サングラスしててよく見えなかったよ」

「そうですか、ありがとうございました」

「あぁ、そうそう。確かナンバーを控えてたはず」

「教えてください!」

「な-1012ですか。ありがとうございました」

「よし、あとは警察に任せよう」

帰るか。

警察に届出を出して俺は万屋に帰った。

 

***

 

「それで、大変だったんスよ、もう頭から血がぴゅ-っと」

「それは大変だったんですね」

「おい!壱系!外に俺等をはねた車が止まってるぞ!」

「え?どれどれ?」

「あ~、ホントッス、真っ赤なスカイラインッスね。よく似てるッス」

「よく似てるも何も本物だよ!交通整備の親方がナンバーを控えてたからな!」

「ということは、この車の修理を依頼してきた人が犯人ッス」

その時、男はコッソリ出て行こうとしていた。

「いやぁ。奇遇ッスねぇ、ワタクシ達アナタを探してたさね」

「さよなら!」

「おっと待った」

出て行こうと走り出した男に足をかける。

「逃げらんねーぜ」

ニヤリと笑う俺と壱系。

「ひ、ひぃーーー!!」

 

***

 

「という訳で結局儲かったッス。怪我もしてみるもんさね」

「もう二度と怪我なんてしたくねーよ!」

「でもワタクシ達が入院してる間だれが飯を作ってたッスか?」

「コンビニ弁当だよ」

「もうコンビニ弁当全種コンプリートしたネ!」

「それはそれは。それでは真北さん、今日からまたよろしく頼むッス」

「俺に休息は無いのか…?」

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

ネタが無い!

はっきりいってネタが無い。

あぁ、もうネタ切れなのか。

週刊でやってる漫画家さんは凄いッスね。

という訳で今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第十三話。

「それじゃ、よろしく頼むよ」

「任せるッス」

依頼人が引き戸をガラガラと開けて帰って行った。

「最近妙に依頼が多いさね、結構結構」

壱系が扇子をパタパタと扇ぐ。

「ところで壱系」

「どうしたッスか?真北さん」

「俺って給料一度も貰った記憶が無いんだが気のせいか?」

「気のせいッス」

「うぉい!即答かい!給料よこせ!」

デスクに置いてある現金に手を伸ばす。

すると壱系に扇子でパシッと手を叩かれた。

「ダメッス!これは今月分の家賃ッス!」

「じゃあさっきの依頼人が置いていった現金を貰う!」

バッと壱系から封筒を奪った。

「あっ、ダメッス!」

「薄いな、もう少し欲しいところだが我慢するか」

封筒を開けると一枚の紙がはらりと床に落ちた。

「ん?何だこりゃ…」

“今晩24時にホテルニューロティカで待つ”

「おい、壱系、これ何だと思う?」

「さぁ…?果たし状ッスかね?」

「どうする?」

「取り合えず行ってみるッス」

こうして俺と壱系はホテルニューロティカへ向かった。

 

***

 

「ホテルまで来たは良いッスが部屋番号が分からないさね」

「まぁ、ロビーで待とうぜ」

そうしてロビーで待つ事一時間。

「もう24時過ぎたッスよ、帰るッス」

すると一人の男が近づいてきた。

壱系が拳銃に手をかける。

「おっと、そんな物騒なものしまってくれ、何もしない。ただ話しをしたいだけだ」

「っていうか壱系、銃持ってきたのか!?」

「ワタクシには敵が多いッスからね、非常時に備えて常に持ってるッス」

「それで、話って何ですか?」

「あぁ、どうやら封筒を空けてくれたようだね」

「アンタ誰ッスか?依頼主の知り合いッスか?」

「ま、そんなところ」

「用件を言うッス」

「まぁ何だ、その…」

「ここじゃ言えない話ッスか?」

「いや、言う。言うよ。ちょっと待ってくれ」

「それじゃ早く話すさね」

「これを隠し持ってて欲しい」

男は小瓶に入った粉末状のものを取り出した。

「これは…、薬物ッスか…」

「ここだけの話、それ、凄く効くんだ。だから保存しておきたくてね」

「自分で渡保存すればいいさね」

「それなんだが、どうやら俺は警察にマークされてるらしくてね。だからこうやってこっそり警官の目を盗んで来た」

「要するに運び屋になれって事ッスか?」

「まぁ、そういう事になるかな」

おいおい、それって犯罪じゃねぇのか?

「…断るッス。ウチは健全な万屋ッス。そんな犯罪行為出来ないッス」

「そこを何とか!金ならいくらでも出す!」

さて、どう出る壱系?

「…ふむ」

壱系が扇子を開き口元に当てる。

「真北さんはどう思うッスか?」

「俺?俺は反対だな」

「と、言う訳ッス、交渉決裂さね」

「じゃあ力ずくででもやってもらう!」

男はナイフを取り出し、壱系を威嚇する。

「はぁ…」

「何ため息なんて付いてるんだ、このナイフが怖くないのか!?」

「こっちは銃ッスよ?どっちを見ても勝敗は明らかッス」

「くっ…!死ね、万屋!」

「あーぁ、バカさね…」

バンッ!

カランとナイフが床に落ちる。

「うおぉお!痛ぇ!手が!手がァ!」

「すぐ止血すれば死ぬ事は無いッス、それじゃ警察が来る前にずらかるッス。行くッスよ、真北さん」

「お、おう…」

 

***

 

「覚せい剤所持の男捕まるッスか」

壱系が朝刊を読んでいた。

「しかし、こうでかでかと載ると気分が良いな」

「この謎の銃弾のところッスね」

「万屋に撃たれただってよ」

「はっはっは。それはワタクシのことッスか~?」

「随分嬉しそうだな」

「これで仕事も増えるかもしれないッス。真北さんにも給料が払えるかもしれないッス」

「あ、やっぱり給料払ってないの認めたな」

「さて、今日もキリキリ働くッス」

「おい、誤魔化すな」

 

続く

 

***

 

今日のあとがき。

あー、もう何かネタ切れだ。

話がすらすらと出てこない。

あっち消しこっち消し修正しまくりでした。

でも出来上がりがイマイチ…。

今回もこんなんでご勘弁を~。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第十二話。

「分かったッス、届け物ッスね。ちなみに中身は何スか?生ものッスか?」

「一応生ものって事になるのかな」

「一応?中身は何スか?」

「それは秘密だ」

気になるッス。

後でこっそり開けてみるッス。

「それじゃ、依頼領は後日ということで」

「えぇ、でも絶対中を見ないで下さいよ…」

「分かってるッス。お客様の荷物を勝手に開けたりしないさね」

「それではこれで…」

「まいどッス」

 

***

 

「さて、中身は何スかね」

「おいおい、さっきの話じゃ絶対開けるなって…」

「真北さんは気にならないッスか?」

「そりゃまぁ、多少は気になるが…」

「では早速開けるッス。オープン!」

シャー!

「ぎゃあ!」

「おい!大丈夫か壱系!」

「蛇ッス!毒蛇ッス噛まれたッス、早く血清を打つッス!」

「血清なんてねーよ!大体これ毒蛇じゃねーぞ?」

「へ?」

「単なる青大将だろうが」

「何だ、がっかりッス」

「とにかく人様の預かりもんを勝手に開けたバツだな」

「それにしても何で蛇なんか送るさね?」

「知るかよ、爬虫類好きな人にプレゼントでもするんだろ」

「謎が解明されたとたん興味が無くなったッス」

「ところで、壱系。そろそろ教えてくれないか?」

「何をッスか?」

「何で壱系が兵隊として国争いに参加してた理由だよ」

「それは前に話したッス。身寄りの無い子供は兵隊としてこき使われたさね」

「どこの隊だったんだ?」

「蛇使い隊ッス」

「蛇使い隊っていやぁ暗殺部隊として名高いあの蛇使い部隊か!?」

「よく知ってるさね」

「歴史の教科書にも載ってるくらいだからな」

「そうさね、あの頃ワタクシは色々な暗殺技術でありとあらゆる人間を抹殺してきたッス。本当はこんなのんびり暮らしていい身分じゃないさね。罪を償うべきさね…」

壱系は扇子を広げて口元に当てた。

「それじゃ怨む輩は大勢いる訳だ」

「まぁ、名前も変えたし、殺しはもう当の昔に手を洗ったッス」

「でも、万屋やる前は殺し屋みたいなマネしてたんだろ?」

「嫌ッスねぇ、人の過去をそんなにほじくり返すとは」

「いや、悪いとは思ってても気になってな」

「ま、いいッス。この間は真北さんに助けられたッス。全て話すッス」

こうして俺は壱系の過去を聞く事になった。

 

***

 

「まず、ワタクシは親の顔を知らないッス、いわゆる孤児ッス。それである日一丁の拳銃を拾ったッス。玉と一緒に。そこからッスね。そしてある日、政府に連行されたッス。そこでありとあらゆる武術を仕込まれ、銃の扱いも指導されたッス。…指導というよりも折檻に近かったッスが…。まぁワタクシの殺しの素質がめきめきと成長して行ったッス。」

「拾った銃は使ってみたのか?」

「使ったッス。まずは壁を狙ったつもりだったッス…」

「つもりだった?」

「不運にもそこに肉屋の主人が居たッス。これ幸いとワタクシは肉をパクッたッス」

「いや、絶対わざとだろ…」

「それを見ていたのがお国のお偉方だったッス。それで、無理やり連れて行かれたッス」

「ほぅ、そして蛇使い隊に所属されたのか」

「最初はサソリ隊だったッス。だけど殺しのセンスを見出され、蛇使い隊に所属されたッス」

「四つのガキによくそんな事出来たな、国のお偉方は…」

「それで、国争いが終止符を打ったらもうお払い箱ッス。しばらくは暗殺の仕事で食ってたッス」

「それいくつの時だ?」

「十五ッス」

「士郎と同じ年でそんなヘヴィーな人生歩んでたのか…」

「で、二十歳で万屋の仕事を始めたッス」

「そういや、今いくつなんだ?」

「二十八ッス」

「たった八年前まで殺し屋だったのかよ…」

「さ、これで話はお仕舞いさね。さっさと届け物を届けるッス」

「お、今日はやる気あるんだな」

「ここに居ても真北さんに質問攻めをくらうだけさね。それより依頼が先ッス」

「お、万屋っぽいな」

「っぽいじゃなくて万屋ッス。それじゃ行ってくるッス」

こうして壱系の過去が明らかになった。

まだ何か裏にありそうだが、時が来れば話してくれるだろう。

それまではそっとしておくか。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

はい、壱系の過去が明らかになりました。

まだまだ謎が多い人物なので、過去に何があったかまだ書き足りないです。

あと、星座が隊の名前の由来です。

蛇使い座ってどこいったの?

まぁ、それはいいとして、今後壱丸の話でも書こうかと検討中。

ってな訳で今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第十一話。

「ふぅ、何とかここまで来たが…」

俺は紙に書かれた部屋番号の前まで来たが、ドアがオートロックになっていて立ち往生していた。

「くそっ!この先には行けないのか!?」

取り合えずドア越しに会話だけでも聞いてみるか。

俺はドアに耳を当て、部屋の中の会話を聞いた。

「本当にこの人達を消せば士郎達は無事なんだな?」

「あぁ、本当だ。ただ、お前さんがモタモタしてるとわからねーがな」

「まさか、この人達を殺させた後に殺すなんて事無いよな?」

「さぁねぇ…、俺ってば気まぐれだから」

「お前…」

「さぁ、さっさと殺してきてくれよ。麻薬の密売までもう時間が無ぇ」

俺はそれを聞いて、ホテルのドアを蹴り開けた。

バンッ!

「おらー!逝っちまいな!」

木刀で、依頼主を殴る。

「ぐはっ!」

「さぁ!早く逃げるぞ壱系!」

「ま、真北さん!?何でここが分かったッスか!?」

「いいから来い!」

そうして、壱系をホテルから連れ出した。

「真北さん!バカさね、これで命を狙われるかも知れないっスよ!?」

「んなこたどーでもいい!とにかく逃げるんだ!」

「でも万屋に戻ったところで命の保障は無いッス」

「じゃあ引っ越せばいい」

「お、その手があったッス」

「それじゃ、帰ったら速攻荷物まとめて夜逃げするぞ」

「分かったッス」

 

***

 

「うぅ…、万屋ァ…、許さん」

男は電話で手下に連絡した。

万屋の人間を抹殺しろと。

「ひゃはは!これで壱丸もお仕舞いだ…」

 

***

 

「みんな起きるッス!早くここから逃げるッスよ!」

「壱にぃ…、無事だったんだね」

「真北さんのおかげさね」

「そんな事はいいからさっさと身支度しろ!」

「そうそう、ワタクシ愛用の扇子がこの引き出しに…」

「早くしろ、いつ追っ手が来てもおかしくないぞ!」

「準備完了ッス、それじゃ行くッス」

「おい!おかめ!しっかりしろ!」

「何ネ、アタシもう食べられないネ…」

「寝ぼけんな!この生きるか死ぬかって時に!」

「よし、全員揃ったな、じゃあ逃げるぞ!」

「そうはさせるか!」

「くっ、もう追っ手が…」

バァンバン!

「うおぉぉ!」

「痛ぇええ!」

「壱系!?」

「大丈夫ッス急所は外したッス」

「よし、逃げるぞ!」

こうして俺達は町を去った。

そして新しい町でまた万屋をやる事になった。

相変わらず店は火の車だったが、士郎のパチスロでなんとか食いつないでいた。

「おーい、壱系、お客さんだぞー」

「はいはい、今行くッスよー」

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今回は前回の続きということで若干短めですが許してください。

さて、今回で最終回と思わせといて、実はまだ続くんです。

新しい町での万屋をお楽しみに。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第十話。

「はぁ~あ、今日も暇ッスねぇ…」

「依頼が来なきゃ探せばいいんじゃねぇか?」

「面倒さね」

「お前ちょっとくらい動けよ。デスクに足乗っけて鼻くそほじってないで」

ガラガラ。

「お、お客さんッス」

「それじゃ、俺は茶でも入れてくる」

「頼んだッス」

ッは!

これでは俺完全にOLじゃん!

「何してるネ、おっさんライダー」

「誰がおっさんライダーだよ!」

「OLを略したらおっさんライダーネ」

「それだったらORだろうが!」

まぁいい、とにかくお茶だ。

そして壱系とお客に茶を出す。

すると、依頼主がとんでもない事を口走った。

「…殺しを依頼したい」

おいおい、物騒だな。

「いやぁ、ウチはそういうのやってないんすよ」

「しらばっくれるのか?俺は知ってるんだぜ、壱丸系一…」

その言葉を聞いた壱系がぴたりと動きを止めた。

「…どこでその名を?」

「さてね、依頼を受けてくれるなら教えてやってもいいぜ」

「…真北さん、しばらく二人にしてほしいッス」

「あ、あぁ…」

なんだ?

さっきの“壱丸圭一”って。

もしかして壱系の本名か?

そんな事を考えながら、事務所の奥に引っ込んだ。

だが、会話の内容が気になるので、こっそり聞き耳を立てていた。

すると、士郎とエミリーが寄ってきた。

「何々?」

「いや、壱系が殺しの依頼を聞いてる」

「どれどれ?」

二人は俺を押しのけ、聞き耳を立てた。

 

***

 

「殺しは当の昔に手を洗ったッス」

「まぁ、そう言うな、死神壱丸さんよ」

「その名で呼ぶなッス…」

「いやぁ、それにしても探すのに苦労したぜ、よりによってこんなオンボロ屋敷で地味に万屋なんてよ」

「どうしてここが分かったさね」

「手下どもに手配させた」

「分かったところでワタクシはもう二度とあんな事しないッス」

「はん、いいのかい?断ればそこで聞き耳立ててるボウヤ達がどうなるか分かってるのか?」

しまった!

バレてる!

「卑怯さね」

「あぁ、なんとでも呼ぶといい。どうせ俺は汚れた人間だからな」

「…ちっ」

「で、どうするんだ?この依頼受けるのか?受けないのか?どっちだ」

「…取り合えず依頼内容は聞く、それで決める」

「それじゃあ、商談成立だな」

「まだ内容を聞くだけだ」

「内容を聞けばもう依頼を受けたも同然だ。この話を聞いて野放しにするほど俺はアホじゃねぇ」

「…さっさと話せ」

「あぁ、いいか。まず政府の役人をいくつか消して貰いたい」

「何故だ?」

「麻薬取引に邪魔なんだよな、これが」

「………」

「これが写真だ。こいつらを消して貰いたい」

「…分かった」

「詳しい話はここで話す」

依頼主が泊まっているホテルの部屋番号を書いた紙を壱系に渡した。

「それじゃ、待ってるぜ…」

ガラガラと引き戸の閉まる音が聞こえた。

 

***

 

「おい!壱系!なんだあいつは!?」

「何でも無いッス」

「何でも無いわけ無いだろ!殺しがどーのこーのって話してたじゃねぇか!」

「殺し?何の事ッスか?」

「しらばっくれるなよ!」

「嫌ッスねぇ、殺しじゃなくて子持ちッス。何でもあの人は子持ちの奥様を口説き落とす事を依頼しに来たッス」

「嘘つけ!ンな軽い雰囲気じゃなかったぞ!」

「壱にぃ…」

「どうした?士郎」

「ボク達聞いちゃったんだよ」

「やだなー、もうみんなして寄ってたかって意地悪するんスか?」

「壱系、壱丸圭一ってお前のフルネームか?」

「ワタクシは単なる壱系ッスよ?そんな名前の人間知らないッス」

くっ、いくら尋問しても無駄か。

「分かった、それじゃ勝手にしろ」

そうして、夜が更けていった。

 

***

 

「もうみんな寝たッスね…」

壱系が寝室を後にし、身支度をして玄関に向かった。

すると、そこには真北が仁王立ちしていた。

「おいおい、そんな物騒なもん持ってどこ行くんだ?」

「真北さん、さっきまで寝てたはず…」

「狸寝入りくらい誰でも出来るっつーの。で、その二丁拳銃で何する気だ?」

「あはは、やだなぁ、コルク銃ッス」

「それじゃ俺に向かって撃ってみろよ」

「………」

「やっぱりな、お前あいつの依頼受ける気だろ」

「でもこの依頼を受けなきゃみんなに被害が及ぶッス」

「死神…ってお前のことだよな?」

「昔はそう呼ばれてたッス。丁度国争いの頃さね」

「国争い…、そういや今じゃ平和ボケしちまってあんな事件誰もが忘れて…ってオイ!」

「何スか?」

「国争いの時はお前いくつだったんだよ!」

「四つさね」

「四歳の子供が戦場で戦うわけねーだろ」

「真北さんは甘いッスね、あの戦争では身寄りの無い子供は無条件で兵士として戦場に狩りだされたッス」

「そんな、国はそんな酷いことをしてたのか?」

「そうッス、だから今回の依頼は報復でもあるッス」

「やめろ…」

「退くッス」

「行くなら俺を撃って…」

バキューン!

俺の顔すれすれで弾丸が放たれ、後ろの引き戸に風穴を開けた。

「次は当てるッス…」

くっ!

このまま行かせて良いのか?

壱系がそこまでする理由があるのか?

「しまったッス…」

「い、壱にぃ!?」

さっきの銃声で士郎が目を覚ましたようだ。

「それじゃ、行ってくるッス」

「あ、オイ!壱系!」

壱系がネオン輝く街中に走って行った。

俺はこのまま引き下がっていいのか…?

事務所に戻ると、ゴミ箱に紙切れが落ちていた。

「もしかしてこれは…」

予感は的中した。

そう、あの依頼主のホテルの部屋番号を書いた紙だった。

よし、これさえあれば…。

俺は木刀を持ち、鉢巻を絞めてホテルに向かった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今回は続き物です。

あんまり長々と書くと読みづらいと思ったので、ここで一区切り。

次回、真北は壱系を止めることが出来るのか。

乞うご期待!

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第九話。

壱系が仕事から帰ってくるなり腹が減ったというので、チャーハンを作ってやった。

「真北さんのチャーハンはいつ食っても美味いッスね」

「でもコレばっかりで飽きるネ」

「文句言うなら今後おかめには作ってやんねーぞ」

「何でだよ!作れよキンタマ!」

こいつにまでキンタマ呼ばわりされるのか俺は…。

「仮にもレディーなんスからそういう発言は控えるべきさね」

「仮にもって何よ!アタシは可憐なるレディネ!」

「あーはいはい、今度はカレーでも作ってやるよ」

「カレーはおとつい食べたばっかりネ」

「うっせーな!レパートリーが少ねぇんだよ!」

「こうなったら真北さんをお料理教室へ通わせるッス」

「おい、勝手に決めるなよ」

「それいい案ネ、料理教室行くネ」

そうして、半ば強引に料理教室へ行く事になった。

 

***

 

ちくしょう、何で俺が主婦に混じってこんな所に居るんだよ…、まるで授子供の業参観に父親が一人で行く気分だぜ…。

子供居ないけど…。

しばらくすると、先生が話し始める。

「ゴホン、えー、みなさまは料理とは何かと考えたことはあるざますか?」

おいおい、ざますってホントに使ってる人初めて見たよ。

「む、そこのいかにも人生脱落しましたって顔してるあなた!どうざますか?」

「えぇ!俺!?」

「そうざます、料理とは?」

「料理とは…、食べるものです…」

「ちっがーう!お前の目は節穴ざますか!」

おいおい、初対面でお前呼ばわりかよ。

「あなた、名前は?」

「名前…、真北ですけど」

「それでは真北さん、いいですか。料理とは戦いざます」

「はぁ…」

「例えば、この調味料とこの調味料との熱いバトルざます。またあるときは食材と食材の熱いバトルざます!」

なんだ、このオバハン、さっきから訳分かんねー事言いやがって。

「チャーハン一つ作るにもそれなりの覚悟が必要ざます!」

「あ、チャーハンなら俺得意ですよ」

そう言うと、先生がキッと睨みつけてきた。

「ほう、それじゃこっちに来て作ってみるざます」

「分かりました」

俺はいつもの要領でチャーハンを作る。

その間にも、先生の鋭い目が光っていた。

「よっと、完成です」

「それじゃ、味見してみるざます」

「こ、この味は…!」

「どうっすか」

「さぁ、皆さん、今日はチンジャオロースを作るざます」

あ、無視した。

美味く出来たからな。ふふ…、どうだ、俺の秘伝のチャーハンは。

「真北さん!いつまでそこに立ってるざますか!早くあっちに戻るざます!そこはワタクシの場所ざます!」

来いと言ったりあっち行けと言ったり文句の多い先生だな。

それより今日はチンジャオロースか、今日の晩飯に使えるな。

確か冷蔵庫には牛肉とピーマンが入ってたはず。

「…聞いてるざますか!?真北さん!」

「あ、はい。すいません」

「アナタのせいで時間が押してるざます、しっかり聞くざます!」

おいおい、俺を引っ張り出したのはアンタだろ…。

「いいざますか?まずはピーマンを切るざます」

先生が、ピーマンを上へ放り投げると閃光がピーマンを切りつけた。

「どうざますか…」

「あの…、先生。食材が全部落っこちてるんですけど…」

「お黙り!料理はバトルと言ったはずざます!」

それは何か違うような気がした。

こうして料理教室を終えて、万屋へ戻った。

 

***

 

「さて、今日教わったチンジャオロースでも作るかな」

「おぉ、チンジャオロースをマスターしてきたッスか?凄いッス!」

「早く作るネ」

「わぁ、チンジャオロースボク大好物だよ!」

士郎は食えりゃ何でもいいらしい。

よし、それじゃ、作るか。

俺は先生に教わった通りにチンジャオロースを作った。

「うおぉぉぉ!」

「な、何スか!?」

壱系が台所へ駆け寄ってきた。

「あ、すまねぇ、ついあの先生の真似しちまった」

「ピーマンが床に散らばってるッス」

「これを教わってきたようなもんだからな」

「随分過激な料理ッスね」

「あぁ、なんでも料理は戦いとか何とか言ってた」

「何があったネ」

おかめと士郎もやってきた。

「ちょっとピーマン拾うの手伝ってくれ」

「はーい」

士郎が手伝ってくれた。

他の二名はスッと消えた。

「これで全部?」

「あぁ、ありがとよ。士郎も作ってみるか?」

「うんっ」

そして士郎とチンジャオロースを作った。

そして食卓に出す。

「はい、どーぞ、チンジャオロースでございます」

「…このピーマン洗ったッスか?」

「気になるか?」

俺はニヤリと笑った。

「ちょっとザラザラするネ」

「俺のと士郎のは洗った」

「という事はワタクシのもザラザラしてるッスか?」

「食ってからのお楽しみだ」

「それじゃ食うッス。もぐもぐ…」

「どうだ?」

「ザラザラしてるッス、これ何スか?」

「さぁな、埃とかそんなんだろ」

「食べないなら頂きネ」

「あっ、おかめ!だめッス腹下すッスよ」

「こんなの地元じゃよく食ってたネ。美味いネ」

「あーぁ、壱系食いっぱぐれたな」

「おかわりはないッスか?」

「無い」

「そんなのあんまりッス」

「まぁまぁ、壱にぃ、今度ボクが作ってあげるよ」

「おぉ、士郎頼もしいッス」

そして後日。

 

***

 

「はい、壱にぃ、チンジャオロースだよ」

「何か異臭が漂ってるッス」

「さぁさぁ、遠慮せずどうぞ」

「で、では頂くッス」

パクリ。

「うぷっ!」

一口食べて洗面所へ向かった。

「ただいまーっと、あら?壱系は?」

「あ、真北さんもどうぞ!」

「何だ?これ…」

「チンジャオロースだよ、ボクが作ったんだよ!」

「これは酷い、ちゃんと教えた通りに作ったのか?」

「え、うん、多分…」

「こりゃダメだ、士郎、もう一回勉強しなおしだな」

「えー!」

「えー、じゃないあーぁ、食材無駄にして…。ところで壱系は?」

「これ食べたら洗面所に向かったよ」

「これ食ったのか…、勇者か、あいつは」

士郎の料理の腕も壱系並だという事がわかった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今回のゲスト、料理教室の先生。

ざます言葉を巧みに使い、マシンガントークで相手を威嚇する。

そんなスローガンを掲げた先生です。

今後出るかは分かりません。

前に言った通りノープランなんで。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第八話。

「さ、今日もキリキリ働くッス」

「あ、おい!壱系!」

「何さね?」

と、振り向いた瞬間壱系は謎の物体にはねられた。

「うおー!飛んでる!ワタクシ飛んでるッスよー!」

ズシャァ!

「大丈夫か!壱系!」

その時、壱系をはねた物体から男が出てきた。

「オーゥ、ダイジョブデスカー?」

「おい、壱系、謎の外人が話しかけてきたぞ!」

「何も謎じゃないッス!宇宙人でもあるまいし…」

「ナ、ナゼ私ガウチュウジンダトワカッタデスカー!?」

「………」

『えーーー!!』

 

***

 

「…ト、イウワケデジャパンニキタデス」

「ふ~ん、娘探しねぇ…」

頭に包帯をグルグル巻きにした壱系がぼりぼりと頭を掻く。

「痛いッス!」

「何やってんだよ…」

「ソレデ、ムスメサガシヲテツダッテホシイデース」

「どうする?壱系?」

「う~ん、万屋としては報酬しだいでいくらでも手伝うさね」

「ザンネンナガラ私オカネモッテマセン」

「じゃあその仕事は出来ないッス。さっさと火星に帰るッス」

「ソレデハコレデハイカガデスカ?」

すると、宇宙人が金ののべ棒を取り出した。

「おおぉぉ!金ッス、本物ッス!」

「マジかよ、何でこんなもん持ってるんだ?」

「私ノノッテキタウチュウセンノエネルギー源デス」

「よし、手伝うさね!行くッス真北さん!」

「おう!」

そうして宇宙人の娘探しに出た。

 

***

 

「特徴はこの頭からピンと跳ねてる謎の触手ッスね」

「何か何から何まで謎が多いな」

「そういう真北さんの台詞にも何が多いッス」

「それはいいんだよ、とにかく観光スポットとか探してみようぜ」

「そうっすね、あの宇宙人も娘が観光に行くと言っていたと言ってたさね」

「さて、それじゃ、お江戸タワーへ向かうっす」

ガーガー。

「キックボードは置いてけよ!」

「これがワタクシの唯一の移動手段さね」

「嘘付け!さっきまで歩いてただろ!」

「えっと、お江戸タワーへの移動手段はと…電車が一番手っ取り早いッス」

「キックボードは置いてけよ」

「分かってるッス」

そうしてお江戸タワーまで電車で向かう。

「こんなことならあの宇宙人さんに頼むべきだったッス」

「バカ、あの宇宙船のエネルギーは金だろ!?もったいねーじゃねぇか!」

「それもそッスね」

あーだこーだ言ってるうちにお江戸タワー前まで来た。

 

***

 

「ダメッス、辺りには見当たらないッス」

「こっちもダメだ。どうする?」

「後は中だけッス」

「よし、入るぞ」

エレベーターでお江戸タワーを昇る。

「着いたッス」

「ここに居れば…あっ!」

「居たッスか!?」

「んん?」

「どうしたッスか?」

「あの触手は間違いないが、写真の人物とはかけ離れた顔してるぞ」

「写真には可愛い子が写ってるッスよね?」

「あぁ、だがアレを見ろ、まるでおかめだ」

「ちょっと事情聴取するッス。あの~」

「何!?ナンパ!?あんたアタシの趣味じゃないネ、どっか行って!」

「いやぁ、宇宙人探しをしてましてね」

「もしかして…、パパ!?」

「あのー、この写真の子を探してるッス」

「あぁ、それアタシネ」

嘘付け!このドブスが!

と二人は思ったが、口には出さなかった。

「名前は何と言うッスか?」

「エミリーネ」

「お父さんに聞いた名前と一致したッス、それじゃ…」

「な、何するネ!?」

「お持ち帰りッス」

「ちょっと!離してよ!痴漢ネ!痴漢!」

みんなが振り向く。

だが、エミリーの顔を見ると、みんなスッと視線を元に戻した。

「何で誰も助けてくれないネー!…ッハ、このアタシが美しすぎるせいネ!嫉妬してるのネ!」

「真北さんも持つッス」

「はいはい」

そうして万屋にエミリーを持って帰った。

 

***

 

「オォ!エミリー、ブジデヨカッタ」

「もう!パパったら、ただの観光ネ、それをこんな所まで追ってきて!」

「シンパイシテタンダゾ」

「アタシまだ帰らないネ」

「ソンナ…」

「この万屋に責任とってもらうまで帰らないネ!」

「どうしてそうなるッスかねぇ…」

「いいから、この貴重な時間にもアタシ富士の樹海とか見たいネ」

「見るところがちょっとズレてるッス」

「ソレジャ、ヨロズヤサン、ウチのエミリーヲヨロシクオネガイシマース」

そして宇宙人は宇宙船で去って行った。

金とブサイクな女を置いて…。

「アタシここ気に入ったネ、しばらくここに居させてもらうネ」

「勝手に決められたら困るッス」

「あんたが連れて来たネ!責任持ちなさいネ!」

こうして、ブサイクな宇宙人が万屋に加わった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

新キャラ投入、ブサイクな宇宙人。

そういやこの話に女性キャラが一切出てこない事に気付き、急遽書きました。

しかし、書いてるうちにどんどん自信過剰なブサイクな女になってきて腹が立ってきました。

自分で書いてて腹立つこのキャラを今後どう生かそうか…。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第七話。

「はぁ…」

「どうしたの?壱にぃ」

「四葉グループの御曹司さえ見つかればこの事務所も新しく出来るんスけどねぇ…」

「………」

「どうしたッスか?士郎」

「あ、いや、何でもないよ。あはは」

 

***

 

「ってな事があったッス」

「だからあいつが四葉グループの御曹司なんだよ」

「確かに名前は四葉士郎ッスけどそれはないさね」

「なんでだよ」

「士郎はどしゃ降りの日にウチの玄関先で雨宿りをしていたッス」

「それで?」

「名前を聞いたら四葉士郎と名乗ったさね」

「それだけ条件が揃えばオーケーだろ」

「いや、その時はまだ四葉グループからの依頼は来てなかったッス」

「どういう事だ?」

「士郎ウチで働くきっかけはパチスロがやけに強いからさね」

「要するに金づるか」

「手持ちで100万も持ってたッス」

「ほぅ、四葉グループは子供に100万も小遣いを渡すのか?」

「違うさね、その100万は自分で稼いだって言ってたッス」

「ふ~ん、で?」

「どうやって稼いだか聞いたらパチスロだったッス、何でも1万から100万も稼いださね」

「そりゃすごいな、もうパチプロじゃねぇか」

「ただ、泊まるところが無いと言ってウチでかくまったッス」

「金目当てか」

「まぁ、そうなるさね。こんなおいしい子供は居ないッスから」

「で?四葉の人間がここに来たとき士郎はどうしたんだ?」

「それが事務所の奥に隠れたッス」

「本人確定だな」

「う~ん、そう言われると本人っぽいッスね」

「っぽいじゃなくて本人だろそれは」

「そうさね…」

壱系は何か考えているようだった。

「で、何だよ」

「それじゃ、連れて行くッス、四葉グループに…」

「おぅ、それがいい。事務所を新しくする金くらいポンと出してくれるだろ」

「それじゃ、明日士郎に話しするさね」

「そうしろ、あいつはいつまでもここには居られない」

「そうッスね…」

そして翌日

 

***

 

「何で!?ボク違うよ!」

「落ち着くさね、士郎。何も無理に連れて行く気は無いさね。ただ士郎の気持ちが知りたかったッス」

「だからボクは御曹司なんかじゃないよ!」

「なぁ、士郎…」

俺は会話に割り込んだ。

「士郎はそれで良いかもしれないけど、壱系の事も考えてやれ。もし御曹司をかくまってると知ったら奴等何しでかすか分からないんだよ」

「もういい!壱にぃもキンタマも知らない!」

「あ!おい士郎!」

俺は追いかけようとした。

「やめとくさね」

「何でだよ、あいつここ以外居場所ねーじゃねぇか!」

「今は好きにさせとくのが一番ッス…」

「ちっ、後味わりー…」

その夜、士郎は帰ってこなかった。

 

***

 

「そろそろ心配になってきたッス」

「追いかけろよ」

「もうどこに居るか分からないッス」

「士郎が行く場所っつったらあそこしかねーだろ」

「あそこ?」

「着いて来い」

そうして壱系を引っ張り出して、俺はある場所へ向かった。

「士郎と言えばここだろ」

「ここは…パチンコ屋ッスか?」

「あぁ、そうだ。早く手分けして探そうぜ」

「分かったッス!」

しばらく店内を探したが、士郎は見つからなかった。

「よし、次行くぞ」

「え?ここで終わりじゃないッスか?」

「バカ、他にもパチンコ屋があるだろうが」

「でも士郎がいつも来るパチンコ屋はここッスよ?」

「ホントバカだな、俺等が追ってくるなんて士郎も承知のはずだ、ここで諦めたらもう士郎は戻ってこないぞ」

「…そうさね。次行くッス!」

そして、俺達は行ける範囲の全てのパチンコ屋をめぐった。

そうして、6件目にてようやく士郎を発見した。

「…ぁ」

逃げようとする士郎を壱系が止める。

「離してよ!壱にぃ!ボクを売り飛ばす気だろ!?」

「もうそんな事はしないさね、さ、帰るッス」

「…ホント?」

「ホントさね、この壱系。ホラは吹けど嘘は付かないッス」

「すんげー矛盾してんな」

「じゃあ帰るッス」

「うんっ!」

「帰りに晩飯の材料を買っていくッス」

「うん!ボクカレーがいいな!」

「どうせ作るのは俺だろ?」

「えへへ、よろしくね。真北さん」

お、初めてまともに呼んだな…。

これで事務所のリニューアルはお預けになったけど、まぁいいか。

士郎が戻ってきた万屋には、また活気が溢れるようになった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今回はギャグ一切禁止で。

それにしても四葉グループって随分長いこと探してる気がするんだけど、もう諦めたのか?

書いてて不自然な気がした。

まぁ、行き当たりばったりで書いてるんでそういう事態に陥るんですよね。

自分で分かってていつもノープランなんだよな。

一応長期連載しようかと思ってるんで士郎には残ってもらいました。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第六話。

俺と壱系は屋根の修理をしていた。

「しっかし、今どき瓦屋根とは珍しいな」

「真北さん、口ばっかり動かさないで手も動かすッス」

「いやいや、中々こういうのも風情があっていいなと思ってな」

すると、瓦の一枚を屋根から落としてしまった。

「危ないッス」

「わりーわりー、でもどうせ下に誰かいる訳でもないし」

すると、下から怒号が聞こえてきた。

「痛てーなコラァ!」

「誰か居たみたいッスよ?」

「すんませーん」

「おい、ちょっと降りて来い!」

「どうかなさいました?」

「人の頭の上に瓦落としておいてどうかしましたはねーだろ!」

「まぁまぁ、いいじゃないですか、どうせ空っぽの頭なんだし」

「テメーふざけてんのか!責任者呼べ!」

「責任者はワタクシさね」

いつの間にか壱系も降りてきていた。

「おう、テメー、部下の不始末は上司の不始末だよな。どう責任とってくれるんじゃ!このたんこぶ!」

「どうせ空っぽの頭なんだしいいさね。キンタマも二つあることだし、たんこぶの一つや二つ何てこと無いッス」

「くっ、部下も部下なら上司も上司か…」

「ところでお宅は?」

「おう、良く聞いてくれたな、俺は中村組の組員だ」

「ヤクザ屋さんッスか」

「おうよ、天下の中村組よ」

「さ、真北さん、仕事続けるッス」

「そうだな」

「おい!ちょっと待て!中村組だぞ!逆らったらぶっ殺すぞ!」

「見たとこ単なるチンピラッス、どうせこの後慰謝料請求とかしてきて面倒なだけさね」

「でも一応話しは聞いてみようぜ」

「ふむ…、真北さんがそういうなら仕方が無いッス」

そうしてヤクザ屋さんに話を聞くことにした。

「いいか、仕事中の不注意とはいえ人に怪我させたんだ、せめて治療費くらいは出してもらいたいな」

「やっぱりそう来たッスか」

「で?どうしてくれんだ?」

「仕事に戻るさね」

「そうだな」

「オーイ!俺の話聞いてた!?」

「今忙しいから後にして欲しいッス、この仕事が終わったらゆっくり話を聞くさね」

「いつ終わるんだ?」

「夕方頃には終わるさね」

「ちっ、それまで待ってやるよ」

「お宅随分暇何スね」

「うるせー!さっさと仕事終わらせろ!」

「へいへい…」

 

***

 

「で?ヤクザ屋さんが何の用ッスか?」

「治療費だよ、治療費!」

「残念ながら今手持ちが無いッス、もちろん事務所にも無いッス」

「それじゃ、このたんこぶどうしてくれんだ」

「そうさね、どうするッスか?真北さん」

「オロ○インでも塗っときゃ治るんじゃねぇか?」

「治るか!ったく、お前らの事務所どこだ」

「お、もしかして事務所に嫌がらせの電話とかする気ッスか?」

「条件しだいだな」

「それじゃ、案内するさね」

そして歩く事数分。

「ここがワタクシたちの事務所さね」

「おぉ、こりゃまた立派な建物だな」

「おい、壱系どこだここ?」

「それは秘密ッス」

ヒソヒソ声で会話をする。

「そんじゃ、入ってみるか」

ヤクザ屋さんが中に入っていく。

「今のうちに逃げるさね!」

「おぉ、そういう作戦だったのか!」

二人ともダッシュでその場を後にした。

 

***

 

「いやぁ、ヤクザ屋さんには困ったッスね」

「しかし、あの後どうなったんだろうな?」

「きっと他のヤクザ屋さんに追われるッス」

「何でだよ」

「だってあの建物ヤクザ屋さんの家スもん」

「ひでーな…」

その頃ヤクザ屋さんはというと。

「うおぉぉぉ!」

ダッシュで他の組の組員に追われていた。

 

***

 

続く。

今日のあとがき。

はい、今回はコメディ要素薄めで。

万屋だったら色んなこと出来るんじゃないかと思ったけど、意外と難しい。

ってな訳で次回に続きます。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第五話。

「よーし、完璧…」

俺は履歴書を書き終え、タバコに火をつけた。

これで俺も元のエリートコースを爆進だぜ。

面接日は明日だが、もう緊張してきた。

「おや?履歴書ッスか?」

「おぉ、壱系、丁度良い何か緊張がほぐれるもの無いか?」

「緊張がほぐれるものッスか…。ワタクシのおっぱいの話でもするさね」

「そんな話聞きたかねーよ!」

「あら?特技の欄が埋まってないッスよ?」

「あぁ、それな。それを考えようとして一服してたんだった。なぁ、俺の特技って何だと思う?」

「答えは簡単さね、それはズバリ料理ッス!」

「料理ねぇ…、お前らには出来ないかもしれないが俺の料理なんて簡単なもんしか出来ないぞ?」

「え?おっぱい?」

「いや、そんな事一言も言ってねーよ」

「そうさね、あとはツッコミさね」

「特技の欄に書く事じゃねーだろ!大体面接官の前で、そんな事言ったら100パー落ちるっての!」

「え?おっぱい?」

「だから何でさっきからおっぱいの話しようとしてんだよ!」

「暇さね」

「仕事しろ、仕事」

「今日は依頼が無いから休みさね」

「じゃあ士郎と遊んでろ」

「士郎はパチスロに行ったッス」

「ちっ、じゃあドラマでも見てろ」

「今日はドラマの再放送も無いッス」

「俺はこの特技の欄を埋めなきゃならんから忙しい、どっか行け」

「分かったッス」

よし、こうなりゃ一応料理って事にしとくか。

そして翌日。

 

***

 

「え~、それでは面接を開始いたします。まず我が社を希望したきっかけは?」

次々と出される質問にそつなく答えていく。

「ん?この職歴の万屋というのは?」

「あ、はい。要するに何でも屋です」

「ふ~ん、話は変わるけど特技料理なんだ。どんな料理が得意ですか?」

「そうですね、チャーハンなんかは得意です」

「ふむふむ…」

何か書き込んでるな、失言だったか?

「分かりました、それでは採用の場合、一週間以内にお電話をさしあげます」

「分かりました」

「それでは面接を終わります」

「ありがとうございました」

そして面接会場のドアを開けた。

「ちょ、押すなって士郎!」

「ボクも聞きたいよ」

「何してんの、お前ら…」

「いやぁ、真北さんがちゃんと受け答え出来るか心配で見に来たッス」

「余計なお世話だよ!」

「しー!声がデカいッス、真北さん」

「何事かね!?」

面接官が出てきた。

「あ、いや、こいつ等は全然知らない奴等です、ホントですハイ!」

「どーも、万屋をやっております壱系と申します」

「あぁ、さっき話してた万屋さんね、どうしたの?」

「いやね、この会社に真北さんを取られるかと思うと悔しくてついつい聞き耳を立ててたさね」

「…壱系」

「そうなの?壱にぃ」

「そういう事にしとくさ、邪魔しに来た何て口が裂けても言えないッス」

「そうか…、お前ら邪魔しに来たのか…」

「ヤバイ!真北さんが切れかかってるッス!」

「壱にぃ、こういうときはあれだよ!」

「よし、あれッスね!」

一呼吸置いて壱系が放った言葉とは。

「ワタクシのおっぱいの話聞きたくないッスか?」

「そんな話聞きたいかボケー!」

面接官にこのやり取りを始終見られていた。

 

***

 

「あれから一週間。電話来ないッスねぇ…」

「お前らが来なけりゃ受かってたかも知れないのに…、結構手ごたえあったんだぞ!」

その時、電話が鳴った。

「お、電話ッス」

壱系が電話を取る前に俺は受話器を取った。

「もしもし!?」

『あの~、オランウータンの捜索依頼を頼みたいんで…』

ガチャン。

「間違い電話だ」

「嘘さね!今オランウータンの捜索とか聞こえたッス!」

「間違い電話だ!」

すると、もう一度電話が鳴った。

『…あの~、オランウータンの…』

ガチャン。

「間違いないッス!依頼さね!何で切るんスか!」

「この電話中に面接官から電話があるかも知れないから」

「せっかくの依頼ッスよ!どうしてくれるッスか」

「俺の就職の方が大事だ」

壱系はため息を付いた。

俺は電話を待ち続けた。

今日電話が来なかったら不採用だ。

 

***

 

深夜0時を回った。

「やっぱり落ちた…」

俺は暗い事務所で一人で泣いた。

「あの時あの二人さえ来なければこんなはずじゃなかったのに!」

そうだ、悪いのはあの二人だ。

散々面接室の前で暴れて帰って来たからに違いない。

今度はこっそり面接を受けに行こう。

そう誓った。

そして何社か面接を受けるも、全て落ちた。

やっぱ俺のせいか!?

そう考えてたときに壱系が次の面接先に鼻をつまんで電話をしていた。

「もしもし~、明日面接する真北って人間はロクな奴じゃないッスよ~」

「何俺に嫌がらせしてるんだよ!」

「それじゃ」

ガチャリと壱系が電話を切った。

「あ、おっぱいの話聞く気になったッスか?」

「ンな訳ねーだろーがー!」

こうして俺は壱系の嫌がらせにより、行く先々で落とされてた。

俺はもう諦めて、万屋に居る事にした。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

結局万屋に居る事になりました。

そう簡単に辞められたらつまんないしね。

という訳で万屋壱系続きます。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第四話。

今日はいつも以上に忙しい。

「真北さん、これ洗っといて下さいッス」

「もう洗濯は終わったっつーの!」

「仕方が無いッスね、自分で洗うさね」

「キンタマさん、ボクお腹空いたから何か作って」

「今、濯ぎしてるから自分で何か作りなさい!」

「ちぇー…、じゃあいいよ」

「全く…」

…って俺ってば超主婦みたくなってる!

俺はエリートのはずだ、何故こんな事をやっている!

そうだ、もうここから出て新しい会社に面接に行こう!

「…壱系よ」

「何スか?今ワタクシの帽子を洗濯してるッス、重要な用事じゃなかったら後にして欲しいさね」

「俺はここを出て行く」

「あ、そういう話なら後にして欲しいッス」

あれ?

重要な用事じゃないの、これって…。

しぶしぶ事務所に戻った。

「士郎よ、俺はここを出て行くぞ」

「ふ~ん」

あれ?

やっぱりそういう反応?

