ヴェイグが先頭に立ち、アニー一家のアジトへ向かう。
「…あそこだ、あそこがアニー一家のアジトだ」
「…よし、奇襲をかけるぞ」
「…まて、様子がおかしい…静か過ぎる…」
「構いやしねぇ、突撃だ!」
賞金稼ぎ達がワーっとアジトに向かって走り出す。
「あっ!バカッ!」
ヒュンという風を切るような音と共に、賞金稼ぎ達が倒れた。
「甘いよっ!ハンター共!」
アジトの影からアニーが姿を現す。
「ちっ!だから言ったのに!」
「まぁ、そう興奮するなヴェイグ。まだ、俺たちが居る」
「一気に2対9かよ…」
「出てきな!黒猫!さっきの借りを返してやるよ!」
「俺が囮になる、その隙にザコを頼んだぞ、ガラルド」
「分かった、マオは隠れていろ」
「ハ、ハイ!」
がさがさ
「来たね、黒猫…」
「オナニーは済んだかい?」
「くっ!アタシは殺しはしない主義だけど、アンタだけは殺す!」
アニーが走り寄って来る。
俺はガリッとストレイドッグを噛み砕いた。
「…バージョンワン、黒猫…」
ガキィ!
ナイフと短剣がぶつかり合う。
ギリギリッ!
「…ちっ!瞬歩!」
ヒュンと間合いを取る。
「逃がさんっ!」
ガキィ!
「なっ…!瞬歩に追いつくだと!?」
「どうやらスピードは互角のようだね…、だが持久戦になったらどうする?ドラッグが切れたらその動きも鈍くなるんじゃないかい?」
なんてこった、バレバレだ。
ギィン!
ガキィ!
一方、ガラルドは…。
「女相手に手をあげたくは無いが、仕方あるまい」
がさがさ
「ふんっ!」
茂みから出ると同時に二人が襲ってきたので、ボディに一撃を食らわせる。
二人同時に気絶させた。
「どうしたァ!その程度かァ!」
すると、木の上からナイフが降りかかる。
ガラルドはそれを素早く避け、落ちていた木の棒でナイフを弾き飛ばす。
「うりゃ!」
木の棒を首目掛けて振り下ろす。
ドンッ!
「三人目」
すると、後ろから二人がガラルド目掛けて走ってくる。
「ム!」
それを裏拳で蹴散らす。
「五人目」
すると、三方向から同時に襲い掛かってくる。
「くっ!三人か!」
「えい」
どちゃ!
一人が転んだ。
マオが草陰からピースサインをしていた。
「ナイス、マオ!」
そして、二人の首を掴み、頭同士をぶつけ、気絶させる。
「残りはお前だけだ!」
転んでいた、盗賊を手刀で気絶させた。
「よし、後は頭だけだな!」
ギリギリッ!
「スピードは互角でも、力で勝つ!」
ガキィン!
ヴェイグのナイフがアニーの短剣をはじく。
「おっと、それじゃ、こっちも本気を出すよ?」
アニーの短剣が緑色に光る。
「あれは…、風の魔法!ヴェイグ!あまり近づくな!」
「え?うわっと!」
ビュンと剣が真空波を飛ばしてきた。
ヴェイグはそれを間一髪で避けた。
「大丈夫か!ヴェイグ!」
「くそっ!バージョンさえ上げれれば…!」
「バージョン?それはどの程度時間がかかるのだ!?」
「一瞬だ!だが、一瞬の、暇さえ、与えちゃ、くれねぇ!」
次々と飛んでくる真空波を避けるので精一杯のヴェイグが答える。
「俺に任せろ!」
ガラルドがそう言うと、アニーに飛び掛った。
「アタシと黒猫の勝負を邪魔するな…」
ヒュンと真空波がガラルド目掛けて飛んでくる。
「こんなもの!」
ジャンプで避ける。
「甘いよっ!」
だが、落下地点目掛けて、真空波は飛んできていた。
ザシュ!
