『シープ・ザ・チープ』第三話。
アジトの隅っこに積み上げられた食料を見て、シドはてきぱきと行動した。
鍋に肉や野菜を入れたスープを作った。
幸いここには食料が豊富だった。
「ふぅ、これでいいかな」
あとは団員達が帰ってくるのを待つだけだった。
数時間後、ベルゼ達が帰ってきた。
「よう、飯出来てるか?」
「うん、あった?宝剣」
「おう、あったあった。村長があっさりくれたぜ?」
と、ベルゼが誇らしげに言う。
「まぁ、ベルゼの名前出せば大抵あっさりお宝は手に入るんだけどね」
と、リクが言う。
「ベルゼってそんな有名人だったんだ」
「そーだぜ?知らなかったのか?」
「シド、こういうのは悪名高いって言うんだよ」
メリーがツッコんだ。
「…このスープはシドが作ったのか?」
ロイが鍋を指差して言った。
「う、うん。口に合うかどうか分かんないけど…。あ、今温め直すね」
「ふむ…、冷めきってるな。ロイ、頼む」
ベルゼがそう言うと、おもむろにロイが鍋を持った。
「ふんっ!!」
ロイが力むと鍋がグツグツと温まった。
「さ、食おうぜ」
ベルゼが食器を取り出した。
「もしかして今のもオーラ?」
「ん、まぁそうだな。何だっけ、バーニング何とかだよな、ロイ」
「…バーニングデストロイは俺のパンチだ。これはそれを応用しただけ」
「あー、そうそう。こいつのパンチすげーんだぜ?鉄とか平気で溶かすんだもん」
「へー、凄いね」
「…そんな事ない。オーラならベルゼのオーラの方が凄い」
「まぁまぁ!そんなに褒めるなよ!まぁ確かに?俺の?オーラ?凄いけどさぁ~」
ベルゼがニヤニヤしながら自慢してた。
「気持ち悪いからその顔やめなよ。それよりシド、スープよそってよ」
メリーがシドに皿を差し出した。
「あ、うん」
「おう!酒もかっぱらってきたからよ、シドも飲もうぜ」
「あは、俺下戸なんで」
「じゃあシド以外、皆で飲むぞ!メイス抜きで…」
「えー、何でよー。アタシにも飲ませてよー。それいいお酒なんでしょ?」
メイスが反論する。
「お前は悪酔いするからダメだ!」
「ちぇ~」
そうして団員全員がどんちゃん騒ぎであっという間に夜が更けた。
そして皆が眠りについたところを見計らい、シドはゆっくり体を起こした。
「………」
そうしてシドはゆっくり出口に向かって慎重に慎重に歩いた。
そうしてドアの取ってを握った。
「…どこへ行く?」
静かな声だったが、皆寝てると思っていたので、心臓が跳ね上がりそうになった。
「今更村に帰ってもキミの居場所は無いよ」
リクだった。
「でも…」
「今は俺達に付いてた方が安全だ、子供一人で何が出来る?せいぜい生活費も稼げないで盗みをして捕まるのがオチだ」
「………」
「だから俺達を信用しろ、何せリーダーがお前のこと気に入っちゃったみたいだしな」
「…でも、俺オーラとか無いし盗みも出来ないよ」
「…料理」
「え?」
「お前には料理の才能があるだろ?それを活かせばいい。食料は俺達が奪ってくる。それでいいだろ?」
「………」
シドは黙ってリクの言葉に耳を傾けるしかなかった。
「とにかく今日はもう遅い。寝よう、明日になったらここを出る」
そういってリクは寝転がった。
シドも素直にその言葉に従った。
こうして一日が過ぎて行った。
『シーフ・ザ・チープ』第三話 完
***
今日のあとがき。
今回はロイの能力の説明がありましたね。
一応ロイは格闘家なんです。
近距離で戦えば団員一強いと思います。
でもベルゼのオーラの方が強いみたいです。
さて、次回は誰のオーラを説明しようかな。
それでは今日はこの辺で。
でわでわ~。

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