あぁ、俺って重要なキャラじゃなかったんだ。

「脱水完了~、ピカピカッス」

壱系が帽子を被って奥から出てきた。

「壱系…、さっきも言ったが、俺はここを出て行く」

「そうッスか、それじゃせんべつッス」

壱系がいつも食べているせんべいを渡された。

「おい!ちょっとは引き止めてくれよ!」

「何スか、出てくって言ってみたり引き止めろって言ってみたり、思春期ッスか?」

「バカヤロー!当の昔に思春期なんて全力で駆け抜けたっつーの!」

「それじゃあ、今受けてる依頼が済んだら自由にしていいッスよ?」

「何だ、やっぱり俺が必要か、そうかそうか。はっはっは!」

「士郎、真北さんちょっとおかしいさね」

「そうだね、いつも以上におかしいよ」

二人でヒソヒソと話している。

「それじゃ、依頼内容を聞こうか」

「今回も浮気調査ッス」

「げ、またゴリラか?」

「今回はちゃんとした依頼ッス。写真がこれッス」

「どれどれ?」

………。

「今回もゴリラじゃねぇか!」

「オランウータンさね」

「どっちでもいいよ!」

「それじゃ、まずは近辺調査ッス」

「はぁ、最後の仕事がオランウータンの浮気調査かよ…」

「じゃあボク、パチスロ行ってくるよ」

「頼むッスよ、士郎のパチスロが今の生活を支えてるッス」

そうして壱系と真北は調査を開始した。

 

***

 

「っていうか街中でオランウータンなんて出ないだろ、普通」

「いやぁ、分かんないッスよ?事実は小説より奇なりとは良く言ったものッス」

「なぁ、動物園行った方が早くね?」

「そんな飼いならされた人間は浮気なんてしないッス!」

「いや、人間じゃねーし…」

「取り合えず、この辺りがよく出没するスポットさね」

「あぁ!居た!オランウータン!マジで街中歩いてる!」

「だから行ったさね」

「みんな二度見して通り過ぎて行ってるぞ!」

「こういうときは麻酔銃ッス」

「待て待て!これから浮気調査するのに眠らせてどうする!」

「それもそうッスね」

壱系は構えた麻酔銃を下ろした。

「それじゃ、着いて行くッス!」

「あ…」

「あ…」

「保健所の人に麻酔銃撃たれた…」

「あ、車に詰め込まれるッス!早く何とかするさね!」

「いやぁ、これはもう保健所に任せようぜ」

「むぅ、せっかく調査も順調だったのに…」

こうしてオランウータンの浮気調査は保健所が保護という形で終わった。

その後、オランウータンを街で見ることは無かった。

 

***

 

「壱にぃ、ただいま…」

「おう、お帰りッス、どうだったさね?」

「ゴメンね、今回は勝てなかったよ」

「浮気調査もダメ、士郎のパチスロもダメ、よし、俺出て行くぞ」

「どうぞッス」

「軽っ!だからちょっとは引き止めてよ」

「何スか、思春期みたいな事言って」

「いいのか!?俺が居なくなったらずっとコンビニ弁当だぞ!」

「それもそうッスね、じゃあ居て下さい」

「ボクもキンタマさんに居て欲しいなぁ」

こいつら、俺をクッキングマシーンだと思ってやがるな。

「いーや、出てく、そして面接に行く!」

「じゃあ面接までここに居るといいッス。どうせ行くあてもないさね」

「む、それもそうだな、それじゃ俺は履歴書買ってくる」

「ついでに今日の晩飯の材料も買って来て下さいッス」

「今日は鍋でいいか?」

「いいッスね、じゃ、今日は鍋ッス」

「やったー、お鍋美味しいよね」

あれ?

やっぱ俺クッキングマシーンじゃん…。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

前回の天丼だけど問題ないよね。

それより本当に真北は辞めるのか!?

どうなんスかねぇ、辞めたら終わりでしょ。

一応主人公だし。

まぁ、次回にその話を書こうかと。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第三話。

「いやぁ…、参ったッスねぇ…」

「壱系…、この弁当どこで買ってきた…」

「コンビニの裏で見つけたッスよ」

「どうりで壱系が食べない訳だ…」

「いえね、食べ物というのは腐る直前が一番美味いッス。だから真北さんに一番に食べてもらったさね」

「要するに実験だろ…」

俺は壱系の持ってきたコンビニ弁当を食って、食あたりしていた。

「うっ!」

ギュルギュルと腹がなる。

「うおぉおお!」

トイレに一直線に向かう。

が、トイレには士郎が入っていた。

「士郎!早く出てきてくれ!我慢できん!」

「ちょっと待って、もうすぐツーピースが読み終わるから」

「トイレで漫画なんて読むな!早く出て来い!」

「ちぇー、分かったよ」

士郎が出てきたトイレにすぐ入る。

何で俺だけがこんな目に遭わなきゃなんないんだ…。

それもこれも全部壱系のせいだ。

壱系は「いやぁ、食費が浮いたッス」とか言ってたけど壱系自身は何故か食べなかった。

その代わり、食パンを食べていた。

目の前に弁当があるのに食パンを食べてる時点で気付いてれば…。

「うっ!」

またギュルギュルと腹がなる。

最悪だ…。

 

***

 

「さぁ、今日もバリバリ働くッスよ」

「今日の以来は?」

俺の質問に壱系が答える。

「浮気調査ッス。何でも妻が浮気をしてるんじゃないかと相談があったものさね」

「そうか、俺は食あたりしてるから今回はパス」

「困ったッスねぇ…、パートナーが居ないと中々調査しづらいさね」

「元はといえば食あたりの原因はお前だからな」

「う~ん、士郎についてもらうのは難しいしいさねぇ…」

「一人でやれ、一人で」

「う~ん、この依頼は100万で受けた依頼ッスから真北さんについてもらえれば半額渡せるさねぇ…」

100万の半額!?

50万か!?

そんなにもらえるもんか、浮気調査くらいで…。

「分かった、やろう」

「流石真北さんッスねぇ」

「それで?ターゲットは?」

「この女ッス」

差し出された写真にはいかにも野性的な人物が写っていた。

「なぁ…、これってゴリラじゃね?」

「失礼なことを言うもんじゃないさね、ちょっと毛深いだけさね。毛深い女は情も深いッス」

「依頼主は?」

「この写真の隣が旦那さんッス」

「どっちがどっちだか区別つかねーよ!」

「とにかく、調査開始ッスよ」

 

***

 

そうして俺達はゴリラ(メス)の調査を始めた。

「っていうか、道行く人々があのゴリラを振り返って見ているぞ」

「きっと美人なんスよ」

「人間から見たらそうは思えないぞ」

「まぁまぁ、ちゃっちゃと終わらすッス。あっ、喫茶店に入ったッスよ!」

「よし、行くぞ!」

そうして喫茶店に入って行った。

「おい、壱系。ゴリラってコーヒー飲むのかな?」

「ゴリラだってコーヒーくらい飲むッス」

「ホントかよ…」

「あ、店内に誰か入って来たッスよ!」

ヒソヒソ声で会話する二人。

「やぁ、マリー。ご機嫌いかがかな?」

いかにもジェントルメンといった男がゴリラに話かける。

「あのゴリラに話かけてるッス、きっとあいつが浮気相手ッスよ」

「嘘付け!あんな紳士がゴリラを相手にするか!」

「あ、同じテーブルに座ったッス!」

ぎゅるぎゅる。

「はぅあっ!」

「どうしたッスか?」

「ちょっとトイレ…」

「早くするッス!」

そうして俺はトイレに入った。

10分くらい経ったところでようやく腹痛が治まった。

「ふぅ…」

俺は手を洗い、壱系の元に戻った。

が、壱系の姿が無い。

あとゴリラも居なかった。

「ちっ、移動したか…」

 

***

 

「ただいまッス」

「おう、どうだった?」

「空振りッス、これからは食パンで飢えをしのぐしかないさね」

「大体ゴリラが100万も持ってるのか?」

「ウホウホ言いながら100万をちらつかせてたッス」

その時、万屋の引き戸が開いた。

「壱にぃ、今日は100万も勝ったよ!」

「でかしたッス!これで当分は食いつなげるッス」

「浮気調査より儲かってんじゃねーか…」

こうしてゴリラの浮気調査は幕を閉じた。

 

***

 

今日のあとがき。

今回はギャグ薄めですね。

なんだか話が思いつかなくて…。

オチも弱いし。

でも今回はコレで勘弁して下さい。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第二話。

「おい、兄ちゃん!ちゃっちゃと動け!」

「は、はいぃ!」

何なんだ?

何で俺がこんな力仕事してるんだ?

これも全て壱系の仕事じゃないのか?

壱系は「それじゃ今日はここで働いてもらうさね」と言ったっきり戻ってくる気配は無い。

「ちくしょう、何なんだ」

すると、後方から声をかけられた。

「いや~、やってるさね関心関心」

「あ、壱系!?お前何急にいなくなっちゃってんの!?」

「いや、ちょっと用事があったさね」

「何だよ、用事って」

「それは秘密さね」

「それより手伝えよ」

「まぁまぁ、慌てない慌てないワタクシはまだ他に用事があるのでこれで失礼するさね」

「元々オメーの仕事だろうが!」

「おっと、ドラマの再放送が始まる時間さね、それじゃ、頑張るさね」

「おい、用事ってまさかドラマの再放送を見るだけじゃねぇだろうな」

「…それじゃ、失礼するさね」

「あ、オイコラ!」

そういい残し壱系は去っていった。

「絶対ドラマ見るだけだろ…」

 

***

 

ようやく仕事が終わり、万屋に戻った。

「いやぁ、お疲れ様ッス」

「テメー…、ぬくぬくとせんべい食いながら何してんだよ!俺は今日一生懸命働いてきたんだぞ!」

バンッと、給料袋をテーブルに突き出した。

「お、一万円、割といいバイトさね。今後もよろしく頼むッス」

「お前も働けよ!」

すると、万屋の引き戸が開いた。

「壱にぃ、ただいま、…キンタさんも居たんですね」

「おい、もうマキンタですらねーのかよ」

「お帰りッス、どうだったさね?」

「今日は三万円しか勝てなかったよ」

「上出来さね。家賃の足しにはなるさね」

「で、俺の給料は?」

「そうさね、今後の働きしだいさね」

「もうドカタはゴメンだぞ」

「万屋という商売柄仕事は選べないッス」

「じゃあ壱系が働けよ!」

「まぁまぁ、それより飯にするッス、士郎も帰ってきたことだし」

「ちっ、まぁいい飯は誰が作るんだ?」

視線が俺に集まる。

「え、料理も俺?」

 

***

 

「ほっ!」

フライパンを巧みに使い、料理する俺。

「ふっふっふ、どうだ…」

気付けば独り言を呟いていた。

事務所の奥から笑い声が聞こえてくる。

どうせ壱系と士郎がお笑い番組でも見てるんだろう。。

「………」

何やってんだ、俺!

しっかりしろ!

お前はこんな事をする為にいい大学に入ったのか!?

いいや、違う!俺はエリートコースで後々は会社の重役とかになってたはずの人間だ。

その俺が何故自慢げにチャーハンなど作っているのだろうか。

あぁ!気付けばもう皿にチャーハンを分けている。

俺は何だかダメ人間になった気がした。

「出来たッスか?」

「ほらよ、持ってけ」

「何か寂しげな顔してるさね」

「泣いてない!泣いてないもんね!」

「いや、誰も泣いてるとは言ってないさね」

「ホラ、ちゃっちゃと運べ!」

「分かったッス」

 

***

 

「わぁ、チャーハンだ!懐かしい!」

「こんなもんしか作れないけどな」

「おいしー、キンタさん料理の才能あるよ」

「確かに美味いッスね、何か隠し味でもあるッスか?ワタクシが作ってもこんな味出せないさね」

「ふっふっふ、それはだな、鶏ガラを使って…」

あぁ!またしても何故か得意げになってしまった!

「ふむ…、鶏ガラッスか…」

壱系が何か考えている。

「壱にぃは真似しちゃダメだよ」

「そうさね、ワタクシがマネしたところで真っ黒になるだけさね」

チャーハンが真っ黒になるってどうやったら真っ黒になるんだ?

そんな事を思いながら自分の作ったチャーハンを食べる。

「おかわりッス」

「はいはいっと…って何で俺がそこまでしなきゃなんねーんだよ!」

「分かったッスよ、自分でよそってくるさね」

「壱にぃ、ボクのも」

「ちっ…」

あれ?今舌打ちした?したよね?いいや、絶対した。

自分にやられるのは嫌な癖に人には平気で頼むんだな。

「大盛りッスか?」

「並盛で~」

「ちっ…」

あれ?また舌打ちした?

こいつ自分の意見が通らないと気に食わないらしいな。

しばらくすると、壱系が皿を持って部屋に入って来た。

「お待たせッス」

「壱にぃ、これ山盛りじゃん、これじゃテラチャーハンだよ」

「育ち盛りにはそれくらいが丁度いいさね」

「もう~」

「変わりにキンタマさん食べてよ」

キンタマさんって俺のことか?

さっきより一文字多いような気がするが。

そう考えてると、士郎がチャーハンを取り分けてきた。

「うわ、バカ、そんなに食えねーよ!」

こうして万屋の料理当番は俺になった。

いいのか?これで…。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき

真北が可哀想になってますね。

キンタマ呼ばわりされてるし。

それより、これは何てジャンルなんだろう?

謎ジャンル万屋コメディーか?

そんなジャンルねーよ。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『万屋壱系』第一話。

その日、男は路地裏の空き地でタバコをふかしていた。

「あぁ、だりぃ…」

そう呟くと、腰掛けていた角材からゆっくり腰を上げて伸びをした。

「あー、だりぃ…」

もう一度そう呟くと、男は路地裏を後にした。

コンビニで買った缶ビールを飲みながらだ夜の街を行くあてもなく彷徨う。

「なんでこうなっちまうのかねぇ…」

つい先程会社をクビになったばかりだった。

必死に勉強して良い大学に入った。

エリートコースまっしぐらだったはずの人生プランが台無しだ。

「はぁ~ぁ、これからどうしよう…」

男は行くあても無く彷徨っていた。

そして、ある看板が目に入った。

そこはネオンからちょっと外れた寂れた場所に立っていた。

「万屋?なんて読むんだ?」

後から分かったことだが、“よろずや”と読むらしい。

男は何事も無かったかのようにその場を去ろうとした。

すると、後ろから声が聞こえた。

「はーい、そこのお兄さん、何かお困りのようッスねぇ」

辺りをキョロキョロと見渡してようやく自分の事だと理解した。

「どう、お兄さん。この万屋でアナタのお悩み解決しちゃいますよぉ?」

振り返ると、いかにもちゃらんぽらんといった感じの男がジャージ姿で俺を呼び止めた。

「いや、結構…」

俺は丁重にお断りして、その場を去ろうとした。

「ちょっと待った、どうやらアナタは会社をクビになったご様子、何ならワタクシの店を手伝ってもらえませんさねぇ…」

ちょっと待て、何でこいつが俺の事情を知ってるんだ?

「なぜ分かった…?」

「お兄さん、背中から哀愁が漂ってるよ、その若さでその哀愁を出せるのは会社をクビになった人間くらいさね」

めちゃくちゃな理論だったが、これから収入源が無くなるし、この怪しげな男の誘いに乗るのも悪くないかもしれない。

なにしろ、もう世の中に絶望していたから。

「給料は?」

「歩合制さね、やればやるだけの収入になるさね」

「良いだろう、その話のった」

このときは、今が人生で最悪だと思っていたが、もっと最悪なケースがある事を知る。

 

***

 

「はい、それじゃ早速仕事さね」

「その前に自己紹介だろう」

「あぁ、すまんさね、ワタクシ須藤 壱系(すどう いっけい)と言うさね」

「俺は真北 透(まきた とおる)だ、よろしく」

「まぁ、自己紹介はコレくらいにして早速仕事さね」

「一体何をするんだ?」

「今回は人探しさね」

「この大都会で人探しなんて出来るのか?」

「それをやるのが万屋さね」

真北はため息を付き、作戦はあるのかと尋ねた。

「そんなもん無いさね」

「じゃあどうやって探すんだよ!」

「勘さね」

真北はため息を付きながら何か手がかりになるようなものはあるのかと尋ねた。

「そうそう、写真があったさね」

「あるなら初めっから出せ!」

「真北さん、ちょっとキレやすいさね、牛乳を飲むといいさね」

せんべいをバリバリ頬張りながら壱系は喋り続ける。

「コレが写真さね」

写真を見ると、15~6歳の少年だった。

「何でも大企業の御曹司だそうさね、けど家出しちまって今必死になって探してるらしいさ」

「名前は?」

「四葉 士郎(よつば しろう)さね」

「他に情報は無いのか?」

「無いさね、何しろ誘拐の可能性もあるから極秘に物事が進んでるさね」

「それじゃ、よろしく頼むさ」

「オメーは行かねーのかよ!」

「この時間ドラマがあるから無理さね」

すると、万屋の引き戸がガラガラと音を立てた。

「壱にぃ、やったよ、20万の勝ちだよ!」

一人の少年が、万屋に入って来た。

「おぉ、よくやったさね!」

「あれ、この方は?」

「今日から働く事になった真北さんさね」

「よろしくおねがいします、マキンタさんボクは士郎ともうします」

「誰がマキンタだよ!真北だ!ま・き・た!ンは要らんの!まったく…」

しかし、この少年どこかで見たことあるような…。

手に握り締めていた写真を見る。

少年を見る。

「はぁぁぁ!!」

「ど、どうしたんですか!マキンタさん!」

「壱系!こいつ、こいつ御曹司!」

「はぁ?そんな訳ないさね、この子は道を彷徨ってるときに回収したビンボー少年さね」

「だって、写真にホラ!そっくりでしょ!」

「世の中には似た人間が三人はいるさね」

「名前まで一緒じゃねぇか!早く連れてけよ!」

「なぁ、士郎、お前御曹司さ?」

すると少年はニッコリと微笑み、「いいえ」と答えた。

「ホラな」

「だって、写真とそっくりだもん!絶対御曹司だってば!」

「本人が違うと言ってるさね、それに士郎はパチスロが超得意さね。そんな人間が御曹司な訳ないさね」

「絶対嘘だァ!」

「嘘じゃないですよ、マキンタさん。これからよろしくお願いします」

とにかくこうして、俺は万屋で働く事になった。

住んでいたマンションを解約して、万屋で住み込みの仕事を始めた。

これが、俺と壱系の出会いである。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

はい、今回はギャグ要素強めで行きたいと思います。

一応言っておきますが、銀○のパクリじゃないですよ。

念のため、もう一回言うけど、○魂のパクリじゃないですよ。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『缶蹴り』第三話。

「よし、まずは亮介から探すか」

そして、サトルはずんずんと缶から離れていく。

反対側に隠れていたボクはこれはチャンスでは?

と、思った。

でもなぁ…。

捕まえたらさっきのフトシみたくサトルまであんな姿になるのかなぁ…。

でも先に裏切ったのはサトルだ。

ここは遠慮なく。

ガサガサ!

ダダダっと缶目掛けて走っていく。

「やべっ!」

慌ててサトルが戻ってくるが、少し遅かった。

カーンと蹴り上げられた缶はサトルの目の前に落ちた。

「そ、そんな…」

すると、公園に備え付けられているスピーカーからブザー音が流れた。

「うわっ、うるせー!」

「サトルさん、缶を蹴られた事により、失格と致します」

淡々とした口調のアナウンスだった。

「失格者にはまことに残念ですが、処刑を実行いたします」

「な、なんだよ、俺を殺す気かよ…?」

ぶっ。

そんな音がした。

首と胴体が離れていく。

サトルの頭は転がり、胴体から血しぶきがあがっていた。

「う、うわぁぁああ!」

すると、老人が現れ、話しかけてきた。

「おめでとうございます、次はアナタが鬼の番です、準備はいいですか?」

老人はサトルが目の前で殺されたのに、淡々とした口調で言う。

「う、うわぁあぁあ!」

ボクはこの場から逃げようと思った。

「逃げても失格ですよ」

ピタと走り去るのを辞めた。

しぶしぶ缶を拾いながら缶の上に足を乗っけてケンジを捜すことにした。

ぐるりと辺りを見渡すと、遊技場のタコの滑り台が目に入った。

そういやケンジは昔っからいつもあそこに隠れてたっけ。

そう思いつつタコの滑り台に近づく。

すると、急に黒い影が動き出した。

ケンジだ!

ボクとケンジは缶に走りよりながら会話をした。

「どうにかこのゲームを終わらせる方法は無いのか!?」

ケンジは冷静に話す。

そうだ、どうにかしてボク達だけでも助かった方が良いに決まってる。

少し走る速度を落としながら不自然にならないように会話をした。

「キーはあの老人だと思うんだが…」

ケンジが言う。

「でも、サトルを殺したとき何もしてなかったよ!?」

「果たして本当にそうだろうか?」

とういう事だろう?

「ボクはね、あの老人が誰かに合図を送ってると思うんだ」

「それならあの老人を人質に取れば…」

「そう、ボク等は死なずにすむ」

「よ、よし、それじゃあの老人をとッ捕まえよう」

「これを持て…」

「ナイフ…?」

「万が一抵抗された場合、それを使え」

「でも、ケンジの分は?」

そうしてケンジは心配するなと言い、老人へ向かって行った。

しかし、それはケンジの作戦だった。

ケンジは走る軌道を缶に変えて、缶に向かって走って行った。

「しまった!」

ボクは慌てて追うが、体一つ分くらい差がついていた。

だが、ボクは慌てない。

ケンジの運動神経がいいのは昔の事。

今は勉強ばかりで、ろくに体を動かしてなかったのだろう。

ボクはすぐ追いついた。

「くっ!約束が違うぞ!」

「騙される方が悪い」

そのままボクはケンジを追い抜き、缶までたどり着いた。

「ケンジ見っけ!」

シンと辺りが静まり返る。

「ナイフをよこせ」

ボクに預けてあったナイフを持って、老人目掛けて走り出すケンジ。

「生き残ったのは亮介様です。よってケンジ様は…」

「黙れよ、ジジイ…」

ケンジは初老の男性にナイフを突き立てた。

「処刑されます」

「なっ!?」

ケンジは相手がダメージを受けてないのを確認した。

「くそっ、くそっ!」

ザクザクと老人にナイフを突き立てるが、老人は涼しい顔をしていた。

「何で死なねーんだよ!」

ぶっ。

目の前がスプラッター映画を見ているかのようだった。

「あは…、あはははは…」

「優勝されました亮介さまには第二ステージ出場権があります」

ボクはナイフを拾って、自分の首につき立てた。

「あは…、は…」

そうしてボクは自ら命を絶った。

意識が遠のく前に老人を見ると、やはりニッコリと微笑んでいた。

 

***

 

ブーン、ブーン。

ケータイの音が鳴り響く。

ボクは目を覚ました。

なんだ、夢か。

こんな朝早くから誰だ?

“着信 サトル”

「もしもし」

「亮介か!あのメール見たか!?」

「あのメール?」

「見てないなら早く見ろ、俺達の名前が載ってる!」

そして、電話を切り、メールボックスを開く。

「再試合について」

「この度は、試合中の事故死により再試合を行います…」

再試合…、やっぱり夢じゃなかった…。

こうして、ボクは再び缶蹴りをしなくてはいけなくなった。

ボクが勝ち続けなければならない。

そうしないと、三人が死んでしまう。

永遠にこの日が続いても、ボクが勝たなければ、三人もの人間が死ぬことになる。

そうならない為に、ボクが阻止しなければ。

そうして、ボクは決意をして、家を出た。

 

『缶蹴り』 

 

***

 

今日のあとがき。

うわー、ダメだ、何か納得行かない。

けど一応完結です。

ホラーって言うよりB級スプラッタですよ。

まぁ、これはこれでいいか。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『缶蹴り』第二話。

ボクはケータイの振動で目が覚めた。

時刻はまだ夜中の三時だった。

こんな時間に誰だろうと思いつつ、ケータイを開いた。

“メール1件”

知らないアドレスだな、と思いつつメールを開いた。

『おめでとうございます、あなたは選ばれた人間です…』

この時点でただのチェーンメールだと思い、ケータイを閉じた。

まったく、何で今どきチェーンメールなんて送ってよこすんだろう。

そもそも知らないアドレスだったし。

買い換えた誰かがイタズラしてるんだろう。

このときはそう考えていた。

が、このメールでボクは缶蹴りをする事になる。

ただの缶蹴りじゃない。

生きるか死ぬかの缶蹴りだ。

 

***

 

次の日、ボクはケータイの振動で再び目をさました。

今度はメールではなく、電話らしい。

ケータイを取り、ベッドの中でまどろみながらボタンを押した。

「もしもし~?」

『亮介か!メール見たか?」

サトルだった。

「は?メール?」

この時点でメールと言えば昨日のおかしなチェーンメールくらいだった。

『バカ!それチェーンメールじゃねぇよ!よく見ろ、俺達の名前が書いてある!』

「え、マジ?ちょっと一回切るね」

そうして、メールボックスを開き、昨日のメールを再び開いた。

『おめでとうございます、あなたは選ばれた人間です、メンバーは、“サトル”“リョウスケ”“フトシ”“ケンジ”この四名が選ばれました。あなた方には「缶蹴り」をして頂きます。場所は光が丘公園にて行います。時刻は本日16時に開始いたします。万が一来なかった場合はその時点で“処刑”が行われます。それでは、お待ちしております』

ボクはサトルに電話をした。

「何か妙だよな。チェーンメールにしては手が込んでるっていうか、俺達のこと知ってるみたいじゃん」

「とにかく行ってみなくちゃ分かんないよね」

「俺はフトシとケンジに連絡してみる」

分かったと返事をし、ケータイを切る。

今日の16時にあの時と同じ場所で缶蹴り?

そもそも処刑だなんて物騒な言い方は気に入らない。

どうせ、牢獄に入れられるだけなのに。

そう考えながら、学校へ向かった。

 

***

 

学校が終わると、四時十分前だった。

自転車で飛ばせば間に合う時間だった。

「一応行っとくか」

普段とは違う道から公園へ向かった。

すると、公園にはもう二人が来ていた。

懐かしい面子だ。

「よう、久しぶり」

「変わんねーな、お前は」

「サトルが変わりすぎなんだよ」

そう、サトルは不良になっていた。

「ケンジも久しぶり」

「うん、久しぶりだね」

あとは…。

フトシは居なかった。

「あ、おい、もうすぐ四時になるぞ」

その時、フトシが公園の入り口前まで来て、引き返そうとしていた。

「おーい!フトシー!」

呼び止めるが、そのまま後ろを向いたままだった。

「四時だ」

サトルが公園内の古びた塗装の剥げた時計を見て言った。

「フトシー!」

ボクはフトシに近づいて、妙な違和感を感じた。

確かにフトシは立っているが、気配が無い。

「おい、フト…」

言いかけると、フトシの体が傾き、首と胴体が切断された。

「う、うわあぁぁあ!」

「どうしたリョウスケ!って、何だこりゃあ!」

「フ、フトシが…」

これはもしかしてメールに書いてあった“処刑”なのだろうか。

だとしたら、この缶蹴りはただのゲームじゃない。

何となくそんな気がした。

「とにかく警察呼ぼうぜ!」

サトルがケータイを取り出すと、圏外だった。

ボクのケータイも圏外。

ケンジのも同じだった。

「ちくしょう!何なんだよ!」

すると、こじんまりとしたステージがある場所から声が聞こえた。

ボク達は急いでそこへ向かった。

そこには、初老の男性がスーツ姿で立っていた。

男性は、深いしわを刻んだ顔でにっこり微笑んだ。

「どうやら、既に一人脱落したようじゃの」

「テメーがフトシを殺したのかよ!」

「ふむ、そうなるのかな?正確にはワシじゃないが…」

「テメー…」

「サトル、落ち着け」

「落ち着いてられっかよ!」

「では、あなた方三人にはゲームに参加して頂きます。ルールは簡単。缶蹴りをすればいいだけの事です。ただ一つ違うのが、缶を蹴ったら、鬼になって頂きます。捕まった鬼は“処刑”されます」

処刑とはさっきのフトシみたいに殺されるのだろうか?

そんな事を考えていた。

「そうそう、いい忘れていましたが、制限時間は一時間とします。一時間たっても全員捕まらなかったら、全員“処刑”されます。五時になったら開始しましょう。鬼はそちらで決めてください」

そう言われても…。

ボク達は誰が鬼になるか相談した。

「要するに結局最後に残った人間しか生き残れないんだろ?なら俺が鬼をやる」

ボクとケンジは顔を見合わせた。

「なんだよ、文句あんのか?」

「いや、無いけど…」

「俺は殺されるのなんてまっぴらだ、さっさとこのくだらねーゲームを終わらせる」

その発言は、暗にボク達を敵視している言葉だった。

ボクは友達を売りたく無かったが、サトルがその気なら仕方が無い。

そうして、一時間が経った。

「それでは、「缶蹴り」を始めます。鬼の方はこちらへ」

初老の男性が鬼を陣地に招き入れる。

缶を足元にセットし、いつでも始められる状態になった。

それでは、缶を蹴る方はこちらへ。

ボクとケンジは顔を見合わせた。

「じゃあボクが…」

ボクがその役を買って出た。

カーンと缶を蹴り上げ、ボク等は逃げた。

出来るだけ遠くへ逃げて、鬼が疲労し始めたら缶を蹴りに行こう。

ボクとケンジは走ってこの広い公園に身を隠した。

ボクは植木の陰に。

ケンジはタコの滑り台に隠れていた。

「さぁ~て、どっちから片付けるかな…」

こうして地獄の缶蹴りが始まった。

 

***

 

今日のあとがき。

はい、『缶蹴り』第2話です。

どうですかね?

あんまりホラーっぽくないかな。

まぁ、いいや、登場人物が少ないのは、あんまり大勢だと、ややこしくなるから。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『缶蹴り』第一話。

オラー!という声と同時に缶を蹴り上げる。

高く舞い上がった缶は空中で何回転かして地面に落ちた。

ボクはそれを拾い、元の場所に戻す。

そして、百数えた。

さて、最初は誰から片付けようか。

そんな事を考えながら、ぐるりと辺りを見渡す。

そしてため息をつく。

この公園は缶蹴りをするにはちょっと広すぎた。

隠れ遅れたフトシが必死にこっちへ向かってくる。

「フトシみっけ」

ボクは缶の上に足をのせ、フトシを捕まえた。

「な、なんだよ、数数えるの早すぎだぞ」

フトシは文句をたらたら言いながら、捕まったものが入るスペースに入った。

ボク等はこのスペースを“牢獄”と呼んでいた。

フトシは名前の通り、太っていた。

そのおかげでいつも最初に捕まるのはフトシだった。。

だから見つけるのもたやすい。

「さて、次は…」

後ろの芝生ががさがさと揺れた。

ボクは慌てて缶の場所へ戻った。

出てきたのは、サトルだった。

「サトル見っけ!」

そう言うと、サトルがしまったという顔をした。

サトルはさっき缶を蹴り上げた人物だ。

サトルはサルみたいに身のこなしが軽やかだが、その自信が缶蹴りに対して逆に裏目に出ていた。

そして、サトルも牢獄行き。

「さて、次は…」

後は慎重派のケンジだけだ。

ケンジさえ見つかれば、今度はボクが逃げる番だ。

あっちこっちを探してタコの形をした滑り台の中にケンジを見つけた。

ケンジは頭もいいし、運動神経も良かった。

ボクが缶の場所に走りだしたと同時に、ケンジもボクに並んだ。

どっちが速いか、牢獄の連中もボク等のデッドヒートを見守っていた。

そして勝ったのは。

幸いな事にボクだった。

そして、牢獄から二人が出てきた。

「よし、んじゃ次フトシが鬼な」

「う、うん」

それよりも、もう時間も遅いから帰ろうとボクは提案した。

全員が顔を見合わせて、時計を見る。

「うわっ、やっべ、もうこんな時間かよ、母ちゃんに殺される!」

サトルがそう言うと、みんなも帰るべきだと判断して、その日の遊びは終わりを告げた。

 

***

 

ボク、長谷川亮介(はせがわ りょうすけ)は、高校二年生、窓の外の公園を見ながら、昔の思い出を思い出していた。

向かいの公園では缶蹴りをやっていた。

缶蹴りか、懐かしいなと思いつつ、つい見入っていた。

すると、先生が「おい、真面目に聞いてるのか?」と、ボクに対して言う。

「あ、はい、すいません」

「頼むぞ、一年何かあっという間だ。今のうちから受験に向けて…」

そして、先生のお説教は延々と続き、説教で授業を終えたようなものだった。

昔の仲間達は今どうしているだろう。

フトシは中学を出たら、実家の印刷工場を継いだ。

サトルは偏差値の低い高校へ行った。

逆にケンジは偏差値の高い高校へ進学した。

子供時代はしょっちゅう遊んでた仲間達だが、中学校へ上がると、それぞれ新しい友達もでき、付き合いはほとんど無くなっていた。

あの頃が懐かしいな。

そう思っていた。

そして、ある日、ボクは、この三人と再会する事となる。

そう、「缶蹴り」をする為に、集められる。

 

***

 

今日のあとがき。

缶蹴りを題材とした、ホラーにしようかと。

ただ、行き当たりばったりで書いてるので、途中で変わるかも知れません。

そもそも何故缶蹴りなのか。

鬼ごっこが既に使われているからです。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『魔法のクスリ』第三話。

亮介は毎日のようにドラッグをキメていた。

そのせいか、ドラッグの効き目が落ちてきた。

倍、その倍とどんどん増えて行った。

おかげで、クスリが切れ掛かってきた。

またあの男の会ってクスリを貰わなくては。

そうして、また夜の町を徘徊するようになった。

ローブの男、ローブの男…。

すると、後ろから少年が服を引っ張ってきた。

「あん?」

その少年は黒いローブにフードを被ったあの男みたいな格好をしていた。

すると、少年が話し始めた。

「お久しぶりですね、もうクスリが切れたのですか?」

「おまっ!まさかあの男か!?」

すると、少年がフード越しニヤリと笑った。

「まさか、寿命を貰うってこういう事だったのか!?」

「えぇ、ワタクシはこうしてクスリと寿命を取引して生きながらえています」

「少年の姿って事は客は俺一人じゃないようだな…」

「えぇ、現在アナタを含め二名のお客様から寿命を分けて頂いております」

「へぇ、随分儲かってるようだな」

「おかげさまで…。さて、今日の取引はいかがなさいますか?」

「俺の寿命を更に半分にしてくれ」

「いいでしょう、分かりました」

少年は最初会った時の様に胸に手を当て寿命を持って行った。

「それでは、これがアナタの代償です」

前回の半分か…。

まぁ、仕方ねぇよな。

「それではまたのご利用お待ちしております」

そうして、亮介はクスリを手に入れた。

しかしクスリが切れるとまた買いに走った。

どんどん短くなる寿命。

どんどん減っていくドラッグの量。

俺はもう廃人のようになっていた。

「ク、スリ…」

そしてそのまま亮介は死んでしまった。

寿命を迎えたのだ。

 

***

 

恵は困っていた。

クスリが欲しくて、この間寿命の半分を渡してしまったからだ。

でも手に入れたクスリは1シート。

これが意味するものとは。

死。

私もうすぐ死ぬんだ…。

それも悪くないと思った。

このままイジメに耐えることを考えればいっそ死んだ方がマシだと思った。

「せめてこのワンシートだけでも大切に使わなきゃ…」

そして恵はクスリに手を伸ばす。

あれ…、意識が…。

もうろうとした意識の中で自分の死を悟った。

あぁ、私もう死ぬんだ、お母さん、お父さん。ごめんね。

そうして恵は意識を失った。

こうして、二人の死によって、この物語は終わる。

いや、黒いローブの男がまだ居る。

いつどこで出没するか、誰をターゲットにするか、それはローブの男しか知らない。

次はアナタのそばにローブの男が現れるかもしれません。

その時はクスリの使用は絶対しないで下さい。

 

『魔法のクスリ』 

 

***

 

今日のあとがき。

あれ?

何かホラーっぽくなった。

最初はダークサイド青春とか言ってたけど、青春してねーじゃん。

まぁ、いいか。

それよりこれどうだろ?

何か構成がめちゃくちゃな気がするけど、それもまぁいいか。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『魔法のクスリ』第二話。

私、田中恵(たなかめぐみ)は人生に絶望していた。

一点の光りさえ見えないほどの絶望だ。

そう、彼女は学校でいじめを受けていた。

「…また靴がない」

仕方なく職員室でスリッパを借りて二階の教室に上がる最中に上から水をかけられた。

頭からずぶ濡れになった恵は何事も無かったかのように二階にある教室へ向かう。

「うわ、来たよ。バイキンが」

「何あれ?ずぶ濡れじゃん。今日雨降ってたっけ?」

そんな会話が聞こえる。

あぁ、何で自分だけがこんな目に会わなきゃなんないんだろう?

そう思った。

自分の席に座ろうとしたが、異変を感じた。

「花…?」

そこには花瓶に花が飾ってあった。

花瓶を片付けながら、私はどうしていじめられなきゃならないんだろうと考えていた。

そして、出席を取るときも、私の名前だけ呼ばれなかった。

頼りの先生すらいじめに加わっていた。

帰り道ぎわに女子のリーダー的存在が、私にこう言った。

「アンタさぁ、何で学校来るわけ?」

「なんでって…」

ちゃんと卒業してちゃんとした仕事につく為だ。

「アンタのそういう態度超ムカつくんだけど」

「ご、ごめんなさい」

「ふんっ、明日から来なくていいよ。目障りだから」

どうしてこの女が私に指示してくるのだろうと思った。

「話は終わり、さっさと帰んな」

そうして私の一日は最悪に終わった。

 

***

 

帰り道を歩いていると、後ろから誰か付けて来る。

恐る恐る振り返ると、黒いローブにフードを被った人が歩いてきた。

変質者かも…。

そう思って走って逃げると、目前の十字路から男が現れた。

「えっ!?さっきの!」

バッと後ろを振り返ると、そこにローブの男は居なかった。

「アナタは今絶望のど真ん中にいるご様子…」

「だ、だったら何よ!」

「このクスリを使うといい、この世が楽園に変わる」

無理やりに押し付けられたクスリのシート。

そして、それを渡した人物は、「それではまた」と言い残し、去って行った。

「…何なの?一体」

 

***

 

家に帰ると、誰も居ない。

母親はパートで留守だし、父親も仕事だ。

一人っ子の私は昔から家に一人で居る事が多かった。

そして、自室に戻り、変質者から貰った怪しげなクスリを眺めていた。

「この世が楽園に変わる…か」

ちょっと興味を惹かれた。

「試しに一錠飲んでみようかな…」

どうせ私がこのクスリで死んだって誰も悲しまないだろう。

そう思いつつ、思い切って一錠飲んでみた。

「…なに?これ…」

ふわふわと宇宙遊泳しているかのような多副感に襲われた。

あぁ、気持ちいい。

なんて気持ちいいんだろう。

いじめの事なんてどうでも良くなってきた。

クスリが切れると、また飲む。

その繰り返しであっという間にクスリが無くなってしまった。

クスリが欲しいクスリが欲しいクスリが欲しい。

彼女は完全にクスリに魅了されていた。

「取り合えず学校行かなきゃ、そうすればまた会えるかも…」

そうして恵は学校へ出かけた。

 

***

 

すると、今度は机が無くなっていた。

だがそんな事はどうでもいい。

クスリが貰えれば、学校に来る必要もない。

さっさと早退し、家路に着く。

すると、またローブの男が現れた。

待ってましたと言わんばかりに、ローブの男に近づいた。

「待ってました、それでは取引と致しましょう」

「取引…、私あんまりお金持ってなくて」

「いいえ、ワタクシが頂くのはあなたの魂です」

「魂?」

「言い換えると寿命です」

どうせこのまま生きてたって面白い事なんて無い。

それならば多少寿命が縮まることなんてどうでもよかった。

「あの、お願いします」

「どれくらいの寿命をご希望されますか?」

「う~ん、取り合えず一年くらい…かな?」

「分かりました、それでは取引成立ですね」

すると、ローブの男が私の胸を触ってきた。

「きゃぁ!ちょっと!何すんのよ!」

「こうしなければ魂が頂けませんので…」

「そ、そう…」

言われるがままに胸に手を当てられ、しばらく目をつむっていた。

「はい、取引完了です、それではアナタの一年分の寿命です」

「シートを受け取り、私は逃げ帰るように家に戻った。

「…魂?…寿命?意味分かんない」

それよりクスリだと思って、クスリに手を伸ばす。

そうしてまた多副感におちいる。

こうして恵はクスリに没頭するようになった。

 

***

 

今日のあとがき。

一体ローブの男は何者なのか!?

ネガティブに生きる少年少女に向けて、この小説を。

クスリはダメだよ、ワタクシみたくなるから。

最後はハッピーエンドで終わるのか。

今の段階ではまだ考えてません。

なすがままです。

さて、次回は真田君の話に戻ります。

大量に交換した寿命とクスリ。

それをどう使うのか。

それは真田君次第です。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『魔法のクスリ』第一話。

俺、真田亮介(さなだりょうすけ)は今、不幸のどん底にいる。

父親と母親、二人とも交通事故で死んでしまった。

今日はそのお通夜の真っ最中だった。

俺はこれから一人で生きていかなければならない。

高校の中退届けを出さなきゃなぁ…。

そんな事を薄らぼんやり考えてると、自然に涙が零れ落ちてきた。

あれ?何だ?何で泣く?俺は両親を嫌ってたはず。

父親は仕事熱心というか仕事バカで、昔から家庭をないがしろにしてた。

母親も俺の顔を見るたび、勉強しろの一点張り。

もううんざりしてたはずなのに、居なくなると妙に寂しい気持ちになった。

お通夜も無事終わり、帰宅してる最中に妙な男に出会った。

こいつが後に俺の悩みの元凶となる。

 

***

 

俺が歩いていると、後ろから足音が聞こえた。

ちらっと後ろを見ると、黒いローブを着てフードを被った人が後ろを歩いていた。

男か女かも分からない。

立ち止まっていた俺は、あっという間にその人に追いつかれた。

すると、俺の後ろから声が聞こえた。

「もし…」

何だろうと思って俺は振り返った。

声からして男だという事が分かった。

「アナタは今、不幸の真っ最中とお見受けした」

「あぁ、だからなんだよ」

「そんなアナタに魔法のクスリを差し上げようと思ってね」

「あいにくドラッグをキメる趣味は無いんでね」

「まぁ、そう言わず、ほら」

無理やりドラッグを手渡された。

「それでは、またどこかでお会いしましょう…」

そう言うと、男は去って行った。

 

***

 

「魔法のクスリねぇ…」

シートに綺麗に並べられたクスリを見ながら呟く。

「まぁ、いいや一応貰っとこう、高く売れるかもしれないしな」

そうして俺は家に帰った。

帰ってからというもの、ドラッグが気になって仕方が無い。

「ちょっとやってみようかな…」

しかし、これは飲むものなのかどうなのかも分からなかった。

そして俺はネットで危ないクスリの使用方法を探った。

「ふぅん、スニフねぇ。鼻から吸引と…」

そんな事をしなくてはいけないのかと思いつつ、俺は無意識に貰ったクスリを潰していた。

そして、ストローを切って吸引した。

すると、じわじわと世界がひっくり返るようにクスリが効いて来た。

「あぁ…、これがドラッグかぁ…。気持ちいいなぁ…」

こうして、俺はいつの間にかこのドラッグの虜になっていた。

しかし、クスリが切れた。

またあの男からクスリを買わなければ。

俺はお通夜の日の通路をふらふらと歩きながら、あの男を捜した。

するとまた後ろから足音が聞こえてきた。

俺は振り返り、待ってましたと言わんばかりに振り向いた。

案の定ローブの男だった。

「どうやらクスリが切れたご様子、さて、ここで商売を始めよう」

「金か?金なら保険金があるから問題ない」

「いいえ、ワタクシが貰うのはアナタの魂です」

「魂?」

俺は聞き返した。

「言い換えると寿命です。三日分なら三日分。一週間なら一週間の寿命を頂きます」

俺には意味が分からなかった。

だが、俺はこの世に絶望していたからそれも悪くないと思った。

「いいだろう。俺の寿命の半分を持ってけ」

「そうですか。それでは…」

男は俺の胸に手を当てた。

すると、その手が光り始めた。

しわしわだった手がみるみる若返っていった。

しばらく男に触れられてようやく手を離した。

「アナタは随分長生きする予定だった。ホラ、寿命半分の代償だよ」

ごっそりクスリを渡される。

「いいですか。このクスリはアナタにしか効かない、特別なものです。誰かに分ける事は出来ません。なぜならそれはアナタの寿命だからです」

「分かってるよ、誰にもやらない」

「そうですか、それではクスリが切れたらまたここへ来て下さい。待ってますよ…」

そういうと、男は去って行った。

俺は大量のドラッグを抱え、家に帰った。

 

***

 

「寿命の半分…か」

一体いくつあるのだろうか、このドラッグは。

そうして俺はまたドラッグをキメた。

最高の気分だった。

クスリが切れると、すぐにまたキメたくなる。

「へぇ、ドラッグって本当に中毒性があるんだな」

こうして、俺はどんどんドラッグに魅了されるようになった。

 

***

 

今日のあとがき。

これはどうなんだろう?