「ぐはぁ!」
「ガラルド兄ちゃん!」
茂みに隠れていたマオがガラルドに近寄る。
「ふんっ…」
ヒュンとマオ目掛けて真空波が飛ぶ。
「マオ危ない!」
ドンッとマオを突き放した。
真空波は茂みを切り裂いて飛んでいった。
「テメェ…、よくも俺の仲間を…!」
ヴェイグはガリッとストレイドッグをもう一錠飲んだ。
「…バージョンツー、黒豹…」
「おっと、アタシの相手は黒猫だったわ」
「もう、黒猫じゃねぇんだよ…」
「速いっ!」
ガキィ!
「なっ!爪が…」
ヴェイグの爪は刃の様に鋭く光り、アニーの剣をガードしていた。
「俺のオリジナル技だ…、今度のは武闘派だぜ?」
ガガガガガッ!
強烈な爪での攻撃を仕掛ける。
が、アニーの剣に全部防がれた。
「アハハハハ!所詮今までと変わらないね!アンタのドラッグがいつ切れるかの問題は解決してないよ!」
「そうかい?」
足をバネのようにして、高くジャンプし、アニーの後ろを取る。
「衝打…」
そっと背中を触り、そのまま、背中に衝撃を食らわす。
バァン!
「がはぁっ!」
「そろそろ観念しろ、じゃないと、お前、死ぬぞ?」
「くふっ…、ふふ、アハハハハ!」
「何を笑って…っ!」
「コイツがどうなってもいいのかい!?」
ガラルドに吹っ飛ばされて倒れた状態のマオを人質に取った。
「この剣を刺せば首筋から血が綺麗な噴水の様に噴出すよ?」
「ちっ、こいつだけは使いたくなかったんだが…」
ブラックキャットを取り出す。
「アハハハハ!無駄無駄!さっさと降参しちまいな!」
ガリッ!
「バージョンスリー…、黒風…」
ヴェイグがフッっとその場から霧のように消えた。
「なっ!どこだい!出て来い!」
「…ここだよ」
気付くとアニーは短剣を持っている手をヴェイグに掴まれていた。
「いつの間にっ!離せっ!」
「…このワザはバージョンワンのスピード、バージョンツーのパワー、それにバージョンスリーの風の力が備わる…」
ヴェイグが静かに言葉を発する。
「ひ、ふふふははは!」
アニーは腰に差していたナイフを掴まれている反対の手で取り出し、マオ目掛けて振り下ろした。
「…外道は所詮外道…、吹っ飛べ…衝打…」
ドォン!
ナイフが振り下ろされるより速く、ヴェイグはアニーを吹っ飛ばしていた。
「…風は時に静かに、風は時に速く、風は時に力強く…、お前の負けだ、アニー…」
アニーは数メートル吹っ飛ばされて、気絶していた。
「…大丈夫か、マオ」
驚かさないように静かに言う。
「…マシタ…」
「…何だって?」
「感動しまシタ!」
「…は?」
「ヴェイグさんとてもカッコ良かったデス!ワタシもハンターなりマス!」
「…何を言っている、そんな事いうとガラルド兄ちゃんに怒られるぞ?」
ガラルドの方を見ると、ガラルドは足を負傷して、座り込んでいた。
「…大丈夫か…?手を貸す…」
「…女に…」
「…何だ?」
「女に負けるとは自分が情けない!」
ガラルドがすっくと立ち上がる。
「…おい、足の怪我…」
「俺はまだまだ修行が足りん!これから修行の旅に出る!後は任せたぞ、ヴェイグ!」
任せる?
任される?
何を?
あぁ…、こいつか…。
辺りは既に夜の闇に覆われていた。
***
そして、俺は賞金首のアニーとその仲間全部を担いで、ジャンオアの賞金首管理所へ持っていった。
「おぉ、コイツは凄い…、それじゃ、報酬の1000万ゼルだよ」
「ドン、と机に金貨が入った袋が置かれる。
「…ありがたく頂く…」
「…それじゃ、俺たちの家へ行こう」
「へ?家って?」
「…空き家が一つ出来ただろ?」
「あ!あのアジトに住むんデスね!?」
「…あぁ、あそこなら外部から発見されにくい、いい物件だ」
そして、アジトへ向かう。
「これから二人で暮らすんデスか?」
「…あぁ、お前が一人前になるまでな…」
「一人前って…、もしかしてハンターになる事許してくれるデスか!?」
「…なりたいんだろ?」
「ハイ!」
「…自分に嘘は付けねぇもんな…。さぁ、着いたぞ」
「わー、ワタシ達の家デスー!」
「…あんまりはしゃぐな、転ぶぞ?」
べしっ!