ジャンル分けが難しいぞ。

青春かな。

若さゆえにドラッグに走るダークサイド青春まっしぐら。

ドラッグを扱った小説は『ブラックキャット&ストレイドッグ』でもやってるけど、今回はちょっと違うね。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ホストなんて大っ嫌い!』第四ボトル目。

「はぁ…」

「どうだった?コミフェス」

仕事の合間に師匠が俺に聞いて来る。

「聞いて下さいよ、なんと100枚も売り上げたんですよ!」

「凄いじゃないか!それで、何でため息なんてついてるの?」

「何か一仕事終えたーって感じですね」

「一枚いくら?」

「1000円です」

「それじゃ売り上げ10万!?凄いねぇ」

「そこで師匠にも33333円をお渡しします」

「あはは、ボクの分はいいよ、渡辺君と半分こしなよ」

「いえ、でも…」

「いいからいいから、さ、仕事するよ」

すると、入り口からお客さんが入って来た。

急いで、持ち場に戻り、接客する。

が、お客とはなんとあのリリコタンだった。

「いらっしゃいませ、お久しぶりですね、理利子さん」

「マリに付き合わされて来ただけですよ」

にっこり笑ってこう言う。

「それと…」

「それと?」

「ホストが軽くないって証拠見せてもらいたくて」

「それでは指名はありますか?」

「そうね…、アナタでいいわ」

「かしこまりました」

そうしてテーブルに着く二人。

マリさんは指名なしではしゃいでいた。

「私、ホストとかホント嫌いなんですよ、女に貢がせてもらって生活してるような人…」

「そうですか、でもみんながみんなそうとは限りませんよ?」

「え…?」

「ほら、あそこの先輩だってチャラチャラしてるようで、売り上げのほとんどを養護施設に寄付してるんですよ?」

「そ、そう…」

「ボクだって給料安いですから。指名もなかなか貰らえないし」

「………」

彼女は押し黙ってしまった。

「アナタはホストに偏見を持ちすぎですよ、そりゃ中には自分の為に働いてる人も居ますが」

「でも…」

「でも?」

「やっぱりホストって信用できない…」

「今はそれでいいんですよ、考え方は人それぞれですから」

すると彼女の表情が緩んだ。

「そうよね、何も悪い人じゃなさそうですもんね、あなたは」

「悪い人なんてごく一部だよ」

「そうね、私も考えを改めなくちゃ」

こうして俺はリリコタンの心を開かせた。

それからというもの、月に一回は顔を出すようになった。

もちろん指名は俺な訳で、リリコタンと二人で楽しく過ごした。

が、ある日リリコタンがこう呟いた。

「私、就職したの、派遣会社でね、地方に飛ばされちゃうんだ」

正直俺はショックだった。

今までの楽しいひと時が失われるという事だ。

「そんな…、もう決めちゃったの?」

するとリリコタンが頷いた。

「そう…か」

それから数日後。

俺は引っ越して行くというリリコタンの見送りに来た。

「ありがとう、こんな時間に来てくれて」

「嬉しい?」

「ウン」

「それじゃ、もう行くね」

「ウン」

心の中では行かないで欲しいと願ったが、無理な話だった。

「何時か…」

「何時か?」

「何時か戻ってきたらまたアクアタイムに行くね。ありがとう」

そっと口付けをされた。

「それじゃあね」

そうしてリリコタンを乗せた車は走り去って言った。

「ありがとう…か」

こうして、俺の恋は終わった。

「さってと、今日も仕事頑張るか!」

俺は寒空の下、駆け足でその場を去った。

いつまでも見送ってあげたかったが、俺の心が壊れそうになるので、思いっきり走った。

溢れる涙をぬぐいながら走った。

「これからもオタクホストとして頑張るぞー!」

俺は叫んでいた。

「うるさいよ!」

近所の住民に怒られた。

俺はこれからもホストとして頑張っていこう。

そう心に誓った。

 

***

 

「渡辺…、単位落ちた…」

「自業自得だな」

 

『ホストなんて大っ嫌い』 

 

***

 

今日のあとがき

はい、完結です。

寝ないで書いたからちょっと荒いかも。

もう寝ます。

おやすみなさい。

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『ホストなんて大っ嫌い!』第三ボトル目。

同人エロゲー製作は順調に進んでいたが、ホストと両立が難しくなった。

「どうしたの、楓君?」

師匠が心配そうに聞く。

「いえ、なんでもありま…」

そういうと俺は倒れてしまった。

「急いで救急車呼べ!」

そうして、俺は病院に搬入された。

目覚めると、朝だった。

「あれ?俺昨日確かアクアタイムで…」

そうだ、倒れたんだった。

病室のベッドを抜け出して、帰ろうとした矢先、師匠がお見舞いに来た。

「あ、師匠…、すみません」

「謝る事無いよ、しょっちゅうあることだから」

「やっぱり俺、ホストに向いてないっすよ…」

「そんな事ないよ、キミを指名してくれるお客さんだって増えたじゃない」

「俺、しばらく休み貰いたいんですけど」

「う~ん、オーナーに聞いてみるね」

師匠はケータイを取り出すと、アクアタイムに電話した。

「…え?困る?でも彼がこんな状態じゃまともな接待は出来ませんよ?」

どうやら俺が抜けると困るらしい。

「いいっすよ、無理なら。俺なら、ホラへッチャラ…」

眩暈がした。

倒れそうになった俺を師匠が抱きかかえる。

「今だって倒れかけたんですよ!休みあげて下さい」

「…はい、わかりました。それでいいです」

電話を切ると、師匠が笑顔でこう言った。

「一週間休んで良いってさ」

「…よかった」

これで、同人エロゲーに専念出来る。

 

***

 

「よう、渡辺」

「おぉ、久しぶりだな大学で会うの」

「ちょっと休み貰ってね」

「そうか、プログラムは順調に進んでるぞ」

「んじゃ、今日は渡辺の家に行って進行状況を確認するか」

そうして、大学を後にした俺達は渡辺の家へ向かった。

「おぉ、これが俺たちのエロゲーの基盤となるんだな」

プログラムはほぼ既製品と変わらない出来だった。

「あとはこれにCGをはめ込むだけだな」

マウスをクリックしながら言う。

テキストの非表示、セーブ&ロード、オート機能、ボイスまで入ってる。

「そんじゃ、後は師匠のCGだけだな」

「あれから2ヶ月は経ってるからもう出来てるんじゃないか?」

「そんじゃ、今日ちょっと連絡してみるわ」

「頼んだぞ」

 

***

 

翌朝、俺は師匠に電話した。

「もしもし、俺です、楓です」

「楓君?どうしたの?」

「あの、グラフィックの件なんですが」

「あぁ、それなら完成したよ、データあるから持ってくね」

「いや、俺が行きますよ」

「遠慮しないで安静にしてなって」

「そうですか、それじゃ、待ってます」

そうして一時間後。

日本に三台しかないフェラーリが家の前まできた。

「はい、CG。後は頼んだよ?」

「任せて下さい!」

「あ、あとボク達の男キャラボイス撮ろうよ」

「大丈夫かなぁ…」

「大丈夫、大体同人ゲームでボイスが入ってる方が凄いよ」

「それじゃ…、撮りますか」

「よし、それじゃ車乗って」

「えぇ!今からですか?」

「そうだよ?そうしなきゃコミフェスに間に合わないからね」

そうしてまたずるずると師匠に引っ張られて行った。

「渡辺君の家どこ?」

「あ、ここ曲がったところにあるアパートです」

そして渡辺も連行される。

「それじゃ、ボクが前もって予約しておいたスタジオで撮るよ」

「師匠そんな事までやってたんですか」

「うん、いつ完成してもいいようにね」

そして、現場に着いた。

男キャラが三人とぴったりだったので、都合がいい。

そして、ボイスを撮り終えたのが夜7時だった。

「はぁ、もう声が出ない…」

ガラガラ声で言う。

「渡辺君上手いね、将来声優とかがいいんじゃない?」

「そ、そうっすか?」

「よし、渡辺!後はこれとCGをはめ込むぞ、今日は徹夜だ!」

「おぉ、コミフェスまであと三日だしな」

こうして野郎共の声は入った。

コミフェスまであと三日。

それまでに完成させなければ。

 

***

 

三日後。

遂にコミフェス当日。

当日ギリギリまでデータを焼き増ししていた。

計100枚くらい焼いただろうか。

これをパッケージに入れ、遂に完成したエロゲーをエラーが無いか最終チェックで起動させてみる。

「うむ、完璧だ」

「それじゃ、そろそろ夜が明けるからこれを搬入するぞ」

電車に揺られながら同人エロゲーを抱えた俺達はコミフェス会場へ向かった。

「え~っと、俺達の場所は…、あぁ、あそこだ」

丁度真ん中辺りだった。

「よし、並べるぞ」

「おう、ポップも作ってきた」

「流石渡辺、あの忙しい中でそんなものまで作ってきたのか」

「まぁ、ちょっとしたものだけどな」

「うむ、やはりこれは目立つ」

「しかし、無名サークルで売れるかねぇ?」

サークル名は「げんしかい」

「なに、売れるさ、心配すんな」

“ただいまより、コミックフェスティバルを開始いたします”

アナウンスが流れてきた。

「よし、これを全部売りさばくぞ」

「一応ノートパソコン持って来たぞ」

「何故だ?」

「だって中身が分からないものを買うと思うか?これでゲーム画面を映すんだよ」

「おぉぉ、流石渡辺!機転が利くな」

「まぁ、な、それより今日ホストは?」

「休みだ」

「そうか、なら頑張って売りさばくぞ!」

「おぉ!」

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

遂にコミフェス当日。

果たしてげんしかいのエロゲーは売れるのか?

次回で最終回です。

多分…。

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『ホストなんて大っ嫌い!』第二ボトル目。

なおもリリコタンに質問攻めをする。

「名前は?」

「斉藤理利子です」

「本屋の店員ってどんな感じなのかな?」

「え、えっと本の管理とか、オススメのポップ作ったり色々やりますよ?」

「そういやあそこの店のポップ手書きだよね、キミあれやってるの?」

「はい、他にはレジ打ちとかですね」

「ボクね、前から綺麗な店員さんだなぁって思ってたんですよ」

「は、はぁ…」

あれっ?微妙な反応…。

もっと攻めてみるか…。

「実はボクキミに一目惚れしちゃったかも」

「はぁ…」

あれっ?まだダメ?

その時先輩ホストが会話に割り込んできた。

「え、本屋の店員さんなんだー!俺も昔本屋でバイトやってたよ」

「ホントですか?」

「マジマジ、あれって結構楽そうに見えて大変なんだよね」

「えぇ、大変ですよね」

そっちと意思の疎通をしてしまったようだ。

もうこうなったらだんまり決め込んでシャンパンを飲む事にした。

その時、リリコタンの連れ、マリさんがリリコタンに絡んでくる。

「ねー、リリー楽しいでしょ~?」

「う、うん。でもそろそろ帰らないと」

「え~、もう少し居ようよぉ~」

「だーめ、マリもうフラフラじゃない」

「そんじゃ、帰るぅ~」

そんな会話をしつつ、二人はお会計を済まし、帰って行った。

そんなとき俺は…。

リリコタンの後を追っていた。

「リリコタ…リリコさん」

「はい?」

「また来てくださいね、待ってます!」

「はぁ…、私ホストとかそういう軽い人大っ嫌いなんです」

笑顔で言われた。

こういう言葉を言われたのは三度目だ。

だが、ホストが軽いという発言が頭にきた。

「ホストは軽くなんてないですよ…」

少々驚いた表情をしたのち、リリコタンはこう切り替えしてきた。

「それはすみませんでした、それじゃあマリが心配なのでこれで…」

リリコタンはマリさんを抱えてその場を去って行った。

「…俺、何であんな事言ったんだろ」

言ってから後悔した。

「あ、居た居た。楓君ヘルプお願い」

「あ、師匠…」

「どうかした?」

「いえ、ちょっと失恋を…」

すると師匠が優しい顔でこう言った。

「あのね楓君、ホストってのはお客様に楽しんでもらえるようにしなきゃならない。もし不愉快だったらそれは僕らが悪い。そこに恋愛を持ち込んだら仕事にならないよ?」

「そうっすよね…」

「さ、お店に戻った戻った!」

そしてお店に戻って行った。

 

***

 

「ドンペリプラチナ入りましたー!」

「財布大丈夫?」

師匠が聞く。

「大丈夫、ホラ」

バサバサっと札束を出すお客さん。

何度も師匠のヘルプとしてやってきたから札束には見慣れてる。

「楓君まだヘルプなんてやってるの?もう指名ついても良いくらいなのに」

「あはは、自分一人じゃ何も出来ないっすから」

「え~、そんな事ないよ~、最近面白い話とかしてくれるし」

面白い話とは、オタク向けの話を茶化してする話のことだろう。

当然俺は真正なるオタクだからちょっと抵抗があったりする。

師匠もその話に乗っかってくるから助かってるけど、俺一人じゃ単なるオタクホストだ。

「あ~ぁ、二人指名出来たら楓君指名も指名するのになぁ…」

「はは、ありがとうございます」

「何?いつもの楓君らしくないね、何かあった?」

しまった、お客さんに感付かれた。

顔に出てたのだろうか、俺は必死に笑顔に戻す。

「お、いつもの楓君カムバック、きゃはは」

その後も閉店間際まで師匠のヘルプについていた。

 

***

 

「あー、今日は飲んだぁ~」

「お疲れ様」

頬にひやりとした感覚がした。

振り返るとウコンのパワーを持った師匠が立っていた。

「飲みなよ、明日キツイよ?」

「あ、ありがとうございます。それより師匠、いつグラフィック完成するんですか?」

「う~ん、多分2~3ヶ月で完成するよ」

「早っ!そんな短期間で出来るんですか?」

「まぁ、ねヒロイン少ないし、エッチシーンもそんなに多くないしね」

「助かります」

「それじゃ、また明日ね」

「はい、お疲れ様です」

ウコンのパワーを空けて俺も帰宅した。

 

***

 

「よう、渡辺」

大学にて、渡辺に話しかける。

「おう、今日はホスト休みか?」

「いんや?今日もあるよ」

「大丈夫かよ、体壊すぞ?」

「ヘーキヘーキ、単位取っとかないと卒業が危ういからな。ところでコミフェス通知来た?」

「合格だってさ」

「よっし、もう逃げらんねーな」

「だな」

「こうなったら時間が惜しい寝ないで台本書き直さなきゃ」

とか言って。

「寝てるじゃねーか…」

渡辺が呟く。

まぁ、こいつの将来はホストに決定してるからいいけどな。

「ぐぅ…むにゃむにゃ…」

 

***

 

昼休み。

「おい、渡辺、食堂行こうぜ、寝たら腹減った」

「そうだな、エロゲーの近況も聞きたいしな」

そして食堂へ着く。

「俺はカレーっと」

少しでもウコンが入ってるカレーを選ぶ俺。

完全に侵食されてる。

「で、渡辺よ、本題だ」

「おぉ、どうだ?グラフィックの方は」

「2~3ヶ月で完成させるってさ」

「という事は…、冬のコミフェスに間に合うな!」

「おう、プログラムしっかり頼むぞ」

「任せとけ、あとボイスなんだけどな、フリーでタダでやってくれる人見つけたんだよ」

「ナイス渡辺!流石渡辺!」

「そんで、今日、菓子折り持ってその子の家に行く事になってる」

「台本渡しとけよ」

「当然だろ」

こうして俺達の同人エロゲー作成は着々と準備が整いつつあった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

理利子タンがやな奴に見える…。

まぁ、そういう風に書いたのは自分ですが、コイツなんだよ!

って書いてて思った。

理利子タンは好青年好きなんです。

許してあげてください。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ホストなんて大っ嫌い!』第一ボトル目。

俺は師匠に引きずられながら完全にホストになってしまっていた。

ホストをやりながら、エロゲー製作をしていた。

そしていつものファミレスにて。

「出来たぞ~…渡辺~…」

目の下にクマを作ってげっそりした面持ちで俺はシナリオを渡辺に渡した。

「お、おいおい…、大丈夫かよ。ホストまだやってんのか?」

「俺のことは気にするな…。それよりプログラム頼んだ…」

バタリとテーブルに倒れこむ俺。

「おい、最近大学にも顔出して無いよな、単位大丈夫か?」

俺はうつ伏せのまま親指をグッ!と突き立てた。

「今日も仕事か?」

「今日は休みだからここに居る」

「そ、そうか。んじゃ、シナリオ読ませてもらうぞ。その間寝てろよ」

「ぐぅ…」

「ってもう寝てるか…。どれ、どんなシナリオ書いてきたのかな?」

“ある日主人公は突然の隕石にぶつかる。そして一旦死んでしまうが、やり残した事があるので、復活する。そのやり残した事とは、犯り残したことだった!”

「………なんだ、これ?」

数ページペラペラと読んでみたが、内容がさっぱり分からない。

「まぁ、こんな状態で良い物作れるわけねーよな…」

「ま、取り合えずこの内容で作ってみるか、冬のコミフェスに間に合えばいいけど…」

「ん…、んん…」

「お、起きたか?」

「あぁ、悪い寝ちまった」

「取り合えず意味はよく分かんねーけど、これで作ってみるよ」

「頼んだ、渡辺…」

「そんじゃ、ちょっくらドリンクバーにでも…」

「俺の分も頼む、アイスコーヒー」

「自分で取りに行け!」

「あぁ、ドリンクバー取りに行ってくれなきゃ俺このまま死んじゃうかも…」

「ちっ、分かったよ」

後は雅さんのグラフィックを待つだけだけど、あの人そんな事する余裕あるのかな?

アフターだってあるわけだし、かといって元プロのグラフィッカーだし。

頼まないと損くさい。

そんな事を考えてたら渡辺が両手にコップを持ってやってきた。

「ほらよ、アイスコーヒー」

「ありがたい」

「で?」

「で?何?」

「グラフィックだよ」

「あぁ、俺も今それを考えてたところ」

「ナンバーワンホストにそんなもの作る余裕なんてあるのか?そもそもなんだか申し訳ないような…」

「完成度を高めるにはプロの手が必要だ、ここは素直に頼もう」

「まぁ、そっちは任せるけど、俺はプログラムかぁ…。遊びでいくつか作った事あるけど本格的となると失敗出来ねーな」

「頼んだぞ、渡辺」

すると、ファミレスに一人の男が入って来た。

「やぁ、楓君にえっと、畑中君だっけ?」

「渡辺です!」

「あぁ、そうそう渡辺君だ」

「どうしたんすか?師匠、今日は仕事のはずでしょう?」

「いやぁ、楓君が窓から見えたんでね、ちょっと寄り道」

「そうっすか、で、グラフィックの件なんですが…」

「あ、シナリオ出来たんだ、ちょっと見せてよ、藤原君」

「渡辺です!」

渡辺が呆れたようにシナリオを渡す。

「ふんふん…」

「ど、どうっすかね?」

「うん、プロットはいいんじゃないかな?インパクトあるし。それにフローチャートまでついてて見やすい」

「じゃあ、いいって事ですか?」

「うん、ちょっと手を加えればいい作品になると思うよ?」

「よしっ!」

「それじゃ、雅さん。どこ直したらいいですかね?」

渡辺が師匠に聞く。

「難しい言葉は控えてもう少し完結にまとめよう、あとエッチシーンを増やそう」

「声どうします?」

「そうだね、フリーの子にお願いしようか」

「男キャラの声はどうしましょう?」

「う~ん、僕らでやっちゃおう」

「え、僕らですか!?」

「うん、谷口君個性的な声してるから良いキャラ出来ると思うよ?」

「出来るかなぁ…、それはそうと渡辺です、そんなに難しい名前じゃないでしょう!?」

「あはは、ゴメンね、ちょっと悪ふざけが過ぎたかな?」

「わ、悪ふざけだったんですか…」

「それじゃ、このシナリオ借りてくよ。まずグラフィックから片付けないとね」

「わかりました、渡辺には後でコピーしてやります」

「んじゃ、ボクこれから仕事だから帰るね~」

「うっす、お仕事頑張ってきて下さい!」

「バイバイ」

そうして師匠は仕事に向かった。

 

***

 

そして、俺の出勤日に事件が起きた。

いつものように出入り口で待機して入って来たお客さんを誘導する役割をやっていた。

そんなとき、外から声が聞こえた。

「ね!?一回だけだから!」

「え~、私こういうお店苦手なんだよねー」

どうやら入るか入らないかで争ってるようだ。

ここはひとつ自分が出て行ってお店に促そう。

他の店に新規のお客さんを取られる訳にはいかない。

ドアを開けて、驚愕した。

何と、あのリリコタンが居るではないか!

「やだよ、早く帰ろう?」

「嫌ー!一回くらいいいじゃない!」

「もう、マリはわがままだなぁ。しょうがない、一回だけだよ?」

「ありがとー、リリコー!」

俺は慌ててドアから首を引っ込めて隠れるようにトイレに入った。

やばい、リリコたんが来た。

どうしよう、もう俺のことなんて忘れてるかな?

そうだ、あの時だって暗がりだったし、大丈夫だよな、うん。

そして、トイレから出てきた俺は、平然として、お客様を案内した。

指名は無しなので、ランダムに数人選ばれた。

その中に俺はというと…。

入っていた。

他のホストが指名を貰おうと必死に盛り上げるが、リリコたんはつまらなそうにしていた。

「つまんない?」

そう尋ねると。

「ウン」

という返事が返ってきた。

「タバコとか吸わないの?」

「ウン」

「趣味は?」

「読書」

「あ、だから本屋の店員なんだ」

すると、リリコタンが驚いた表情をした。

「な、何で知ってるんですか?」

「知ってるも何も、俺あそこの本屋の常連だもん」

「そ、そうなんですか」

まだ少々驚いているようだった。

「キャー!リリー!楽しーね!」

「あ、あはは」

よしっ、今度こそ落としてみせる!

幸い俺のことを忘れてるようだし、都合がいい。

見てろよ、今に俺の虜にさせてやるぜ…。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

はい、『オタクなんて大っ嫌い!』の続編です。

果たして楓君は彼女のハートを射止める事が出来るのか?

これも四話程度の短編にする予定です。

ケータイでは『オタクなんて大っ嫌い!』の終わりからです。

ケータイでリクエストがあったので、書いてみました。

どないでっしゃろ?

まぁまだ一話目という事でラストのことは考えずに行きます。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『俺がお前でお前が俺で』第六話。

─陽一SIDE─

ギャギャギャギャギャ!

「急いで!」

「急いでるわよ!」

そして日の出橋のふもとまで来た。

いそいで姉ちゃんの車から降り、ふもとに駆け寄った。

「おらー!喧嘩上等!かかってこいやぁ!」

商業生との乱闘を始めた。

「うらうらうらァ!」

相手を倒しまくる陽一。

「陽一、後ろ!」

後ろから襲われた陽一は相手の腹にキックをかました。

「へっ、そこでお寝んねしてな」

「あらかた片付いたな」

仲間が呟く。

「ところで何でキタコーの制服着てるわけ?」

「イメチェンだ」

「いや、それはイメチェンとは言わないだろ」

「とにかく、これでお前たちでも十分戦える、俺はちょっと用事があってこれから消えるが負けるなよ」

「用事?まぁ、いい。任せとけ」

 

─両SIDE─

陽一は草むらに隠れてた秋を見つけて、安堵した。

「無事だったか…」

「う、うん。ありがとう」

「何、これは俺達工業生のやった事でお前は関係ない」

「もう交換やめようよ」

「そうだな、これ以上秋に危険な目に合わせる訳にいかねーからな」

こうして、陽一と秋の入れ替えは幕を閉じた。

秋は制服を交換してある事に気が付いた。

「そ、そのブレザー血がついてるけど…」

「わり、喧嘩しちまった…」

「そんな、これからボクどうすれば」

「気にすんな、何かあったらすぐ俺を呼べ」

「あ、ありがとう!」

「その代わりテストの時は入れ替わってくんね?」

「えぇ!またあの学校に行くの!?」

「いいじゃねぇか、工業の偏差値なんてキタコーより低いんだし」

「…わかったよ、その代わりホント喧嘩とかになったら助けてよ?」

「おう、任しとけ」

そうして、秋は姉が待機している車に乗り込み帰って行った。

 

─陽一SIDE─

「ふわぁ、眠ぃ…」

寝ぼけ眼を擦りながらまた無意味な学校へ行く。

でもこれからは秋という友人を持った。

同じ顔の俺達二人はギブ&テイクでそれぞれの役目を果たしていた。

 

─秋SIDE─

「あ、秋っちオハヨー!」

「おはよう」

「聞いたよ、秋君不良をやっつけたんだってね」

「あはは、そうらしいね」

「みんなその話興味深深だよ!」

「あはは、ボクは喧嘩はしないよ、代わりが居るからね」

「代わり?」

「あ、いやなんでもないよ」

 

世界に三人は居るという同じ顔の人間。

まだどこかにあと一人残ってるけど、そうそう出くわすなんてありえないよね。

とにかく、工業高校の喧嘩で怪我しなかっただけ良かった。

これからも二人はお互いの役割を果たした。

中々スリリングで面白い。

秋の中の何かがはじけた。

ほんの小さな出来事で人間は変われるんだと思った。

春の温かい風が秋の頬を撫でた。

 

『俺がお前でお前が俺で』 

 

*** 

 

今日のあとがき。

いやぁ、この話面倒だったなぁ。

さて、ケータイに載せるか。

あと、一枠余ってるし、丁度いい。

これを気に、しばらく小説をお休みしようかな。

あーでもどうせ書く事無いし、結局小説書くんだろうな。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『俺がお前でお前が俺で』第五話。

─秋SIDE─

「そんでよ、カラオケ帰りに商業の奴らに絡まれて返り討ちにしてやったんだよ」

「は、はぁ…」

「もったいねぇな、陽一が居ればもっと暴れられたのによ」

「(陽一君ってもしかして不良なのかな?さっきからこんな話ばっかりだよ)」

「おい、陽一、聞いてんのか?」

「う、うん。聞いてるよ」

「そんでな、そいつらなんて言ったと思う?覚えてろー!だってよ、昭和かっ!」

周りの人たちもゲラゲラ笑ってた。

っていうか何でボクの周りに集まってるんだろうと秋は思った。

授業中もずっと話しかけられていた。

「それでは今日の日付で…、って夏樹か…まぁ、当てても無駄だろうが、この問題の答えは?」

「√2です」

「おぉっ?夏樹が正解したぞ!」

オォーと歓声があがる。

「(っていうかこの問題中学で習った問題なんだけど…)」

「いつの間に勉強なんてしてたんだよ」

「たまたまだよ」

「またまた、高校に入って更正したか?」

「そ、そんな事ないけど…」

「ま、別にいいけどよ。バカで喧嘩が強いより頭良くて喧嘩が強い方がかっこいいしな」

「け、喧嘩?」

「そ、喧嘩、高校入ってからまだ一回も喧嘩してねーだろ?」

「そんな、ボク…、俺喧嘩なんて…」

「おいおい、いい加減にしろよ、いつまでそのキャラ作ってるんだよ、アレか?イメチェンか?」

「(マズイな、ここは陽一君の真似しないと)」

「あ、あぁ。このイメチェンどうかなと思ってな」

「似合わないからやめとけ」

そうこうしてる間に昼休みになった。

購買で買った弁当をつつきながら周りに群がる男子と話していた。

「ぎゃっはっは!マジかよ」

「マジ…5000円ポッキリって言われたのに…」

「(な、何だか居辛いなぁ…)」

弁当を食べ終えて、男子の群れから抜け出そうとした。

「どこ行くんだよ?」

「ちょ、ちょっとトイレ」

「ウンコかー?頑張って気張って来い」

ゲラゲラと笑う男子生徒の群れを抜け出した。

「ふぅ…ようやく休める」

中庭のベンチに腰掛けてカフェオレをすする。

ガシャーンとどこかの窓の割れる音が聞こえた。

何事かと思い、見に行った。

「喧嘩だケンカー!」

殴り合いをしている二人の周りにはギャラリーで一杯だった。

「よし、行け、谷口!」

「負けるな!佐藤!」

「さぁ、張った張った!どっちが勝つか一口五百円だよ!」

「俺、谷口!」

「俺、佐藤!」

「こ、こんな事までするのか…、恐いなぁ…」

秋は恐くなって教室に戻った。

どうやらさっきまで周りに居た連中は喧嘩を見に行ったらしい。

そうして放課後。

「よっし、帰りに牛丼食ってこうぜ」

「お、いいな、賛成」

「俺も俺も」

どんどん参加者が増えていく。

「俺、もう帰るよ」

「そんな事言うなよ、陽一、今日付き合ったら昨日のカラオケ無断欠席チャラにすっからよ」

「わ、わかった」

秋は断ったらやばそうなので、取り合えず牛丼を食べて帰る事にした。

それが悪夢の始まりだった。

牛丼屋で商業生と鉢合わせた。

そう、昨日カラオケ帰りに喧嘩したらしい商業生だ。

「おぅ、お前ら、昨日は楽しかったなぁ…」

「あぁ?なんだコラ!?」

「今日もボコボコにしてあげよっか?」

「ちっ、じゃあ全面戦争だコラ!」

「おう、何人でも集めろ」

「絶対逃げんなよ」

「誰が逃げるか、バーカ」

「それじゃ、今夜8時に日の出橋のふもとまで来いや!」

「上等」

そうして商業生は帰って行った。

「よし、今日こそ鬼神陽一の喧嘩が拝めるな」

「へ、俺行くの?」

「たりめーじゃん、陽一が居ると居ないじゃ戦力が違うからな」

「そ、そんな…」

こうして秋は喧嘩をしに日の出橋まで向かった。

そこにはもう既に商業生何人か集まっていた。

「待たせたな、コラ」

どうしよう!

「そいつが鬼神とか呼ばれてるやつかよ」

その時携帯が鳴った。

「(こんな時に誰だよ)」

「そ、そうだ!」

「へぇ、んじゃ、そいつがそっちの頭って訳だ」

「陽一をナメんなよ!な、陽一」

「お、おう…、その前にちょっと小便してくる」

「逃げんなよ!」

「逃げるんじゃねーよ!ちょっと便所行くだけだ!」

「そして草むらの影に隠れて携帯電話で陽一に助けてもらおうと思い、携帯を開けた。

“着信”

誰だろう?

「!!」

陽一君からだ、急いで電話掛けなきゃ。

「もしもし、何か商業生と喧嘩する羽目になって。うん、日の出橋のふもと、早く来て!」

そうして秋は身を潜めて陽一の到着を待った。

 

続く。

 

今日のあとがき

はい、今回は秋SIDEオンリーでした。

次回で多分最終回です。

ラストは…考えてません。

多分何とかなるでしょう。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『俺がお前でお前が俺で』第四話。

─陽一SIDE─

「(うわぁ、授業ついてけねーよ、工業でもついていけてないのに…。なるべく当てられないようしよ)」

「それじゃ、次の問題を…、はい、目をそらした春野君」

「(よかった、俺じゃねぇ)」

「春野君?返事は?」

「(おい、早くしろよ春野ってヤツ!)」

「春野君、聞いてるの!?」

教室中の視線が陽一に集まる。

「(春野…?そういや俺今春野秋じゃん!)」

「あ、はいはいはーい!」

「どしたの?」

「いや、ちょっと考え事を…」

「それで、この公式の答えは?」

「…わかりません」

「あら、春野君なら解ける問題よ?」

「いや、無理っす」

「そう、それじゃ他の誰にしようかな~っと」

「(ふぅ、助かったぜ)」

そして昼休み。

「秋君、お弁当一緒に食べよう!」

「おぉ、いいな、それ、でも俺弁当無いし」

「いっつも購買で買ってるじゃん、早く行かないと売り切れるよ?」

「そうなのか、じゃ、行ってくる」

さて、購買とはどこなのか。

教室を出てから気が付いた。

なにやら玄関の方が騒がしい。

あっちに購買があるに違いない。

と、陽一は思った。

が、現場に近づくと、どうやら購買ではないらしい。

「テメー、俺の女に手ぇ出しやがって!ぶっ殺す!」

一人の男子生徒がもう一人の男子生徒の胸倉を掴んでいた。

「ひ、ひぃ、知らなかったんだよ!勘弁してくれ」

どうやら修羅場らしい。

俺はスルーして行こうとしたが、掴まれている男子生徒が、陽一を呼び止める。

「あ、おい!春野助けてくれ!」

「何で?」

「いいから!」

「その減らず口を塞いでやるよ!」

掴んでる男子生徒が掴まれてる男子生徒に殴りかかる。

バシ!

俺は反射的にパンチを手で受け止めた。

「邪魔するな、それともお前から相手になろうか?」

「へっ、喧嘩なんて久々だぜ、かかって来いよ」

「おらぁ!」

次々と繰り出されるパンチを軽々かわしていく。

「おらぁ!ボディががら空きだぜ!」

ボスッ!

と相手の腹に反撃のパンチを食らわした。

「ぐ…」

「おら、うずくまってないでかかって来いよ」

相手の顔面を蹴り上げる。

すると、血が飛び散り、返り血を浴びた。

「やべっ、秋に怒られる…」

もう相手は気絶していた。

「へ、雑草魂ってか?ボンボン相手じゃこんなもんか」

「あ、ありがとう、春野」

「おう、女にゃ気をつけろ、んじゃな」

「春野?春野ってこんなに強かったのか…」

そうしてようやく購買を見つけるも、ほとんどの商品が売り切れであんぱん一つ買って教室に戻った。

「おわ!返り血!どしたの!?もしかして殺人事件!?」

「いや、違う違う、ただの喧嘩」

「た、ただの喧嘩って、春野君喧嘩なんてするの?」

「中学の時は、無敗だったぜ」

「えー、信じらんないー」

「ま、その話はいいよ、早く飯食おうぜ」

「何かいつもと感じが違うなぁ…」

「あはは、早く食べないとチャイム鳴っちゃうよ」

「あ、戻った」

秋のマネするのもしんどいな…。

あんぱんを食べながら思った。

そして放課後。

誰か一緒に帰ろうって誘ってくれないかな。

せっかくのハーレムなのに…。

「あれ?春野君帰らないの?おねぇさん待ってるよ?」

「あ、あぁ、今帰るとこ…」

なんだ、また秋の姉ちゃんの車か、恐ぇーんだよな、あれ」

そうして、玄関を出ると、案の定姉ちゃんの車があった。

「ただいま」

「おかえり…ってなにその返り血」

「あぁ、ただの喧嘩」

「ちょっと、あんまり派手に暴れると厄介なんじゃないの?」

「あー、後で秋が困るかも…」

「もう、何でアンタ行動何から何まで派手なのよ、秋はおとなしい子なんだから」

秋の姉はハァっとため息を付いた。

そうして、学校を後にし、自宅へ戻った。

「ただいま」

「お帰り…って何その血の跡!どこか怪我したの!?」

「あぁ、違う違う、喧嘩だよ」

「そう、それならよかった…、って喧嘩ですって!?」

姉ちゃんが、バカ、と小声で言った。

「けんか…けんか…かんけ、そう!昼休みに缶蹴りしてこけたんだよ!」

「あぁ…、秋が不良になったわ…」

さめざめと泣く秋の母親。

「そ、そんな事より今日の晩ご飯何かな~?」

陽一のフォローを無視してた。

そうして晩飯時には、父親に報告していた。

父親は…。

「はっはっは、いいじゃないか、男の子は多少やんちゃなくらいが丁度いい。今まではナヨナヨしてたからな」

「お父さん!」

母親がその発言へ意義を申し立てていた。

「俺、いやボクもう寝るね、それじゃ」

そうして陽一は部屋に戻った。

秋は今頃どうしてるだろうか?

ちょっと電話してみるか。

プルルルル、プルルルル。

「出ねぇな、ま、着信記録残して置けば向こうから連絡が来るだろ」

そうして携帯電話を閉じた。

すると、すぐに電話が鳴った。

「おう、秋、そっちの様子はどうだ?…何!?…分かった!すぐ行くからお前はどこかに隠れてろ!」

秋が危ない、早く行かなければ、くそっ、原チャリ持って来れば良かった。

そうだ、姉ちゃんの車で!

勢いよくドアを開けると、姉ちゃんが立っていた。

「秋が危ない!車貸して!」

「嫌よ、傷ついたら困るでしょ」

「でも秋が!」

「アタシが運転してあげる」

「ありがとう!」

そうして、陽一は秋の元へ向かった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

はい、今回は陽一SIDEオンリーでお送りしました。

次回は秋SIDEオンリーでお送りいたします。

秋に一体何が起こったのか。

次回をお楽しみに。

多分5話で終わると思います。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『俺がお前でお前が俺で』第三話。

─陽一SIDE─

ジリリリという目覚ましの音で目が覚める。

「あ~ん?まだ7時じゃねぇか、もう少しねるか…」

そして布団に潜ってから思い出す。

「って、今日から俺キタコー生じゃん、早く準備しよ」

いそいそと準備をする。

すると、扉をノックする音が聞こえた。

「あ、今開ける…」

という前に開けられた。

「起きたようね、それじゃ、早くご飯食べて行くわよ?」

「行くってどこへ?」

「北高に決まってるでしょ、あんたは今は秋なんだから」

「あれ?お姉さんも北高生?」

「アタシは大学、車で途中まで送ってってあげるの」

「それじゃ、早く飯食べちゃいますね」

「ん、そうしろ」

そうして陽一は全ての準備を整え、冬美の車に乗り込んだ。

ギャギャギャギャギャ!

ドリフトで右折をするわ、信号無視するわめちゃくちゃな運転だった。

「うおぉぉぉおぉお!」

「着いたよ」

「はぁ、はぁ、死ぬかと思った…」

「何組か知ってるの?」

「あ、そういや知らないや」

「E組よ」

「ありがとう、それじゃ、俺のクラスも秋にメール打っとくか」

「それじゃ、北高ライフを楽しんできな」

そして、お姉さんはまた乱暴な運転で去っていった。

「俺のクラスは5組だよ、と」

秋にメールを送信した。

「さて、お姉さんの言うとおり北高ライフを堪能しますか!」

 

─秋SIDE─

「ZZZzzz………はっ」

今は何時だろうかと秋は思った。

「今日はお姉ちゃんの送りがないから早くしないと」

そう思い、時計を見ると7時を指していた。

「ガクランに着替えて、っと」

秋はガクランに着替えて一階に下りていった。

「お、おはよう」

「おぅ、おはようさん、今日は随分早いんだな」

「え、でも学校行くなら普通じゃ…」

「陽一!お前も立派になったな!自分から起きて学校に行くなんて言うなんてよ!」

「は、はぁ…」

「よし、今日は俺が車出して送って行ってやる」

「あ、ありがとう…」

そうして秋も学校へ。

車の中でメールが届いた。

『俺のクラスは5組だよ』

秋はクラスの事を聞くのを忘れていた事に気が付き、この時ばかりは陽一に感謝した。

そして、下駄箱を開けて、上履きを履く。

「1年5組は…、ここか」

廊下をてくてく歩くと、教室の前に来た。

あぁ、緊張するなぁ…と、思った。

「よし!」

覚悟を決めて教室へ入った。

すると、一人の男子生徒が話しかけてきた。

「よぅ、陽一、昨日何でカラオケバッくれたんだよ?」

「ちょ、ちょっと用事思い出しちゃって…それで」

「ふーん、ま、いいけどな」

自分が陽一じゃない事がバレなくて安堵した。

「席どこだろう?」

教卓に置いてある席順を見る。

「窓側の一番後ろか…」

そうして陽一の席に着く。

工業高校だけあって男子の比率が多い。

秋はまだ学校へ着いたばかりなのだが、もうぐったりしていた。

 

─陽一SIDE─

「うおぉ、何だこのクラス!女子がみんな可愛い!流石キタコーは違うな」

すると後ろから声をかけられた。

「あ、秋おはよ!」

「お、おはよ…って誰?」

「誰って…、そのギャグつまんない」

「ほう、なるほど」

陽一はその女子を上から下までじっくり眺める。

「ちょ、今日の秋変だよ?」

「あぁ、そうさ、俺は生まれ変わったのさ!」

「うゎ、なにそれ、もうっ、普通の秋でいいから」

「で?どちら様?」

「エミだってば!」

「ほうほう、エミちゃんか、可愛いね」

「な、何言ってんのよ、バッカじゃないの?」

エミという女子は照れていた。

「あ、秋っちおはー!」

「おはよう、おはよう!」

どうやら秋はモテるらしい。

男子だらけの工業高校じゃこんなハーレム作れねぇぞ!

しかし、陽一に群がる一人の女子が異変に気付いたらしい。

「ねぇ、今日の秋クン様子おかしくない?」

「そうねぇ、確かに浮かれすぎって気もするけど…」

やばい、浮かれすぎた!

「あ、あのそろそろボクの席に座りたいんですけど…」

「あ、戻った」

「はーい、どうぞ」

女子に促され、席へ着いた。

「ふぅ、危ねぇ…」

モテるのはいいが、バレたらヤバイからな…。

 

こうして、二人の一日が始まった。

 

***

 

続く

 

今日のあとがき。

やっぱり面倒くさい、次回からは一人に絞って書こう。

まずは陽一SIDEから始めるか。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『俺がお前でお前が俺で』第二話。

─陽一SIDE─

陽一は秋の部屋の中を物色していた。

「エロ本ねーかな?」

メールで「エロ本どこ?」

と、秋に送ったが、帰ってきたメールに、「そんなものありません!」

と、書かれてた。

「ちっ、つまんねー」

コンコン

「あ、今開ける」

すると目の前に絶世の美女、俺のドストライクの女性が立っていた。

「限定物のカバン買えた?」

「え、あいや、買ってないけど」

「はぁ?マジ?最悪…」

その時秋の一言を思い出した。

『あ、でもうちのねーちゃんするどいからなぁ…』

陽一は賭けに出た。

「わ、悪ぃ姉貴、今度買ってくるから」

「あ、姉貴?」

秋のお姉さんはキョトンとしていた。

「じゃなくって、お姉ちゃん」

焦って秋のフリをする。

「はっは~ん…、あんた秋じゃないね?」

「な、何言ってのさ!」

「クローン人間かしら?最近ケータイでそういう小説読んだけど…」

マジマジと陽一の顔を覗き込まれる。

陽一は恥ずかしくなって、そっぽを向いた。

「あっはっは、ウブだなぁ、そんなんじゃ彼女出来ないよ?」

「とにかく、俺は秋なんだってば」

「…ん」

秋の姉から手が伸びる。

握手。

「じゃなくって、これよこれ、お・か・ね。ばれたくないんでしょ?」

「ぐ、くそ、お姉さんだけですよ、他の人には絶対言いふらしたりしないで下さいよ」

「金額によるなぁ…」

「それじゃ、2千円で…」

「おかーさーん!秋が…」

「分かった、分かりましたよ、いくらですか」

「にひ、一万」

「ノー!」

「毎度あり」

こうして陽一は秋の姉にばれてしまった。

 

─秋SIDE─

「全くもう、何てメール送ってくるんだあの人は!」

ベッドに腰掛け、部屋をぐるりと見渡す。

いい部屋だな、と思った。

その辺に散らばってるエロ本を覗けば。

「陽一君って一人っ子なのかな?」

秋はそれを聞いていなかった。まぁ、ほぼ何も聞かないで陽一のなすがままだったから仕方ない。

「お~い、飯出来たぞ」

「はいっ!…じゃなくて、おぅ!」

「はい、今日はオムライスよ」

「い、いただきます」

「なにかしこまってるの?らしくない」

「う、うぅん、何でもないから」

「変な子ね…」

こうして秋は無事食事を終えた。

「風呂沸いてるから入っちゃって」

「はい、あの下着はどこですか?」

「何で敬語?そこのタンスにいつも入れてるじゃない」

「す、すいません…」

「何から何まで変な子…」

「はぁ、何から何までややこしいや、だからとりかえっこなんてやめようと言ったのに」

ブクブク、と顔を鎮めて文句をたらした。

 

─陽一SIDE─

「頂きー!」

陽一はガツガツと遠慮なくカレーを食べていた。

すると、隣に座ってる秋の姉がひじでつついてくる。

目配せで両親の方を見るよう促された。

すると二人ともポカーンとしていた。

「あ、あの、ごちそうさまでした!」

そうして陽一は部屋へ戻っていった。

「どうしたのかしら、あの子…」

「何だかいつもと違う気がしたが…」

「お母さんもお父さんも、いい加減秋の事詮索しないほうがいいよ」

「でも…」

「秋はちゃんとしてるよ、小学生じゃないんだからちょっと食べるのが早くなったくらいで驚いてちゃダメだよ」

「そういう冬美はちゃんと大学行ってるのか?」

「あーもう、すぐその話だ、いい加減アタシ達放っておいて」

冬美も食卓を後にして、シャワーを浴びに行った。

 

─両SIDE─

 

約束の時間まであと5分。

近くの公園にて今のところの現状を会議することになった。

「ちょっと早かったか…」

「よぅ」

またも聞き覚えのある声。

「よ、よぅ」

秋は陽一の真似をした。

「お、やってるな、いやしかしお前のねーちゃんマジ気付いたよ」

「やっぱり…、で、どうするのさ。やめるなら今だよ」

「ま、もちっと楽しもうぜ」

「はぁ、もうどうなっても知らないからね…」

そしてお互いの近況を話して、今日は解散した。

明日は学校だ。

学校では誰にもばれませんように…。

そう願う秋だった。

一方陽一は。

「キタコーっつったら女子のレベル高いとか聞いたな、ひひっ、明日が楽しみだぜ」

どうか可愛いクラスメートが居ますようにと願っていた。

 

続く

 

***

 

今日のあとがき。

この作品めんどくせぇ!

二つのストーリーを平行させてるから非常に面倒だ。

さて、明日は学校へ行きます。

どうなる、陽一と秋…・。

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『俺がお前でお前が俺で』第一話。

世界にはそっくりな人間が三人居るという。

 

…俺、夏樹陽一(なつき よういち)は退屈していた。

毎朝学校へ向かうだけのくだらない毎日を送っていた。

「はぁ~あ、今日も相変わらずだったな」

家へ帰るため電車から降り、ホームから自宅へと一直線に帰る。

別に友達が居ないとかでは無い。

いや、心許せる相手が居ないので、やっぱり友達は居ないらしい。

そんな事はどうでも良かった。

早く家に帰って寝て飯食って風呂入ってまた寝るの繰り返しにしか過ぎない。

そんな日常に退屈していた。

だが、ある日俺は目を疑う瞬間に出合った。

財布を拾ってラッキーと思ってた矢先の出来事だった。

それは休日クラスメートから誘われてカラオケに行く途中に見たのだ。

そう、俺にそっくりな人間を。

 

***

 

「財布落としたってどの辺り?」

お回りさんは地図を広げて少年に聞く。

「え、っと、靴屋に行った時はあって、服屋に行った時は無かったから多分この辺だと…」

「なるほどね、それじゃ、被害届け書いて置いて、見つけたら連絡するから」

「は、はい。あの、でも電車賃も無くなったので…」

「貸してあげるからいーよ」

「あ、ありがとうございますっ!」

「今後は気をつけるんだよ」

「はい」

そうしてようやく少年は派出所を後にした。

 

***

 

「よぅ」

聞き覚えのあるその声に少年は振り返った。

「あれ?鏡か…」

「ちょっと待てよ!お前は自分の服装も分からんのか!大体こんな道のど真ん中に鏡があるかっ!」

「ななな、ボクは夢を見てるんだ、そうに違いない」

「お前、名前は?」

「ボク?春野秋(はるの あき)あ、夢で喋ったら寝言になるのかな?」

「あー春なんだか秋なんだかはっきりしねー名前だな!大体これは夢じゃねぇ!」

「えっ!夢じゃないの!?」

秋は頬をつねって確かめる。

「いたた…、ホントに夢じゃないんだね」

その時陽一が“あること”を思いつく。

「なぁ、お前と俺、とりかえっこしね?」

「ダ、ダメですよ、そんな事してばれたときどうするんですか!」

「何、こんなに似てりゃ問題ない」

「ダメです!」

「いいや、やる!」

「もう、さっきから押し問答じゃないですか、ボク帰ります」

「ちなみにお前が探してると思われるものがここにある」

「あっ!ボクの財布!」

「な、これ返してやるから俺と交換しようぜ?」

「ず、ずるいですよそんなの!」

「ずるくて結構、俺毎日退屈してんだよね、あ、ちなみに高校生?」

「はい、今年入学しました」

「おっ、俺とタメじゃん丁度いい。どこ高?」

「北高ですけど…」

「げぇ、私立かよ、俺公立の工業高校」

「って、いつの間にか交換するって話になってるじゃないですか!」

「よし、今から俺んち教えてやる、その次お前んちな」

「そ、そんなぁ~!」

 

***

 

─陽一の家─

「ほい、これが俺のガクラン。ちょっと着てみ」

「サイズはピッタリですね」

「よし、そんじゃ次はお前んちな」

「う、うん…」

 

─秋の家─

「おぉ、ブレザー!俺ブレザーって着たこと無いんだよね」

「こっちもピッタリのようですね」

「よっしゃ、そんじゃこのまま秋のお袋に挨拶してくる」

「ちょ、ちょっと」

秋の制止を振り払い、秋の部屋から出る。

「お袋!今日の晩飯何?」

すると、秋の母親がびっくりした表情をしていた。

「どうしたのその言葉使い!」

「あれっ?あぁ、そうか。お母さん今日の晩ご飯何?」

「…変な子ね、カレーだけど」

「おぉ、俺の大好物!」

「…俺?」

「じゃなかった、ボクの大好物だ」

「あなたいつからカレー大好物になったの?」

「う、それは…。それじゃ、楽しみに待ってるよ!」

そうして秋の部屋へ戻って行く。

「結構難しいな、お前の真似」

「だから言わんこっちゃないって…」

「ま、何とかなるだろ」

「あ、でもおねぇちゃんが気付くかも、あの人意外と鋭いから…」

「バレたときはバレたときだ、深く考えるな」

「それじゃ、お前は俺んちに帰れ」

「う、うん…」

 

***

 

「陽一君の家ってここだったよな、よし、陽一君になりきって頑張ろう!」

「ただいま~」

「おぅ、陽一、カラオケ行ったんじゃねーのか?」

「そ、それが途中で具合悪くなって帰ってきたんだ」

「何?陽一が具合悪くなるなんてありえねーな」

「と、とにかくボク部屋に居るから」

「ボクだぁ?お前いつからそんなお上品になったんだ?」

「あ、俺…」

「何かいつもと違うな、陽一も成長したってか?ありえんありえん…」

「…とにかく俺、晩飯まで部屋に居るから」

「おーぅ、オナニーなに何なりしろ」

「オ、オナ…」

そうして陽一の部屋へ戻る秋。

「ふぅっ、やっぱり無理だよ、陽一君…」

 

こうして二人の奇妙な生活が始まる。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

いやぁ、結局思い付いたのが、この作品。

どうジャロ?

思いついたときは、ナイスガッツ!

と、思ったけど、書いてみると案外…。

ま、まぁ、まだ始まったばっかりだし、ラストも決めてないし、なすがまま続きます。

多分四話くらいで終わると思います。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『フラスコのキミ』

12月24日PM11時59分──

「…もう少し、あと少しじゃ…」

老人にとってそれは余りにも長すぎる1分だった。

「5…4…3…2…1」

もうすぐ12時になるころ、老人はカウントダウンを開始した。

「よし!液体を抜く!」

フラスコに入っている少女が液体を抜かれて、フラスコの中でぐったりしていた。

「今出してやるからの」

老人は巨大なフラスコから少女を取り出した。

「…よし、後は目覚めるのを待つか…」

 

***

 

12月25日未明──

まぶしい光が入ってくる窓辺には少女が寝ていた。

老人は朝から何も食べずに少女を見守っていた。

すると少女が少しまぶしそうに目を開いた。

「千恵!わしが分かるか!?」

「…お爺さん誰?」

「わしじゃ、幾三じゃ、千恵はワシが分からんか?」

「千恵?私、千恵って言うの?」

「ふむ、まだ記憶が混乱しているようじゃの、それよりお腹空いたじゃろ?食堂へ行こう」

ワタシは千恵というらしい。

それ以外の記憶はまだ分からない。

「ホレ、千恵、遠慮せず食べんか」

「あの…、私どうしてここに?」

「その話か…」

「何か問題でもあるのでしょうか?」

「いや、千恵は何も知らなくていい」

「何故です?私が記憶を失って…っ!」

急に頭痛がした。

次々と入ってくる情報。

「…私、あなたの奥さんだったんですね…」

「ほぅ、思い出したか」

「DNAがそう言ってます」

「でも、今は16歳の少女じゃ。若返った感想はどうじゃ?」

「若返った…、そもそも私は元からこの姿ゆえ若返ったという概念は…」

「あー、分かった分かった。もうこの話は終わりじゃ」

「お爺さんはどうして私を作ったのですか?」

「…嫁に先立たれてのぉ、寂しかったんじゃよ」

「ご子息は?」

「あやつはもう息子ではない」

「と、言うことは居るんですね?」

「まぁのぉ…」

「なぜ、ご子息と暮らさないんですか?」

「あやつの生き方が気に食わん」

「そうですか、生き方…私、クローン人間なんですよね?」

「あぁそうじゃ、ようやく完成した」

「他にもクローン人間はいないのですか?」

「いや、いた事はいたんじゃが…」

老人が口ごもる。

「居たんですね?」

「あヤツは不完全ゆえ、自らの命を使ってまで二度とクローン人間が作れないように政府に立ち向かった」

「今日の朝刊に載ってるこの施設の事でしょうか?研究所で爆破テロがあったそうですが」

「うむ、それがヤツの最後のイタチっ屁じゃろう、おそらくもうヤツはこの世にはおらん」

「この世に居ない?何故です?」

「ヤツもクローン人間じゃった、それもワシのDNAのな」

「なぜお爺さんのDNAを使ったのですか?」

「ワシの研究データが欲しかったのだろう、わざわざ聞きやすいように少年の姿にしての」

「そうでしたか…」

「じゃが、ヤツは話さなかった、それゆえ檻に閉じ込められておったようじゃがの」

「強い方だったんですね…」

「いや、単に思い出せなかっただけかもしれんがの…」

「それはどういう事ですか?」

「ヤツは“未完成”のまま生まれたんじゃ」

「その方のお名前は?」

「ナンバー435じゃ」

「そんなっ、そんなの機械と同じ扱いじゃないですか!」

「そうだのぉ、それでもあやつは飄々としてたがの」

そんな話をしながら朝食を食べ終えた。

 

***

 

外に出たい。

外に出て、万が一生きてるかも知れないナンバー435と話がしたい。

千恵はそう思った。

が。

「外出?いかん!まだ目覚めて間もない。そんな時期に動くのは危険じゃ」

どうやらこのお屋敷から出る事は不可能のようだ。

そうだ、コッソリ抜け出そう。

幸い、雪が積もって私の部屋から飛び降りれそうだし。

そうして千恵はすぐ、実行へと移した。

よし、上手く逃げ出せた!あとはあの門を超えるだけ…。

すると、センサー感知に引っかかってファンファンと大きなサイレンが鳴り響いた。

早く逃げなきゃ!

そう思い、門をよじ登って千恵は逃亡した。

 

***

 

ここが爆破テロ事件の現場かぁ。

もしかしたらまだ近くに居るかも。

そうして千恵は街の方へ向かって歩いて行った。

すると、人だかりを発見した。

千恵も興味本位で覗いてみた。

そこには少年が倒れていた。

「はいはい、ちょっと邪魔だよ、今から救急車来るから」

今日って確かクリスマスだよね?

そんな日に限って人が死ぬなんて…。

救急車が来るまで私はこの少年がどこかで見たことあるような錯覚に陥った。

僅かだが、千恵のDNAはこの少年を知っている。

「…幾三…さん?」

いや、違う。

もしかして、幾三さんが言ってた、もう一人のクローン人間!?

そうして、少女はロープをくぐり抜け、彼に近付いた。

「何?キミ、この子の知り合い?」

「もしかするとそうかもしれません!」

「それじゃ、良かったら情報提供してよ、こっちも何の手がかりも無くてさぁ…」

警官の愚痴が延々と続いているが、この少年、間違いない!

若い頃の幾三さんそっくりだ。

幾三さんの言ってた幾三さんそっくりなクローンってこの子なんだ。

だが、彼はもう息をしていなかった。

残念だった。

せっかく私と同じもう一人のクローンが居たのに…。

「…ってキミ聞いてる?この子の所在はどこかな?」

「すみません、間違いでした」

「何だ、また一からかよ…」

そうして、千恵はお屋敷へ戻った。

 

***

 

「ち、千恵!無事か!」

「えぇ、だいじょう…」

大丈夫。

そう言いかけて私は倒れた。

意識が遠のいていく。

なるほど、無理するなってこういう事か。

私も未完成だったみたいだよ、幾三さん。

「…恵、千恵!」

「だい…じょうぶ…」

「大丈夫な訳あるか!まだ精神も安定してないのに勝手に外に出るなんて!」

「だいじょうぶ…、天国のナンバー435に会って来るだけだから…」

「千恵?千恵!」

こうして、幾三のクローンも失敗に終わった。

お爺さんは相当落ち込んでたけど、しばらくしたら、もう研究は辞めたみたい。

そもそもクローン人間なんて居ちゃいけない存在なんだ。

さようなら、幾三さん。

私はナンバー435に会って来ます。

幾三さんは元気だって伝えておきますね。

もう行かなきゃ。

さようなら、幾三さん。

 

『フラスコのキミ』 

 

***

 

今日のあとがき。

はい、『クローンなボク』の複線回収完了。

つ・ぎ・は何書こうかなぁ?

ひとまず休憩しよう。

もう話のネタが思いつかなくなってきた。

この作業脳をフル活動させてるから大変だこと。

まぁ、どうせ書く事無くて結局小説書くんだろうな。

ネタが浮かぶまで休憩という形で。

あ、でもブログはちゃんと続けますよ。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『二人は怪盗!シェイク&スピア』~名刀花鳥風月~

「よし、お前たち!今回は極道の方から盗むぞ!」

「親父テメー!危険すぎるだろそれ!」

「あはは…、ボクもそれはどうかと…」

「NKKからの指令だから多分大丈夫!」

「おい!多分ってなんだよ多分って!」

「それじゃ、予告状送っておいたから」

「話聞けよ!」

 

***

 

「ってな事で俺は今吉田組の豪邸の前に居るわけだが…」

「お兄ちゃん誰に説明してるの?」

「気にするな、それよりもどうやって盗むんだよ」

影でコソコソしていたら、一人の極道の方が近付いてきた。

「誰だ!テメー等」

「あ、あはは、ただの一般人ですよ…」

「こんな時間にこの辺ウロウロしてると危ねーぞ、鉄砲玉がいつ来るか分かんねーんだしよ!」

「は、はい、それじゃボク等これで…」

「ん?ちょっと待て、お前らもしかしてシェイクスピアか?」

バレた!

「逃げるぞスピア!」

「まぁ、逃げんなって」

走り出そうとした攻次の首元を掴む。

「シェ、シェイク!」

「何だァ?シェイクスピアって二人組みだったのか」

「お、俺達をどうしようってんだ…」

「組長が待ってる、付いて来い」

やばい、殺される。

そのままズルズルと引きずられ、攻次は中に連れ込まれた。

「し、死ぬときは一緒だよ!」

そして守も付いて来た。

 

***

 

─組長室─

「組長、こいつらがシェイクスピアです」

組長の前に引きずり出される。

「何ィ…、まだケツの青いガキ共じゃねぇか、それが今まで盗みやってたのか」

「と、ところで用件は…」

「用件ってお前、予告状出しておいて用件も何もないだろ」

「いやっ、その予告状はボク達が書いたんじゃなくて…」

「誰が書いたって同じだろうが!」

組長が怒鳴る。

びびった俺は思わず腰が抜けるかと思った。

「す、すみません!二度とここへは近付きません!ですから釈放を…」

「何だ、命乞いか?へっ、情けねー。それでもいくつものお宝掻っ攫ったヤツの台詞かよ」

「あはは、まぁそうです…」

「ケッ、どうせ親父に頼まれて仕方なくやってるんだろ?」

「お父さんを知ってるんですか!?」

「あぁ、ヤツがこの屋敷に入ったときもこう話をした」

「お父さんも侵入失敗したんだね」

「だが、ヤツは命乞いなんてしなかったぞ、むしろ俺に説教したくらいだ」

「親父が…!?何て?」

「お前たちは恵まれない子供達を放っておけるのか…とな」

「あの親父がそんな事を…」

「あの頃は俺も若頭だったから血の気が多くてな、先代組長はそんな俺を制止して1000万もする壺をホイと渡した」

「そんな事があったのか…」

「さて、本題だが、どうやらお前たちはこの名刀、花鳥風月を取りに来たんだよな」

「え、はぁ、まぁそうですけど、今から盗むのは無理なんで、そろそろ…」

すると、組長は後ろにある刀を取り出した。

「ひぃ!命だけはご勘弁を~!」

逃げようとする攻次。

「まぁ、待て。この花鳥風月を持っていけ」

チャキと音を立てて攻次の目の前に置く。

「あ、そこに飾ってあったのが花鳥風月なんですね」

「この刀はな、幕末時代から伝わる由緒正しい刀だ、こんな所に置いてちゃこいつも可哀想だしな。持ってけ」

「え、いいんですか?」

「先代もそうしたんだ。俺はあの方を尊敬している」

「そ、それじゃ」

攻次が刀を持って帰ろうとすると、後ろから組長の声がした」

「ちゃんと換金したら寄付しろよ」

「は、はい~…」

 

***

 

「ふぃ~、何とか助かったな」

帰路に付く攻次達。

「それより、あの組長さんの話だと、お父さん凄くカッコイイね」

「っ!」

「どうしたの?お兄ちゃん」

「さては親父のヤロー、知ってて俺達を行かせたな…」

「あっ!そうだよね!一回盗みに入ってるんだもんね」

「…帰ったら仕返ししてやる」

「あはは…、乱暴はダメだよ?」

「む、じゃあ愛猫にまたペイントしてやるか」

「あはは、それくらいだったらいいかも」

「そんじゃ、メリー(猫)には悪いけど、ペイント決定」

そんな事を喋りながら帰った。

 

***

 

「おい、親父よ」

「何だ、息子よ」

「親父あの屋敷に一回入った事あるんだってな」

「あ、バレた?」

「組長に聞かせてもらったぜ」

「そうか」

「中々カッコイイじゃん、親父」

「こ、攻次の頭がおかしくなったー!」

「何でだよ!」

「だって普段の攻次なら指とか腕とか反らすはずだ!さては貴様偽者だな!」

「偽者じゃねーよ!その代わりメリーに犠牲になってもらった」

ひょいとペイントされた猫が親父の前に突きつける。

「メ、メリーちゃん!」

「ま、今回は見直したぜ、俺もいつか親父を越えてみせる」

「メリーちゃん、お風呂場行こうか…」

「人の話を聞け!」

そうして親父は風呂場へ向かった。

「あの組長の話ホントか…?」

 

***

 

「おっはー!」

バンッ

「また随分懐かしい挨拶だな」

「何言ってるのよ、今でも現役よ!」

「へいへい、そうかよ」

「ところで最近またシェイクスピア見なくなったねぇ」

「あはは、もう盗むもの無いんじゃないかなぁ?」

「ちぇー、つまんないの」

「つまんなくて結構…」

「なんで攻次が返事するのよ」

「(やべっ)」

「ハッ!さてはシェイクスピアの変装ね!素顔を見せなさい!」

里美がグイグイと顔を引っ張る。

「あはは~」

「おい!守、笑ってねーで助けろ!」

 

俺達は勇敢な意志を受け継ぐ怪盗である。

「byシェイク&スピア!」

 

『二人は怪盗!シェイク&スピア』第四部 完

 

***

 

はい、完結です。

一応まだ書けるような続きかた何で、要望があれば書きます。

でもネタが無い。

今回も搾り出してようやく書き終えました。

あぁ、あとクローンなボクのスピンオフ書かなきゃ…。

それともクローンなボクの中に詰め込んじゃうか。

でもあれはあの終わり方で良かったような気がする。

やっぱスピンオフにするか。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『二人は怪盗!シェイク&スピア』~ダイヤの一輪挿し~

「ふむ、これがガラスの一輪挿しか」

宿泊客にまぎれてパンフレットを読むフリをしながら、沢山のガードマンの目を誤魔化していた。

もちろん変装は完璧。

「ねぇ、ちょっと見に行こうよ」

「そうだな、ちょっと見て来るか」

そうして、屋上にあるガラスの一輪挿しを見に行く事にした。

屋上に着くと、ガードマンが10人以上いた。

「たは~、こんなに居るのかよ…」

一輪挿しの周りに4人。

あれさえ突破すればいいんだよな。

よし、いい事思いついた。

「守はここに残ってろ」

「え?どうして?」

「いいから、盗むチャンスがあれば速攻盗めよ」

「う、うん…」

そして攻次はエレベーターで降りて行った。

 

***

 

「う~ん、待ってろって言ってもなぁ…」

守はする事が無いので、一輪挿しを眺めてた。

すると、スピーカーからアナウンスが聞こえた。

「ガードマンの皆さん御機嫌よう、怪盗シェイクスピアだ」

あっ、お兄ちゃん!

「早速盗ませてもらったぜ、ダイヤの一輪挿し、余裕だったぜ」

するとガードマンが騒ぎ始める。

「なにっ!いつの間に!」

「まさか、これは偽者!?本物に見えるが」

「とにかく、アナウンス室へ向かうぞ!」

ダダダッとガードマンが去って行った。

「あれ?これってお兄ちゃんが言ってた盗むチャンスってこと?」

ガードマンは一人も残らず出て行って残ってるのは守だけだった。

よし、今のうちに盗んじゃえ!

守はダイヤの一輪挿しを手に取り、懐に隠した。

そして屋上を去った。

 

***

 

そして無事ダイヤの一輪挿しを手に入れたものの…。

お兄ちゃんがどうなったのか心配だ…。

「がさがさ」

「わっ!」

「よぉ、守、ちゃんと盗んだか?」

「う、うんここに、でもどうして草むらに?」

「いや、アナウンス室からハングライダーで逃げようとしたら落ちた。

「あはは、慣れない事するから」

「とにかく、奪還完了っと」。カード置いてきた?」

「うん、バッチリ」

「そろそろガードマンが追ってきそうだから気球で逃げるか!」

「うん、それが一番無難だよ」

そうして簡易気球を膨らませて、攻次たちは逃げた。

 

***

 

「ほほぉ、これがダイヤの一輪挿し…」

親父の部屋でダイヤの一輪挿しを渡す。

「ね、お父さん。これって売ったらいくら?」

「ふむ、いくらかな、NKK次第だな」

「で、このゴッホのひまわりはNKKに渡さなくていいのか?」

「あぁ、それは父さんが欲しかっただけ」

「ほぅ、俺たちゃあんたの代わりだったって訳か」

腕を捻らす。

「フンッ!」

ゴキィ!

「なっ!自分で肩の関節を外しただと!」

「ふっふっふ、何度も同じ手に引っかかる父さんじゃないぞ!」

「それじゃ、反対は…」

ぐいっ!

「フンッ!」

またもゴキィと間接を外した。

「ふっふっふ、どうだ」

「よし、親父騙し成功」

「何?」

両肩外れてたら自分じゃ治せねーだろ?」

「あぁああああぁあああぁあ!」

「仕返しだ」

そうして、親父は病院へ運ばれた。

 

***

 

「おっはよ~!」

バンッ!

「よう、昨日は久しぶりにシェイクスピア出たな」

「そうなの!アタシいつかシェイクスピア様に会うのが夢なの!」

もう会ってるんだけどな。

「へっ、安上がりな夢だこと」

「なによー!じゃあ攻次の夢って何よ?」

「そうだな、海外にプールつきの豪邸を建てることかな」

「無理」

「無理ってなんだよ!」

「だって攻次だよ?この攻次がそんな稼げる訳ないじゃん!」

「うるせー…」

俺だってNKKに横流ししなかったら今頃大金持ちなのによ…。

「で、守の夢は?」

「あはは、暖かい家庭を作ることかな?」

「キャー、守っぽい!」

「じゃあ俺っぽいのは何なんだよ」

「ホームレスでしょ」

「何、その決まってるでしょ、みたいな目!」

「ま、そんな攻次も好きだけどね」

「そ、そうか?」

「あー、顔真っ赤、もしかして照れてるの?」

「うるせー!」

「きゃはは」

 

続く

 

***

 

はい、今回も盗みましたねぇ、もうネタ切れなんですよ。

次は何盗めばいいの!?

アナタの心ですはもうやっちゃったし。

ネタが無ぇー!

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『二人は怪盗!シェイク&スピア』~愛犬探索隊2~

「まずは聞き込み調査だね!」

「なんで守そんなやる気なんだよ」

「うん、困ってる人を助けるなんて素敵でしょ」

「ケーッ素敵と来たもんだ、クサいクサい!」

「もう、茶化さないでよ!」

「でもよぉ、もう既に保健所に捕まえられてるかもしれねーぞ?」

「そうか!保健所行ってみようよ!」

「げ、余計な事言ったか…」

そして、二人で保健所へ向かう。

 

***

 

「…居なかったね、チェリー」

「だとしたら…誰かが保護してるか、野良になってるとしか考えられないな」

「そんなぁ、こんなに家あるんだから一軒一軒探すのは無理だよ」

「このご時世野良犬探す方が大変だぜ?」

そんな話を歩きながらしてると、一人の老婆がシェパードを連れて散歩していた。

「おい、あれってもしかして…」

「チェリー!?」

「おや?もしかしてこの子の飼い主かいのぉ?」

「いやっ、捜索を依頼されて…」

「そうか…、チェリーちゃん家に帰らなきゃいけないのね…」

「どうして、このワンちゃんがチェリーって分かるんですか?」

「ホレ、首にドッグタグが付いとるじゃろ?」

「どこで見つけたんですか?」

「丁度この辺りじゃよ」

「この辺り…、家からちょっと近いね」

「丁度あの時は雨が降っていて、チェリーはずぶ濡れで一匹で散歩しとったんじゃ」

「ふんふん」

守が手帳に書き込む。

「どこかから逃げ出してきた犬じゃと思って、ウチでかくまってたんじゃよ」

「どうしてかくまおうと?」

「よたよたしてて今にも死にそうでのぉ…、そのまま動物病院まで連れて行ったら肺炎を起こしておった」

「なるほど、それは飼い主のミスという事ですね」

「それからウチで飼う事にしたんじゃ、ウチのお爺さんが他界してから私も寂しくてな」

「そう…ですか」

守は少し寂しげに言った。

「それじゃあ、チェリーちゃん、元の飼い主のところへ戻るよ。ほら、手綱だよ」

手綱を手渡される。

「ようやく、終わったな、結構あっさり捕まったな」

「待ってください」

守が急に口を挟んだ。

「このワンちゃんはあなたが飼うべきだったんですよ」

「何じゃと?」

「ホラ、ボクが元の飼い主の家に引き返そうとすると、踏ん張って連れられてくれません」

「だから、このワンちゃん、チェリーはあなたの犬です」

「お、おい守!報酬は!?」

「そんなものより大切な物もあるんだよ、お兄ちゃん」

守は、手にした手綱をお婆さんに返した。

「きっと、恩返しがしたかったんでしょうね、それじゃボク達これで」

「あ、あのっ!」

守はお婆さんの問いかけを無視して、その場を去った。

 

***

 

「おいおい、いいのかよ、報酬パーだぜ?」

「たまにはいい事しないと、ね?」

「俺だったら引きずってでも連れて帰るがな」

「あはは、お兄ちゃんらしいや」

「ま、今回は俺も守のようにしたかもな」

「うん、きっとそうしたよ」

「あ~ぁ!休日をこれでもかってくらい無駄にしたな」

「お腹ぺこぺこだね、今日の晩ご飯なんだろ?」

「やっぱ旬の牡蠣鍋だろ!」

「牡蠣ご飯もいいよね~」

「おっしゃ!そんじゃ、帰ろうぜ!」

「うんっ!」

 

***

 

「ただいま~」

「あら、お帰り」

「お母さん!今日の晩ご飯なに~?」

「メザシ」

がっかりした。

牡蠣鍋牡蠣ご飯牡蠣フライ…。

もう牡蠣のことしか考えられなくなっていた。

「えぇい!牡蠣は無いのか!」

攻次が吠える。

「なら買って来てよ、お釣りは全部返しなさいよ」

「おっしゃー!行くぞ守!牡蠣奪還だ!」

「あはは、今回は盗まないでね、お金ちゃんとある訳だし」

そう言いながら家を出た。

そしてスーパーの前で、チェリーの元飼い主にばったり遭遇した。

相変わらずのだみ声で話しかけてくる。

守にだけ。

「あら、アンタたち、見つけた?ウチのチェリーちゃん」

「それが見つからなくて、残念ですが…」

「あらそ、それなら新しいペットでも飼うわ」

「テメッ…!」

「ダメだよ、お兄ちゃん」

守に止められる。

「それじゃぁね、アデュー」

そうしてスーパーに入って行った。

「あんのクソババァ…自分の愛犬だろうが!それをいとも簡単に見捨てるなんてぜってぇ許せねぇ!」

「まぁまぁ、それより早く牡蠣買って帰らないと晩ご飯遅くなっちゃうよ」

「チィッ!」

そうして二人はスーパーで牡蠣を買って帰った。

「牡蠣鍋、牡蠣ご飯、牡蠣フライ~♪」

攻次はうきうきしながら晩ご飯を待った。

「出来たわよー、メザシと牡蠣のコラボレーション!」

牡蠣にメザシが刺さってた。

「ね、これフューチャリングってやつ?」

と母さんが言う。

「何でこういう発想が出来るんだー!」

そうして、メザシ牡蠣をもそもそと食べてさっさと二階に上がった。

「お前たち、次の指令がNKKから来たぞ」

「おっ、久々じゃん、どんなん?」

「ふむ、では読み上げるぞ」

「おう」

「グランドビューホテルからダイヤの一輪挿しを盗むこと」

「いちりんざし?何だそれ?」

「要するに花瓶みたいなものだな」

「ダイヤの花瓶…?」

「うむ」

「そ、それって超お宝なんじゃね?」

「だからこうして依頼書が届くわけだ」

「よっし、そっち頑張るか!やっぱ俺には盗みの方が合ってるぜ」

「ボ、ボクだってちゃんと出来るよ!」

「ホントかぁ~?今日みたく優しさなんて出してたら勤まらねーぞ?」

「大丈夫だってば!」

「予告状は出しておいたからな」

こうして二人はダイヤの一輪挿しを盗む事になった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

また守の株が上がることをしちまったぜ…。

次回はダイヤの一輪挿しを取ってきます。

さてさて、どうなる事やら。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『二人は怪盗!シェイク&スピア』~愛犬探索隊1~

「う~ん…」

「何唸ってるの?」

「いやな、気球って危険じゃないかと、今考えてたところだ」

「でも、ヘリコプター買うお金もないよ」

「だからだな、せめてハングライダー…」

「お父さんドロップキック!」

がしゃーん!

「あぁっ!お兄ちゃんが窓から!」

「ふぅ、危ない危ない。タダでさえギリギリなのに、そんな補正付けたら更に危ないだろぅ!」

「お父さん、ここ二階なんだけど…」

「そうだ!肝心の攻次はどうした!」

「お父さんが窓から突き落としたんだよ」

「何っ!無事かー!」

「無事かーじゃねぇよ…」

ガスッ!

下から戻ってきた攻次が親父を蹴り上げる。

「がふっ!父さん攻次が危険な発想したと電波が届いたから飛んで来たのだ」

「だからってドロップキックはねぇだろ!」

「…ってそれよりお兄ちゃん、頭!頭!」

「あん?頭がどうした…」

攻次が頭を触るとべトっと嫌な感触がした。

で、手を見る攻次。

「な、なんじゃこりゃー!血がドバドバでてるぅ!はふん…」

そのまま攻次は病院へ運ばれた。

 

***

 

「いや、すまんかった攻次、今回ばっかりは父さんのミスだ」

「いや、俺にとっちゃ毎回ミスってるように見えるがな」

頭に包帯をグルグル巻きながら会話をしてると、ガクが通りかかった。

「やっほー」

「あっ、テメー転勤したんじゃなかったのかよ!」

「したよ?ただ学会の講習受けただけ」

「何だ?知り合いか?」

「けっ、タイミング悪ぃ…」

「いやだなぁ、そんな事言われる筋合いはないよ、それにバラしてもいいんだし?」

「バッ、バカテメーそんな事すんなよ!」

「はっはっは、この間の特番楽しみにしてたんだけどなぁ」

「人事のように…」

「だって人事だもん」

「ちっ」

「で?次は何を盗むんだい?」

ガクがヒソヒソ声で聞く。

「まだ決まってねーよ」

「それならこれなんてどうだ?」

ガクは新聞を取り出し、ある記事を見せる。

“愛犬探してます”

「テメーでやれ、探偵ならな」

「“元”探偵でしょ?」

「けっ、このエセ医者め」

「とにかく、ここら辺の値打ち物は大抵持ってっちゃったでしょ?」

「ム、まぁ、な」

「だからたまにはいいんじゃない?人助けも」

「ちっ、じゃあその新聞切り抜いておいてくれよ」

「あ、もう読んじゃったからあげる」

ガクに新聞を畳んで渡された。

「じゃーねー」

ぶんぶんと手を振って外科を後にする。

「ふむ、どうやらキミと駿河先生は何かで繋がってるようだね」

「いやっ、先生、嫌な事言わないで下さいよ」

「父さん不満!」

「な、なんだよ、今度は」

「攻次が知らないうちに友達増やしてた!」

「ガキかテメーは!」

そうして、攻次とお父さんは病院を後にした。

 

***

 

「ただいま~」

「おかえり~、どうだった?」

「ほんのかすり傷だってよ」

「良かったねぇ」

守がポテトチップスを食べながら話してくる。

「ところで最近怪盗業やってないよね」

「あぁ、お宝っつーお宝は大体盗んだしな」

新聞を椅子の横に置き、攻次もポテトチップを食べる。

「何?その新聞」

「あー…、ガクからだ」

「え、転勤したんじゃ…」

「学会がどうのこうのとか言ってたぜ?」

「で?」

「で?何?」

「ガクと会ったんだったら何かあるんじゃないの?」

「あーガクがこれやれってよ」

テーブル一杯に新聞を広げた。

「えっと…、ここ、ここ」

「何々?愛犬探してます?」

「たまには人助けしろってさ」

「あはは、そうだね。それにちょっと探偵っぽいよね」

「やっぱ根っこは探偵なんだよ、あいつは」

「父さんの知らない間に、二人とも友達増やしてずるいぞぅ!」

「友達じゃぁねーよ…」

 

***

 

「さて、犬の捜索と言ったら、まずは飼い主の家に行ってみないとね」

守は乗り気だった。

だが、俺は乗り気がしない。

「えー、ホントに行くのかよ」

「だって近頃退屈だったんだもん。いいから行こうよ」

そうして、守に引きずられるがまま俺は飼い主の家へ足を運んだ。

「ここだね…、うわぁ、凄い豪邸だよ」

「そうだ、ここからついでにお宝取って来ようぜ!」

「もう!今回はワンちゃん探し!」

「へいへい…」

チャイムを鳴らすと、インターホンからダミ声が聞こえてきた。

「はい、どちらさま?」

すかさず守が会話する。

「あっ、あのー愛犬お探しのようで、僕ら手伝いに来ました」

「あら、ホント?やっぱり新聞に載せてみるものね。それじゃ、今門開けるから待ってて」

しばらくすると、門が開き、玄関へ向かう通路が長々と続いていた。

「ったく、こんな家建てる金あるなら貧しい人たちに恵めっての…」

攻次はぶつくさ文句を言いながら守のあとに続いた。

玄関に着くと、さっきのダミ声のオバさんであろうケバケバしいオバさんが立っていた。

「まぁまぁ、お若い探偵さんだこと」

オバさんはじっとりとした目つきで守を嘗め回すように見る。

俺はアウトオブ眼中らしい。

「あ、あはは、それじゃ、行方不明のワンちゃんの情報を聞きたいのですが…」

「チェリーはとってもいい子なの、シェパードなんだけど、気品があってそりゃあもう可愛くて…」

「なるほど、お写真か何かありますか?」

「ちょっと待ってね」

オバさんが中へ引っ込んでいく」

「気持ち悪ぃオバハンだな…」

「しー!聞こえちゃうよ」

しばらくするとオバさんが戻ってきた。

「この子なんだけど…」

「いつ頃から行方不明に…」

あーぁ、めんどくせ、ガクはいっつもこんな事やってたのか、スリルもなんもねぇ。

こうして、守は愛犬チェリーの情報をくまなく聞いていた。

「それじゃ、連れてこれるようなら連れてきます」

「報酬はたっぷり用意しとくわ」

「それじゃ」

そして、帰路に付く俺達。

「ふゎ~あ、守ぅ、この事件は守だけでやってくれよ、俺面倒だし」

「何言ってんの、お兄ちゃん昔から動物使えるの得意だったじゃない。リス捕まえたときはホントびっくりしたよ」

「あんなもんまぐれだっつーの…」

「いいから付き合う!」

「えー…」

そうして今日の探索は終わった。

 

続く。

 

***

 

ケータイで反響があったので、続きをと。

でも怪盗しないのはご愛嬌。

ネタ尽きたとか言わないのがいい人。

三話目あたりで何か盗みしますよ、えぇ。

それまで愛犬探しでお茶を濁して…げふんげふん。

という訳で今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『疾走Days』第七話。

やばい…。

緊張してきた。

そうだ、ちょっと外の空気でも吸ってくるかな。

そして、表へ出て新鮮な空気を吸う。

「すー、はー」

そこに老人が現れた。

「久しぶりじゃの…」

「え…、失礼ですがどちら様でしたっけ?」

「なんじゃ、忘れとるのか、ホレ、この間お主のジェットブーツを見せてもらったものじゃよ」

「あぁ!確か買出しに行ったときの!

「どうじゃ?そのジェットブーツの履き心地は?」

「ばっちりですよ!」

「そうか、実はな、このジェットブーツを作ったのがワタシなんじゃよ」

「え!お婆さんが!?」

「いい事を教えてやる。これはシュウにしか言っておらん事なんだがの…」

「な、何ですか?」

「良いか、この靴のつま先をトントンと二回叩くと、凄い事が起こる」

「凄いって何がですか?」

「ピンチになったら試してみるんだね」

そう言って、老人は会場へ入っていった。

「なんだよ、凄い事って…」

「あ、いたいた!次の試合リオンの番だよ!」

ミナが走って来た。

「じゃあパティさん…」

「勝ったよ!」

「よっしゃ、そんじゃその凄い事を試してみるか」

「凄い事?」

 

***

 

「第五回戦大将バトルフィールドへ!」

相手はあのブサキョタの弟だ。

絶対この試合勝たなきゃ。

バトルフィールドに向かおうとすると、ドンクさんが背中をバンッと叩いてきた。

「痛っ!」

「そんなに緊張するな、自分を信じろ」

自分を信じる…。

そうだな、この俺が緊張なんてガラじゃねー。

「サンキュー、んじゃ、ばっちり技キメて来るぜ!」

そして、バトルフィールドへ入っていった。

「ケケケ、今度は殺さない程度にってお兄ちゃんに言われてるから安心しなよ」

「そっちこそ俺様が余りにもスゲーからって小便漏らすなよ」

そして、二人は握手をしてゲームが始まった。

 

***

 

ゲームが始まると同時に相手がアタックポイントを狙いに来た。

そんなもの百も承知で俺は稲妻ストリークで避ける。

「な、何だ、今の技!?」

グルグルと球体のフィールドを回りながら俺は次々と技を決めていった。

しかし、9分が経過したところで、相手に捕まった。

「これで逃げられないよ」

バシバシとアタックポイントを取って行くチータ。

マズい、このままじゃアタックポイントで負ける!

そうだ、あのお婆さんつま先を叩けって。

つま先をタンタンと叩いてみた。

すると…。

ブォーーーー!!

「あちちっ!」

火力が二倍になった。

チータから離れた俺は、そのまま勢いをつけてぐるりと回り熱がってるチータ向かってジェットブーツのエンジンを切り、チータ目掛けて落ちた。

そして、チータは倒れた。

「そのまま寝てろ」

「摩天楼改大将行動不能、稲妻バスターズの勝利!」

わーっとみんなで騒ぐ。

「やったわね!敵とったよ、お兄ちゃん!」

ミナは涙交じりだった。

「まさかシュウのブーツに仕掛けがあったとはな」

「まぁ、ええんちゃう?勝てたんやし」

「…ふふ、シュウが帰ってきたみたい」

その後、試合には負けたが、俺達はかけがえの無いものを手に入れた。

それと、健闘賞の100万を手に入れた。

それと、取材に来た新聞社から記事にしたいと写真を撮りたいとの事だった。

「はい、チーズ!」

「いぇーい!」

ピースサインで写真に写った。

「なんでお前が真ん中やねん!俺やろ!」

「アタシだよー!」

「お、おい、お前たち、記者の方を困らせるんじゃない!」

「ふふ、それじゃ、この写真明日の朝刊に載せてもらうわね」

「おう、でっかく頼むぜ!」

「で、でっかくは無理かなぁ…」

その夜はウチの酒場でドンチャン騒ぎだった。

 

***

 

「…オン、リオン!」

「うぅん、もう飲めない…」

「リオン!」

「はいぃ!」

どうやら昨日の宴会で酔いつぶれてしまったようだ。

テーブルの上でうつ伏せに寝ていた。

「今日の新聞だ、お前写ってるぞ」

「何?どこだ!」

バサバサと読んでいると、優勝チームがデカデカと写真に載っていた。

「お、俺等のは!?」

「下のほうにちょこっと載ってるわ」

「うぇー!ちっちぇ!」

「たりめーだ!優勝してねーんだからよ」

「ちっくしょ~、やっぱ優勝したかったぜ」

「で、100万はどうなったんだ?」

「昨日の酒代でおじゃん」

「バカヤロー、ありゃ俺のおごりだ」

「え!マジ!?」

「ほれ、みんなに届けて来い」

ぽいっと封筒を渡された。

「わわっとと、サンキュー親父!」

ジェットブーツを履き、今日も練習場へ向かう。

これからは当分練習場へ行く事になるだろう。

「あ、おーい!リオーン!」

「よーぅ!ミナー!」

「新聞読んだ?」

「おぅ、ちっちゃかったな」

「お前のせいで俺見切れてるやないけ!」

「まぁまぁ、ホラ100万」

「え、だって宴会費は?」

「親父のおごりだってよ」

「キャー!やった、これでジェットブーツ整備出来る!」

「そんなんやからいつまでも色気がでぇへんのやろ、普通の女の子は服とか買うやろ、普通」

「えー、そんな事ないよ、ね、リオン」

「いや、俺に振られても…」

「ジェットブーツで手に入れた賞金なんだからそれでいいのよ」

「さっすがパティさん、わかってるぅ!」

「それじゃ、20万ずつ分けよう」

こうして俺の初大会は健闘賞に終わったが、来年を見てろよ。

もっとテクニック付けて次こそ優勝してみせる、見ててください、シュウさん!

 

『疾走Days』 

 

***

 

今日の一言。

疾走Days完です。

今回は架空のスポーツという難しい課題にチャレンジしてみました。

ジャンルは青春で。

青春?

青春だ。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『疾走Days』第六話。

一週間後──

大会のエントリーを終えた俺達は控え室に居た。

「よっしゃー!気合入れて行こうぜ、みんな!」

「あー、その無駄に暑っ苦しいのまでシュウそっくりやな…」

とヒュウガ。

「ははは、まぁいいじゃないか、ちょっと騒々しいくらいが丁度いい」

と、ドンクさん。

「アタシ、学校であんまり練習出来なかったからちょっと心配…」

と、ミナ。

「………」

無言なパティさん。

「えぇと、最初のバトルは…」

「北極ベアーズやな。まぁ、楽勝やろ」

「あぁ、この間突っかかってきた奴らか」

「あいつ等所詮口だけやで、ホンマ」

「よっしゃー!行くぜー!」

「人の話聞けや!」

そうして第一回戦北極ベアーズ戦が始まった。

 

***

 

一回戦──

「稲妻バスターズ対北極ベアーズ。先方、バトルフィールドへ」

「はいっ!」

と、ミナが立ち上がる。

「え?先方?順番決めてあるの?」

「当たり前だろう」

「俺何番手?」

「大将だ」

「え”ぇ”無理っすよ!」

「ふむ、随分腰が引けてるな、恐いか?」

「そ、そんな事ねーよ!」

ビビるな、こんな所でビビってちゃ終わりだ。

エントリーカードを見せてもらうと、先方はミナで次方はヒュウガ、中堅がドンクさん、副将にパティさん、で大将が俺だった。

なるほど、いい組み合わせだ。

ただ、ミナを次方に持ってきた方が良かったのではないかと思う。

だって、ヒュウガはムーンサルトしか出来ないからな。

そんな事を考えていると、試合が始まった。

ミナは細かく点数を稼いでいた。

相手の攻撃を上手くかわし、点数勝負といったところだ。

10分の試合中にミナは合計260点を取った。

これは凄いのかどうなのか分からなかった。

「よくやった、ミナ」

ドンクさんがミナにタオルを渡す。

「ふぅっ、どうかな?勝ったかな?」

相手チームは130点だった。

「やった!」

そして次方のヒュウガがバトルフィールドへ向かう。

まず、ヒュウガはムーンサルトをキメてから、アタックポイント狙いで、滑っていた。

「10ポイント!勝負あり!」

「へへっ、どや、これが俺の戦い方や」

なるほど、ヒュウガはアタックポイントを狙うのが上手いのか。

だから次方なんだな。

続いて中堅のドンクさんの番だ。

ドンクさんは巨体にも関わらず、俺に教えてくれた技を軽々とキメる。

相手のアタックもドンクさんはガードするからポイントにはならない。

「お疲れ、ドンク」

「うむ、これで俺達の勝ち確定だ」

「え、俺の出番なし?」

「そういうことだ」

「なんだよせっかく準備してたのに」

すると、敵チームが騒いでた。

「あ”ぁ”なまらムカつく!お前ら絶対勝てって言ったべや!」

「す、すいません!」

「うがー!!」

 

***

 

二回戦──

二回戦も俺の出番が無く、終わってしまった。

このチームって実は超強い?

そして、三回戦、四回戦も無事終わった。

「次が問題ね…」

「パティさんが居れば楽勝でしょ」

 

五回戦──

「稲妻バスターズ対摩天楼改、先方バトルフィールドへ!」

五回戦目であのブサキョタの弟のチームが出てきた。

「はいっ!」

「へへっ、女かよ…」

「むっ!何よ!何か文句でもあるわけ!?」

「おっと恐い恐い、それじゃお手柔らかに」

相手と握手する。

「後で手洗わなきゃ」

「ミナー!いつも通りいけー!」

しかし…。

「10ポイント!勝負あり!」

「うぇ~ん、ごめんみんな~」

体中にアザ作ったミナが帰ってきた。

「ちくしょうあいつ等!相手は女の子だぞ!」

「まぁ、賞金1000万だからな。相手も必死さ」

「いけ!ヒュウガ!俺達のポイントゲッター!返り討ちにしろー!」

「うるっさいねん、お前、そこで静かに見てぇや!」

「次方、バトルフィールドへ」

「よろしく、ムーンサルト君」

「カッチーン。今お前なんて言うた?もっぺん言ってみ!」

「おぉ、恐い恐い、審判さん、この人人殺しそうな目してますよ~」

「ちっ、さっさと始めるぞ!」

握手をし、バトルスタート。

「ほれ、お得意のムーンサルトやれや」

「お前ごときにムーンサルトは見せへん」

「何?」

「アタックポイントで十分や!」

ヒュウガが相手に向かって滑り出す。

「よっと」

相手は軽々かわした。

「甘いわぁ!」

裏拳を相手に食らわす。

「痛ってぇ!」

「オラオラオラ!」

ヒュウガのラッシュが続く。

だが、相手も負けじと攻撃をする。

が、ヒュウガの方が手数が多く、10ポイントを獲得して、勝利した。

「よっしゃ!どないなもんやっちゅうねん!」

「中堅バトルフィールドへ!」

「いっけードンクさんなら楽勝だ!」

俺は必死に応援した。

──が。

「380点対450点、摩天楼改の勝利!」

「嘘だろ…」

「すまん…」

これで俺はパティさんが勝てば確実に試合に出る事になる。

俺、大丈夫か…?

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

この話で完結させようと思ったけど、無理っぽいから先延ばし。

今の日本の政治と精通してるね。

さて、次回は戦います。

ってネタバレしてるっ!

 

今日の一言。

いやぁ、ケータイ版『クローンなボク』の人気っぷりが凄い。

観覧数は少ないけど、掲示板での書き込みがっ!

あと、フラスコの少女の複線回収忘れてたので、あとで補足しておきます。

主人公はとても地味なんですが、何故か人気。

PONちゃんが面白いって言ってたの合ってたよ。

どうやら万人受けする作品らしい。

そんな事微塵も考えてなかった。

まさに棚から牡丹餅。

掲示板が活発になってます。

これからは夢の時代だよ~。

と、夢お嬢様ならそういう。

しかも中途半端で終わりそう。

それでは今日はこの辺で~。

でわでわ。

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『疾走Days』第五話。

ガーーーーーー!

俺は大会公式場バトルフィールドで練習をしていた。

うりゃ、バック転っと。

クルッとその場からバック転をする。

「う~ん、なんかそろそろ自分オリジナルの技が欲しいな」

球体を縦にグルグル回ってると、丁度てっぺんでガス欠を起こした。

「うおっ」

そのままクルリと回って着地する。

「おぉ…危なかったぜ」

…ん?

待てよ…。

ガソリンを注入してからもう一度バトルフィールドへ向かう

もう一度縦にグルグル回って、てっぺんになったらストッパーをかけるっと!

そこで俺がくるりと回って下に降りると。

「お、これならついでに下に居る相手にアタック出来るぞ」

「うむ、中々良いではないか」

ドンクさんが見ていた。

「あ、見てたんすか?」

「あぁ、何やら怪しい動きをしてたので見に来た」

「あ、あともう一つ思いついた」

「ほう…」

こうやってグルグル横に回ってうりゃ!