案の定転んだ。
「うぅ…ハンターたるものこの程度で泣きまセン!」
「…ハンター“見習い”だ!(デコピン)」
「痛いデスー!」
そんなやりとりをしながら家に入った。
入ったとたん、意識が薄れていく。
「…ちっ、もう時間か…」
ヴェイグはバタンッと、その場に倒れこんでしまった。
「ヴェイグさん!?大丈夫デスか!?」
顔を覗き込む。
「く、苦しそうデス!熱は…?熱いデスー!お医者さん呼ばなきゃ!」
そして、マオが医者を呼んできて、看病する事三日目。
「うぅ…ん」
「ぐぅ…」
「…はっ、ここは!?」
ヴェイグが目を覚ましたところは盗賊のアジトだった。
「…そうか、あれから倒れて…」
マオがベッドの横で眠っているので、起こさないように静かにベッドを出る。
「むにゃ、う~ん…、はぅ!寝てしまいました!ヴェイグさんの看病しなければ!」
マオがベッドを見るとヴェイグの姿が無かった。
「きゃあ~!また風の力ですかぁー!」
「…起きたのか?随分騒がしいな…」
「ヴェ、ヴェイグさん!目を覚ましたんですね!あれから三日も目を覚まさなくって心配して…」
「…あー、分かった分かった、バージョンスリーは自然の力を借りるから体がそれに付いて行かないんだ。俺はそれを無理やりやってるから倒れたんだ。それより朝飯だ…」
「ハイッ!」
***
七年後-In seven years-
マオ、18歳。
「バージョンワン、野良犬!」
スピードを上げて、賞金首に追いつく。
「ひぃ!」
「いいぞ、マオ!その調子でバージョンツーも行っちまえ!」
俺はマオとスピードを合わせながら、走る。
「バージョンツー、狼!」
ここまで来ると、俺の瞬歩も追いつかない。
まったく、マオの潜在能力の高さには驚かされる。
「ぎゃぁ~!」
お、捕まえたようだ。
「よし、上出来だ、こいつはAランクの首だったな」
「はい!殺人を犯しました!」
「よっし、それじゃ、マオ!免許皆伝!お前に教える事はもう無い!」
「ちょ、ちょっと待って下さいよヴェイグさん、まだバージョンスリーの仕方教わってないですよ!?」
「…んあ?ドラッグ無しで瞬歩や衝打使えるんだからそのうち使えるようになるって」
「あー、居たーヴェイグー♪」
「げ、アニー…」
「あはは…アニーさんも執念深いですね」
マオが苦笑いする。
アニーは高額賞金首だったが、一人も人を殺してないし、十分反省の色が見られるという事で、6年で釈放された。
「アタシを始めて倒した男ヴェイグー!アタシの愛を受け取ってー!」
アニーが物凄い速さで走ってくる。
「マオ、さっきの免許皆伝とりけし、アニーをどうにかしたら免許皆伝!」
ダッ!
と、ヴェイグが逃げ出す。
ガッ!