稲妻のようにカクカクッと曲がって相手を避ける動作をした。

「そ、それは稲妻ストリークではないか!」

「稲妻ストリーク?」

「あ、あぁ。お前これ誰かに教えてもらったのか?」

「だから思いついたんだってば」

「ね、言ったでしょ。リオンは才能あるよ」

いつに間にかミナが居た。

「うむ…、これは本格的に鍛えねばならんな」

こうして俺はドンクさんの猛特訓を体験する事になった。

 

***

 

数日後──

「はぁ、はぁ…。ドンクさん、今日はもうやめません?外も暗くなってきたし」

「いや、大会が近づいてきているからな、付け焼刃にはしたくない」

「そ、そんなぁ~…」

するとお客さんが入って来た。

「あ、お客さんっすよ?」

「やぁ、稲妻バスターズの皆様ごきげんよう」

巨体でブサイクな男が俺達に近づいてきた。

「むぅ…」

「あ、蒼の稲妻が居ないからもう稲妻バスターズじゃないか、ケッケッケ」

「何かムカつく野郎っすね…」

「俺はお前らの弱っちいリーダーをボコボコにしちまって出場禁止になったから弟が摩天楼を継ぐ事になった。ホラ、出て来い、チータ」

巨体の後ろに隠れてたもう一人のブサイクが話を始める。

「こんな奴ら数秒で倒せそうだよ、兄ちゃん」

「はっはっは、その通りだ」

「お客さん…」

俺はいつの間にか巨体の前に立ちふさがっていた。

「用が無いなら帰ってくれよ、邪魔だからよ」

「おい!リオン!」

「ふぅ、やれやれ、ここの人間は紳士的では無いようだねぇ…」

ゴォ!

ギィ!

巨体のブサイクの前にジェットブーツでヒュウガがやってきた。

「なんやなんや、お前ら相変わらずブサイクな面構えしとるのぉ、えぇ!?」

「ふん、口とムーンサルトだけだったよな、お前は」

「じゃかぁしや、お前らホンマは何しに来たんや?」

「蒼の稲妻の後釜とやらを見に来ただけだが?」

「そんなら帰った方が懸命やで、こいつまだひよっこやからな」

「まぁ、大会で会おう、健闘を祈るぞ、ケッケッケ」

「オイ、ヒュウガ、今の奴らって…」

「…せや、シュウを殺したヤツや」

ヒュウガがギリッと歯軋りをした。

「そうか、あいつ等だけには負けたくねーな」

「当たり前や、お前絶対ミスすんなよ!」

「その言葉そっくりそのままお返しするぜ」

「ほう、言うやないか…、それじゃ、バトルフィールドで勝負しよか?」

「おう、手加減すんなよ」

「誰がするか、アホ」

そして二人がバトルフィールドへ入った。

「ええか、まず互いの健等を祈る為に握手や、あのブサイクはそれをしないでバトルフィールドに入ると同時にボコボコや、えげつないわ」

「なるほどな」

「それじゃ、スタートや!」

ガーーーーーー!!

お互い距離を保ちつつ、様子を見る。

ヒュウガが何もしてこないので、バック転を決める。

「バック転か…30点ってところか、ほんなら俺も」

ヒュウガがムーンサルトをキメる。

「どや、これは80点や!」

そしてそのまま滑り、ヒュウガがパンチを放ってくる。

俺はそれを稲妻ストリークで避ける。

「何やて!稲妻ストリークやと!?」

俺は次々とドンクさんに教えてもらった技をキメて見事ヒュウガに勝利した。

 

***

 

「あかん、こんなひよっこに負けるとは…」

「リオンは飲み込みが早い、ヒュウガもムーンサルトを教えてみろ、あっという間に覚えるぞ」

「いいや、アカン!あれは俺の宝物みたいなもんや!絶対教えへん!」

「おらー!ムーンサルト!」

俺は見よう見まねでムーンサルトをキメた。

「あ、が…」

「ふむ、教えるまでも無かったか…」

そこにパティさんがやってきた。

「…シュウ!?」

「お、パティ、来たか」

「え、えぇ…あの子、随分上達したわね」

「うむ、俺の技を全て伝授した、それとムーンサルトもな」

「あの子とシュウがダブって見えた…」

「確かにヤツはシュウそっくりだ。喧嘩っ早いところとかもな」

「あ!パティさん、今から練習ですか?」

「えぇ、そうよ」

「ならバトルしましょうよ!」

「断るわ、一人で練習したいの」

「あ、そうすか…」

そういってパティさんはバトルフィールドへ向かった。

「…なんか、パティさんって俺の事嫌いなんすかね?」

ドンクさんに聞いてみた。

「恐らく、お前がシュウに似てるからだろう」

「俺とシュウさんが似てたら何か問題でも?」

「そうだな、もう同じ目に会いたくないんだろう…」

「ふ~ん…」

こうして今日の練習は終わった。

大会まであと一週間。

俺は出来る限り練習しようと思った。

 

続く

 

***

 

今日のあとがき

シュウを殺した男が来ましたね。

名前は決めてません。

ブサイクな巨体でブサキョタです。

今、決めました。

さて、一週間後の大会では何が起こるんでしょうか?

乞うご期待です。

  

今日の一言。

鳩ねぇエンド見ました。

きみある全シナリオコンプしたけど、なんかあんまりだったなぁ…。

唯一楽しめたのは小十郎と揚羽様のやり取りとかベニとのやり取りくらいで他はあんまり。

あ、花粉マスクは面白かった。

ハルエンドも見たけど、昔強姦されたのかな?男に。

その辺曖昧だなぁと思った。

確か体中に焼けどの後があったって話だったんだけど、どうなんだろ?

とにかく、次はキラ☆キラだ。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『疾走Days』第四話。

「よーっと」

アーチをバック宙でキメると、続いて360をキメた。

「あら、中々上達してるじゃない」

俺はドンクさんの練習場で練習を重ねていた。

「おう、ミナ。どうだ、少しは成長したろ?」

「そうね」

「おっと、客だ、お前さん達は別のところで練習しろ」

するとお客さんが割り込んできた。

「俺等は別にいいぜ?丁度退屈してたところだしな」

「どういう事だ?」

「お前ら今年も出るんだべ?新顔拝見させてもらうわ」

「おー、この顔が見たかったのか、あぁん!?」

俺は思いっきりメンチ切った。

「こいつ?さっき見てたけど、あんなもん?」

「あんだと?」

「蒼の稲妻の後釜って聞いたからどんな凄いヤツかと思ったらこんなヘタレかよ」

「テメ…」

「おちつけ、リオン」

ドンクさんが止める。

「うちで喧嘩するならここは貸さない、お前たちももこいつを挑発するな」

「へいへい、そんじゃ、お前ら行くべ」

奴らはアーチに向かって滑っていった。

「ドンクさん、誰すか、あいつ等」

「うむ、ここらで有名なチーム北極ベアーズだ」

「ふーん」

ダサいネーミングだと思ったが、そういや俺達のチーム名ってなんだろ?

「ドンクさん、俺達のチーム名は?」

「稲妻バスターズだ」

どっちもどっちだった。

 

***

 

「ふぅ…、疲れた」

北極ベアーズが帰ってから入れ違いにパティさんが練習場に来た。

「あ、どうも、こんにちは」

「どうも…」

「あ、あれ?何かそっけなくない?」

「パティはいつもあんな感じだ」

パティさんはハイヒールからジェットブーツに履き替えていた。

「何や、パティのねーちゃん来たんか、そんじゃ、俺はここで見せてもらうで、疾風の朱のプレイをな」

「疾風の朱?」

「あぁ、パティの二つ名だ、昔は蒼の稲妻、疾風の朱と呼ばれるほど名スターだったんだぞ」

「それにしてもダルそうっすね」

「あぁ…、恋人が死んだんだからな」

「その恋人って…」

「うむ、シュウ…、蒼の稲妻だ」

練習場を見ると、確かに技が綺麗に決まっている。

が、俺から見ても、何か迷いがあるように見えた。

「………」

 

***

 

「お茶どうぞ」

「あら、ありがとう」

俺は休憩中のパティさんにお茶を差し出した。

「話は聞きました、その…」

「シュウの事ね…、まったく、ドンクはお喋りね」

「あの、新人の俺が言うのもなんですが、何だかプレイに気が入ってないような気がして」

「…人の詮索とは随分偉くなったわね」

キッと睨まれる。

「あ…、すいません。ただちょっと気になっただけです、それじゃ!」

そして俺は練習場に戻った。

「…シュウ…」

「恐ぇ~…もう、蒼の稲妻の事には触れないどこう」

 

***

 

「よっしゃー!俺も混ぜろ!」

「何や!今俺が使うとるやろ!」

「バトルしようぜ、殴り合いの」

「アホか、こんなアーチでバトルが出来るかっての」

そんな会話をしていると、ドンクさんが話しかけてきた。

「それじゃ、本格的に練習してみるか?」

「おぉー、遂にアレを出すんやな!」

「アレって何だよ」

「まぁ、待ってろ」

しばらくすると、練習場の奥のほうからデカい球体が運ばれてきた。

「これって…」

「そうや、大会公式のバトルフィールドや」

「そうだな、まず俺とヒュウガで対戦してみるか」

「おっ、乗り気やな」

そうして、バトルフィールドを設置し、ドンクさんとヒュウガが対戦を始めた。

ガシャン!

入り口を塞いだ球形の檻ではまず互いに握手をしてからプレイするようだ。

「ほな行くでー!」

ガーーーー!!!

球形の周囲を遠心力を使ってグルグル回る。

「よっとぉ!」

ヒュウガのムーンサルトが綺麗に決まる。

「こっちこそォ!」

ドンクさんの技名は知らないけど凄く上手かった。

「でやっ!」

「む!」

ヒュウガの攻撃をドンクさんがガードする。

「ちっ、やっぱアタックポイントは狙えへんか…」

その後もドンクさんが技を決めてヒュウガは相変わらずムーンサルトのみ。

「何分たった!?」

「ちょうど10分」

「ちっ、これで仕舞いか」

「うむ、ヒュウガはもう少し技のバリエーションを増やさなければな」

「わかっとるんやけど、ついついムーンサルトばっかりになるんや」

「その技、大切にしろよ。なんせシュウの直伝だからな」

「わーっとるわ、そや、ドンクが教えてくれや」

「む、俺か。まあいい、根を上げるなよ」

「アホか、誰に言うてんのや」

そうして今日の練習は終わった。

 

続く。

 

***

今日のあとがき。

遂に出てきた大会公式バトルフィールド。

さて、リオンは上手くフィールドを支配できるのか?

乞うご期待。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『疾走Days』第三話。

俺は三日目にして、どうにかジェットブーツを扱えるようになった。

一応言っておくけど、完璧ではない。

さっきも言ったが扱えるようになっただけだ。

でもこれくらいのテクニックがあれば何とかなるだろ。

そう甘い考えをしていた。

練習場に付くと、ヒュウガがジェットブーツを履いてアーチにチャレンジしてた。

「ほう、あの兄ちゃんやってるな…」

すると、ヒュウガはアーチから滑り降り反対側に回ってきたら空中で縦横をグルグル回っていた。

「ド、ドンクさん、あれなんすか!?」

「ん?ムーンサルトか?」

「ムーンサルト…すげぇ…」

「ま、ヒュウガのムーンサルトは“あの人”唯一の直伝のムーンサルトだけだからな」

「まさか、他に技が出来無いとか…?」

ドンクがゆっくり頷いた。

「ま、まあいい。ところでいつも言ってる“あの人”って誰ですか?」

「う、む、そうだな俺の口からはなんとも…」

「アタシのお兄ちゃん」

ミナがドンクさんの巨体の後ろからひょっこり顔を出した。

「ミナの兄ちゃん?今居ないの?」

「それがね…、ジェットブーツの大会で死んじゃったんだ」

「死んじゃったって…、事故でもあったのか?」

「ううん、大会のルールに問題があったのよ」

「そういや俺大会のルールすら知らねぇよ」

「大会のルールその一、ジェットブーツで二人一組で球形の網に入り、お互い如何に綺麗な滑りをする事」

「二人一組って一組は敵…だよな」

「大会ルールその二、「アタック判定10ポイントでその場で勝利」

「アタックポイント?」

「要するに殴る蹴るよ」

「そんな危ない大会なのかよ…」

「だからアタックポイントを取るために色々卑怯なマネする奴らが居るわ」

「まぁ、それを聞くと、綺麗な技が出来なくても参加できるわけだからなぁ…」

「思い出したくも無いんだけど…、これは話さなきゃね。チームメイトだし」

そうして、俺はミナの兄貴の死に様を聞いた。

ミナの兄貴は大会主催者が事故としてもみ消したという事実まで聞いた。

「なるほど、試合は始めと同時にボコボコかよ、しかも死ぬまで」

「アタシ達は講義したわ、でもルールだからって…」

「そっか、悪いこと聞いたな…」

「まぁ大会ルールの細かい部分は後で話すわ」

「で、そこで目をつけたのが俺だったってことか?」

「偶然アナタのを見たのよ、アナタようなプレイヤーが居ればアタシ達、優勝できるかもって思ったんだけど…」

「けど…、なんだよ」

「やっぱりまだ早かったみたいね…」

「おいおい!俺を誰だと思ってやがる!」

「別に誰でもないやろ」

アーチからヒュウガが降りてきて突っ込む。

「このムーンサルトしか出来ないぴよぴよと一緒にすんな」

「だっ、だれがぴよぴよやねん!」

「いいか、見てろ、俺だってムーンサルトくらい華麗に決めてやるぜ!」

そして俺はアーチに登り、先端に立った。

「みとけよー!」

俺はジェットボタンを押し、アーチを降りて行く。

そして、上がりに向かって一直線に進む。

「おらー!ムーンサルト!」

「っ!凄い!一回見ただけで!?」

そして、華麗に着地っと…ってあれ?」

俺は今逆さまだよな。

という事は、落ちるよな。

頭打つよな。

死?

そんな事を考えているうちにいつの間にかドンクさんが俺を受け止めていた。

「馬鹿者!急にそんな高度な技が出来るわけないだろう!まったく…」

ドンクさんは俺のブーツのエンジンを止めて去って行った。

「まぁ度胸は認めるで、ケケッ」

「もう、エース予備軍なんだからもっとしっかりしてほしいよ!」

散々だった。

 

***

 

今日も夜には公園でトレーニング。

ちくしょう…。

あの地方鈍りめ…。

人をコケにしやがって。

みてろよ~…エンジン点火!

ブォォー!

「よっと!」

ジャンプで障害物を避ける。

ターンと4回転半ジャンプを決める。

ビシッとポーズをキメる。

…これがフィギュアだったら俺スターだぜ…。

まぁ、取り合えず基礎練くらいはしとかないと。

そうだ、バック転なら出来るぞ。

ガーッと滑ってバック転をキメる。

「これならあのアーチでも安全だろ」

しかし、ミナの兄ちゃんってのは随分スゲープレイヤーだったんだな。

何でも死ぬ前は蒼の稲妻とか呼ばれてたらしいし。

蒼の稲妻ってなんだ?

よく分からなけど、有名だったらしい。

ま、俺はこんな大会があるのも知らなかった訳だし当たり前か。

 

***

 

翌日──

「リオン!早く魚仕入れて来い!」

「待ってよ、今靴履くから」

「お、今日はスケボーじゃねぇのか?」

「ジェットブーツってんだ」

「ふーん、はやってるのか?それ」

「どうだろね」

「それじゃ、行ってくる!」

そして港までジェットブーツで降りて行く。

「ひゃー!速いぜ速いぜ!」

丁度、角の辺りから老人が通りかかった。

「うわっ!危ねぇ!」

思わずジャンプしたその時前方宙返りをした。

が、しりもちを付いてしまった。

「すみません、大丈夫でしたか?」

すると、老人がジェットブーツに興味を示した。

「…お主、そのジェットブーツちょいと見せてくれないか?」

「あ、はいどうぞ」

俺は靴を脱いで裸足になった。

「…これは、稲妻の…」

「え、ばあちゃん知ってんの?」

「ちょっとな…、それじゃ」

老人は靴だけ見て歩いて行ってしまった。

「なんだ?知ってるならもっとよく教えてくれよ」

そして、危ないからエンジンは止めたまま坂道を下って行った。

「よう!おっさん!今日も魚頼む!」

「だからお兄さんだ!ほらよ」

「どっちも変わんねぇよ!そんじゃな」

「何だ、今日はスケボーじゃねぇのか」

「へっへー、ジェットブーツて言うんだ」

「ほぉー随分高そうだな」

「まぁ、借り物ですから」

「そっか、それじゃ気をつけて帰れよ」

「おう、また!」

登りはジェットブーツでもいいか。

エンジンをかけると、ガーッと店まで戻った。

「ただいま」

「おう、随分早ぇじゃねぇか!」

「まぁね」

「ところで今日の手伝いだが…」

「あーあーあー、聞こえない聞こえない」

「こ、こらリオン!まだ何も言ってないだろ!」

「なんだよもう…」

「お前がやりたい事を見つけたなら俺は全力で応援する」

「で?」

「今日から仕事はしなくていい」

「マジで!?大好き、パパ!」

「気持ち悪い事言ってねぇで早く行け!」

こうして父の承諾もとり、無事練習に専念できるようになった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

蒼の稲妻ミナの兄貴。

10年に一度の才能と言われつつ、惜しくもこの世を去った人間。

その10年に一度が再臨。

その名はリオン。

彼はこれからどんどん成長して行く事でしょう。

しかしあれだな、やっぱりこういうバトルものはライバルは必須だよな。

どんなキャラにしようかな。

やっぱり鈍りキャラか?

「だべ?だべ?」とかやたら使うキャラにしようかな。

元ネタS○AP仲○君。

ってな訳で今日はこの辺で~。

でわでわ。

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『疾走Days』第二話。

俺はジェットブーツを受け取って早速夜の公園で試す事になった。

「それにしても、このローラーブレード随年季入ってるんだな」

「そうよ、中古だもの。それよりローラーブレードじゃなくてジェットブーツよ」

「どうせなら、新品の、ローラーブレードが、欲しかったぜ」

「だから、ローラーブレードじゃないわ!」

文句をぶつくさいいながら靴を履く。

「オマエな、このジェットブーツの価値わかっとるんか?」

ヒュウガが言う。

「何?この靴高いの?」

「値段なんて付けられるような代物ちゃう…、伝説のブーツや」

「ふーん、そっか」

俺にははわりとどうでも良いことだった。

そこにミナが割って入って来た。

「いい、そのブーツでまずターンをやってみて頂戴」

「ターンってクルクル回るあれか?」

「そう」

「そーら、クルクルっと!」

いとも簡単にターンを決めて、ミナに向かって言う。

「どう?」

「そうね…、それじゃ、あの時みたく階段の手すりから滑り降りてみて」

「はいはい」

そして手すりのある場所で俺は滑り降りた。

「どーだー!満足したかー!?」

ミナ達に向かって叫ぶ。

「それじゃあ戻ってきて次のステップへ進むわよ!」

「へいへい…」

 

***

 

「それじゃ、次は180ね」

「おっけ」

ジェットブーツでしばらく滑ったうち、ジャンプして360をキメる。

「私は180を指示したのに、言葉が通じないのかしら?」

「半分飛ぼうが一回転しようが変わらねーだろ?」

「私は今アナタの能力を見てるの、勝手なことしないで頂戴」

「ちっ、何だこのお嬢ちゃんは、偉そうに」

「とにかく、メンバーの意見も聞こうか、ね、どう思う?」

それぞれが集まって会議を始めた。

「…そうね、“彼”には劣るけど、中々いいセンスしてるじゃない」

「うむ、俺も賛成だ」

「俺は反対や、どうせ“あの人”の後釜が務まる訳があらへん」

「でも、ちゃんと5人じゃないとエントリー出来ないんだよ!?」

「ちっ!」

「それじゃ、多数決で、リオンを我がチームに向かいいれる事にしたわ!」

「おう、そうか」

俺はそっけない返事を返した。

「それでは、おまちかねの、ジェットブーツ機能を体験してもらおうかしら」

「あん?これタダのローラーブレードじゃないの?」

「靴の内側についてるボタンを押してみて御覧なさい」

「ボタン?これか?」

ポチッとボタンを押すと、かかとの辺りからバーナーみたく火が出てきて意識しなくても勝手に前に進む。

「うわっ!ちょ、速い!」

そのままガーッと草むらに突っ込んだ。

「ま、始めはこんなもんやろ…」

「だね…」

 

***

 

翌日公園にて。

「よし、誰も居ない!これで心置きなく練習が出来るな」

「そら、ボタンポチっとな」

ゴォー…プスン…。

「あ、あれ?」

ジェットブーツが動かない!

どうしようもしかして壊した!?

とにかくやつ等の練習場所に行く事にした。

「おい!ジェットブーツが故障した!」

「なんやとぉ!?お前“前の持ち主”がどんな思いで…」

「大丈夫だ、ただのガス欠だ」

ドンクだった。

「こいつも久しぶりに走って嬉しくてエンジン全開にしたんだろう」

「たは~、良かった…俺壊しちゃったかと思ったぜ」

周りを見渡してみる。

練習場にはUの字のアーチがあり、練習の傷痕が付いていた。

「ここは俺の敷地だ、誰にもじゃまされずに練習が出来るぞ」

ドンクが胸を張って言う。

「ドンクさん、仕事何してるんですか?見た感じ25~30歳くらいに見えるんですけど」

「うむ、俺達が練習しないときは、他のチームに貸してるのだ、それで食っていってる」

「そんな事して、相手がどんどん強くなったらこっちに不利じゃないですか」

「なにフェアじゃない事を言っている、俺はフェアな戦いが好きだ。相手が強敵であるほど燃えてくる」

「そっすか」

「ところで今日はヒュウガとドンクさんだけですか?」

「うむ、ミナは学校で、パティは店をやっていてな」

「で、そこの方言丸出しの兄ちゃんはちゃんと働いてるのか?」

「じゃかぁしや!俺はここのバイトや!」

「バイトねぇ(ニヤニヤ)」

「うっさいねんお前!早ようどっか行けや!」

「そうそう、靴にガソリン入れないと」

「ほらよ、もうやっといた」

「お、サンキュードンクのおっさん!」

「お、おっさん…」

「ちなみにどうやってガソリン入れるんすか?」

「あぁ、それはここを外してな…」

そうして、俺は練習場を後にした。

 

***

 

よし、今度こそ。

カチッ。

ブォー!

「やっぱ速ぇー!!」

また草むらに突っ込んだ。

「ちくしょう!これは練習あるのみだな」

「危なくなったらかかとで止めるといい」

「ん?この生意気な声は…」

「よぅ」

「よ、よぅ」

ミナだった。

「かかとで止めるとストッパーが働いてエンジンが止まる」

「な、なるほど」

「随分苦戦しているようだな、アタシの見込み違いだったかしら?」

「うるせー!始めて一日でそんな上達しねぇよ!」

「まぁ、期待してるわ、あのスケートボードさばきは凄かったわよ」

「そりゃ、スケボーなら得意だがよ…」

「キミなら出来るわ、諦めないでね」

何故か励まされた。

「これから練習場か?」

「うん、一緒に行く?」

「いや、もう少し上手くなってから行くわ」

「そ、それじゃまた上手くなったときね」

「見てろ!三日でものにしてみせる!」

「あら随分やる気じゃない」

「賞金1000万…1000万」

「でも…、動機が不純ね…」

 

続く。

 

***

 

はい、ジェットブーツに関する説明はお仕舞い。

次回は大会の概要などを書こうかと。

あと、ちょくちょく登場する彼、あの人と言った人物も徐々に明らかにして行こうと思います。

今回のジャンルは青春かな。

架空の国を舞台にしているので、色々捕われずに書けますね。

関西弁のにぃちゃん出したり、まぁ、こっちの世界では関西とか関係なく、ヒュウガの生まれた地方の方言です。

鈍りキャラ好きなんで。

ってな訳で、今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『疾走Days』第一話

「よっと」

俺はスケートボードで街を下っていた。

酒場の親父からのお使いに出ていたからだ。

オーリーやフリップ、180を駆使しながらガーっと港町の坂を降りて行く。

「やっぱスケボー最高ー!」

階段の手すりを滑り降りる。

「ひゃっほー!」

そうして、遊びながら港まで行く。

「おいーっす!」

「おう、リオン!今日もいつものか?」

「そそ、オッサン話が早ぇや!」

「オッサンじゃなくてお兄さんだ!いつも言ってるだろ、こら!」

「まーまー、そう固い事言うなよ」

「そんじゃ、いつものだ、ホレ持ってけ」

「サンキュ」

俺は大量の魚とスケートボードを抱えながら歩き始めた。

「ちぇ~、下るときは良いけど登りがなぁ…」

そんな事をぶつくさ言ってると、一人の少女に声をかけられた。

「アナタ、名前は?」

「は?俺?」

少女はコクリと頷いた。

「リオンだけど?」

「…アナタ、ウチのチームに入らない?」

「は?チーム?なんだそれ?」

「ジェットブーツのチーム」

「じぇっとぶーつ?」

そう、今アナタのスケートボードの腕前を見せてもらったわ。あなたには才能がある」

なんか変な女の子が変な事言ってるけど、無視して行こう。

「待ちなさい!まだ話の途中よ!」

「うるせぇな、話があるなら上の酒場で聞くよ」

「アタシ未成年だもん!」

「心配すんな、酒場にもジュースくらいある。カクテルとか造るのにな」

「じゃあいいわ、酒場は何時に空くの?」

「午後五時から」

「いいわ、そこでゆっくり話しをしましょう」

「それじゃあな、お嬢ちゃん」

「お嬢ちゃんじゃないわ!」

こうして謎の少女と別れた俺は、大量の魚を抱え、酒場に戻った。

 

***

 

午後六時──

がやがや。

「…でよ、俺の女房がよ…」

「またその話っすか、先輩?」

「また出た、先輩の嫁自慢」

「なんだぁ!?いいだろ?」

「はいよ、マント魚のおつくりお待たせいたしました」

「おぉ、これこれ!」

「兄ちゃん今日も頑張ってるな、ホレ、チップとして取っとけ」

「いや、俺ここの息子ですから当たり前ですよ」

断ったが、オッサンは無理やり1000バルを俺のポケットにねじ込んだ。

その時、昼間に会った女の子が店に入って来た。

後ろに何人かいる。

「よぅ」

「よぅ」

女の子もフランクに返事をした。

「で、後ろのデカい人と頭良さそうなメガネの人とべっぴんさんはお嬢ちゃんの友達?」

「お嬢ちゃんじゃないわ!友達というか、チームよ」

「さっきも言ってたけど、チームって何?」

「だ・か・ら、チームだってば!」

その時、デカいやつが話しかけてきた。

「ミナ、もしかして事情話してないのか?」

「うっ!一応話しはしたんだけど…」

「ったく、リーダーがこないじゃ先行き怪しいで」

「と、とにかく!」

みんながミナという少女に注目する。

「何か頼みましょう」

「あ、そういや客なんだったよな、いらっしゃいませ!」

カウンター席に四人並んで座り、ミナという少女はオレンジジュース。

デカいやつはビール。

メガネのやつは焼酎のダブル。

色っぽいネーちゃんはカルーアミルク。

「んで?俺に用があるんじゃないのか?」

オレンジジュースを飲んでいたミナという少女がその話題に食いついてきた。

「そう!キミのあのテクニックなら他のチームに絶対負けないよ!」

「テクニックって…、スケボーか?」

「いいえ、これよ」

ドンとテーブルに靴を置いた。

「ちょ、ちょっとテーブルに靴を置かれるのは困るんですけど!」

「キミ、靴のサイズは?」

「26.5だけど…?」

「そう、それじゃピッタリね」

「何がだよ」

「これを扱えるのはキミだけだと思うから…」

「ホンマにこないなやつにこれ扱いこなせるんかいな?」

「ヒュウガ、アタシが判断したんだから間違いないわ。だってあの人の妹だもん…」

今度は色っぽいネーちゃんが話し始めた。

「…また、あんな事にならないといいけど…」

「パティ…」

デカいやつがネーちゃんの言葉をさえぎる。

「ね、いいでしょ。ドンク?」

「うむ、まだ実力が分からないが、ミナの言う事だ、信じてやろう。やつの為にも…」

話について行けず、俺はちんぷんかんぷんだった。

取り合えず分かったのは…。

この少女がミナ。

デカいやつがドンク。

メガネのやつが、ヒュウガ。

ネーちゃんがパティって事くらいだ。

「それじゃ、早速トレーニングするよ!」

ミナが立ち上がった。

「いや、俺仕事あるし」

「えー!いつ終わるの?」

「うぅん、夜中の三時頃かな?」

「えー!そんなにかかるの?アタシ眠くなっちゃうよ!」

「でも面白そうだな、その、じぇっとぶーつ?どんなことが出来るんだ?」

するとミナが答える。

「うんとね、これを履いて円形のリングの中でお互い技を披露してその点数で勝ち負けを決めるゲームなんだ!」

「ゲーム…、ねぇ」

ゲームと聞いたとたんやる気が失せた。

「でもタダのゲームじゃないよ!なんと、優勝者には1000万バルが手に入るのよ!」

 

「なんだってー!!」

 

俺の叫びが店中に響いた。

「あ、すいません、すいません…」

「…という訳で、特訓…。あぁお店終わってからじゃなかったらダメなのか…」

「よし、やるぞ…、1000万バルが手に入ればいいスケボーが買える…」

「お、お店は?」

「店?そんなもん関係ねー!親父!今日から俺の手伝いは無しだ!」

「なんだと、このヤロー!」

「心配すんな!そのうちビッグなプレゼントでも用意するぜ!」

こうして俺はミナという少女が所属するジェットブーツチームに入った。

 

続く

 

***

 

今日のあとがき。

さて、今回は一切触れられてないジェットブーツの豆知識。

ジェットブーツはエンジン駆動型ブーツでガソリンが必要である。

それとチーム名ですか。

ま、それも含めて第二話にて語りたいと思います。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『クローンなボク』第六話。

12月24日AM7:00──

「またここにおったのか…」

ボクは既に目を覚まし、フラスコの中の少女を眺めてた。

「ホレ、朝食じゃ、行くぞ」

ふらふらとした足取りでお爺さんに付いて行く。

ボクはあと一日の時間しか残されていなかった。

ボクは何かしてやろうと思ったが、何も思い浮かばなかった。

ボクには何の特技も無い。

あるのはお爺さんの記憶くらいだ。

この記憶を政府が欲しがってるんだよな…。

そうだ、政府の極秘実験室をぶっ壊してやろう。

ボクはそう思い立った。

二度とボクのようなクローンを作り出せないように派手にやってやろう。

そう思った。

朝食を終えたボクは、お爺さんにお礼を言って、豪邸を後にしようとした。

「…お主、やるんだな?」

「はい…、決意は変わりません」

「ならばこれを持って行け」

お爺さんに固形の黒い物体を渡された。

「爆弾じゃ」

「爆弾!?」

「うむ、これくらいあれば十分じゃろ、これがスイッチじゃ」

「ありがとうございます…」

何から何までホントにありがたい。

 

***

 

12月24日未明──

辺りは暗くなり始め、研究員達が次々と研究所を後にする。

ボクはそれを、木の陰から見ていた。

確か研究員は20人…。

あと一人…。

センサーの位置は確認済みだし、カードキーを持っていないボクは、最後の研究員が鍵を閉める前に行動しなくてはならない。

出てきた!

よし、あいつをこのロープでグルグル巻きにしてっと。

そろそろと研究員の背後へ回る。

「うりゃ!」

鈍器で一発後頭部を死なない程度に殴った。

「ぐあっ!」

そら、ロープでグルグルと。

「ケンタ!?いや、ホムンクルスか!」

どうやらケンタの父親だったらしい。

「カードキーは貰って行くよ?」

そして、ケンタの父親からカードキーを掠め取って研究所へ乗り込んだ。

 

***

 

12月24日未明──

カードキーを使って、研究所に乗り込む。

暗い研究所には、新たなクローン人間が作られようとしていた。

「…させるかよ」

ボクは爆弾を数箇所に設置し、研究所から出た。

すると、ロープでグルグル巻きにされたケンタの父親がわめく。

「貴様!政府に逆らうつもりか!?」

「あいにくボクにはもう時間が無いんだ、捕まえる事も出来ない」

「何を言って…」

ざくざくと雪を踏みつけながらケンタの父親に近づく。

「ここに居たら危険だ、早く逃げろ」

「…くっ、貴様、何をした」

「研究所の数箇所に爆弾を仕掛けただけだ」

「そんな事をしたら貴様は死罪だぞ!」

「だから言ったろ?ボクにはもう時間が無いって」

「何を言っている…?」

「ボクはもうすぐ強制終了する、要するに死ぬんだ」

「そんなはずない!私は完全に作った!」

「ボクは未完成のまま生まれたんだよ、あなたのお父さんから聞いた」

「くっ!あの親父!まだ隠している事があったのか!」

「さぁ、ここは危険だ、早く逃げるんだそれとも研究が粉々になるのを見るか?」

「く、くそっ!」

ロープで縛られているので、よたよたとその場を後にした。

「…あと一日」

残り何時間だろうか?

そういや今日はクリスマスイブだ。

クリスマスと同時に爆破してやろう。

 

***

 

12月24日PM11時59分──

「5…4…3…2…1」

ボクはクリスマスまでカウントダウンを開始した。

「メリークリスマス…」

“カチッ”

 

ドォーン!

 

と研究所が派手にぶっ飛ぶ。

メラメラと燃えている研究所を尻目にボクは研究所を後にした。

そして、ボクは街中まで来ていた。

辺りはクリスマスらしく、きらびやかなライトで店を照らしていた。

あと何時間ボクはこの世界に居られるんだろう。

体が重いや…。

ボクは、雪の積もっているベンチの雪を払い、ベンチに座った。

辺りには粉雪が舞っていた。

あぁ…、眠い。

 

***

 

12月25日未明──

「おい、キミ!大丈夫か!?」

「ダメだ、脈も無いぞ!」

「こんな街中で凍死か?」

三人の警官が動かないボクを見ていた。

「とにかく、この子の身元を確認しよう」

「ちっ、クリスマスだってのに、神も仏もねーな。こんな少年を死なせるなんて」

「全くだ」

こうして、ボクの人生は終わった。

生まれ変われるなら、今度は本物の人間に生まれたいな。

そう願って、少年は永遠の眠りに付いた。

 

『クローンなボク』 

 

***

 

今日のあとがき。

完!です。

最後はフランダース状態でしたね。

ハッピーエンドじゃないのはワタクシがハッピーエンドが嫌いだから。

何でだろう、映画とかでもハッピーエンドってあんまり好きじゃないんだよね。

性格がひねくれてるからかな?

それとも協調性が無いからかな(関係ない)

とにかく、一本書き上げました。

疲れダー!

実はもう一本書いてるんですけど、今のところ未公開。

いつ公開するかは、作品が出来上がったとき。

そのときをお楽しみに。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『クローンなボク』第五話。

「なんだ…ここは!」

薄暗い部屋に巨大なフラスコがある。

その中に緑色の液体と、少女が入っていた。

近づくと、緑色の液体がゴボッと音を立てて、ボクは慌てた。

「まさかこの子もクローン…」

辺りを見渡してみると、なにやら研究所みたいだ。

「どうして隠し部屋にこんなものが…?」

「見てしまったようじゃの…」

バッと後ろを振り返ると、さっき出かけた老人が立っていた。

やばい、勝手にこんな事してるのを見られたらボクはお仕舞いだ。

取り合えず謝っとこう。

「ご、ごめんなさい!あの、勝手に入るつもりは無かったんですが…」

老人がツカツカと歩いてくる。

逃げ場を失ったボクは観念した。

すると、老人はボクの横を通り過ぎ、フラスコの中の少女に近づいた。

「この子はワシの最愛の人、嫁のDNAから作られたんじゃ…」

「…え?お爺さんの奥さん!?」

「…そう、もう当の昔のことじゃったが、ワシはホムンクルスの精製に成功したんじゃ」

ホムンクルス…。

そういや、研究所の連中もそんな事言ってたっけ。

「そこに目をつけた政府がワシの息子をスパイとして精製方法を聞きだしたんじゃ」

ボクは黙って話しを聞いていた。

「息子はそれを政府に売りつけ、自分も研究員として政府の犬に成り下がった」

老人は一息ついてから、また喋りだす。

「ワシはあやつを間違って育ててしまったらしい…。ワシのDNAからまだ若いワシを作りだしよった」

「でも…、何故わざわざお爺さんのDNAを使ったんでしょう?」

「これじゃよ」

古いファイルを渡された。

「このファイルにはホムンクルス精製のありとあらゆる事が書いてある。それを記憶しているワシのDNAを欲したんじゃろ」

「…このファイル、息子さんには?」

すると老人は首を振った。

「見せておらん、じゃから必要だったんじゃろう、ワシのDNAがの」

「そうだったのか…」

「だが、キミはまだ未完成じゃ、いつか終わりが来る」

「え…、終わり?」

「未完成ゆえにもろい…、そろそろお主は壊れてしまうだろう…」

「だって、研究所の人間は完成だって!」

「それはヤツ等の浅知恵よ、まだまだぬるいわ」

「…そんな…、ボクは死ぬのか…?」

「こんな話はしたくなかったんじゃがの…」

「じゃあ、このフラスコに入ってる少女も未完成なんですか?」

ボクはフラスコを指差してこういった。

「そう…、まだ未完成じゃ…」

「ボクは完成品になれないんですか…?」

「…一度フラスコから出てしまえば、後は終わりが来るのを待つだけじゃ」

そうか…。

ボクはもうすぐ死ぬのか…。

ボクは何故か死を迎えるのが恐くなかった。

「すまんの、ワシの息子が勝手な事して…」

「いいえ、いいんです。ボクがこうして生まれたのはお爺さんの息子さんがいたからです。ボクが存在して何かが変わるなら終わりが来るまであがいて見せますよ!」

「…本当に、すまんの」

老人は寂しげに言った。

「やだなぁ、そうしんみりしないで下さいよ、まだ生きられるんでしょ?だったらそれでいいですよ」

「それが…、あと三日足らずでお主は壊れるじゃろう…」

あと三日!?

「今日の朝、お主を見たが、お主は気付かなかったか?自分の動きがやけに重い事に…」

そういや、何だか体が重い気がしてきた。

「もってあと三日じゃ…、それまで好きな事をして過ごすと良い」

そう言うと、老人は隠し部屋を後にした。

そんな…、あと三日だなんて急に言われたって…。

ボクは途方にくれた。

 

***

 

12月23日未明──

ボクは夕食も取らずに、隠し部屋へ引き篭もっていた。

あと三日…。

零時を過ぎだろうからあと二日…。

何かボクに出来る事は無いだろうか…?

ボーっとフラスコの中の少女を見ているボク。

ダメだ、何も思いつかない。

ボクはこうして死ぬのを待つだけなのか?

最後に何かデカい事してやろうかと思ったが、お爺さんに迷惑をかける事は出来ない。

そうだ…、ボクは所詮クローン人間なんだ。

人間にだっていつかは終わりが来る。

ボクはそれが劇的に早いだけだった。

うとうとしながらそんな事を考えてボクは隠し部屋で眠ってしまった。

 

***

 

12月23日AM7:00──

「…レ、起きんか、ホレ」

また杖で突付かれる感触があった。

眠い目を擦りながらボクは目を覚ました。

「…あ、ボク昨日ここで…」

「朝ご飯じゃ」

老人はにっこりと微笑んで、ボクを食堂へ案内する。

食卓についたはいいが、体が重い。

なんというか、アンニュイだ。

もう限界が近いということか。

「どうなされました?」

一人のメイドが話しかけてくる。

「食欲がありませんか?」

余計なお世話だ。

「そういや、昨日の昼食や晩はお食べにならなかったようですね」

うるさいな、このメイドは…。

おせっかいするなよな。

ボクは少しだけイライラしていた。

朝食を早めに食べ終わると、また隠し部屋へ向かった。

何だかここが一番落ち着く。

そうして今日もボーっとフラスコの中の少女を見て過ごした。

 

***

 

今日のあとがき。

さて、余命三日を宣告されたナンバー435はどうするのか。

フラスコの少女と何かラブ的展開になるのか。

まぁ、そりゃ無理か。

もってあと三日だしねぇ…。

あ、後二日か。

ってな訳で今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『クローンなボク』第四話。

12月22日AM7:00──

「…ホレ、起きんか」

何か棒状のものでボクの頬をツンツンとされる。

「うぅん、もう少し…」

意識が起きてるのか起きてないかの挟間で昨日の事を思い出す。

あぁ、そういやここ、ボクのDNAの元のお爺さんの家だったっけ。

眠い目をごしごし擦りながら老人の方を向く。

杖をついている老人が目に入る。

「寝起きが悪いのもワシの若い頃そっくりだのぉ」

「…あはは、おはようございます」

「うむ、おはよう」

老人はゆっくりとした口調でそう言った。

「では朝食にでも向かうかの。お主も来い」

「は、はい」

ボクは着の身着のまま食堂へ向かった。

昨日はそわそわしてよく見ていなかったが、よくよく見ると、ここは随分広いお屋敷らしい。

食堂なんて、ボクの生活スペースより遙に広い。

まぁ、ボクの生活スペースなんて4畳半くらいしかない暗い檻の中だったんだけど…。

ボクは何故かくまってくれるのか聞きたかったが、老人はテーブルにつき、新聞を広げて読み始めた。

むむ、完全に会話をする状況じゃなくなったぞ。

でも一応確認しておきたい事も沢山あるし、話し掛けようかな?

すると、老人から話を始めた。

「どうじゃ?この家には慣れたかの?」

そうだ、ボクはこの人のDNAから生まれたんだ、何でもお見通しなんだ。

「あ、はいっ、いやっ、まだ慣れてはいないですけど…」

「何か他に聞きたそうじゃの」

「あ、あの、どうしてボクをかくまってくれるんですか?」

「ふむ、何故か…」

「はい」

「そりゃ決まっとる。もう一人のワシじゃからの」

イマイチ納得出来ない回答だった。

でもまだ聞きたいことは山ほどある。

「あ、あの…。ケンタ君ってお爺さんの孫なんですか?」

「そうじゃ、じゃが、あの通り粗暴で慎みというものを知らん。自分さえ良けりゃいいんじゃ…」

「あの、一緒には暮らしてないんですか?」

「あぁ、ヤツは高校に入ってから一人暮らしをしとる、しかし、ケンタの部屋は溜まり場になっててな。全く、誰の金だと思ってるんだか」

「ケンタ君のお父さんは?」

それを聞いたお爺さんは急に鋭い目つきに変わった。

「ヤツはもうワシの息子ではない…」

「え、どういう事ですか?」

「ヤツは政府に尻尾を振ったボンクラじゃ、それ以外でもそれ以上でもない」

そんな会話をしてるうちに朝食が運ばれてきた。

「さ、朝食じゃ、食べようぞ、少年」

まだまだ話し足りなかったが、料理を目の前にしたら急にお腹が空いてきた。

「いただきますっ!」

そして、朝食をがっついた。

「ほっほ、若いというのはいいのぉ、いい食べっぷりじゃ、こっちまで腹が膨れてきそうじゃ」

 

***

 

朝食を食べ終わったボクは、まだ朝食を食べている老人に再び尋ねる。

「あの…、ボク、これからどうなるんでしょう?」

「そうじゃの…、しばらくはここでおとなしくしてると良い」

「あ、ありがとうございます」

「それと…そうじゃな、暇ならワシの書斎で本でも読むと良いかもしれんの」

「え、本当ですか!?」

ボクのDNAからは読書をするのは幸せな時間という意識があった。

「それじゃ、ワシはそろそろ行かねばならん、話はメイド長に伝えてある、遠慮せずに屋敷を動きまわってくれて構わん」

「何から何までありがとうございます」

ボクはペコリとお辞儀をした。

「ほっほ、ケンタとは偉い違いじゃの、ワシそっくりで謙虚じゃ。それじゃあの」

そう言うと、お爺さんは豪邸を後にした。

どこへ行くんだろう?

まぁ、いいや。

今日は本が読める。

この際だから入れれる知識は入れとこう。

そして、書斎に向かった。

 

***

 

12月22日AM10時48分──

「くそう、書斎ってどこだ?」

こんな豪邸なら地図くらいあっても良いものが一切無い。

「むむ…ここはさっき通ったような…」

すると、向こうから人がやってきた。

「あら、おはようございます」

「あ、おはようございます」

二人ともペコリとお辞儀をする。

「まぁ、アナタが例の…、旦那様からお話は覗っております、書斎へ行くのでしょう?」

「あ、はい…」

メイドというものをここに来て始めて見たが、実際に生息してるとは思っていなかった。

しかも、実際のメイドはボクより二周りくらい年齢を召してなさる。

メイドカフェなんてのは偶像なんだと改めて実感した。

そんな事を考えていたら、メイドさんが立ち止まった。

「ここが書斎です、どうぞゆっくりしていって下さいね」

「ありがとうございます」

ボクは再びお辞儀をすると、メイドさんもお辞儀をして去っていった。

さて、何の本を読もうかな。

取り合えず手に取ったのは夏目漱石の坊ちゃんだった。

自分でもベタだなと思いながらも本を読み進める。

…が。

おかしい!

この本は初めて読むはずなのに、ボクは内容を知っている!

別の本を手にとっても内容が分かるものばかりだった。

…そうか、ボクのDNAか。

あのお爺さんのDNAが全て知っているんだ。

退屈だ…。

そう思ったとき、ある案が浮かんだ。

「そうだ、この手のの書斎となると隠し部屋の一つや二つ…」

ボクは色々と見て回った。

一冊抜けてる本の所に違う本をつめてみたり、机のあちこちを触り、ボタンは無いかとベタベタと探す。

「ちぇ、何も無いや」

ボクは書斎の椅子に座りクルクル回り始めた。

8週くらい回ってピタと止まる。

すると、本棚がガガガと動き出した。

「…え、マジ?」

どうやら隠し部屋の暗号を解いたらしい。

本棚の向こうには暗い階段が続いていた。

それはボクの好奇心を妙に刺激した。

でもちょっと待てよ、これは何かの罠とか?

「よし!」

ボクは好奇心に負けて暗い階段を下りていった。

 

***

 

12月22日PM12:36分──

「うわぁ…、真っ暗で埃っぽい」

ボクは手探りで階段をゆっくり下りていた。

すると、前方に扉があるのが分かった。

扉には鍵はかかっていないようだ。

「うわ、秘密基地みたいでワクワクするよ」

ガチャリと扉を開いた瞬間、ボクは驚愕した。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

好奇心に負けてしまった主人公。

さぁ、その扉の向こうには何が待っているのか!

次回、遂に全ての謎が明かされる!?

乞うご期待!

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『クローンなボク』第三話。

ベンツに押し込まれたボクは信号で止まるたびに逃げ出す機会を覗っていた。

すると、老人が話しかけてきた。

「まぁ、そんなに慌てることはない、キミをかくまってやろうとしているだけだよ」

ボクは反論した。

「嘘だ!またボクをあの暗い檻に閉じ込めるつもりなんだろう!」

老人は目を丸くした。

「なんと…、そんな所に閉じ込められておったのか…」

老人は驚いた様子だった。

「そうか、地下研究所のキメラ収容所かの」

「そんな事はどうでもいいからボクを離してくれ!」

老人がずっとボクのパーカーのフードを掴んでいた。

もう二度とパーカーなんて着るか。

と、思った。

「ほれ、もうすぐウチに着くぞ」

大きな門が、家の前に立ちふさがっている。

すると、勝手に門が開き、ベンツが敷地内に入っていく。

くそっ!もう逃げ出すチャンスは車から降りた瞬間以外ない!

今だっ!

「ム!待たんか!」

そうして、車が止まった瞬間にボクは車から飛び出し、今まさに閉まろうとしている門をすり抜けた。

「へへっ、足には自信あるんでね、ごめんね、お爺さん」

すると、黒服の男達が門からブワッと溢れ出して来た。

「またこのパターンかよー!」

ボクは大勢の黒服から逃げ出し、再び人ごみに入った。

で、結局また地下鉄に乗って遠くへ行こうとする。

「ふぅ…、もう、せっかくのパーカーが伸びちゃったよ…」

すると、後ろから声が聞こえた。

「あっ!」

その声に聞き覚えがあった。

「…あ、やぁ、キミか。ケンタ君は?」

「ケンタは帰ったけど…。ごめんなさい!」

「何で謝るの?」

「だって…アタシがあんなところでケンタと鉢合わせたりさせちゃったから…」

「あはは、気にしてないよ」

「…よかったら、もう一度ウチでかくまってあげようか?」

「う~ん、お誘いはありがたいんだけど、多分もうマークされちゃってると思うから」

「そ、そっか。そうだよね…。あ、あとケンタに聞いたんだけど…、アナタ本当にクローン人間らしいわね」

「…うん、そうみたい」

「ケンタのDNAから生まれたの?」

「いや、もっとお年寄りらしいんだ」

「え…、それじゃ、ケンタのお爺さんのDNA?」

「多分…」

「え、じゃあ何で逃げてきたの?」

「え?」

「ケンタのお爺さん迎えに来たじゃない」

「え、アッー!」

 

***

 

12月21日未明──

「確か…、この家だったよな…」

ボクはもう一度あの豪邸に来ていた。

門から中を覗く。

ちらほらと電気が付いてる部屋が何箇所かある。

このどこかにボクのDNAが居るんだ。

そう思うと、体が勝手に行動に出ていた。

門をよじ登り、門を飛び越える。

その時、センサーに引っかかった。

“シンシュウシャハッケン”

ファンファンと警報音が響く。

やばっ!

走って玄関の前まで駆け出す。

すると、玄関のドアが開いた。

って何やってるんだ俺!侵入者だろ!

くるりときびすを返し、また門のところまで駆け出す。

が。

「待たんか」

またパーカーのフードを捕まれる。

くそっ、このパーカーは呪われてるのか?

観念して、その場に立ち尽くしていると、後ろからやさしい声が聞こえた。

「ホレ、いつまで突っ立ってるんだ?風邪引くぞ?」

ゆっくり振り返ると、ケンタの祖父がニッコリと微笑んでいた。

「…あの、ボク…」

「心配するな、政府には言っておらん」

「何故ボクを…?」

「そりゃ決まっとる、ワシのDNAじゃからの」

老人が笑う。

あぁ、ボクはやっぱりこの人のDNAから生まれたんだ。

 

***

 

「………」

「ホレ、早く食べないと冷めてしまうぞ?」

ボクは料理に何か入ってるんじゃないかと、怯えてた。

「毒でも入ってるとでも思ってるのか?」

老人が笑う。

ボクは焦って否定する。

「い、いえ。こんな高級なもの食べた事無くて…」

「嘘は言わんでいい。何せワシのDNAだからのぉ」

そうか、大体考える事は一緒なのか。

だからボクがもう一度この家に来ると踏んで玄関で待ってたのか。

しかし、疑問が残る。

何故ボクをかくまうんだろう?

自分にはメリットが無いのに。

「今、お主は何の為かくまってるのか…、とか考えてるんじゃろ?」

ダメだ。

この人の前じゃ隠し事出来ない。

「そうじゃの…、何でかのぉ…」

どうやら深い意味は無いらしい。

「ま、いいじゃろ。ホレ、食べんか」

「あ、頂きます…」

「ところでお主の名前は──」

「ナンバー435──」

「まるでロボットじゃ──」

こうして、ボクは自分のDNAを見つけた。

これからボクは何を目標にして行けばいいのだろうか?」

大きなベッドにふかふかの羽毛布団の中で考えていた。

考えてるうちに意識が眠りへと遠のいていった。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

さて、これ何てジャンル?

SFかな?

でもSF要素少ないし、ファンタジーでも無いし。

ましてや恋愛では決して無い。

まぁ、今後どのようになるかは不明。

毎回恒例の行き当たりばったりなんで。

ってな訳で今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『クローンなボク』第二話。

「…っと、ちょっと!」

うるさいなぁ、ボクは眠いんだ、起こさないでくれ。

「ちょっと、朝ご飯だよ、ちゃんと起きてよ!」

…朝ご飯?

あぁ、そうだ。

確か昨日は地下鉄で少女に出会ってそれから家にお邪魔したんだっけ。

「…うぅん、お早う」

「お早うじゃないわよ、まぁ、今日は土曜日で学校休みだからいいけど…」

それよりもボクは朝ご飯が気になった。

「朝ご飯…」

「あ、あぁ…。そう、朝ご飯の時間だよ?」

「早く行こう」

「アンタって人の話聴かないのね…」

寝ぼけ眼を擦りながら食卓へ着く。

その間もこの由梨という少女は話続ける。

「…でね、タケルがサッカーの合宿で」

“タケル”というのはこの少女の弟らしい。

「…やっぱ弟とかウザいよね、ケンタもそう思うでしょ?」

「う~ん、どうかな、あはは…」

すると、テーブルの下で足を蹴られた。

「いっ!」

(なるべくケンタのフリしてよ!ばれちゃうでしょ!)

と、少女が耳打ちをした。

ケンタ君のフリって実際合った事も無いのに、そんな事出来る訳がない。

つまり肯定しろって事かな?

「そ、そうだな、やっぱ兄弟とか居ない方がいいよな!」

「だ、だよね!あはは…」

少女がちらりと母親を見る。

「ん?どしたの?」

「あ、いや、なんでもないっ!」

どうやらバレなかったらしい。

そして、朝ご飯の時は始終ケンタ君のフリをしなくてはならなかった。

 

***

 

「あぁっ!疲れた!」

「あはは…、ボクの演技ダメだったかな?」

「最低ラインギリギリって所かな」

要するにダメだったらしい。

すると、彼女の携帯が鳴った。

「あ、ケンタ…」

本物のケンタ君から電話があったらしい。

「もしもし…?うん、え?いや違うよ」

彼女の電話が終わるまで黙って何がいけなかったのかを考えていた。

「…うん、それじゃ午後二時ね。あ、あときっと驚くよ。うん間違いなくね」

彼女が電話を終えたようだ。

「それじゃ、ボク、そろそろ帰るよ」

「どこに?」

どこに?

どこだろう?

すると彼女が話しかけてきた。

「どうせ行くあて無いんでしょ?ならちょっと付き合ってよ」

そうして、ボクは言われるまま連れて行かれた。

 

***

 

10月21日PM2:00──

「あ、あの…」

「何よ?」

「ここで何するの?」

「ケンタと待ち合わせ」

「え!それはマズいんじゃ!」

「いーのいーの、最近ケンタ冷たいから仕返ししてやるんだ」

「そんな…」

ボクと彼女とケンタ君…。

もしそんな状況になったら、ボクはどうしたらいいのだろうか?

「あ、来た来た」

ボクは心臓がドキッと跳ね上がった。

「ボ、ボクやっぱり帰る!」

「ちょっと待った!」

ボクはパーカーのフードを捕まれ、首を絞められた。

「ぐぇっ!」

「やっほーケンタ!」

「んだよ、そいつ…」

ボクは彼女の後ろに隠れて、ケンタ君を見た。

ボクにそっくりだった。

ただ、違うのは、髪の毛をワックスやヘアスプレーでツンツンに立ててるところや、言動がボクとは違う。

「じゃーん、ケンタ二号!」

彼女がぐいっとボクを前に引きずりだす。

「ハァ!?」

ケンタ君は驚いていた。

そりゃそうだ、自分にそっくりな人間が目の前に現れたらそりゃ驚く。

「んだよ!誰だ、こいつ!」

「ナンバー435だって、クローン人間みたいでしょ?」

「…もしかして親父の言ってた…」

その言葉をボクは聞き逃さなかった。

「親父!?その人ってもしかして…」

「おっと、これ以上は言えねーな。そうか、そうか」

すると、ケンタ君が電話をかけはじめた。

「あー、親父いる?見つけたぜ。クローン。あぁ、時雨公園だ」

政府の権力者か!

ボクはダッと駆け出した。

「おっと、逃がすかよ!」

ボクのパーカーのフードを掴んでボクが逃げるのを妨げる。

「離せ!」

「うりゃ!」

そのままボクは投げ飛ばされた。

「ちょ、ちょっとやめなよ!」

「あぁ!?うるせーな、こいつを引き渡せば小遣いアップだぜ」

ケッケッケ、と笑うケンタ。

くそっ!こんな所で捕まるのか…。

ケンタに腕を捻られ圧し掛かられた。

そうしてようやくボクは観念した。

 

***

 

そして、黒塗りのベンツが公園まで来た。

スーツを着た男が運転席から降り、後部座席のドアを開けた。

そこに現れたのは、白髪の老人だった。

「じ、爺さん!」

爺さん?

ケンタのお爺さんだろうか?

「ほほっ、こんな所におったのか」

その顔は年老いたケンタそのものだった。

「お、親父はどうしたんだよ!」

「ヤツが行動する前にワシが来た」

「ちっ、親父のヤロー…」

「ホレ、早くその少年を離さんか」

「くそっ!」

ようやくケンタから逃れたボクは隙を見て、必死に逃げようとした。

…が。

運転手がボクの前に立ちふさがり、また腕を捻られる。

「ちくしょう!離せ!」

「ホッホッホ、まぁ、そう暴れるな」

そうして、ボクは無理やり押し込まれる形でベンツに乗り込んだ。

そして、ベンツが走り出す。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

さて、ケンタ君と鉢合わせたナンバー435は政府に連れ去られてしまう。

果たして、この老人は?

続きは、また今度だ!

 

今日の一言。

ロンブー淳が羨ましい。

おでもヴィジュアルバンドやりたい…。

そんなjealkbを聴くワタクシ。

ま、人を羨んだっていい事無いしね。

彼はスター性があるから後輩にとっては憧れだよね。

 

それと、南斗星さんルートクリアしました。

え、これだけ?

主側と偉い違いなんですけどー!

ま、まさかベニルートや鳩ねぇルートも短いのでは…。

あぁー!

もうきみある終わるぜー!

次はキラ☆キラを待つばかりだ!

でもこの青空に約束をが積んでる…orz

一体いくつ積んでるんだよ。

例のツンデレのみにきすも積んでる…。

そんなツンデルなワタクシでした。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『クローンなボク』第一話。

朝焼けが目に突き刺さるほど眩しいのはこの雪のせいだろうか…。

辺りには雪が積もり、公園には子供が作ったらしい雪だるまが作ってあった。

パーカーのフードを被り、ボクは「ハー」っと息を手にかけた。

さて、本題に移ろう。

ボクはクローン人間らしい。

どこかの誰かのDNAから生まれた。

ボクを作った人は“ホムンクルス”とか言ってたが、ボクは知っている。

ボクの記憶がこれは政府の極秘裏で行われた実験で、ボクは人格を持って生まれた。

それ以外の大きな情報はボクは“偽者”だって事。

この肌や髪の毛や目も全部作り物だって事。

ボクは今、16歳の少年の姿をしているが、本物はもう随分と年を取ったお爺さんらしいって事だけだ。

ボクは研究所から逃げ出して、公園のブランコに腰掛けていた。

「ボクが偽者…、じゃあ本物は?」

そんな疑問が浮かび上がる。

こうして、ボクは政府から逃げながらボクの元となった人物を探しに行く事になる。

 

***

 

12月20日未明──

「はぁっはぁっ!」

ボクは逃げていた。

政府の極秘実験の完成品が逃げたのだ。

ボクを捕らえようと向こうも躍起だが、ボクもなりふり構わず逃げる。

木を隠すなら森へ…。

と、いった具合にボクは人ごみに紛れた。

「ちっ!人ごみに逃げたぞ、畜生!」

ボクは地下鉄に乗り、相手を振り切る。

「どうしてボクがこんな目に遭わなきゃならないんだ!」

地下鉄の連結部分でボクがわめく。

周囲に気を配って声の届かない場所でわめいた。

「勝手にボクを作っておいて勝手に始末されるのはゴメンだ!」

そこに一人の学生服にマフラーを纏った少女が連結部分にやってきた。

まさかこいつ政府の…?

その少女はいきなりボクをカバンで殴りつけた。

「痛っ!」

「痛っ、じゃないわよ!デートの約束破ってこんな所に居るなんてどうかしてるんじゃないの!?」

少女が意味不明の事を口走っている。

「ご、ごめん。多分人違いだと…」

「この期に及んでまだそんなことを──」

と、少女は言いかけてボクをまじまじと見つめた。

「むむっ…、何かちょっと違う?」

「あ、あはは…」

「あ、やだ、ごめんなさいっ!凄く似てたからっ!」

「い、いやいいんだ、それよりどこか人が隠れられそうなところ知らない?」

「隠れる?何で?」

少女は不思議そうに尋ねる。

当然だ。

何でこいつは何かから逃げてきましたって顔してるんだ?

なんて思ってるに違いない。

ボクはテキトーな話をして、その場を後にしようとした。

すると、少女がこう言って来た。

「あ、良かったらウチでかくまってあげよっか?」

ウチで?

この子の家だろうか?

藁にもすがる思いで、この少女の家に行く事にした。

 

***

 

「ただいま~」

「おかえり、あら、ケンタ君いらっしゃい」

ケンタ?

この少女の恋人だろうか?

「あー、ケンタが家出したから今日ウチに泊めてもいい?」

「家出ってケンタ君一人暮らしじゃ…」

「いいからいいから!」

「いいけど…、部屋は別に泊まってね」

「はいはい、お母さんは心配性だなぁ」

「普通は心配するものよ」

「それじゃ、ケンタ。アタシの部屋行こっか?」

「う、うん」

そう言えばちゃんとした名前って持ってないんだよな。いつもはナンバー435とか呼ばれてたし…。

「さ、上がって?」

「う、うん。ありがとう。でも…」

「いや、知らない人にカバンで叩いちゃったからちょっとは罪悪感はあるよ?」

「でも…、いいの?知らない人を家に上げちゃって」

「いいのいいの、ウチ寛大な家だから」

そんなんでいいのかと思いながら、家にお邪魔した。

 

***

 

「それにしてもケンタとそっくり…。もしかしてクローン人間とか?」

この子は鋭いな。

「あはは、そう思う?」

「だって超そっくりなんだもん」

「そういえば、さっきも言ってたけど、ケンタ君って恋人?」

「そ、でも最近全然構ってくれなくてさ」

「そうなんだ」

「で、アナタ、本当の名前は?」

本当の名前…。

ボクのDNAには、その記憶が無かった。

「どしたの?」

「あ、いや。ナンバー435…かな」

「何それ、ギャグ?ウケるんだけど」

きゃっきゃとこの少女が騒ぐ。

そうして談笑していると、晩飯時になった。

『由梨ー!ご飯だよー!」

「はーい!さ、アナタも行きましょ?ケンタのフリするの忘れないでよ?」

「いや、でもボクケンタ君の事良く知らないし…」

「そうねぇ…、ケンタはちょっとおっちょこちょいだけど憎めないんだよね」

「う~ん、もう少し情報が欲しいな」

「…あ、そうそう、ケンタは左利きだから箸持つとき気をつけて。それ以外はそうだなぁ…」

少女はしばし考えていた。

「あんまりキミみたいに物静かではないかな。どっちかって言うと活発な方だよ」

「そっか、よし、それじゃ活発な少年のフリを頑張ってみるよ」

「うん、それがいいかもね。それじゃ、行こっか?」

そして、リビングに向かう。

ボクはお腹が空いてたので、料理の香りが漂ってるだけで、お腹が“グー”と鳴った。

「そうとうお腹空いてるのね…」

「あはは…、ここ二日何も食べてないからね」

「ウッソ!アタシ二日も食べないと死んじゃうかも」

そんな会話を繰り広げながら、食卓に着いた。

「頂きます!」

活発に返事をして、左手に箸を持ち、ご飯をかきこむ。

どうやら、ボクの元のDNAは両手利きだったらしく、すんなりと夕食が進んだ。

「あらあら、今日はケンタ君よく食べるのね」

「あはは…。すみません…」

「謝る事無いわよ?こっちも作りがいがあるもの」

この由梨という少女の恋人はなんて幸せ者なんだろうと思った。

だが、こんないい子とのデートをすっぽかすなんて何か理由があったのだろうか?

「まだまだおかわりしてね、沢山作ったから」

「あ、はい!それじゃ頂きます!」

そうしてボクはご飯を三杯おかわりして食事を終えた。

「ご馳走様でした」

「いい食べっぷりでオバさん嬉しいわ」

「あはは…、成長期ですから」

「それはそうと、別室に布団引いておいたからそこでゆっくり休んでね」

「何から何まですみません」

「あら、ケンタ君ってこんな気が利く性格だったかしら?」

「あ!そうそう、ケンタに話あるから上行ってるね!」

「…話って?」

「いいから来る!」

そうして、二階に連れて行かれた。

 

***

 

「いやぁ、ご飯美味しかったなぁ」

「そう…、それは良かった」

「で、話って何?」

「あのね、さっき言った通りケンタはもっと粗暴なの!」

初耳だ。

「あんなにニコニコしてたら余計怪しいでしょ!」

「だ、だって、ケンタ君は活発だってくらいしか情報が無かったし…」

「はぁ…、もういいわ」

「ところで父親は?」

そう問うと由梨は口ごもった。

「…その、離婚したのよ。母さんと父さん」

「あ…、ゴメン」

ボクは聞いてはいけない事を聞いてしまったようだ。

「いいの、アタシもう吹っ切れたから」

そういうと、由梨は立ち上がった。

「さて、シャワーでも浴びてこようかな」

「うん、分かった。それじゃボクは寝室に行ってるね」

「うん」

そうして彼女と別れ、寝室へ向かった。

綺麗に布団がセットされている。

「うわぁ…、こんな綺麗な寝床なんて久しぶりだ」

バフッと布団に転がると、睡魔が襲ってきた。

「あぁ…、眠い…」

しばらく眠っていると、由梨がシャワーから出てきたようで、ボクに一声かけた。

「アナタちょっと汗臭いからシャワーでも浴びてきたら?」

「うぅん…、それじゃあ借りようかな」

そしてボクはシャワーを浴びて、再び寝室へ戻った。

いつまでもここに滞在する訳にもいかないから、なるべく体は清潔にしとかなきゃな。

そうして、シャワーを浴びたボクは、再び寝室へ戻り、その日はぐっすりと眠った。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

いやぁ、久々の小説だなぁ。

ボクシリーズ(ボクの専属美容師とか)ではいい方かなと思います。

ケータイのボク専よりかはマシな作品になるかと…。

ボク専は人気が無さ過ぎて可哀想なくらいですよ、えぇ。

それはともかく、最近更新がまちまちじゃない?

何て思ってる方!

それはゲーム小説の構成を練ってたからだ!

決してサボってた訳ではない!

断じてそうだ!

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『音速怪人アサシオン』第五話。

数日後。

「大変よ、アサシオン!街で怪人が暴れてるわ!」

「よし!行ってくる!」

俺は颯爽とバイクにまたがり現場に向かう。

すると、怪人とハルシオンが戦っていた。

まぁ、当然ハルシオンに敵うわけなく、怪人はあっさり倒された。

「ハルシオン!」

俺は叫んだ。

すると、ハルシオンが振り向いた。

「…なんだ、貴様か」

「今日で完全決着をつけてやる…」

「マスターの命令だ、貴様を処分する…」

「やれるもんならやってみな!変身!」

ベルトのスイッチを押して変身する。

「…ふん、かかって来い」

奥歯の加速装置でハルシオンに近づく。

「…遅い!」

ハルシオンが音速で俺の攻撃を避ける。

…と、同時に腹に蹴りが入る。

「がはっ!」

されるがままに俺はボコボコにやられていた。

「…弱い、弱すぎる!」

そこにロヒレンジャーがやってきた。

「そこまでだ!アサシオン!」

「正義の味方!ロヒレンジャー!」

ドカーンと道路から爆発が起こり、辺りは大惨事だった。

「…誰だ」

「そ、そこに倒れてるのは…アサシオン!」

「貴様!さては2Pキャラだな!」

「…何を言っている、貴様等も新手の怪人か?」

「違う!私達は正義のヒーロー!ロヒレンジャーだ!」

「…ほぅ、だが遅かったな、もう怪人は倒した。二匹ともな」

「くっ!俺たちのライバル、アサシオンを倒すとは…」

「こうなったら最初からクライマックスよ!」

「ロヒ砲だな!よし行くぞ!」

「…あ?」

「いっけー!」

ドシュー!

「なっ!」

ハルシオンがロヒ砲を片腕に受けた。

「ぐあぁっ!」

「今だ!トドメをさすぞ!」

「…この時を待ってたぜ」

俺は立ち上がり、混乱状態のハルシオンに向かってアサシオンバーストを放った。

「がはっ!」

ハルシオンが膝をついた。

「ア、アサシオン!貴様、いい所を!」

「オメー等も手伝え!こいつボコボコにしろ!」

「わ、分かった!」

そして、四人がかりでハルシオンをボコボコにする。

ハタから見れば単なるいじめだ。

「おし、オメー等助かったぜ、そんじゃな」

「俺はハルシオンを担いで、研究所に向かった」

 

***

 

「凄い凄い!私の怪人がハルシオンに勝った!」

「まぁ、あのクソレンジャー共の助けがあったからな…」

「クソレンジャーってロヒレンジャーの事?」

「それ以外にそんなふざけた事するやつ居るか?」

「それもそうね」

「それにしても、さすがパパね、なるほどぉ…、ここがこうなって…」

博士がハルシオンに夢中になっていた。

「あっ、ここにチップが…。何かしら?」

「チップ?」

俺はよたよたと博士に近づいた。

その拍子に博士にぶつかった。

「きゃ!」

「わ、悪い、体が上手く動かせなくてな」

「…チ」

「血?」

「チップが取れちゃったー!キャー!どうしよ!」

「お、おい…、ハルシオンが変だぜ!?」

「あっ、もしかして今のチップ…」

「うぅ…」

「おい!起きるぞ!」

「あれ…?ここは?」

「ウチの研究所だぜ、ハルシオン」

「ハルシオン?俺のことか?」

「おまっ!お前覚えてねーのかよ!」

「何が?」

「どうやらこのチップは洗脳装置だったらしいわね」

「ちっくしょー!勝った気しねー!」

「洗脳装置?」

「いい?アナタは洗脳されてたのよ、ウチのパパに。今日何月何日?」

「確か…、4月3日…」

「今日は5月29日だぜ?」

「嘘だ!俺は今日ちゃんとカレンダーを見たぞ!」

「だから何度も言わせないで、アナタは洗脳されてたの」

「あれ?お腹のところにネジが…」

「あ、触らないで、まだネジ締めてる途中だから」

「お、俺のお腹が!」

「はいはい、締めるから横になって」

こうしてアサシオンとハルシオンの対立は終わった。

が、博士がまたハルシオンを生み出した。

今度は洗脳装置を取り外して。

 

***

 

「大変!街で怪人が暴れてるわ!ロヒレンジャーも苦戦してるみたい!加勢しに行って!」

「へーぃへい」

「早く行くぞ、アサシオン!」

「お前は変身するの早すぎだっての…。もうハルシオンになってるし…」

こうして、俺達二人は今日も町の平和を守っていた。

 

『音速怪人アサシオン』 完

 

***

 

今日のあとがき。

微妙な終わり方だな。

まぁ、いいか。

っていうかハルシオンの本名一切出てこなかったな。

ついでに主人公が何と合体されてたのかが不明なままだし。

まぁ、要するに飽きたから打ち切りね。

さて、別館、またの名を駄作館にアップするかな。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『音速怪人アサシオン』第四話。

俺はすっかり落ちぶれていた。

「ふぁ~ぁ」

「何だ、拓也。やる気ねぇな」

俺は行き着けの喫茶店でバイトを始めた。

「ん~、お客さん来ないっすねぇ…」

「そんなの今に始まった事じゃねぇだろ」

「えー、いいんすか?そんなんで」

「いいんだよ!とにかく接客頼むぞ、俺はちょっと用事があって出かけるからな」

「うぃ~、行ってらっしゃい」

「はぁ、暇だ…、テレビでもつけるか」

『…続いてのニュースです。今日未明、街で怪人が暴れましたが、ハルシオンによって退治されました』

ロシュ博士の作った怪人は案の定ハルシオンが倒していた。

だから俺は用済みって訳だ。

「ちっ」

俺はテレビのスイッチを切った。

「は~ぁ、暇だなぁ…」

ギィと、扉の開く音が聞こえた。

「あ、いらっしゃいま…」

「…ふん、貴様か」

「ハルシオン!」

ハルシオンが喫茶店にやってきた。

「テメ…、何しに来やがった!?」

「…マスターに用があって来ただけだ」

「は?マスター?何でお前がおやっさんに用があるんだよ」

「…お前には関係無い」

「関係無い事ねーだろ、俺ここのバイトだし」

「何…?マスターは一体何を考えている…」

「で、何の用件だ?」

「マスターが居ないのであればまた来る…」

「ふんっ、もう来んな!」

そしてハルシオンが去って行った。

「ちっ、今日は何か嫌な日だぜ…」

 

***

 

うとうととうたた寝していると、時計は午後6時を指していた。

「…おっと、もうこんな時間か…おやっさん遅ぇな…」

そろそろ店を閉める準備を始めた。

喫茶店の扉を閉めようとしたとき、話し声が聞こえた。

『…と言う訳だ』

『なるほど…、ではヤツはマスターの管理下に置いておくという事だな?』

(マスターとハルシオンの声だ!)

『あぁ…、それが一番いい方法だと思ってな』

『分かった…、今後はここには訪れないようにしよう』

『あぁ、用事があるときはこっちから出向く』

『では、マスター今日はこれで』

『あぁ、次も頼むぞ』

しばらくボーっとしていた。

なんでマスターとハルシオンが…?

そんな事を考えていると、扉が開いた。

ガンッ!

顔面に扉が当たって我に返った。

「何だ、拓也。こんな所でボーっとして」

「おやっさん…、今ハルシオンと会話してましたよね」

「な、何の事だ?」

「隠さないで下さい、昼間ヤツがここに来たんですよ」

「………」

「ヤツとはどういう関係なんすか」

「…仕方が無い、話そう」

そしてマスターの口からハルシオンとの関係を聞き出した。

「…マジっすか」

「あぁ、本当だ」

驚く事にハルシオンはマスターが改造したらしい。

つまり、俺を改造した博士のパパとはマスターだったようだ。

「…あと、俺を管理下に置くってどういう事っすか」

「拓也、お前を放っておくと、娘の所へ行くだろう?」

「まぁ、怪人倒したら持って行くけど…」

「だが、ハルシオンはどうだ?俺が改造し直したりするか?」

「改造し直すとダメなのか?」

「あぁ…、何かの弾みで元の記憶が蘇る事もありうる」

「そんな確立の問題話してもしょうがないでしょう!」

「拓也!」

マスターが声を荒げる。

「この世に怪人なんて必要ない。必要ないものは削除すべきだ」

「俺…、そうは思いません」

「何だと?」

「おやっさんの娘さんの改造は完璧…とは言いがたいですが、ちゃんと直してます、そいつ等まで倒すんですか」

「あぁ、必要無いからな」

「おやっさんは必要ないからって簡単に人を殺せますか?」

「奴らはもう人ではない。怪人だ」

「じゃあ俺はどうなんですか」

「拓也の設計図は見た…。問題が無いかどうか判断している最中だったのだが…」

「…問題があれば俺もハルシオンに削除されるって訳か」

「………」

「…おやっさんの気持ちは分かりました。俺、今日でバイト辞めます」

「辞めてどうする」

「ハルシオンと戦います。そして、おやっさんの娘さんにお願いして怪人を更正させます」

「…そうか」

「…それじゃ」

そして、俺は店を後にした。

 

続く!

 

***

 

今日のあとがき。

なんと、博士のパパはおやっさんだった!

衝撃の事実!

そして、ハルシオンと戦う事を決めた拓也に勝つ見込みはあるのか!?

次回、アサシオンVSハルシオン!

乞うご期待!

だから誰も期待してねーよ。

と、言う訳で今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『音速怪人アサシオン』第三話。

「アサシオンバーストォ!」

ドォン!

「ギャース!」

「ちっ!何で俺が正義のヒーローみたいな事やってんだよ」

ロシュ博士の作った怪人を次々倒していく俺。

「もしもし?倒したぜ?」

『ご苦労様、それじゃ、研究所までそいつ持ってきて』

「へーいへい」

俺は怪人を担いで、秘密結社デパスへ向かった。

「ホレ」

ドンと倒した怪人を実験台に乗せる。

「ありがとう。それじゃ、今日はこの辺でいいわ。後は私に任せて!」

俺はこうしてロシュ博士の作った怪人を改心させていた。

別に怪人と改心をかけたギャグではない。

「へいへい…あー、あとアンタの改造した怪人がこの間誤作動起こしてたぞ?」

「誤作動?おかしいわね、ちゃんと地球破壊装置は取り除いたはず…」

「いや、地球破壊はしてないんだけど、一人でパラパラ踊ってたぞ」

「あぁ、それは誤作動じゃなくて、ちょっとした遊び心よ」

「そうか」

「そうよ☆」

「そうよ☆じゃねぇよ!何でそんな機能付けたんだよ!」

「だからちょっとした遊び心よ」

「いらねぇよそんな遊び心!」

「そう?次はブレイクダンス機能を搭載しようと思ったんだけど…」

「頼むからやめてくれ…」

こうして俺達はロシュ博士の悪乗りを阻止してきた。

…が。

ここで新たな敵が現れた。

そいつこそが俺の真のライバルとなる。

 

***

 

「おやっさん、ご馳走様。お代はここ置いてくよ!」

「おう、また来い!」

俺が店を出ようとすると、入ってくるお客さんにぶつかった。

正確には扉にぶつかった。

「痛ェ!」

「おっと、すまない…」

「い、いやぁ悪気があった訳じゃないから別にいいよ。そんじゃ」

俺は喫茶店を後にした。

「…マスター、あの男の事だが…」

 

***

 

「うぅ…痛い、鼻にモロぶつかった…、鼻血出てねぇかな?」

鼻を触るとどうやら鼻血が出てるようだった。

「まぁ、相手もわざとじゃないし、いいか」

とても怪人の台詞ではなかった。

「う~ん、今日はバイト休みかな?」

俺は怪人を倒すたびに報酬として五万貰っていた。

「待て…」

「あん?」

さっき喫茶店に来た男だった。

「お前…、アサシオンだな?」

「は?何のこと?」

俺はとぼけて言い返した。

「とぼけるな、俺には分かる…」

「んじゃ、俺がそのアサシオンだったらどうなる訳?」

「この場で貴様を倒す!」

「ちっ、新手か…」

『変身!』

二人同時に変身した。

「なっ!」

相手の男の変身後の姿は俺にそっくりだった。

「…お前、一体何者だ?」

俺がそう問うと、相手が答える。

「…ハルシオン」

「ほぅ、俺と似た名前だな。ロシュ博士のか?」

「ロシュ?知らんな」

「じゃあお前はどこの馬の骨だ?」

「そんな事はどうでもいい…、勝負だ、アサシオン」

相手がそう言うと、凄いスピードで俺に迫ってきた。

「ちっ!」

俺は奥歯にある加速装置でハルシオンと距離をとる。

が。

相手の動きの方が明らかに速い。

「ふん…、やはり亜種だとこんなものか…」

亜種?何を言っているんだ?

相手のパンチをギリギリで回避しながら、アサシオンバーストを放つ期を覗っていた。

「ふん…」

ドカッ!

相手のパンチがボディに強烈なダメージを与える。

「がはっ!」

薄れて行く意識の中で、ハルシオンがこう呟いた。

「本物は一人で十分だ…」

 

***

 

「…きて…起きて!」

朦朧とした意識で目を覚ました俺は研究所に居た。

「良かった、気が付いたのね」

「…あれ…、俺確かハルシオンとか名乗ったヤツに…」

「ハルシオン!?」

「何だ?知ってるのか?」

「そうか…、遂にパパもハルシオンを…」

「パパ?」

「…う、うぅん、何でもない!それより、そのハルシオンには今後絶対近づいちゃだめ!」

「何故だ?」

「…それは…」

「教えろ、ヤツの事全てを」

「う、うん…」

そして、俺は事情を聴いた。

「なるほど、つまり、アンタの父親の作った設計図を元に俺はアンタに作られた訳だ…」

「…そう、分からない部分はアタシの技術で何とかしてアナタが完成したのよ」

「つまり、俺は偽者って訳か…」

「偽者って言うより亜種ね」

「ヤツも言ってたが、亜種って何だよ?」

「つまり、元々あったものを改良したものって事」

「それじゃ俺のほうが性能がいいはずだろ」

「ハルシオンにはバースト機能が付いてないはずよ」

「けど、スピードは完全にヤツの方が上だった…」

「悔しいけど、さすがパパの改造人間だけはあるわね」

「ちっ、これからはハルシオンに怪人倒してもらえよ。そんじゃな」

「ちょ、ちょっと待ってよ」

そう言い残して俺はその場を後にした。

「ちっ、ハルシオンか…」

 

***

 

続く。

 

今日のあとがき。

昨日はブログを休んでしまった。

働きマン見てから寝ようと思ったのに、その前に落ちた。

で、アサシオンの続き。

さて、アサシオンは今後どうなるのか!?

ハルシオンに主役の座を奪われるのか!?

乞うご期待!

って誰も期待してねー…。

ってな訳で今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『音速怪人アサシオン』第二話。

「ぷはぁっ!やっぱパフェ食べた後のコーヒーは美味いっ!」

「よく飽きねぇな、拓也」

「だって好きなもんはしょうがねーだろ?」

ブーンブーンと携帯が鳴る。

「ちっ、またかよ。おやっさんご馳走様!」

「おう、また来い!」

そして俺は電話に出る。

「あー、もしもし?」

『大変!街で怪人が暴れてるわよ!』

「え、だって俺パフェ食べてただけだぜ?」

『それが、ロシュ博士が毎回あなたを敵にするのは何か企画的に面白くないとかいって怪人作っちゃったのよ!』

「企画的って何だよ…。大体ロヒレンジャーも元々ロシュ博士のとこのだろ?」

『そうなんだけど、お願い。今ロヒレンジャーが苦戦してるのよ』

「あー、あいつ等弱いからな」

『と、言う訳でレッツゴー☆』

「あのなぁ、レッツゴー☆じゃねぇんだよ、一応俺敵だろ?」

『これはあれよ、仮面ラ○ダーブラックで言うところのシ○ドームーンよ!』

「あぁ…そうかよ…、年バレる発言ありがとよ」

『お願いね。それじゃ、プッ…ツー、ツー」

「ってどこに居るんだよ!怪人は!」

その時、路地から爆発音が聞こえた。

「大丈夫!?ロヒレッド!」

「すまない、油断した…」

「しかし、アイツの弱点はどこだ…?」

赤青ピンクが路上で戦っていた。

当然車は走れない。

パッパー!

プーー!!

「くそっ!こうなったらアレを使うぞ!」

「ロヒ砲だな、分かった」

そしてエネルギーを充填し始めた。

怪人はそんなもの待ってるはずも無く、三人まとめてぶっ飛ばした。

「ぐあっ!」

「くっ!」

「きゃあ!」

その頃俺は。

「ふー…」

タバコを吸いながら見物していた。

「さて、そろそろ行かなきゃアイツ等死ぬな、そら、変身ッと」

ベルトのボタンをピッと押し、怪人アサシオンに変身する。

奥歯のスイッチを舌で押し、音速移動で怪人の前に立ちふさがる。

「き、貴様はアサシオン!?」

赤いヤツが言う。

「下がってな、お前らにこいつは倒せねーよ」

「な、なんだと!?」

「ほぅ、植物系か、こりゃまた珍しいものをモチーフにしてるね」

俺達怪人は大体他の生命体を軸に作られているが無機質なものは珍しい。

「こいつ…、自我を持っていないようだな。それなら遠慮なく倒せる!」

ムチのようにしなる枝をかわしながら音速で近づく。

「遅ぇんだよ…」

懐に潜り込んだ俺は必殺技を繰り出した。

「アサシオンバーストォ!」

ドォン!

アサシオンバーストとは、アサシオンの手のひらにある発火装置を使って爆発を起こす技である!

「ギャース!」

プスプスと音を立てて、焼けつくした怪人が転がっていた。

「んじゃま、そういうことで」

「待て!」

「あん?」

「貴様は…敵ではないのか?」

赤いヤツが言う。

「オメー等が勝手に敵視してるだけだろ」

「そんな…では今までの戦いは何だったというのだ…」

「オメー等が勝手に地球をぶっ壊してただけ」

「俺達は…、博士に踊らされていたというのか?」

「あぁ、その通りだ。今の怪人もロシュ博士が作った怪人だ」

「バカな!?」

「じゃあ帰って聞いてみるんだな。まぁ帰る気があればね。そんじゃ」

俺は音速でその場を後にした。

 

***

 

「もしもし?倒したぜ?」

『ありがとう、これで地球に平和が戻ったわ』

「ロシュ博士に言っとけよ、正義のヒーロー作るのか怪人作るのかどっちかにしろってよ」

『えぇ。会ったとき言っておくわ』

「そんじゃな」

そんな会話をして携帯を切った。

「あーぁ、やっぱ平和が一番だぜ」

一方、ロヒレンジャーは…。

「博士!あの怪人を博士が作ったって本当ですか!?」

「あ、バレた」

「バレたじゃないでしょう!あんな危険な怪人なんて作って!」

「いや、キミ等弱いから、アサシオンを倒す為に作ったんだけど、言う事聞いてくれなくてね」

「はぁ…、博士…」

「そういや、今も怪人を作ってる最中なんだが…」

「もう、ボク等ここ出て行きます!」

「出ってどうするの?」

「自分達で何とかしますよ!アサシオンに負けない為に!」

こうして、正義のヒーローはアサシオンを倒すべく、博士の下を去った。

博士は怪人を心置きなく作れると喜んでいたのだった。

 

続く。

 

今日のあとがき。

主人公は何と合体したんでしょうね?

自分で書いてて謎なんですけど。

まぁ、そのうち判明するでしょう。

それでは、今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『音速怪人アサシオン』第一話。

音速怪人アサシオンとは、秘密結社デパスに改造された改造人間である!

「おやっさん、今日もいつもの!」

「おう、拓也、いつものな」

俺の名前は木崎拓也(きさき たくや)実は俺は怪人である。

怪人と言っても、町を破壊する訳でもなく、普通に生活している。

ただ、正義のヒーロー、ロヒレンジャーが現れたときには俺は登場しなくてはならない。

そして、負けなければならない。

いかに相手が弱かろうとそこはヒーローが勝たなければなりたたない。

いわゆるお約束というやつだ。

「ほらよ、特盛パフェ」

「これこれ!」

パフェをパクついてると、携帯がブーンブーンと鳴りはじめた。

「ちっ、こんなときにかよ…、おやっさん、お金置いてくよ!」

「おう、彼女か?」

「だといいんだけどね…」

俺は店から出て電話に出た。

『もしもし?拓也君?今そっちにロヒレンジャー向かってるからよろしく☆』

「よろしく☆じゃねぇよ、あんな弱い連中といつまで戦わせる気だよ!?」

『こっちだってキミを作っただけでもう資金無いんだから仕方ないでしょ!』

「っていうか、勝手に改造しといて何だよ、それ!」

『いいじゃない、強くなったんだし』

「でもいつの間にか敵って事になってるんですけど!?」

『先に考えたもの勝ちとはこういうことね…』

「ちっ、今日も負ければいいのか?」

『そう、いつの世も正義が勝たなければならないのよ!』

「怪人を作った人間の台詞とは思えねーな…」

『とにかく、お願いね』

「へいへい…」

この電話越しの女こそ、秘密結社デパスのリーダーである。

リーダーと言っても一人しかいないので、必然的にそうなる。

そしてロヒレンジャーとは俺の敵。

世間一般的には俺が敵。

別に破壊活動とかしなくても勝手に俺を敵視してるから問題無い。

そして今日もロヒレンジャーと戦う為に、殺風景な岩場に向かうのだった。

岩場までバイクを飛ばす。

「ちっ、またここかよ。まぁ被害が最小限で済むからいいか」

とても怪人とは思えない発言をしている俺。

「変身ッ!」

俺はベルトに装着されたスイッチを押す。

すると、音速怪人アサシオンになるのだ。

『居たぞ!怪人め!覚悟しろ』

「はぁ…、めんどくせ」

岩場の真上から正義のヒーローのお出ましだ。

『とうっ!』

ジャンプして降りてくる。

その際、俺はタバコを吸いながら正義のヒーローがポーズを取るのを待つ。

「爆裂戦隊ロヒレンジャー!」

ドカーン!

と、ロヒレンジャーの背後で爆発が起こる。

タバコを捨てる俺。

「ム!貴様ァ!今タバコのポイ捨てをしただろう!許さん!」

と、赤いヤツが言う。

「いや、まぁ、うん捨てたよ?」

「地球を汚すなんて何て悪党だ!」

今度は青いヤツが言う。

「絶対負けないわ!」

最後にピンクのヤツが言う。

「あー、もう面倒くせーな…、いいから早くしろよ」

「では行くぞ!とうっ!」

赤いヤツの蹴りが飛んでくる。

俺は奥歯の加速スイッチを舌で押し、その蹴りを避ける。

「くっ!やるな!」

「ロヒレッド!ここは三人協力して倒すぞ!」

「おう!アレだな!」

「げっ、アレかよ…」

「パワー充填!」

奴らが大砲のようなものを取り出し、俺に向ける。

「発射!」

「ちっ」

ヒュンとビームの軌道から避ける。

ドカーン!

岩場はもうぐちゃぐちゃになっていた。

「くそっ!覚えてろ!」

そして俺はバイクにまたがり、逃げて行った。

 

***

 

『どう?負けた?』

「おー、今日も負けてやったぞ」

リーダーと電話で会話する。

『これで地球の平和は守られたわね!』

「いや、ていうかあいつ等が地球ぶっ壊してる気がするんだが…」

『これからもよろしく頼むわよ!アサシオン!』

「名前だけはカッコいいんだけどな…」

こうして世界の平和は俺の負けという事で守られたらしい。

っていうか負けなければ地球があいつ等に壊される。

がんばれ!怪人アサシオン!

次回も正義の味方に負けるのだ!

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

戦隊ヒーロー物です。

怪人側ですけどね。

クスリの名前使っても問題無いよね?

次はどうしようかな?

怪人が主人公だからなぁ。

難しいよね。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ネガティブハッピーバースデイ』

ボクは誕生日が嫌いだ。

年をとるのが嫌なんじゃなく、誕生日が嫌いだ。

なんせ、僕の誕生日には必ず雨が振る。

去年も一昨年も、その前もずっと雨だ。

もう誕生日なんて来なければいいのに。

そんな事を考えながら明日に控えた誕生日に向かって布団に潜る。

(どうか、明日は雨が降りませんように)

別に信じてもいない神様に祈ってみる。

無駄な事は分かってる。

けど、毎年のようにやるので、癖のようになってきていた。

そして、翌日──

 

***

 

ザンザンと雨が窓に打ち付けられては弾け、また別の方向から雨が飛んできては弾ける。

憂鬱な気分で、居間に向かう。

「おはよう…」

「おはよう、また雨ね。どうしてアナタの誕生日は必ず雨が振るのかしら?」

「知らないよ、そんな事…」

そっけない返事をし、テレビのニュースを見る。

また人が殺されただの空き巣が入っただの、気の滅入る話題ばかりだった。

どうして、ボクの誕生日にこいつは人を殺さなきゃいけなかったんだ?

どうして、ボクの誕生日にこいつは空き巣に入ったんだ?

どうして…。

どうしてボクの誕生日に雨が振るんだろう?

母親もボクの生まれた日は大雨が降っていたという。

学校へ向かう前にそんな事をずっと考えていた。

 

***

 

あぁ、憂鬱だ。

学校に向かう足取りも重たい。

傘を差しながら歩いていると、犬のフンを踏んでしまった。

「くそっ!買ったばっかりのローファーだぞ!」

ガシガシと靴の裏を地面で拭く。

あいにく雨が降っていたので、犬のフンはたやすく落ちた。

落ちるのがたやすいから雨が好きになるでもない。

むしろフンを踏んだのは傘で視界が悪かったせいだ。

そんな事を考えているうちに学校へ到着した。

ローファーを下駄箱に入れようとすると、はらりと一通の便箋が落ちてきた。

ボクは何だろうと思いつつ、中を開けてみる。

“アナタが好きです、アナタをずっと見てました、アナタと付き合いたい”

何だ、これは?

一応ラブレターのつもりなのか?