っとマオがアニーに足をかける。
「危ないっ!」
クルクルッと回って着地するアニー。
「何よ!アタシとヴェイグの愛の追いかけっこを止めないで!…ハッ!まさかアンタもヴェイグを…!」
「はいはい、アニーさんにはもっと素敵な男性が居ますよ」
「嫌ー!ヴェイグがいいのー!」
「もう、衝打使いますよ?」
「ごめんなさい、もうしません。…でもヴェイグが好きなのー!」
ダッと走ろうとするアニーの背中に衝打を打ち込む。
「ヴェ、ヴェイグぅ…」
がっくりと倒れこんだところをマオが抱きとめる。
「ヴェイグさん!何とかしましたよ?」
「よし、どっかに捨てて来い!」
木の陰から指示をするヴェイグ。
「そんな…、そこまで邪険にしなくても…どうせ一緒に暮らしてるんですから…」
またも苦笑いのマオ。
そう、俺たちの家は元々アニーの持ち物だったから、刑務所から出て、自分の家に戻ったら、ヴェイグとアニーが居た。
という事で、行くところがないアニーをヴェイグの『自分の家なんだからいいんじゃね?』の一言で同居する事になる。
だが、アニーがヴェイグにベタ惚れしてることは予想してなかったのだろう。
毎日アニーに追い掛け回されている。
私の修行中もそれが行われるので、ヴェイグさんはこんな事を言うのだろう。
「では、家に戻して来ますからねー!」
「そのまま崖かどっかから放り投げろ!」
「もう、何言ってるんですか?こんなに好きになってくれてるんだからいい加減付き合ってあげたらいいじゃないですか。アニーさん美人なんだし…」
「バカ、お前軽率な事言うな、元盗賊の頭だぞ?浮気したとき俺死ぬかもしんないじゃん!」
「う、浮気するの前提なんですね…」
「まぁ、アニーの話は置いといて、マオ!お前は旅に出ろ!」
「え?旅ですか?」
「あぁ、こんな狭い世界で一番になっても意味が無ぇ!どうせ目指すならでっかい世界で一番になれ!」
「そうですね、もしかしたらガラルド兄さんとも会えるかもしれないですし…。でも、心配だなぁ…」
「何がだよ?」
「だって、アニーさんと二人っきりになるんですよ?いいんですか?」
「アッー!」
そして、私は旅立つ事にした。
もっと広い世界を見る為に。
そして、ヴェイグさんやガラルド兄さんに負けないハンターになる為に!
The end,,,?
***
今日のあとがき。
ハイ!『ブラックキャット&ストレイドッグ』完結です!
次回からマオの旅する話書きます!
何かそんな流れなんで!
評判?
知るかァ!
この設定で骨までむしゃぶりついてやる!
そんじゃ、次回予告行くぜ!
次回予告
ジャンオアから旅立つ事を決意したマオ。
まずはジャンオアから出ている船に乗って、スールズという漁村へ…。
だが、スールズの村では魚が取れなくなるという異変が起きていた。
マオはこの異変を解決する事が出来るのか?
次回ハンターズマオ「出発の日」
お楽しみに☆
みんなもドラッグ…はもう出てこないんだって。
Q&Aのコーナー。
Q:ハンターズマオって続編?
A:続編です。
Q:ケータイ版はどうするの?
A:一応違う名前を検討中です。
ハンターズマオも乗せれるような名前…何がいいかな?
ついでに募集。
Q:結局ヴェイグって何歳?
A:割と若いです。18歳くらい、プラス7年です。
Q:じゃあアニーは?
A:ヴェイグよりちょっと年上です。20歳くらい、プラス7年。
Q:短編じゃないんですか?
A:中編くらいですかね?多分…。
今日の一言。
ハヤテを見逃しました orz
いつもの電王→グレンラガン→鬼太郎→ワンピース→ハヤテの流れじゃないから見逃してしまった…。
27時間テレビを怨む…。
それよか録画してあったヴィジュアルショックでメガマソ特集してましたね。
りょぺこさんグレンラガンのヨーコさんのコスプレするんですか…。
ちょwwwって感じです。
確かにりょぺこさん男なのに可愛いですけど。
涼平という男らしい名前なのに女顔。
しかも、その発言した後のメンバーのリアクション。
インザーギさん「天元?何?グレン?」
りょぺこさん「天元突破グレンラガンです!」
インザーギさん「あぁ…、そう…」
多分分かってないな…。
インザーギさん「どんな格好なの?」
りょぺこさん「凄いセクシーな格好なんですよ!」
メンバー苦笑い。
という訳で、メガマソの「星降町にて」はいい曲ですよ。
なんで宣伝しとんねん。
という訳で、『ブラックキャット&ストレイドッグ』終わり。
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