差出人の名前も書いてない、誰に当てて書いたのかも分からない。

気味が悪いので、手紙は捨てた。

教室へ向かう廊下は雨漏りでもあったかのように、点々と雨水が落ちていた。

傘置き場が無いわけでは無いが、誰もが自分の机に架ける。

無防備に傘置き場に傘なんて置いたら、盗まれるだけだ。

そうして、傘から滴る雨水を避けながら教室へ向かう。

「よぉ、おはようさん」

「おはよ」

「お前の誕生日、また雨だな…」

「うん」

「何か出来すぎてて気持ち悪いよお前」

ボクだって好きで誕生日に雨を降らせてるわけじゃない。

何でこいつにこんな事言われなきゃならないんだろう。

理不尽だ。

 

***

 

授業中も雨は降り続けていた。

むしろ勢いを増していた。

授業を聞くのもノートを取るのも面倒だ。

次の時間から仮病を使って保健室で寝よう。

そして、仮病を使って保健室へ入る。

「熱は無いみたいね、少しベッドで横になろうか?」

「はい」

そして、保健室のベッドへ潜り込む。

あぁ…、このまま放課後まで寝てよう。

そして、ボクは眠りに着いた。

 

***

 

授業終了の鐘で、目が覚める。

窓の外を見ると、まだ雨が降っていた。

「大丈夫?」

保健室の先生が尋ねてくる。

「はい、良くなりました」

「そう、それじゃ、教室行こっか?」

そうして保健室から締め出される。

ボクはもうちょっとだけ寝てたかったけど、授業も終わったし、帰って寝る事にした。

教室へ戻ると、もうほとんどの生徒が帰っていた。

残ってるのは、部活動の開始待ちの人間と、貞子というあだ名の暗い女子。

顔を覆い隠すような長い髪の毛が特徴な女子だった。

貞子は雨の日しか学校へ来ない。

何で貞子が?

そんな事を考えてると、貞子が近づいてきた。

「ねぇ、私の手紙読んでくれた…?」

なんて事だ。

朝のあれは貞子からだったらしい。

「いや、うん、読んだけど差出人が分からないから…その」

ボクが口ごもっていると貞子が呟いた。

「…捨てたの?」

「…うん」

「…そう、で返事は…?」

「あの…、ゴメン、今日ちょっと具合悪いんだ、それじゃあ…」

ボクは傘とカバンを取りそそくさとその場を後にした。

何で、貞子は今日を選んだんだろう?

何で今日じゃなきゃいけなかったんだろう?

もう少し天気が良ければボクはきっともっといい断り方が出来たに違いない。

そもそも、天気が良ければ貞子は学校へ来ない。

 

***

 

帰宅後。

「ただいま」

「お帰り」

適当な挨拶を交わして、自分の部屋へ向かった。

そして、ベッドへ一直線に向かう。

倒れこむようにベッドに横になると、自然に眠気が差してきた。

そして、しばらく眠っていると、外はもう真っ暗になっていた。

窓から外を見ていると、電柱の影に人影が見えた。

誰だろう?

窓に雨が叩き付けられているので、良く見えない。

さっきからじっとこっちを見ている。

気味が悪いので、カーテンを閉めた。

そして、居間へ向かう。

「今日の晩ご飯何?」

「今日?カレーだけど」

「ふ~ん」

それ以上会話も続かず、ボクはテレビのスイッチを付けた。

夕方のニュースも憂鬱なものばかりだった。

車にはねられた女子高生が死亡しただの政治家が不正を行っていたとかそんなニュースばかりだ。

「そう言えばアナタ宛に手紙が来てたわよ?」

「手紙?」

嫌な事を思い出した。

「誰から?」

「それが差出人が書いてないのよ」

嫌な予感がした。

「ちょっと見せて」

母親から手紙を奪い取ると、ハサミで封を開けた。

“今日はアナタの誕生日でしたね、おめでとう。ところで返事はまだですか?ずっと待ってます”

「ずっと待ってますって…まさか!」

「何?ラブレター?やるぅ」

母親の冷やかしを無視して、傘を持って玄関を出た。

電柱の影には、ずぶ濡れの貞子がいた。

「何やってんだよ!」

「…何って、返事を待ってるだけ」

「察しろよ!ボクはキミとは付き合えない!」

「…そう、分かったわ」

そうして貞子は帰っていった。

そうして、居間へ戻ったボクは驚愕した。

ニュースでさっき車にはねられた女子高生が誰か判明した。

「さ…、貞子?」

「…何?知り合い?」

「バカな!ありえない!何だよ!何なんだよ!」

ボクは狂ったように叫んだ。

そして、二階へ駆け上り、窓の外を見る。

ザンザンと振る雨の中、窓を開け、外を見る。

が、貞子の姿はもうどこにも無かった。

「貞子…」

ボクは窓を閉め、ベッドに横になった。

そのまましばらく眠ってしまった。

そして、起きたときに体に異変を感じた。

「う…、動けない?」

これは金縛りというやつだろうか?

ゆっくり目を開けると、貞子がボクの部屋の隅に立っていた。

「アナタをずっと見てる…、ずっと待ってる…」

「お前は死んだんだ!待ってても無駄だ!」

「…毎年、アナタの為に雨を降らせてあげる…」

すると、すうっと貞子が消えて行った。

その瞬間金縛りが解けた。

時計を見ると、午前3時だった。

 

***

 

そして、翌年のボクの誕生日にも雨が降った。

「…行ってきます」

そう言って学校へ向かった。

教室には貞子の席はもう無い。

が、ボクの下駄箱に便箋が入っていた。

「おっ!ラブレター?すげー!始めて見た!」

クラスメートの冷やかしを無視し、中を開けた。

 

“アナタのタメにアメヲ降らせてアゲル”

 

ビリビリと手紙を破いて、ゴミ箱に捨てた。

そして帰宅した。

「お帰り、アナタ宛に手紙が来てるわよ?」

嫌な予感がした。

手紙を母親から奪い取ると、中を確認した。

 

“キョウはアナタのタンジョウビ、ヘンジをマッテル”

 

「うわぁあああ!!」

「ど、どうしたのよ!?」

「もう死んだんだ!あいつは死んだんだよォ!」

ボクは玄関を飛び出し、外へ出た。

すると、車のヘッドライトがボクを照らした。

 

バァン!

 

「…かりして!しっかりして!」

朦朧とした意識から目覚めると、そこは病院だった。

「あ、ボク車に轢かれて…?」

「あぁ、良かった。何で急に飛び出したりしたの?」

母親に抱きしめられる。

ボクの視線の先にはずぶ濡れの貞子が立っていた。

 

“マイトシアナタのタンジョウビにアメをフラセテアゲル”

 

『ネガティブハッピーバースデー』 完

 

***

 

今日のあとがき。

はい、誕生日祝いに自分で書き下ろしました。

ジャンルはホラーです。

恐くないですけど一応ホラーです。

タイトルがアレとカブってるケド関係ないね!

っていうか何で誕生日祝いにホラー物なんだよ!

もっと何かこう、面白いのとか書けよ。

と、自分にツッコむ。

でも、今までの作風と随分違う物が出来たなと思う。

台詞は少なめ、主人公の心の声が主な物で何だか違う側面から見たような作品になりました。

今までのはいかにも漫画チックでしたが、今回は違うぜヘイヘイ!

やっぱりホラーは一話完結に限る。

長くするとどこで恐がらせるのか曖昧になる気がする。

てな訳で、今日はこの辺で!

でわでわ~。

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『二人は怪盗!シェイク&スピア』~証拠隠滅大作戦盗み編~

テレビ局まで電車で向かう。

「ねぇ?何で気球使わないの?」

と、守が問いかける。

「バカ、予告状送ったのに気球で行ったら自殺行為だろ」

「あっ、そうか。相手はカメラ持ってるかもしれないからだね?」

「そう、多分屋上にはカメラ用意してあると思うぜ?」

「じゃあどうやって入るの?」

「そこは隙をついて、ぺッタンタコちゃんで登る」

「え、あの大きいビルを登るの?」

「そう、3階の第6スタジオに直接乗り込む」

守がウンウンと頷いていた。

「丁度良く、換気口が第6スタジオに続いてるんだよ」

「へぇ、見てないようでちゃんと見取り図見てるんだねぇ」

「だって犯罪だしな。一回のミスも許されん仕事だぞ?」

「それもそうだね。あはは~」

「笑ってねーで、頼むぞ、アレ」

「うん、アレだね?」

こうして俺達は電車に揺られて、テレビ局の近くまで来ていた。

 

***

 

ビルの影からぺッタンタコちゃんでぺたぺたと登って行く。

「うんしょ、うんしょ」

「よし、換気口に到着!」

「後はここから第6スタジオへ…」

ヘッドライトで照らしながらずりずりと換気口を這って行く。

「あった!第6スタジオ!」

「お兄ちゃんお兄ちゃん」

「何だよ、守」

「ボク見えないんだけど…」

「心配すんな、何の為に俺がこんな姿をしていると思う」

攻次はプロデューサーの変装をしていた。

「この顔だぞ、分かったな」

「う、うん」

「よし、んじゃ、行くぞ」

『ガコン!』

スタッと第6スタジオに潜入した。

「おし、守。来い!」

「うん。よっと」

二人は第6スタジオの隅に降り立った。

「フィルムは…、あの上か、プロデューサーもあそこだな…」

「それじゃ、ボク行ってくるよ」

「おう、頼んだぞ、アレ」

数分後。

「ただいま」

「飲んだか?睡眠薬入りの飲み物」

「うん、ちゃんと確認してきたよ」

守がADの変装で、プロデューサーに飲み物を配ってきた。

「よし、んじゃ、次は俺の番だな」

攻次は上へ登ってプロデューサーが眠っていることを確認する。

「よし、守、フィルム運び出せ!」

「オッケー」

フィルムを守に手渡した。

その際に、プロデューサーの社員証を取っておいた。

「これ首からかけときゃ本物そのものだろ」

その時、カメラマンがスタジオに入って来た。

「あ、おはようございます!」

「あぁ、おはよう」

「ん?そいつは?」

カメラマンが守を指差し言った。

「あぁ、新人ADだよ」

「よろしくお願いします!」

守がペコリとお辞儀をする。

「あぁ、よろしく。ところで、プロデューサー、そのフィルムってシェイクスピアのでしょ?どこに持って行くんですか?」

「ちょっと調整をな」

「調整はもう済んだはずでは?」

ちっ、このカメラマンウゼェ!

「いや、まだ納得いかない箇所があってな、それじゃ」

俺はさっさとその場を後にした。

「ちっ、時間くっちまったな、バレるのも時間の問題だ。よし、正面突破するぞ!」

俺達は堂々とエントランスから出る事に決めた。

外にはカメラが数台設置されていた。

「どうしよう、お兄ちゃん?」

「ちっ、引き返せ!換気口から逃げるぞ」

第6スタジオに向かう二人。

すると、第6スタジオには人だかりが出来ていた。

「あ、プロデューサー?」

「どうかしたのか?」

「あれ?じゃあ中で眠ってるプロデューサーは…?」

「ちっ」

俺はその場から逃げた。

「あっ!もしかして、シェイクスピア!?」

「何ッ!?シェイクスピア!?」

ガードマンが走って追いかけてくる。

「ちっ、この手は使いたく無かったんだが、仕方ねぇ!」

俺と守はエレベーターに乗り込み、最上階を目指した。

そして最上階に着いた。

「よし、このスイッチで…」

『バァン!』

手にしたスイッチが轟音と共に弾き飛ばされる。

「何だ!?」

「ふふ、ボクの作った特殊部隊にかかればシェイクスピアもお手上げかな?」

「何だ、白鳥か」

「な、何だとは何だ!」

「いっつも詰めが甘いんだよ、白鳥」

俺はすかさずボタンを拾い、スイッチを入れる。

「何をした!」

「10…9…8…7…」

「えぇい!行け!特殊部隊!何としてもシェイクスピアを捕らえろ!」

警官が走りよる。

「3…2…1…バン!」

轟音と共に天井が崩れる。

ガラガラ!

「うわっ!危ない!」

警官達は落ちてくる落盤を避けるのに必死で、俺達を捕まえるどころじゃなかった。

「はっはっは!サラバだ」

影に隠れていた守が簡易気球を膨らませていた。

そして簡易気球に乗って白鳥達を撒く。

「ちっ!撃て!拳銃で気球を撃つんだ!」

「ターゲット確認…」

『バァン!』

バスッ!

「へっ!バーカ!そんなんでこの気球が壊れるかよ!」

プシュー。

「あ、あれ?」

気球が穴の開いた方と反対に進んで行く。

「ちょ、ちょっと待て!」

「もっと撃て!撃つんだ!」

白鳥が叫ぶ。

「ダメだ、もう見えない…」

「クソッ!シェイクスピアー!」

 

***

 

「あ、あぶねー…」

「あはは、危機一髪だったね」

「っていうかこのまま真っ直ぐ行けば家に着くんじゃね?」

「そうだね」

「おっしゃー!このまま進めー!」

そうして、フィルムを手に入れた俺達は気球で家の近くまで飛んで行った。

「ただいま、親父」

「おう、テレビ見てみろ」

「ん?」

『シェイクスピアが当テレビ局から今夜放送予定だったフィルムを盗みました、なお…』

「でかした!二人とも!」

「っていうか、器物破損の罪も犯してるんだよな」

「それは仕方あるまい」

「ま、テレビ局もこれでこりごりしたろ、屋上まで爆破されちゃあな」

『…今後も怪盗シェイクスピアの動向を探って行くという姿勢を見せており…』

「マジ…?」

 

***

 

次の日。

「おっはよ~!」

バンッ!

「おはようさん…」

「あはは、おはよう」

「見た?ニュース見た?」

「あはは、シェイクスピアの事だよね?」

「やっぱり素敵だわ、シェイクスピア!あぁ…どんな方なのかしら…?」

「案外里美の家の隣のオッサンがシェイクスピアかもしれねーぞ?」

「徹おじさんは小デブだから無理」

「…いや、無理とかそういう問題じゃねーだろ…」

「でも特番中止だなんてちょっと残念…」

「シェイクスピアだって正体バレるの恐いんだろ?」

「アタシのシェイクスピアはそんなの恐がらないわよ!」

「里美のって…、何でオメーのシェイクスピアになってんだよ」

「何よー!」

「あはは~」

 

俺達はどんな逆境であっても、すり抜ける怪盗である。

「byシェイク&スピア!」

 

『二人は怪盗!シェイク&スピア』~証拠隠滅大作戦盗み編~ 完

 

***

 

今日のあとがき。

第三部完です。

誰も読まなくなったらコレが最終回です。

って、良いのか?こんな最終回で。

まぁ終わらせる気は無いから読者がいれば永遠と続きますよ。

それよりストックが…。

 

今日の一言。

ネギまのドラマ見ました。

ちょwwwwおまwwww

って感じでした。

あれ~?

仮面ライダーは見れるのにこっちは見れないわ。

その流れでマギカ見ました。

なんか、こっちもあまり興味を惹かれない。

そして、グレンラガンの再放送。

シモン「俺を誰だと思っていやが…ブツッ」

…え。

テープ残量が足りなかったらしい。

一番見たかったグレンラガンの一話が見れなかった orz

てな訳で今日はこの辺で。泣

でわでわ~。

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『二人は怪盗!シェイク&スピア』~証拠隠滅大作戦予告編~

今日も今日とて怪盗家業に勤しむ二人。

簡易気球に乗りつつ逃亡中。

が…。

バラバラバラバラ!

ヘリコプターが気球をライトで照らす。

「げっ!ヘリかよ!」

どうやら警察も本腰を上げたようだ。

「あはは…、降りよっか?」

「バカ、今降りたら白鳥達に捕まるだろ?」

「じゃあどうするの?」

「こういうときは身代わり君ともくもくえんま君で…」

もくもくえんま君をその場で使い、気球を隠す。

その隙に身代わり君をパラシュートで飛ばす。

「降りたぞ!あっちだ!」

「んで、俺たちは反対側から逃げるっと」

気球から降り、身を潜めながらその場を後にした。

 

***

 

「ほらよ、親父」

お宝を親父に手渡す。

「おぉ、ご苦労だったな」

「何、簡単な事だったぜ」

「そうか、それでは難易度を上げて…」

「やるのは俺達なんだからな!?」

指を反らす。

「ふんっ!」

「おぉっ!全ての指の間接が抜けた!」

「ふっふっふ、父さんを甘く見るなよ…」

「そんじゃ、足の指はどうかな?」

ぐいっ!

「痛いっ!」

親父は倒れて、後ろの段差に頭を打ち付けた。

「…おい?親父?」

「………」

「死んだ?」

「あはは…、気絶しちゃったみたいだね」

「俺知らね!」

「あ!逃げたぁ!待ってよ、お兄ちゃん!」

「はっはっは!父さん必殺の死んだフリだぁ!」

が、二人の姿はもう無かった。

「…必殺って必ず殺すって書くけど死んだフリじゃ殺せないよね?」

一人で呟いていた。

 

***

 

次の朝の登校中。

「おっはよー!」

バンッ!

「あー、もうツッコむ気すら起きねぇよ…」

「何よ、つまんない」

「つまんなくて結構」

「それよりさ、守!昨日のニュース見た?」

「あはは、何でも今度シェイクスピアの特番やるんだってね」

「いやぁ、たどり着くのが遅いわよね、テレビ局」

「そして昨日も警察はシェイクスピアを捕まえられませんでしたってか?」

「そう!昨日のニュースは凄かったわよ!気球からこう、もわっとしてパラシュートでバッと降りてそしてそれが偽者で…」

「もわっとかバッとか擬音で言うのやめろ」

「だって事実そうだったんだもん!」

「でも特番って何やるんだろうね?」

「何でも今まで盗んだものとか、正体を探る!みたいな事やるらしいわよ?」

「ふ~ん」

 

***

 

「ただいま」

「ただいま~」

「おう、二人共、大変だぞ」

「な・ん・で!俺達より親父が早く帰って来てんだよ!」

俺が親父の腕を反らす。

「痛い痛い!今日は休んだの!」

「ちっ、ちゃんと有給使ったのか?」

「当然だ。それより大変だ」

「あまり大変そうに見えねーけどな」

「父さんの部屋でテレビを見てみろ」

「あん?」

親父の部屋へ向かった。

『それでは、本日放送予定の“怪盗シェイクスピアに迫る”の一部をご覧下さい』

「マジか…」

それはこの間、ヘリで迫られた時に映されたものだった。

「この間のは警察のじゃなかったのか…」

「うむ、どうやら正体がバレかけたようだな…」

「っていうかバレたんじゃね?」

「そこで至急、予告状を送っておいた」

「へぇ?どこに?」

「テレビ局だ」

「なるほど…」

「え?何かな?」

「つまり、俺達の映ってるフィルムをパクるんだよ」

「あ、そうか。あはは」

「しかし…、今回は予告状があだとなったようだ」

テレビからは特番の予告がまだ続いていた。

『なんと、当テレビ局に予告状が…』

「おぅおぅ、盛り上がってんじゃねぇか」

ぐいぐいと親父の腕を曲げる。

「痛い痛い!」

「ちっ!面倒くせー」

「でも、フィルムは取り戻さなきゃ」

「そうだな、つーか予告状なんて何で送るかな?」

「怪盗と言えば予告状だろう!」

「それが舞台をややこしくしてんだよ!」

「まぁ、そう言うな、今回は下準備しておいた」

「へぇ?どんな?」

「屋上を爆破する!」

「お、おいおい、マジかよ…」

「ボクらの初仕事思い出すね」

「いや、火薬の量で言ったらその非じゃねーだろ。爆破テロと間違われるぞ?」

「いいか、これがサンテレビの見取り図だ」

「聞けよ、話…」

「うわぁ、広いねぇ」

「まぁ、テレビ局だしな」

「で、フィルムはどこ?」

「ここだ」

親父が指差したところには“第6スタジオ”と書かれていた。

「放送される前にフィルムを取り戻すのだ、いいな」

「へーぃへい」

「あはは…」

 

続くッ!

 

***

 

今日のあとがき。

今度はテレビ局に盗みに入りますか。

いやぁ、大変だね、怪盗も。

一応これ終わったら三部完ですね。

四回で一部って決めてますから。

なので、人気次第で次で終わりなんて事もありえます。

最後が自分達のフィルムを盗むなんてことのないように…。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『二人は怪盗!シェイク&スピア』~守の相談窓口~

朝の登校中。

「おっはよー!」

バンッ!

里美が背中を叩く。

「だからその挨拶やめろよ!」

「減るもんないからいいでしょ?」

「俺のは減るんだよ、こう、手形に徐々にくぼんでいって…」

「それよりさ、守!遊園地行かない?」

「あはは、どうしたの?急に」

「じゃーん!」

と、里美が取り出したのは遊園地のチケットだった。

「わぁ!クリスタルランドのチケットじゃない、どうしたのさ?」

里美は不敵な笑みを浮かべながらこう言った。

「ふふふ、商店街のガラガラで見事三等が当たったのよ!」

「わぁ、行きたいな、ね?お兄ちゃん」

「遊園地か、いいな、それ」

「悪いけど、攻次の分は無いわよ?」

「何でだよ!」

「だってペアチケットですもの」

おっほっほと笑う里美。

「ぐぬ…」

「あはは…、どうしよっか、お兄ちゃん」

「えぇい!二人で行って来い!誰が里美と一緒に遊園地に何て行くか!」

「えー…、あはは…」

そうして、二人はクリスタルランドへ行く事になった。

 

***

 

日曜日。

「キャー!」

「あははー!」

ジェットコースターに乗ってはしゃぐ二人。

「あ~、ジェットコースター面白かったね」

「あはは、そうだね」

「次何乗ろっか?」

「里美ちゃんが乗りたいのでいいよ~」

「それじゃ、次はジェットフォール乗ろう?」

「いいよぉ?」

一方攻次は…。

「俺は何をやってるんだァ!」

一人でクリスタルランドのチケットを買い、守と里美の動向を影から覗っていた。

「あぁ!わかってるさ!俺と違って守はモテるもんなァ!そんな俺を嘲け笑うがいいさァ!はっはっはァ!」

「ママー、変なお兄ちゃんいるよ?」

「見ちゃいけません」

「くそっ!ホント何やってんだ…、帰るか…」

「うむぅ…いい雰囲気だな…これはもしかしてデートだな」

「な・ん・で親父が居るんだよ!」

親父の指を反らす。

「痛い痛い!父さんだって遊園地来たかったんだもん!」

「子供か!アンタは!」

「そういう攻次だって一人で覗き見なんてして、みっともない」

「うるせぇよ!」

親父の指を更に曲げる。

「痛い痛い!もう言わないからやめて!」

「ちっ!まぁいい。いいか親父、絶対俺が来たとか喋るなよ」

「父さん口は堅いほうだぞ?」

「絶対だぞ!?」

「任せときなさい。あ、ジェットフォールから出てきたぞ!」

「やべっ!隠れろ!」

 

***

 

「あー面白かった」

「あはは、そうだね」

「ちょっと休憩しよっか?」

「うん、そうだね。あ、ちょっと待ってて」

そう言って守はどこかへ行った。

「あ、ちょっと!守ー!」

しばらくすると、守がソフトクリームを二つ手にして戻ってきた。

「はい、里美ちゃん」

「わぁ、ありがとう!」

「それじゃどこか座れる場所で食べようか?」

「うんっ!」

一方攻次は…。

「くっ!守のやつどんどんポイント上げやがって…」

「出来るな…、流石父さんの息子だけあって中々やりよる…」

「もう片割れは全く出来てねぇけどな」

「何、父さんだって母さんを口説き落とすのに随分時間をかけて──」

「何喋ってるんだろうな…?」

「…父さんの話聞いてる?」

「くそっ!ここからじゃよく聞き取れねぇな…、もう少し近づくか…」

こそこそと守と里美の声が聞こえるベンチの裏側の茂みに身を隠した。

「…でね……のよ」

「あはは、でも……」

(ちくしょう、まだ聞き取れねぇな…もう少しだけ近づくか…)

(父さんメリーゴーランド乗って来ていい?)

(まだ居たのかよ!メリーゴーランドなりコーヒーカップなり何なりと行け!」

(父さん一人じゃ寂しい)

「…でね、守に相談が…」

「あはは、何かな?」

「…その…攻次って…」

(俺?俺が何だって!?くそっ!よく聞きとれねぇ!)

(何だ何だ?)

(うぉっ!親父押すなって!)

ガサガサ!

「ん?何だろ?」

里美と守が振り返ってこっちを覗っている。

(ど、どうすんだ親父!バレるぞ!)

(父さんに任せなさい)

「にゃーご」

(今どきネコのマネで誤魔化せるかァ!)

「なんだ、ネコか…」

(誤魔化せたっ!)

「…で、さっきの続きなんだけど…」

「うん」

(これくらい近づけば聞こえるな…)

「その…、攻次って…とか居るの?」

(俺!?何で俺の話題なの!?)

「え、う~ん。言っていいのかなぁ…?」

(バカッ!何か知らんが言うなよ!)

「うんとねぇ…、それは──」

(ホレ、攻次もっとつめてつめて!)

(バカ!親父!嫌なタイミングで押すな)

ガサガサッ!

「うわぁっ!」

攻次が草むらから二人の背後に飛び出してしまった。

「え…?」

「あ…」

「にゃ、にゃーご…」

「お兄ちゃん!」

「ど、どうして攻次がここに居るのよ!」

どうやら誤魔化せなかったらしい。

「い、いや、別に覗き見とかしてないし!ただ何か遊園地に一人で来たい気分だっただけだし!」

「あはは~、自分で墓穴掘ってるよ~」

「いつから見てたのよ!」

「だから見てねぇって言ってるだろが!」

「嘘つきなさいよ!じゃあ何で都合よく背後から現れるのよ!」

「うるせぇな!偶然だよ!」

「偶然草むらから出てくるヤツがどこに居るのよ!」

「居るんだよ!ここに!」

「守!帰ろ!?」

「う、うん~、あはは」

そうして二人は遊園地から出て行ってしまった。

「ちくしょう…、親父のヤロー…。いい加減出て来いよ!」

「はっはっは~、攻次~!ヤッホー!」

メリーゴーランドに乗りながら手を振っていた。

「絶対許さん!あの親父!」

 

***

 

「ちっ、結局、守帰って来てねぇじゃねぇか。あの後またどっか行ったな?」

「攻次!」

「何だよ」

「そろそろ父さんの指を離してくれないか?」

「い・や・だ・ね!」

曲げる力を強める。

「痛い痛い!」

「ただいま~」

バッと親父の指を離し、玄関へ向かう。

「ま、守!里美のヤツ何だって!?」

「あはは、里美ちゃんに口止めされてるからごめんね~」

「ちっ、何だよ…」

そうして攻次は自分の部屋へ入っていった。

「おかえり、守」

「あ、お父さん、ただいま~」

「里美ちゃんとのデートは楽しかったか?」

「え?デート?」

「隠すな隠すな、父さん何でも知ってるんだぞぅ」

「違うよ、里美ちゃんの相談を聞いてあげただけだよ。その場所が遊園地だっただけ」

「ほぅ、相談と来たか。どんな相談だ?」

「う~ん、お兄ちゃんには言うなって言ってたからお父さんにはいいのかな?」

「言っちゃえ言っちゃえ!」

「実はね、里美ちゃんってお兄ちゃんの事──」

自室の攻次は…。

「ぶえっくしょん!ずず…。風邪引いたかな?」

 

『二人は怪盗!シェイク&スピア』~守の相談窓口~ 完

 

***

 

今日のあとがき。

今回は守の回。

実は里美ちゃんは攻次の事を…ごほごほ。

まぁ、攻次にも幸せを分けてあげてやってください。

いいヤツなんですよ、攻次も!

さて、読みきりが続いたので、次はシェイク&スピアの続き物を書こうかと。

そんな訳で、今日はこの辺で。

 

今日の一言。

グレンラガンが今日から再放送だぜ。

それと、新番組チェックも忘れずに。

っていうかネギまって2期?

なんかちょっと前までやってた気がするんですけど。

…って調べてみたらアニメじゃねぇえ!

ネタだと言ってくれ。

ドラマ化って…。

ある意味伝説になりそうな予感。

でわでわ~。

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『二人は怪盗!シェイク&スピア』~攻次の郵便屋~

「ようやく完治っと…」

攻次が腕をグルグルと回す。

「完治と言っても無茶はダメだからね」

と、医者は言うが、職業柄無茶をせざるを得ない。

「よーぅ、治ったか?腕」

外科にガクがひょっこり顔を出す。

「テメ、ガク。のうのうと現れやがって…」

「それじゃ、診察があるから行こうか」

「は?診察?」

「キミは私の患者だろう?」

「ちょ、ちょっと待てよ!」

治ったばかりの腕をグイグイ引っ張られ、着いた場所は屋上だった。

「なんだよ…、やっぱり警察にでも通報するのか…?」

「いんや?ちょっと話があってね」

「話?」

「まぁ、ベンチにでも座りながら話そうか」

そして、ガクと並んでベンチに座る。

「ふぅ、いい天気だねぇ…」

「精神科放っておいていいのかよ?」

「今は昼休みだ」

「で、話ってなんだよ…?」

「まぁ、落ち着け。世間話でもしよう」

「誰がそんなもんするか!」

「やれやれ…。それじゃ、本題にうつるけどね」

「早く言えよ」

「これをある場所に届けて欲しい」

ガクが分厚い封筒を取り出した。

「届け物?郵便屋に頼めよ」

「それが…、俺には届けられないんだよ」

「俺には?」

「あぁ。合わせる顔が無くて届けられないんだ」

「合わせる顔?」

「あぁ…。探偵時代の俺の助手の京子の実家に届けて欲しいんだが…」

「なるほど…そういうことね」

「中には手紙が入ってる」

「ふ~ん…」

(それにしちゃ分厚いな…)

「頼まれてくれないか?」

「嫌だね」

「何故?」

「俺は怪盗。郵便屋じゃない」

「そうか、残念だな…、報酬に10万用意したんだが…」

ガクは別の封筒を取り出し、ひらひらとさせた。

「10万…?」

攻次の片方の眉毛がピクッと動いた。

そこをガクは見逃さなかった。

「そうか…、残念だな。それじゃ、この10万と手紙はキミの片割れにでも頼もうかな?」

「待て」

「ん?どうした?」

(10万ありゃヴィトンの財布が買える…こりゃ案外いい仕事なんじゃねぇか…?)

「それじゃ、この話は無かったことに──」

「やっぱ、別にやってやってもいいかなぁ…なんて」

「そうか、それじゃぁよろしく頼む」

「じゅ、10万は?」

「それは届けた事を確認した後だ」

「そ、そうか。まぁ、暇なときにでもやってやるよ」

「なるべく早くしてくれ」

「何でだ?」

「俺はもうじきこの街を去る、その間に届けてもらいたい」

「この街を去るって、なんでだよ?」

「転勤さ。遠くに引っ越さなきゃならない」

「…そうか。ハッ、せいせいするぜ」

「だろうね…それじゃ、よろしく頼むよ」

そう言うと、ガクは屋上から去った。

「…受け取っちまったけど…、親父なら住所とか分かるかな?」

そして、攻次も屋上を後にした。

 

***

 

「おーい、親父…」

親父の部屋を開ける。

「おぅ、攻次か、今父さん一人オセロやってたんだがつまらんな…」

「何やってんだよ…、しかも囲碁じゃなくてオセロかよ…」

「で、腕は治ったのか?」

「…あぁ、無茶は出来ないけどな」

「そうか、それならもう少し休業するか?」

「そうだな…、それより調べて欲しい事がある」

「何だ?」

俺は親父に事の経緯を説明した。

「なるほど…、その元探偵が元助手の実家を探していると…」

俺は金の事は伏せていた。

「たまにゃ人助けもいいだろ?」

「うむ!良い心がけだ!石川五右衛門も泣いてひれ伏す怪盗だな攻次は!」

親父の抱き寄せを避けつつ、攻次が話しを続ける。

「で、なるべく早くして欲しいんだとよ」

「おぉ、そうか、ならば早速NKKに連絡しておこう」

「え、えぬけーけー?」

「そう、(N)日本(K)怪盗(K)協会だ!」

「そんなもんあったのかよ!」

「駿河探偵事務所だな?お父さんに任せなさい」

こうして親父はNKKへ連絡し、三日後に住所を割り当てた。

 

***

 

「そんじゃ、ちょっくら行ってくらぁ」

「うむ、気をつけてな」

俺は元助手の家までチャリンコをこいで向かった。

2時間後、ようやく元助手の実家にたどり着いた。

「ふぅ、電車で来ればよかった…」

表札を見ると、美並と書いてあった。

「間違いねーな…」

俺はチャイムを押し、中から人が出てくるのを待った。

しばらくすると、玄関のドアが開いた。

「はい、どちら様ですか?」

中から母親らしき人物が出てきた。

いかにも上品そうな人だった。

「お母さんですか?ある人から手紙を預かってきました…」

「手紙…?何かしら」

「良かったら俺にも内容教えてくれませんか?一応預かった身なんで」

「え、えぇ…、内容にもよりますけど…」

母親は、封筒を開け、目を丸くした。

「な、何これ!?」

「な、なんですか!?」

中を覗くと、札束が入っていた。

「うおっ!こんな束見たことねぇよ!」

「あっ、手紙ってこれかしら…?」

母親が中に入ってる一枚の紙を取り出した。

しばらく文章を読んでると、母親が涙を流した。

「だ、大丈夫ですか?」

母親は靴箱に手紙を置き、こう言った。

「…これ、気持ちだけ預かっておくわ、駿河さんに返して?」

「ちょ、困ります!頼まれたんですから!」

「だって…、あの人がこんな気を使う事なんて無いのに…」

「手紙…、見ますよ?」

俺は、靴箱に置かれた手紙を読んだ。

『京子さんのご家族へ…私は、駿河探偵事務所で働いていた、美並京子さんを死なせてしまいました。危険な仕事場へ京子さんを巻き込んでしまい、誠に申し訳ありませんでした。これは、その償いです。どうか受け取って下さい。お金で解決出来る問題では無いのは分かっていますが、これしか方法が思いつきませんでした。本当に申し訳ありませんでした。 駿河学』

「あの方…、駿河さんはお通夜の席でも何度も何度も頭を下げて謝って下さった…」

「…ガク…」

「何度も何度も…、私達がやめてと言っても聞かなかったくらい…」

「…これは、受け取ってあげてください」

「…え?」

「ガクは…、あいつはバカだからこんな方法しか思いつかなかったんだろうから、受け取ってあげてください」

「…わかりました、それではお返事の手紙を書きます…住所は知ってますか?」

「中央病院の精神科へ届けてください、それでは…」

俺は軽く会釈して、その場を去った。

 

***

 

数日後。

中央病院精神科にて。

「藤原さん、どうぞー」

俺は診察室へ入って行った。

「よぅ、ガク手紙は届いたか?」

「あぁ、お金まで送りつけてきたよ…受け取れませんってさ。やっぱり許してもらえなかったらしいな」

ガクは苦笑いを浮かべた。

「それは違うぜ?ガク…」

「どういう事だ?」

「あのお母さん泣いてたぜ?こんなに気を使わなくていいってさ…別に怨んでねぇと思うぜ?」

「そっか…」

「ケケケ、これで安心して転勤できるな」

「ははっ、そうだな。それより報酬を払おうか」

「待て、それはいらん」

「何でだ?高校生が普通10万も財布に入ってないぞ?」

「なんかさ、俺もあのお母さんみたくこの世は金じゃねぇって思った訳」

「参ったな。こっちも受け取ってもらえないのか」

「その金は元助手の花代にでもするんだな」

「そう…だな」

「そんじゃな、ガク。もう二度と会う事もねぇだろ」

俺は椅子から立ち上がり、ドアに手をかけた。

「そういや、ちゃんと手紙は読んだのか?」

「手紙?いいや?現金がそのまま戻ってきたからほとんど読んでない」

「最後まで読んでみろよ」

「そうだな」

そしてガクが手紙を読んだ。

「何て書いてある?」

「…今まで京子のお世話してくださってありがとうってさ」

「言ったろ?怨んでなんかいねーって。そんじゃな」

俺はそう言い残し、診察室を後にした。

 

***

 

「怨んで無い…か。そうだとありがたいね…」

ガクは一人で呟いた。

 

***

 

「お帰り、攻次、ご飯出来てるけど?」

「お!お袋、今日の飯何?」

「お父さんの好きなもの」

「げっ、またハンバーグかよ…」

「またって何?文句あるの?なら食べなくていいよ?」

「い、いや。文句なんてねーって」

「おー、攻次、先食ってるからな!」

「おかえり、お兄ちゃん」

ガクと俺とは背負ってるものが違いすぎる…。

俺には家族が居る。

ちょっと恐いお袋とアホな親父と弟の守が居る。

それだけで、十分すぎるくらい幸せなんだろうな…。

世の中金だけじゃねぇって事教えてもらったぜ。

「ただいまっ!」

 

『二人は怪盗!シェイク&スピア』~攻次の郵便屋~ 完

 

***

 

今日のあとがき。

お母さん初登場です。

っていうか一話長っ!

二話に分けるほど長くも無いし、一話にまとめるほど短くも無い。

一番タチ悪いヤツですよ。

しかも何気に攻次がいいやつだし。

てな訳で続く!のか?

 

今日の一言。

小説のストックが切れました。

今後は書き下ろしを書かねば…。

それでは今日はjこの辺で。

でわでわ~。

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『ようこそ!天空学園へ』第二十三話。

ライブもして、デモCDも作って、後は学祭を待つだけとなった。

ミツルを除くシマウマ達も三年生になっていた。

シマウマ「う~ん…」

ジョー「う~ん…」

みぃ「う~ん…」

教室で唸る三人。

マヤ「………」

ミツル「…で、どうしましょう?」

シマウマ「ファーストキスは去年やったから無しだろ?」

みぃ「そうね…、出来れば新曲で望みたいわね…」

ジョー「無難にトラストと光の向こう側のどっちかでいいんじゃないか?」

シマウマ「デッドストリートも捨てがたいしな…」

あのライブハウスでのシマウマのアドリブはデッドストリートという曲名になった。

ミツル「では三曲やらせてもらったらどうですか?」

シマウマ「あ、そうか、何も一曲じゃなくてもいいのか!」

みぃ「今年は申請ちゃんとしないとね」

こうして、俺たちは学園祭で三曲演ることになった。

 

***

 

みぃ「申請してきたわよ~」

シマウマ「オーケー出たか?」

みぃ「うん!期待してるって言われちゃった」

シマウマ「んじゃ、決まりだな!」

こうして、シマウマ達は学園祭のステージに立つことになった。

 

***

 

学園祭当日。

シマウマ「今回はちゃんとドラム向こうでチューニングしろよ?」

ジョー「あぁ、今回はトリだし、ちゃんとしないとな。またギター折れたら助けてくれる先輩は居ないしな」

シマウマ「そういや鳴宮見に来るって言ってたっけな…。どれ…」

袖から体育館を覗く。

シマウマ「えっと…、ちくしょう。人多すぎだろこれ」

みぃ「それだけ期待されてるのよ」

シマウマ「お!居た居た!体育館の扉のところに居るぜ?」

みぃ「なんか、私達を見守ってるみたいね」

シマウマ「まぁな、ヤツは俺達をライブハウスデビューさせてくれたヤツだしな…」

みぃ「あら、大人の考え出来るようになったのね?」

シマウマ「うるせー…」

ジョー「そろそろ出番だってさ」

シマウマ「んじゃ、いっちょかましてくっか!」

そして、このライブは天空学園の伝説の一つとなった。

 

***

 

シマウマ「行くぜ!ファーストキス!」

俺達は学校を卒業し、天使になった。

だが、それと同時にインディーズミュージシャンとして、活躍していた。

今日もライブハウスでのライブを終えて、控え室へ戻った。

プロデューサー「お疲れ様、キミ達に吉報があるよ?」

みぃ「なにかしら?」

シマウマ「何だよ?遂にメジャーデビューってか?」

ギターを仕舞いながら冗談交じりで言った。

プロデューサー「当たり!」

シマウマ「マジかよ!?」

ジョー「ホ、ホントですか!?」

プロデューサー「うん、トランキライザーって知ってるよね?」

シマウマ「あぁ、今のこっちの音楽界のトップだろ?」

プロデューサー「うん、そのリーダーがぜひメジャーへどうかって。プロデュースも兼ねてくれるらしいよ?」

シマウマ「へっ!見る目あるじゃねぇか…」

みぃ「でも、急にメジャーデビューだなんて…何か裏があるんじゃないかしら?」

シマウマ「一足先にメジャー行った鳴宮が待ってる…」

みぃ「まったく、鳴宮先輩のことになると、すぐ目の色変えるんだから…」

シマウマ「待ってろよ…、鳴宮…!」

こうして、俺達ハクバズはメジャーデビューを果たす。

しかし、シングル6枚、アルバム2枚をリリースした後、俺達は所属事務所から解雇された。

要するに売れなかったのだ。

そして、俺達は解散した。

 

***

 

そして、20年後…。

シマウマ「久しぶりだな、学校も…」

マヤ「…そうだな…」

ジョー「早く行かないと見れないんじゃないか?」

みぃ「それじゃ、行きましょ」

ハクバズの五人で学園祭に来ていた。

伝説のライブをしたあの体育館へ向かう。

体育館の扉を開けると、ライブをしていた。

シマウマ「ははっ…、下手だなぁ…」

みぃ「アタシ達だってあれくらいだったわよ」

ジョー「でも、盛り上がり方は昔と変わんないね」

ミツル「あ、次ですよ!」

ミツルがプログラムを読んで、俺達に伝える。

シマウマ「お!出てきたぞ、ははっ、初々しいな」

ハクバ「それじゃあ、行くぜ!ハクバズのファーストキス!」

生徒A「ハクバズって誰?」

生徒B「バカ、お前知らねーのかよ、昔この学校で伝説のライブをしたバンドがあるんだよ」

生徒A「ふ~ん」

生徒B「それがハクバズさ、メジャーでも活躍してたんだぜ?」

生徒A「どうせクソバンドだろ?」

生徒「クソなもんか!その子供達が集まって、ハクバズの再来って言われてるんだぞ?」

一年二年三年とばらつきはあるものの、俺達の子供がバンドを組んだ。

シマウマ「ははっ、俺達クソ呼ばわりされてら」

みぃ「でも心配ね、ちゃんと歌えるかしら、あの子…」

ジョー「なに、俺たちの子だ、ちゃんと出来るさ」

ジャーン!

ハクバ「~♪」

シマウマ「お、俺の息子いっちょ前にとコーラスまでやってら」

みぃ「アタシの娘、アタシより歌、上手いんじゃない?」

マヤ「…この親バカめ…」

生徒A「…なぁ、さっきのバンド名なんだっけ?」

生徒B「ハクバズだよ」

生徒A「ふ~ん…、中々いいじゃん」

ハクバ「センキュー!」

シマウマの息子がピックを投げる。

みぃ「あはは、ピック投げまでそっくり!」

シマウマ「俺の子だからな…」

生徒A「なぁ、そのハクバズのCDってまだ売ってるのか?」

生徒B「何だ?気に入ったのか?俺持ってるから貸してやるよ」

生徒A「サンキュー」

こうして、俺たちの子は二世バンドとして叩かれた事もあったが、メジャーデビューして、現役で活躍している。

俺たちが果たせなかった夢をこいつ等が受け継いでくれた。

 

***

 

ハクバ「なんだよ、親父、そんな古臭いギター取り出して」

シマウマ「ははっ、お前らに触発されてな、またハクバズ結成しようと思ってな」

ハクバ「そうか、ま、頑張ってくれ」

シマウマ「お前も気を抜くんじゃないぞ」

ハクバ「わかってるって、親父の二の舞になってたまるか!」

シマウマ「おぅおぅ、言ってくれるな」

ハクバ「っていうか親父は天使としての仕事をしろよ!」

シマウマ「それはそれ、これはこれだ」

ハクバ「随分都合のいい言葉があったもんだ…」

ピンポーン。

シマウマ「お、来たか」

ハクバ「ん?誰か呼んだのか?」

シマウマ「ハクバズメンバーだよ」

ハクバ「へぇ、家の地下スタジオで練習するのか?」

シマウマ「いんや?ライブハウスで演ってくる」

ハクバ「大丈夫かよ…」

シマウマ「ふふふ、こっそり練習していたのはお前も知るまい…」

ハクバ「そうだ、俺も見に行こうかな」

シマウマ「おう、本物のハクバズサウンドを体感しろ!」

みぃ「シマウマ早くー!」

ジョー「早く行かないとBIG SITYのオーナーに怒られるぞ?」

マヤ「…シマウマはいつも腰が重いな…」

ミツル「白馬さんらしいじゃないですか」

シマウマ「よぅ、お待たせ!」

ジョー「それじゃ、行きますか」

マヤ「…飛べるというのは便利だな…」

こうして俺達ハクバズはライブハウスへ文字通り飛んで行った。

 

『ようこそ!天空学園へ』 完

 

***

 

今日のあとがき。

えー!

終わり方コレかよ!

自分で書いてて納得行かん。

始めラブコメでスタートしてバンド物で終わりかよ!

明らかに方向転換失敗してるよ。

最後はシマウマの言葉で。

シマウマ「それはそれ、これはこれ。だ!」

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『ようこそ!天空学園へ』第二十二話。

シマウマが指揮を取り、宅録デモCDを作る事になった。

シマウマ「それじゃ、始めはみぃバージョン取ってから俺バージョンで、そん次がデュエットバージョンな」

パソコンをカチカチといじる。

シマウマ「それじゃ、行くぞ」

みぃ「~♪」

何度も取り直しをしてシマウマバージョンは後日取り直しということになった。

シマウマ「そんじゃ、次は俺バージョンな」

シマウマが納得いかないと言って一日では終わらなかった。

シマウマ「だから、充、ここはアレンジしなくていいってば!」

ミツル「ですが、白馬先輩…」

シマウマ「いいから俺の指示通りにやれよ!」

マヤ「…こうなるから早く取っておくべきだったのだがな…」

ジョー「どういう事?マヤちゃん…」

マヤ「…新メンバーが入れば、今までの空気感というか、雰囲気が変わってくる、だからその前に取るべきだった…」

ジョー「そんな!今さらそんな事言ったって!」

マヤ「…皆が私の話を聞かないからじゃないか…」

みぃ「確かに先走りすぎたかも知れないわね…」

シマウマ「いいか、充!ここは俺のお気に入り部分だ!ここだけは変えるな!」

こうして、デモCDは作成は二週間に渡って行われた。

シマウマ「よし、完成っと」

カチッとマウスをクリックし、録音を終える。

シマウマ「みんなお疲れ!後これを焼き増しすれば完璧だ!」

マヤ「…タイトルはどうする…?」

シマウマ「は?タイトルって?」

マヤ「…一応5曲入りのミニアルバムだ、タイトルは無いのか…?」

シマウマ「そんならトラストでいいんじゃねぇか?」

マヤ「…メインはファーストキスなのだが…」

シマウマ「んじゃ、ファーストトラストにしよう」

マヤ「…直訳で、初めての信頼か…いいかもな…」

シマウマ「そんじゃ、何枚焼き増しする?」

マヤ「…そうだな…、取り合えず100枚くらいでいいんじゃないか…?」

シマウマ「…んじゃ、CD買ってこないとな」

そして、CDを買い、焼き増しする。

この作業だけで、休日一日まるまる潰れた。

マヤ「…それじゃ、再生するぞ…」

ウイィーンとCDを飲み込んで行くコンポ。

ジャーン!

シマウマ「おぉっ!いい音してるな!」

マヤ「…まぁ、宅録にしてはいい方だな…」

みんながコンポの前でひしめき合っていた。

みぃ「で、これどうするの?」

マヤ「…ライブハウスに置いてもらう…」

ジョー「無料配布CDってやつだね」

マヤ「…まぁ、100枚もあるから、BIG SITYと、この間のハコに50枚ずつ置いてこよう…」

シマウマ「じゃ、手分けして配ろうぜ」

そうして、ライブハウスへ配ると、ライブハウスから連絡があり、「ステージに出ないか?」

と、お誘いの電話が来た。

とーぜん俺の答えはイエスだ!

シマウマ「…と、言う流れでステージに出ることになった」

ジョー「おまっ!ちょっと一言連絡くらい入れろよ!」

マヤ「…新曲を作ってる最中だぞ…?」

みぃ「もう!いっつも勝手なんだから!」

ミツル「…ライブかぁ…」

シマウマ「充は初ライブだな、頑張ろうぜ!」

ミツル「はいっ!」

そしてライブ当日。

ジョー「あー…、結局新曲出来ずじまいだったなぁ…」

シマウマ「なに、心配すんな」

 

***

 

ライブが始まると、声援が凄かった。

シマウマ「お、おぉ…?」

ジョー「何お客さんに押されてるんだよ、こっちが押すんだろ?」

シマウマ「あ、あぁ…」

そして、スタンドマイクが入ってるか確認し、ギターを鳴らす。

シマウマ「ファーストキス!デュエットバージョン!」

『~♪』

シマウマ「行くぜ行くぜェ!トラストォ!」

みぃ「~♪」

シマウマ「次はファーストキスシマウマバージョン!」

シマウマ「~♪」

三曲が終わり、MCへ入る。

シマウマ「えー、どうも、ヴォーカル兼ギターのシマウマだァ!」

ギターをジャカジャカ鳴らす。

シマウマ「そして、キュートなメインボーカルみぃ!」

観客から「かわいい~」と言われてみぃが照れてた。

みぃ「みぃです!よろしく!」

シマウマ「そして、新メンバー、ミツル!」

ミツルは得意の速弾きテクで、お客を圧倒させる。

シマウマ「ベース!クールフェイス、マヤァ!」

マヤがベースをかき鳴らす。

シマウマ「そして最後は…いいか…」

そこにジョーが突っ込む。

ジョー「コラコラ!ちゃんと紹介してくれよ!」

シマウマ「ウソウソ、ドラムのジョー!」

ジョーがドラムを叩き鳴らす。

シマウマ「五人合わせて~、音楽戦士ハクバズマンです!」

みぃ「あはは、ハクバズです、よろしく!」

ワアァーーーっと声援が上がる。

シマウマ「それじゃ、後残り三曲、飛ばして行くぜぇ!?ファーストキス、みぃバージョン!」

みぃ「~♪」

こうして、俺たちはライブを進めて行った。

シマウマ「えっと、それじゃ最後の曲は…」

ジョー「(バカっ!新作まだ途中だろ!)」

シマウマ「(でもやるって言っちまったし!)」

ジョー「(今から取り消せ!)」

シマウマ「(出来るか!ンな事!)」

シマウマ「えー、それでは最後に新曲を聴いて貰いたいと思います」

お客さんが騒ぐ。

シマウマ「それでは聴いて下さい」

ジョー「(お、おいシマウマ…)」

シマウマ「(ほとんど出来てんだ、ぶっつけ本番でいいだろ!)」

ジョー「(知らねぇぞ…?)」

ジョーがドラムをスタタンッと鳴らす。

すると、充がギュイーンとチョーキングを鳴らす。

マヤもそれに合わせ、ベースを鳴らす。

みぃはおどおどしてた。

シマウマ「(みぃ、この曲は俺が歌う!いいな!)」

ギターを弾きながら話す。

みぃ「う、うん。分かった」

歌いだしまであと5…4…3…2…1…今だ!

シマウマ「~ッ!」

みぃ「(す、すごい…、アドリブで…?)」

スタタンッ!

ジョーのドラムが鳴り止むと、同時に俺は歌いきった。

シマウマ「センキュー!」

ピックをピッと投げる。

そして、舞台から降りた。

 

***

 

帰り道。

ジョー「いや、凄かったな、最後。あれアドリブだろ?」

シマウマ「あぁ…神が降りて来た…」

マヤ「…まったく、シマウマのセンスにはいつも驚かされる…」

シマウマ「なに、みんなだってちゃんとやってくれたから出来たんだ」

ミツル「やっぱり白馬先輩は凄いなぁ…」

シマウマ「褒めたって何も出ねーぞ!」

みんなで、笑いながら俺の家へ向かった。

もちろん打ち上げをする為に…。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

今日のは格段と雑ですね。

残りを無理やり消費するとこうなる。

あとは最後、学園祭のライブだけです。

華々しく終われるのでしょうか?

ちょっと心配ですが、今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ようこそ!天空学園へ』第二十一話。

ライブハウスでライブを終えたハクバズのメンバーがシマウマの家で宴会をやっていた。

シマウマ「おつかれー!」

缶ビールを空けて乾杯する。

みぃ「ホントはお酒なんてダメなんだけど…」

みぃは缶チューハイを空けながら呟いた。

シマウマ「今日くらいいいじゃねぇか!」

ジョー「そうだよ!最高だったよ!学祭思い出しちゃったよ」

ジョーが興奮気味に言う。

みぃ「まさかあのライブハウスのオーナーもチケット全部売ってくると思ってなかったみたいね」

シマウマ「まーな、ほとんどが俺たちの客だったからな」

みぃ「ありがとね、シマウマ」

シマウマ「俺の手にかかりゃこんなもん楽勝!」

マヤ「…もぐもぐ…」

マヤは食べるのに夢中だった。

マヤ「…もぐもぐ…で、ギターの新メンバーは見つかったのか…?」

みぃ「あぁ、その話ね。今週の金曜日にオーディションする事にしたの」

シマウマ「はっはー、オーディションかー、何か本格的だな!」

みぃ「私思ったの、絶対ハクバズなら売れるって。だから本気でメンバー探すわよ!」

シマウマ「おう!鳴宮達に負けてたまるか!」

マヤ「…だが、今回のライブはほぼ身内だけのライブだったからな…、アウェイのライブはもっとシビアだぞ…、BIG SITYの時みたくな…」

シマウマ「BIG SITYか…嫌な思い出だな…」

シマウマが二本目の缶ビールを空けながら言った。

マヤ「…それと、楽曲ももっと増やさねばならん…」

マヤがチューハイを飲みながら言う。

シマウマ「ま、そりゃ新メンバー入ってからでいいんじゃないか?」

マヤ「…デモCDを作ろう…」

シマウマ「だから、新メンバー入ってからでいいんじゃないかって」

マヤ「…ややこしくなる前に作りたかったんだがな…」

シマウマ「ややこしい?何だそれ?」

マヤ「…なんでもない…」

こうして宴会は続いた。

 

***

 

金曜日。

放課後に音楽室を借りて、オーディションをする。

審査員の俺たちはどんなヤツが来るのかワクワクしてた。

全員揃うとみぃが話始める。

みぃ「ごほん、えー、では皆さん、各々の好きな楽曲を弾いて下さい。もちろんオリジナルでも結構です。では、一人目からどうぞ」

一人目、二人目、三人目と見て行くうちにだんだん訳が分からなくなってきた。

ジョーに耳打ちする。

シマウマ「なぁ、あと、五人も居るけど、俺ちょっと疲れたから休憩してくるわ。あと頼んだ」

そう言って席を立つ。

ジョー「お、おいシマウマ…」

みぃ「じゃあ次の方は…、進名…充君?ってみっくんじゃない!」

シマウマ「おぉ、充、久しぶり」

こいつは進名先輩の二つ違いの弟で、進名充(シンナミツル)。

昔は病弱でシン先輩の家に行くと、ベッドから飛び降りて喜んで一緒に遊んだっけな。

シン先輩は無理するなって言ってたけど、今じゃピンピンしてる。

みぃ「それじゃ、弾く曲名は?」

ミツル「…ファーストキス」

シマウマ「何だ?俺たちの曲じゃねぇか」

ミツル「アレンジバージョン…」

シマウマ「ほぅ…、そいつは楽しみだ」

シマウマは席に座りなおした。

ミツルは一つ深呼吸をすると、ギターを鳴らし始めた。

ギュイーンとチョーキングしてから演奏が始まった。

そして、間奏でミツルは驚異的な速弾きテクニックを見せた。

シマウマ「おぉっ!」

ジョー「うんっ!上手い!」

マヤ「…ふん、やってくれるな…」

ジャーンと鳴らすと、ペコリとお辞儀をした。

パチパチとみんな拍手をする。

みぃ「えっと、それじゃ次の方…」

「俺…、棄権します」

みぃ「え?それじゃ、次の方」

「俺も棄権…」

みぃ「え?えぇ?」

みんなミツルのテクニックに圧倒されて怖気づいたのだろう。

その後、全員が棄権した。

みぃ「それでは、後ほど、結果をお伝え致します、それまでは皆さん休憩を…」

みぃが喋り終わる前に、シマウマの言葉がさえぎった。

シマウマ「ミツルに決定~!」

みぃ「ちょ、ちょっと!ちゃんと審査しなきゃ来てくれた人に悪いでしょ?」

シマウマ「何、ギターの俺が言うんだから、厳選な審査だろ?な?ジョー」

ジョー「お、俺に振るなよ…」

シマウマ「いいだろ?マヤ?」

マヤ「…シマウマの好きにするといい…」

シマウマ「…と、言う事だ」

みぃ「もぅ…、知らないわよ?」

シマウマ「そんじゃ、よろしくな、ミツル」

ミツル「よろしくお願いします」

 

***

 

後日。

シン「つうぇー!」

どこからか現れたシン先輩に思いっきり蹴られた。

シマウマ「痛ってー!なんすか!いきなり!」

シン「ミツルはいい大学入って上級天使になるんつぁ!何勝手にバンドやってんつぁ!」

シマウマ「し、知らないっすよ、そんな事!ミツルがオーディションに来たんですから!」

シン「何で落とさんかっつぁ!」

シマウマ「だ、だって一番上手かったし…」

シン「きぇえーーーー!!」

シマウマ「うわちょ、何す…$лЩーーー!!」

ジョー「…廊下から奇妙な叫び声がするけど、聞こえない聞こえない…」

ジョーが耳をふさいでいた。

みぃ「あはは…、みっくん成績いいらしいからね…バンドやって成績落ちるのが心配なのね」

ジョー「そういうミユキちゃんはどうなの?成績の方は…」

みぃ「あはは…、ちょっと落ちちゃったカモ…。ジョーは?」

ジョー「まぁ、授業はちゃんと受けてるから真ん中辺りをちょろちょろしてるよ」

みぃ「あはは、そっかぁ…(この間の期末試験赤点とったなんて口が裂けても言えないわ)」

シマウマが顔をボコボコに腫らしながら帰ってきた。

ジョー「よ、よぉ…。だ、大丈夫か?」

シマウマ「…何とか生きて帰って来れた…」

ドサッと机に覆いかぶさる。

シマウマ「チクショー、ミツルを怨むぜ…、あんな凶暴な兄貴を持つなんて…」

ジョー「ところで今成績の話してたんだけど、シマウマは期末どうだった?」

シマウマ「全部赤点」

きっぱり言い放った。

ジョー「お、おいおい…、進級できるのか?」

シマウマ「あぁ…、追試受けたらいいだけの話だ…。どうせみんな赤点だろ?」

ジョー「はぁっ…、シマウマと一緒にするなよ、なぁ、二人とも」

マヤ「…私は常に上位をキープしている…」

みぃ「あ、あはは、そうよね!赤点なんてね!」

シマウマ「俺のシークレットノートによればみぃは…」

みぃ「キャー!言わないで!」

バキィ!

みぃがシマウマの腫れた顔にパンチを放つ。

シマウマがうつ伏せになったまま動かなくなった。

ジョー「あ~ぁ、HPがゼロになっちまったようだな…」

こうして、新メンバー、シン先輩の弟の充を向かい入れる事になった。

 

続く!

 

***

 

今日のあとがき。

ダメだ…。

バンドからもう逃れられない。

普通の学園生活を描こうとしたのに…。

こうなったら一気にバンド物で駆け抜けてやる。

あとはデモCDの作成とライブハウスでのライブと来年の学園祭と…。

なんだ、まだ結構書けるじゃん。

まぁ、新メンバーも入った事だし、探り探りやって行きます。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『ようこそ!天空学園へ』第二十話。

シマウマ「よっしゃー!行くぜー!」

寂れたいつものゲーセンでレースゲームに熱中するシマウマとジョー。

ジョー「アウトサイドからインサイド!」

ジョーが見事なテクニックで車をさばく。

プレイヤー2WIN!

シマウマ「ちっ!やっぱカーレースはジョーには敵わないな…」

ジョー「所詮ゲームだよ、俺たちには翼がある」

シマウマ「まぁな…」

シマウマがもう一度コインを入れて、一人でプレイしている。

ジョー「ところでいいのかな?こんな事してて…」

シマウマ「何が、だよっ!」

ちょうどカーブの時に話しかけられたので、壁にぶつかった。

ジョー「バンドだよ!練習しなくていいのか!?」

シマウマ「たまにゃ息抜きも必要だ、よっと!」

ジョー「たまにって…、最近毎日ゲームばっかりじゃないか!」

シマウマ「ちっ、三位かよ…」

ジョー「聞いてるのか?シマウマ!」

シマウマ「わーってるよ、何かやる気しねーんだよ…」

カーレースの台から降りると、マヤが店に入って来た。

シマウマ「おぅ、マヤ、どうした?」

マヤ「…みぃが呼んでる…」

シマウマ「呼んでるって、ドコに?」

マヤ「…付いて来い…」

マヤに連れられてきたのは、BIG SITYじゃないライブハウスだった。

その前にみぃが居た。

みぃ「あ、シマウマ!今、ライブに出られるようお願いしてたの」

シマウマ「また勝手にそんな事を…」

みぃ「来週の週末にライブがあるからそれに出ていいってさ、はい、チケット」

シマウマ「は?なんでチケットなんて持ってるんだよ?」

みぃ「ノルマよ、これを全部売ったら出させてくれるって」

シマウマ「一枚いくらだ?」

みぃ「1200円」

シマウマ「出演バンドは?」

みぃ「えっと、確かジンライムってバンドと、ダークリベンジってバンドと…」

シマウマ「要するにアマチュアの寄せ集めだな?」

みぃ「まぁ、そうね」

シマウマ「やーってらんね、俺パス」

その場にチケットを放り投げた。

みぃ「ちょ、ちょっと!」

みぃが必死に拾い集める。

シマウマ「なーんかさ、俺、最近やる気出ないのよ。うつ病だぜ、きっと」

みぃ「ふざけないで!」

みぃがシマウマに平手打ちをする。

シマウマ「痛ってぇな…!」

みぃ「あんたリーダーでしょ!アンタがやるって言ったんでしょ!アタシ達巻き込んで、今更何なのよ!」

シマウマ「うるせぇ!勝手にライブだのなんだのってお前こそ何なんだよ!」

みぃ「もう知らない!」

シマウマ「ぁ、おい!みぃ!」

ジョー「あーぁ、泣いてたぜ?ミユキちゃん」

シマウマ「…知るかよ、そんな事…」

 

***

 

とは言ったものの…。

マヤ「…気になるんだろう…?」

夕食時にマヤが話しかけてくる。

シマウマ「べっつに!マヤには関係ねぇだろ!」

マヤ「…私もハクバズの一員だ…。関係ない事は無い…」

シマウマ「そんなにライブがやりてーなら他のギターでも探せよ!」

マヤ「…シマウマも素直じゃないな…」

シマウマ「言ってろ…」

マヤ「…それではホントに新しいギターを探すぞ…?」

シマウマ「…勝手にしろ」

マヤ「………」

 

***

 

翌日学校へ行くと、張り紙がしてあった。

“ハクバズ、至急ギター募集”

本気かよ…。

俺はその張り紙を破り取った。

教室に着くと、みぃの周りに何人か集まっていた。

「ギターの人辞めたの?」

「ヴォーカルになるってホント?」

「…俺、立候補しようかな」

「俺も!学祭の時のあれ良かったよ!」

みぃ「ま、まぁ、取り合えずみんな落ち着いて、立候補する人は取り合えずこの紙に名前書いてね」

わーっとみんなが紙に群がる。

シマウマ「…ちっ!」

ドカッと椅子に座る。

マヤ「…納得行かないって顔だな…」

シマウマ「あぁ!?知るかよ!」

マヤ「…私に当たりたければ当たればいい…だが、今回はシマウマが悪い…」

シマウマ「へっ!マヤもみぃの味方かよ」

ジョー「それは違うよ」

シマウマ「じゃあ、何だってんだよ」

ジョー「シマウマが居ないとき、ミユキちゃんが言ってたんだ、ヴォーカルとギターをやるのは大変だろうから、もう一人ギターが必要だねって」

シマウマ「そんな作り話誰が信じるんだ?」

ジョー「シマウマ…」

ジョーが呆れた顔をした。

そこに、みぃが俺に気が付いた。

みぃ「あら、いつからいたの?」

シマウマ「さっきからいたよ」

みぃ「あらそう…、それよりハクバズに入りたいって人こんなに居るけど?」

シマウマ「勝手にしろ…」

みぃ「…ライブハウスの事なんだけど…」

シマウマ「知らねぇよ、俺もうハクバズじゃねーらしいからな」

みぃ「何言ってるのよ、もう一人のギター探してるだけじゃない!」

シマウマ「は?」

みぃ「だからもう一人ギター入れないと大変でしょ?ツインヴォーカルならね」

シマウマ「じゃあこの至急ギター募集ってのは…?」

俺は破り取ったチラシを見せてみぃに問う。

みぃ「もう一人のギターを探してるだけって言ってるでしょ?」

シマウマ「はは…、はははっ!」

みぃ「何がおかしいのよ!」

シマウマ「いやいや、みぃも中々バカだなと思ってな」

みぃ「バカって何よ!」

シマウマ「んじゃ、俺も新ギター選考に混ぜさせてもらうかな…」

マヤ「…もっと早く気付くべきだ…」

ジョー「まったくだよ…」

シマウマ「何だよ、オメー等!何か文句あんのかぁ!」

ジョー「いいや?べっつに~?」

シマウマ「みぃ、この間のチケット持ってきてるか?」

みぃ「…え?えぇ…、友達に買ってもらおうと思って」

シマウマ「それ全部よこせ」

みぃ「え?だって一人頭10枚で40枚もあるのよ?」

シマウマ「俺に不可能はねぇ」

そしてチケットを渡されたシマウマは教室から出て行った。

みぃ「どうするのかしら…?」

ジョー「まともな方法で売るとは思えないけどな…」

マヤ「…まぁ、シマウマを信じよう…」

シマウマは始業ベルが鳴る寸前で戻ってきた。

シマウマ「全部売ってきたぜ、40枚!」

みぃ「一体どうやったの?」

シマウマ「俺の部下に全部売りつけてきた、ホラよ、チケット代」

4万2千円をみぃに渡す。

シマウマ「その…、この間は悪かったな…」

みぃ「ホント、悪いヤツだわ」

こうして、俺たちハクバズは週末のライブに出ることになった。

 

続く!

 

***

 

やっぱりバンド物にっ!

シマウマのうつ病に対する軽率な発言が自分で書いててムカつく。

もうこうなったら強制終了に持ち込むか。

要するに打ち切り。

飽きてきたし…。

  

今日の一言。

病院へレッツゴー☆

ジプレキサザイディス4錠に増やしてもらったぜ!

それより、沢尻エリカやばいね。

「お気に入りのシーンは?」

「…別にありません」

超パンク!

こんなパンキッシュ娘中々いないぞ?

後で謝罪しちゃったのが残念なところ。

謝罪とか一切しないとなお、パンクに近づくのにな。

まぁ、久々に面白いもの見させてもらったよ。

それでは今日はこの辺で~。

でわでわ~。

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『ようこそ!天空学園へ』第十九話。

シマウマ「…と、いうわけだ」

ジョー「マジかよ!マヤちゃんの父親がシマウマの父親だったなんて!」

マヤ「…それこそ昔はやさしかったんだがな…母が死んだときから飲んだくれはじめたのだ…」

ジョー「そうか、だから昔の親父さんの面影を残したシマウマに着いてったんだな…」

マヤ「…そうなのか…?」

シマウマ「俺に聞いてどうする」

みぃ「ちょ、ちょっと三人とも冷静に話してるけど、下界なんていつ行ったのよ!」

シマウマ「あぁ、みぃは知らなかったんだよな、チクるのだけは簡便な」

みぃ「…質問に答えなさいよ」

シマウマ「あん?そうだな、マヤが転校してくる二日前」

みぃ「なんでいつもいつもそんな無茶するの!」

シマウマ「な、何怒ってるんだよ…」

みぃ「もしかしたら退学になってたかもしれないんだよ!?」

シマウマ「何、俺の特製ジュースを飲んだら簡単な事だ」

みぃ「そういう問題じゃないでしょ!」

シマウマ「こんなバカをもったクラス委員は大変だね…」

みぃ「ホントよ、まったく…」

シマウマ「ところでよ、マヤが下界から持ってきたCD聞いてみろよ、すげーいいぜ?」

みぃ「もうっ、いっつもそうやって誤魔化すんだから!」

ジョー「おぉっ!こんなに下界の音楽が聴けるなんて感動モノだよ!」

シマウマ「なぁ、マヤ、今下界で一番人気はどれだ?」

マヤ「…一番と言われてもな…、私のお気に入りしか持ってきてない…」

シマウマ「そうか…、お、本物のブルーデイだ。これ新作?」

マヤ「…私がこっちに来る直前に発売された“ジャパニーズイディオット”だ…」

シマウマ「はっはー!鳴宮達もこれは持っていまい!」

ジョー「天界に届くのって大体次のアルバムが出てからだもんね」

シマウマ「よし、自慢しに行ってやろうっと」

ジョー「おい、三年生の教室まで行くのか?」

シマウマ「ちらっと見せびらかすだけだよ」

シマウマは駆け出した。

ジョー「トラブルは起こすなよ!」

シマウマ「まかせとけー!」

ドアの向こう側に声をかけた。

ジョー「ホント、大丈夫かな…?」

 

***

 

シマウマ「確か、鳴宮は3-Aだったよな」

シマウマはドアを思いっきり開けた。

シマウマ「うりゃー!鳴宮!コレを見…」

シン「あん、どうすたぁ!?」

そういえばシン先輩と同じクラスなんだった。

シマウマ「あ、あのですね。鳴宮に用事が…」

シン「鳴宮…?先輩はどうしたァ!」

顔面がめり込むほどのパンチを食らった。

シマウマ「痛って~!」

シン「いいかァ!先輩には敬意を持てと何度もいっつぇるだらァ!」

シマウマ「は、はい!すいませんしたァ!」

シン「うむ、分かればいいんつぁ…。お~い、鳴宮、シマウマが呼んでんつォ!」

鳴宮が歩み寄ってくる。

ナルミヤ「ははっ、久しぶり、ホントにシンに弱いんだね。で、用事って何かな?」

シマウマ「ふっふっふ、鳴宮…先輩、コレを見ろ!」

ナルミヤ「このCDは!?」

シマウマ「ブルーデイの新作だぜ…」

ナルミヤ「どうやって手に入れた!?」

シマウマ「おーっと、そいつは先輩にも教えられねぇな」

ナルミヤ「ちょっと聴かせてくれないか?」

シマウマ「しょーがねーな、じゃあさわり程度な」

鳴宮がヘッドフォンでCDを聴いている。

ナルミヤ「なるほどね…、うんいい曲だ」

シマウマ「もういいのか?」

ナルミヤ「あぁ、もう覚えた」

シマウマ「は?覚えたって?」

ナルミヤ「ギター進行と歌詞だよ」

シマウマ「嘘つけ!一回しか聴いてねぇじゃねぇか!」

ナルミヤ「それじゃ、試してみるかい?」

そう言うと、鳴宮がロッカーからギターを取り出した。

ナルミヤ「アンプがないからそのまま弾くよ?」

シマウマ「お、おう…」

俺は嘘だろうと思いながらも、真剣に耳を傾けた。

鳴宮がジャラーンとギターを鳴らす。

ナルミヤ「~~~♪」

シマウマ「!!」

嘘だろ?

たった一回聴いただけで完璧に覚えてやがる!

そして、鳴宮が歌い終わった。

ナルミヤ「ふぅっ、これで信用した?」

シマウマ「ふ、ふん!中々やるじゃないのさ!」

ナルミヤ「ところで、ハクバズ…。また結成したんだってね?」

シマウマ「おぉ、何で知ってるんだ?」

ナルミヤ「人は噂好きってね…」

シマウマ「おめー天使だろ…」

ナルミヤ「天使も人も関係ないよ、ただ、噂には尾ひれが着くものでね、今度はツインヴォーカルだって話になってるよ?」

シマウマ「マジ?俺としたことが自分の事は野放しにしてたぜ…」

ナルミヤ「来年の学園祭楽しみにしてるよ」

シマウマ「…来る気かよ」

ナルミヤ「そりゃ行くさ。未来のライバルになるかもしれないからね」

シマウマ「へっ!ジョートー!進化したハクバズで一気にインディーズへ上り詰めてやるよ!」

ナルミヤ「その頃、インキュバステイルはメジャーデビューしてるかもね」

シマウマ「ム!」

ナルミヤ「ははっ、冗談だよ、それより予鈴なったけど、戻らなくていいのかい?」

シマウマ「ちっ!覚えてろー!」

俺は小悪党のような台詞を残し、去って行った。

ナルミヤ「あ、おーい!CD忘れてるよー!」

俺は情けなく、教室へ戻ってCDを持って自分の教室へ帰った。

 

***

 

シマウマ「ただいま…」

ジョー「お、どうだった?」

シマウマ「一回聴いただけでもうコピーしてた…」

ジョー「マジかよ…」

シマウマ「しかも、俺たちの事、噂になってるらしいぜ?」

ジョー「ハクバズの事か?」

シマウマ「うむ、何でも今度はツインヴォーカルだそうだ」

ジョー「ははっ、いいじゃないか。シマウマ歌えよ」

シマウマ「うむむ…、噂に流されるようでイヤだな…」

ジョー「元々ファーストキスはシマウマが歌ってたんだからいいだろ?」

シマウマ「そんじゃ、ファーストキスのシマウマバージョンで行くか」

ジョー「まぁ、まだまだ先の話だ。気楽に行こうぜ」

シマウマ「おう」

こうして、俺たちのバンドはツインヴォーカルへ進化した。

 

続く!

 

***

 

今日のあとがき。

バンドから遠ざけよう遠ざけようとすればするほど近づいてくる。

しかもツインヴォーカルて!

想像してなかったよ!

次こそホントにバンド関係ない話書こう。

うん、そうしよう。

 

今日の一言。

「電気信号に囚われたようだな…、ジャイアントストロング…」

「何ッ!0より1の方が大きいというのは仮説か!?残ビット数ヒトフタマル!」

「頑張って!ジャイアントストロング!」

今さらGLAYのジャイアントストロングにハマってるワタクシ。

GLAYレアコレクションのHISASHIディスクいいよHISASHIディスク。

ジャイアントストロングの声優に山ちゃんと緑川さん使ってるところがナイス。

女性の声の主は分からず。

でも生きてく強さを持ってるのにシニカルがHISASHIディスクに入ってるのが残念。

昔だったら、シニカル聴けるぜ!

って自慢できたのに…。

まぁ、HISASHIディスクはクオリティ高ス!

こんなんでどっすか。

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『二人は怪盗!シェイク&スピア』~守が盗んだもの盗み編~

「よいしょっと…」

守は豪邸の屋根まで上ったところで、一息ついた。

「ふぅ…、お父さん秘密道具33の簡易気球で屋根まで上ったけど…」

守は簡易気球を畳みながら独り言を呟いていた。

「あの煙突結構高いなぁ…」

ここは父さん秘密道具73のガッチリ鷹の爪でっと。

ガッチリ鷹の爪とは、ロープの先端に鉤が付いている高い場所へ登る為の道具だ。

守はクルクルっとロープを回して煙突のてっぺんに投げつけ、煙突にガッチリ鷹の爪を引っ掛ける。

「よいしょ、よいしょ…」

守が煙突を登って行く。

てっぺんにたどり着いたところで、今度は反対側にガッチリ鷹の爪を引っ掛け、スルスルと降りて行く。

「よし…」

煙突を降りると、二階部分にたどり着いた。

「えっと、確かここから出て、一階に下りてぇ…」

ボソボソ独り言を喋っていると、一階から声が聞こえた。

『いいんですか!?シェイクスピアは必ず盗みに来ます!我々警察が…』

『ええぃ、うるさいわ!警察などアテにならん!ガードマンを雇ってるから心配無いわ!』

「うわ…、行きづらいなぁ…」

守は苦笑いを浮かべた。

そして、この家の主が警察を追っ払ったところで、扉をこっそり出る。

「二階は真っ暗だなぁ…」

そして、吹き抜けの階段から明かりが見えた。

「あそこが階段かな…?」

忍び足で一階に続く階段まで歩く。

ひょこっと吹き抜けから顔を覗かせると、ガードマンが5~6人で壺を守っていた。

「それじゃ、ミッション開始」

お父さん秘密道具27もくもくえんま君を取り出し、壺の付近に投げる。

プシュー!

『うわ、なんだ!煙幕か!』

「よっと」

煙幕に紛れて、階段を下り、ガードマンに紛れる。

その際に壺を掠め取る。

そして、奪還完了のカードを置き、再び階段を上がっていく。

『くそっ!何も見えん!壺は無事か!』

『大変です!壺がありません!』

『なんだと!?まだ遠くには行ってないはずだ。恐らくまだ屋敷のどこかに居るはずだ!探せ!』

守は壺を持って再び、煙突のある部屋へ向かった。

すると、正面からガードマンが姿を現した。

「居ました!シェイクスピアです!二階廊下にて発見」

ガードマンが無線で仲間に伝える。

『何をやっとる!早く捕まえんか!』

主が叫ぶ。

「うわっ、どうしよう…」

その時、隣の部屋のドアが開いた。

「…こっち」

女の子が姿を現した。

「えっと…」

走ってくるガードマンがまじかに迫っていた。

「…早く!」

守は仕方なく、少女の部屋へ入った。

バタン。

部屋の中は真っ暗だった。

ガチャリ。

少女が部屋の鍵を掛ける。

『お嬢様!お部屋をお開け下さい!』

部屋の向こうでガードマンが叫んでいた。

「捕まっちゃったか…」

守は観念した。

…が、少女はベッドの下へ潜り込み、何かを取り出しているようだった。

「…これが本物」

少女はベッドの下から獲物の壺と瓜二つの壺を取り出した。

そして、それを守に差し出した。

「どうしてボクに…?」

「パパはね…、いっつも私の事より、骨董品の方を大事にするの、だから仕返し…」

『おい、加奈!部屋を開けろ!でなければ無理やりにでも開けるぞ!』

「早く逃げて!」

「う、うん!」

そして、守は窓を開け放ち、お父さん秘密道具67身代わり君を膨らませた。

バンッと部屋を破られ、部屋は開け放たれた。

『はっはっは!サラバだ!』

隠れてる守が身代わり君を窓から放り投げる。

「外へ逃げたぞ!追え!早く追え!」

ガードマン達と主が玄関へ走って行った。

「ね?私より骨董品の方が大事なの…」

「そう…」

守は何と言ってよいのか分からず、口ごもった。

「いいのよ、慰めの言葉なんて要らない。それよりシェイクスピアに会えただけで嬉しいわ」

すると、少女は守の頬にキスをして、こう言った。

「さ、早く逃げて?後は私が何とかするわ。ここに偽者もあることだし」

「う、うん。ありがとう…」

そして守は壺を持ち、部屋の鍵を開けて周りに誰も居ない事を確認してから煙突の間へ向かった。

煙突の間に付いた守は、暖炉からぶら下がっているガッチリ鷹の爪のロープを掴んで煙突を登って行った。

そして、屋根へ出ると、簡易気球を膨らまし、屋敷を後にした。

 

***

 

「ただいま~」

ガラガラと親父の部屋から守が入って来た。

「おっ!守!窓から侵入とは怪盗らしい登場の仕方をしおって!」

「で、守…。壺は?」

「ホラ!持ってきたよ?」

「おぉっ!やるじゃねぇか守!」

「うむ!流石父さんの息子だ!」

「でもね、一人の女の子に顔見られちゃった」

「お、おま…、変装しなかったのか?」

「うん」

「バッカ!それ警察に通報されたらどうすんだよ!」

「大丈夫だよ~、こっちの味方だったから。その子のおかげで逃げ切れたんだもん」

「はぁ…、やっぱ守一人で行かせるのは危険だな…」

「それじゃ、あと2週間は怪盗業は休みだ」

「それがいいかもな…」

守は始終ニコニコしていた。

こうして、守は一つの壺と、一つの乙女心を盗んだのだった。

  

***

 

「おっはよー!」

「させるかぁ!」

攻次はひょいと避けた。

「おぉっ!攻次が避けた!」

「ふふ…、俺もバカじゃない。毎日毎日叩かれていれば避け方も…」

「腕は治ったかな?」

ギプスをチョップされる。

「痛ってぇって!」

「あはは~。チョップはまだ避けれないみたいだねぇ」

「それより、ニュース見た?見た?」

「里美ちゃんも好きだね、シェイクスピア」

「だって、今最も熱いニュースじゃない!あぁ…どんな方なのかしら…?」

「へっ、オメーんちにお宝でも置いときゃそのうち来るんじゃねーの?」

「ウチにそんなもの置く財産無いわよ!」

「なら一生夢見てな!シェイクスピアなんてどうせオッサンだぜ?」

「何言ってるのよ!きっと素敵な青年よ!」

「あはは~…」

「大体な…」

「ところで香水付けすぎじゃない?」

「う、そ、そうか?」

校門へ付くと、ベンツから一人の女の子が出てきた。

「おぅおぅ、こんな高級車でお出迎えとはさすが金持ちは違うな」

「あ…」

「なんだ?守、どうかしたか?」

「あ、いや。何でもないよ~あはは」

すると車から降りた女の子は守に気付き、にっこり微笑み、手を振った。

守もつられて手を振った。

「加奈ちゃんおはよー!」

「おはよう…」

そして、女の子は学校へ入って行った。

「ちっ、あの子も守派かよ!」

「ちょっと!守!あの子知り合い!?」

「あ、いや、知り合いっていうか…あはは~…」

 

俺たちは盗めるものがある限り、怪盗である。

「byシェイク&スピア!」

 

『二人は怪盗!シェイク&スピア』~守が盗んだもの盗み編~ 終わり

 

***

 

今日のあとがき。

シェイク&スピア第二部終わりです。

最後はカ○オストロの城状態で終わりました。

お前はル○ンⅢ世かっての。

まぁ、怪盗物にはお約束の「それはアナタの心です」で終わり。

いいのか、こんな終わり方で…。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

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『二人は怪盗!シェイク&スピア』~守の盗んだもの予告編~

「はぁ…、まだ直らねぇのかよ、この腕…」

攻次が医者相手に愚痴る。

「もう少し、安静にしてくれたらすぐ治るよ」

と、そっけない返事をする医者。

「いやぁ、すいませんねぇ、先生…、私の患者がお世話になってるようで…」

と、ガクが言う。

「オメーが本気で蹴ったりするからだろ!」

「だってそうするべきだっただろ?あの時は…」

医者が俺たちのやりとりを聞いて愕然としていた。

「け、蹴ったって、アナタ駿河先生、患者さん蹴ったんですか!?」

「あはは、あまりにも聞き分けが無いからちょっとお仕置きをね…」

「傷害事件になりかねませんよ!?」

「まぁまぁ…、こいつも反省してるようですし」

ガクが腕で首を絞めてくる。

「あ”ぁ”うっとおしい!とにかく、早くしてくれよ、俺にも仕事があるんだ」

馴れ馴れしくするガクを振りほどき叫ぶ。

「やれやれ…、懲りないねぇ…」

「仕事ってアルバイトか何かかい?」

「まぁ、そんなとこだ…」

俺は軽く誤魔化した。

そして、攻次は病院を後にした。

 

***

 

家に帰り、経過を話す。

「あと二週間だってよ…」

「え~、そんなにかかるの?」

「え!父さんもう今日で治ると思って予告状置いて来ちゃった!」

「何やってんだ、よ!」

親指をぐいぐいと反らす。

「ふっ…!お父さんを甘く見るなァ!」

ゴキィという音と共に親父の親指の間接が外れた。

「うおぉ!!マジか!」

「そうそう何度も攻次にやられっぱなしじゃカッコ付かないからな…」

「じゃ、小指はどうかな?」

今度は小指をぐいぐいと反らしてみる。

「痛い痛い!そこはまだ鍛えてない!」

親父がバタバタと騒ぐ。

「で、どうすんだよ…」

俺は本題を持ち出した。

「ふむ…、そうだなぁ…」

親父は考え込んでいた。

「それじゃ、今回だけは父さんが──」

「ボク、やるよ!」

親父が言い終わる前に守が言った。

「やるっつったって一人でか?」

攻次が守に問いかける。

「うん」

「大丈夫かよ…」

「ボクだってシェイクスピアだよ。簡単だよ~」

「よし、よく言った!父さん泣いちゃう!」

ガバッと守を抱き寄せる。

「あはは…、で、今回盗むのって何?」

抱き寄せを避け、守が聞く。

「うむ、今回はどこかの国のお姫様の心を…」

「真面目に言わんかい!」

攻次がツッコむ。

「ちょっとしたお父さんギャグじゃないか…」

「そんなのいいから早く教えてよ~」

「そ、そんなのッ!!」

「だってよ、早く教えてやれよ」

「今回は中国の骨董品を取ってきてもらう…」

「骨董品?」

「うむ、なんでも、この間有名なテレビ番組で鑑定するやつに出てた骨董品を奪還するのだ!」

「なんかギリギリの発言してねーか?」

「わかったよ~。で、どんなの?」

「父さん録画しといたから、これを見なさい」

ピッとテレビをつけて、ビデオの再生ボタンを押す。

『ザーーーーーーー』

「何にも映ってねーぞ…?」

攻次がツッコむ。

「あ、父さん巻き戻すのわすれてたよ、いや、参った参った」

巻き戻しボタンを押してしばらく経ったが、一向に映像が現れない。

「あれ~?おかしいなぁ…」

「親父…、もしかして録画失敗してんじゃ…」

「という訳だ守!何でも豪邸らしいからな、まぁ地図を見ろ」

「上手く誤魔化したつもりか?」

「いいかぁ、玄関から入ったらダメだ、防犯センサーが付いてる」

「じゃあ、裏口とか?」

「裏口もセンサーが付いてる」

「じゃあどこから入るの?」

「上から入ってもらう」

「天窓は?」

「無い。だが煙突がある。そこから進入可能だ」

「じゃあ黒い服用意しなきゃ」

「心配するな、煙突はただの飾りだ、今は使われてない」

「そうなの?」

「で、この煙突を抜けたら二階に出る」

ふんふんと守は相槌を打っていた。

「あとは簡単だ。目的の物を盗めばいい」

「その目的の物がわかんねーんじゃねーか」

「いや、見ればすぐ分かるぞ、壺なんだけどコレくらいの…」

親父が手を広げてどれくらいの大きさか教える。

「うん、分かったよ~、それじゃ、深夜に結構だね」

「うむ、それが無難だな…」

こうして守は一人で盗みに行く事になった。

俺は心配だったが、守がどうしても一人で行くというので、任せてみることにした。

 

続く。

 

***

 

今日のあとがき。

遂に守の回が回ってきました。

全体的に短めです。

果たして守は一人で盗んでくる事が出来るのか?

続くのだった。

それでは今日はこの辺で。

でわでわ~。

 

今日の一言。

麒麟の無料インストアイベントを見に行きました。

でも、行った時間が遅すぎて、人人人…。

遠くの方で見てたのですが、結局ネタが聞き取れなかった。

結局何が何だか分からずじまいで終わりました。

ちくせう。

二度と行くもんか。

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『二人は怪盗!シェイク&スピア』~伝説のブラックパール号盗み編~

「よっこらしょっと!」

俺はぺッタンタコちゃんで外からブラックパール号に潜入した。

後は守とコンタクトが取れれば、楽勝。

甲板に、簡易気球を隠し、中に入る。

今日は都合よく、ブラックパールの展示会らしいからな、一般人のフリして展示会場まで行けば…。

おっと、変装も忘れずにってか?

俺はヨボヨボの爺さんの被り物を被って、スーツを着こなし、素手で掴めるように、手袋をはめた。

よし、行くか…。

そうして、展覧会場へたどり着く。

「ちっ、流石にブラックパールの周りは人だかりが凄いぜ…」

「これはご老人、お手をお貸ししましょうか?」

「おぉ、すまんな…」

守だった。

守も変装し、完璧に老人の手を引く青年姿だった。

「すみません、ちょっと空けてもらっていいですか?」

守が周りを空けると、そこにブラックパールがあった。

「なんじゃ、こんなもんが伝説かいのぉ…」

ひょいとブラックパールを摘み上げる。

するとガードマンが俺の腕を掴んだ。

「…ご老人、元の場所にお戻し下さい」

「何じゃ…、触らせてもくれんのか…」

俺はブラックパールを置いた。

「それじゃ、もういいわい、青年、手を貸してくれ」

「はい」

そうして、攻次と守はブラックパールから離れた。

「それじゃ、帰りますか…」

「そうだね~」

俺はキョロキョロと辺りを見渡した。

「ちっ、ガクのヤツ、来なかったのかよ…」

「来るとも言ってなかったんでしょ?だって探偵辞めたんだもん」

「それじゃ、甲板に気球を隠してる、それに乗って帰るぞ」

「おっけー」

甲板に出る扉の前に人影が見えた。

「また、ジジイのフリかよ…」

そして、扉に近寄る。

「すまんが、ちょっといいかの」

「どうぞ、シェイクスピアのお二人…」

ガクだった。

探偵の時みたいにスーツを着て、ネクタイを緩めに締めたガクが居た。

「ほっほっほ、シェイクスピア?何じゃそれは…?」

「ご老人にしては随分若々しい香水を使ってらっしゃる。キミが病院へ来た時と同じ匂いだ」

「ほっほっほ、若いもんに負けないようにしてるだけじゃよ…」

「そうかい…、それじゃ、懐のブラックパールは何かな?」

俺はあの時ブラックパールを摘み上げると同時に偽者と本物を摩り替えていた。

「………」

「逃げるぞ!スピア!」

俺たちはダッと甲板へ飛び出し、簡易気球へ向かった。

「リモコン一つで起動可能、親父の秘密道具その33!簡易気球!」

「あ、あれ…」

気球が膨らまない。

「どうしたのさ、シェイク!早く早く!」

「急かすなって、えっと、えっと…」

すると、後ろから声が聞こえた。

「気球なら俺が始末しといたぜ…?」

ガクだった。

「さぁ、逃げ場を失った怪盗シェイクスピアはどうするのかな…?」

「スピア…、こうなったら堂々と出口から出るぞ!」

「わかった!」

俺たちはダッと扉目掛けて駆け出し、ガクに蹴りを食らわそうとした。

すると、ガクはひらりと避け、反対に俺の左腕に蹴りを食らわした。

ボキィ!

「がはっ…!」

「もしかして折れちゃったかな…?俺、空手習ってたから…」

(い、痛ぇ!絶対折れた…っ!)

「さ、ブラックパールは置いてくんだ…」

「ちっ!」

俺はブラックパールをその場に転がし、ガクにこう言った。

「あんたはやっぱりこっち側の人間だよ…、医者なんてガラじゃねぇ…」

「ガラじゃなくても、仕事はしなきゃね」

ガクはハンカチを取り出し、ブラックパールを摘み上げた。

「また探偵やれよ!俺たちのライバルやれよ!」

「やれやれ…、勝手にライバル視されてもねぇ…」

「なんだよ、今だって俺たちを見破ったじゃねぇか!何で探偵辞めたんだよ!」

「大人の事情ってやつだ…、子供は知らなくていい」

「子供扱いすんなよ!」

「やれやれ…」

「早く!逃げるよ、シェイク!」

守はもう既に50メートルくらい先に居た。

「さ、子供の遊ぶ時間は終わりだ、さっさと帰りな」

「絶対…」

「ん?」

「絶対こっち側に戻らせる…。戻らせてやる!」

そう言って、俺は逃亡した。

「やれやれ…、しつこいねぇ…。でもま、楽しかったっちゃ楽しかったな…」

そして、ガクは展示会場へ向かった。

「そのブラックパール偽者ですよ、本物はここに…」

ガクはハンカチからブラックパールを取り出した。

が、ブラックパールの色が剥がれて、普通の真珠になっていた。

「やれやれ…、俺もまだまだだな…」

 

***

 

「逃げろ!逃げろ!」

俺たちは船着場から走って逃げた。

「ブラックパール残念だったね…」

「何言ってる、ブラックパールならここにあるぜ…」

動く方の手で、ブラックパールを摘み上げる。

「うわっ!偽者二つも用意してたの!?

「あぁ…、ガクが来てもいいようにな…」

「すっごい、やったね!お兄ちゃん!」

「…それより、さっきから片腕が上がんねぇんだけど、ちょっと見てくれねぇ?」

袖を捲り上げる。

「げ…」

「なんだ?どうした?」

「あ、あはは、なんか、異様な腫れ方してるんだけど…」

「異様な腫れ方?」

俺はそっと触ってみた。

「痛ってぇええええ!!」

「こ、これ絶対ポッキリいってるよ、早く、病院行かなきゃ!」

そして、俺は病院へ担ぎ込まれた。

「それじゃ、ギプス作るからちょっと待ってて」

医者がそう言うと、診察室から出て行った。

「ちくしょう…、ここガクの病院じゃねぇか…」

「だ、だって一番近かったから…」

「それじゃ、取り合えず、このブラックパールだけ持って帰れ」

「う、うん。分かった」

そして、守が帰っていった。

しばらくすると、診察室のドアが開いた。

「失礼します」

「キャ!駿河先生!もう帰ったんじゃないんですか?」

ナースがびっくりした声を上げていた。

「ん?いやいや、ちょっと顔見知りが骨折したかもってね」

「あん?なんだ?誰だ?」

「やぁ、やっぱり骨折しちゃってたか…」

「ガ、